幸福 幸福と健康

幸福

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/18 02:45 UTC 版)

幸福と健康

ハーバード大学医学部によると、不幸と強く関連している健康状態の悪さを考慮に入れたとき、不幸だけでは寿命が短くなるわけではない[21]

しかし、実際には健康状態の悪さと不幸は密接に関係しているため、幸せな人は一般的に健康である。研究によると、平均して、人々の一般的な幸福レベルの50%は遺伝によって決定される。しかし逆にいうと、40%は人の管理下にあり、残りの10%は状況によって異なるということになる。ハーバード大学医学部によると幸福を改善する方法は[22]

  1. 幸せな人と一緒にいること。
  2. 緑を見ること。
  3. 感謝すること。
  4. 友人や家族との親密な関係を築くこと。
  5. 定期的に親切な行為を行うこと。
  6. ボランティア活動をすること。
  7. 若い頃の趣味を再開すること。
  8. 家事の委任などの時間節約にお金を使うこと。
  9. 幸せな思い出にお金を使うこと。
  10. いつもと違う帰り道を辿るだけでいいから、新しいことを経験すること。
  11. 選択肢を少なくすること。

幸福と仕事

職場の幸福は、個々の従業員と組織全体のパフォーマンスを向上させ、イノベーション、生産性、エンゲージメント、保持、および仕事の質を向上させる[23]。つまり、幸せな人はより積極的で生産的であり、より質の高い仕事をする[24]。その上、仕事で幸せな人はより早く昇進し、失業する可能性が低くなる[25]。言い換えれば、従業員の幸福を促進する職場では、生産性と革新、顧客ロイヤルティの向上、離職率の低下などの収益のメリットがある[26]

幸福と法律

なお、法律でも幸福は扱われている。基本的人権には幸福追求権が含まれており、法律上誰でも等しく幸福になる権利を有していると考えられている。この幸福追求権は、他人の基本的人権を侵害しない限りに於いて、国家権力によって制約される事は無い。

幸福の数値化と国際比較

世界幸福度ランキング

国際連合は、1人当たり国内総生産(GDP)や健康寿命、他者への寛容度などから「世界幸福度ランキング」を作成・公表している。2019年は156カ国・地域が対象で、トップ5はフィンランドデンマークノルウェーアイスランドオランダ社会保障が充実した北欧諸国が上位に目立つ(スウェーデンも第7位である)。日本は第58位であった[27]

国民総幸福量(GNH)

国民総幸福量(GNH、Gross National Happiness)とは元々、ブータンの民主化を進めた元国王が掲げた、国民の幸福を政治の目的とし、政策判断に現実に活かすために、幸福の量を具体的な数値・指標として定めたものである。背景には、先進諸国で採用されたGDPなどの経済指標が、人々の幸福に役立つどころか、むしろ反対に人々を不幸にしたり苦しめるような政策へと各政府を駆り立ててしまっている、という考えがある。

国民総幸福量という考え方は世界各国で反響を生んでおり、近年では日本でも、政策の評価は全国民の幸福感を統計的に計測した指標を参考にしたりすべきだ、といった内容の話は主要政党内や政府内などでも出るようになっている。

幸福の測定

日立製作所は、人が幸福を感じる度合いを測定する技術を開発。それを応用して企業従業員の幸福度をスマートフォンアプリで計測し、「前向きな言葉で会話する」「休憩時間にストレッチする」など従業員の満足度を高める方法を提案する事業を展開する新会社ハピネスプラネットを2020年に設立した [28]


  1. ^ 広辞苑』第五版 p.916
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 『哲学 キーワード事典』新書館、2004年、pp.240-241頁。 
  3. ^ ただしこれら古代哲学における禁欲主義、快楽主義という語は現代の通俗的用法とは必ずしも合致しないことは注意すべきである。
  4. ^ 【饒、にょう】=ゆたかに
  5. ^ 石原慎太郎『法華経を生きる』幻冬舎文庫、2000年、ISBN 4344400011
  6. ^ 熊田健二「宮澤賢治とその宗教的世界:法華経的世界とイーハトーヴ」『アルテスリベラレス』第55巻、岩手大学人文社会科学部、1994年12月、 1-20頁、 doi:10.15113/00013476ISSN 03854183NAID 110000095168
  7. ^ この項「経済と倫理:アダム・スミスに学ぶ」堂目卓生[1]による引用文集から作成。
  8. ^ アダム・スミス『道徳感情論(上)』P.432
  9. ^ a b アダム・スミス『道徳感情論(上)』P.116
  10. ^ アダム・スミス『道徳感情論(上)』P.130
  11. ^ アダム・スミス『道徳感情論(上)』P.23
  12. ^ アダム・スミス『国富論』P.142
  13. ^ a b c d e 清水書院『最新版 倫理用語集』p.205 思索の広場 幸福あれこれ―先哲のことば
  14. ^ 出典:『こころと体の対話 精神免疫学の世界』神庭重信 ISBN 4-16-660041-9 p.86~「なにが幸福感を決めるのか」※著者は慶應義塾大学医学部および米国・メイヨクリニック出身、現 山梨医科大学教授。
  15. ^ a b c 『こころと体の対話 精神免疫学の世界』p.86
  16. ^ 1980~1990年にシカゴ大学によって行われた調査(『こころと体の対話 精神免疫学の世界』p.87)
  17. ^ 『こころと体の対話 精神免疫学の世界』p.91
  18. ^ (『こころと体の対話 精神免疫学の世界』p.90)
  19. ^ 『こころと体の対話 精神免疫学の世界』p.88
  20. ^ a b c 『幸せを科学する』新曜社、2009年
  21. ^ Publishing, Harvard Health. “Happiness may not extend life”. Harvard Health. 2021年1月7日閲覧。
  22. ^ Solan, Matthew (2021年11月1日). “Health and happiness go hand in hand” (英語). Harvard Health. 2021年11月20日閲覧。
  23. ^ The Foundations of Happiness at Work” (英語). edX. 2021年1月7日閲覧。
  24. ^ Lyubomirsky, Sonja; King, Laura; Diener, Ed (2005). “The Benefits of Frequent Positive Affect: Does Happiness Lead to Success?”. Psychological Bulletin 131 (6): 803–855. doi:10.1037/0033-2909.131.6.803. ISSN 1939-1455. https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037/0033-2909.131.6.803. 
  25. ^ Boehm, Julia K.; Lyubomirsky, Sonja (2008-02-01). “Does Happiness Promote Career Success?” (英語). Journal of Career Assessment 16 (1): 101–116. doi:10.1177/1069072707308140. ISSN 1069-0727. https://doi.org/10.1177/1069072707308140. 
  26. ^ The Science of Happiness at Work Professional Certificate” (英語). edX. 2021年1月7日閲覧。
  27. ^ 日経ヴェリタス』2019年4月21日50面「Econo Graphics」
  28. ^ 日立、幸福度を測るアプリ提供で新会社日本経済新聞 ニュースサイト(2020年6月29日)2020年9月23日閲覧


「幸福」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



幸福のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの幸福 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2022 GRAS Group, Inc.RSS