尾谷高校
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「それでも町は廻っている」の記事における「尾谷高校」の解説
嵐山 歩鳥(あらしやま ほとり) 声 - 小見川千明 / 藤田茜 5月10日生まれ。血液型はO型。身長154センチメートル。視力2.0。 本編の主人公。尾谷高校に通う下町生まれの女子高生。喫茶店シーサイドでメイドのアルバイトをしている。あり余る行動力を持ったポジティブ少女であり、その言動が周りを巻き込んでのトラブルや騒動に繋がることが多い。元気で明るい性格で人当たりもよいので人を引き付け、幼少のころから商店街の住人からもかわいがられている。 かなりの天然ボケであり、妙な言動から周囲にはアホだと思われている。成績は数学だけ極端に悪く補習の常連であるが、他の教科は決して悪くない。 快活な性格ではあるが決して運動が得意なわけではなく、むしろ運動音痴の部類。運動音痴であることに対して、本人は夢である探偵に準えて「私は推理する人であって犯人を追いかける人ではない」と述べている。 料理も不得手で、独創的な思い付きで調理法を決めるため酷い味であることが多い。幼馴染の広章からはカラオケも「中の下」と言われている。このように基本的には不器用だがアコーディオンが少し弾ける。 古道具屋の亀井堂静の影響で推理小説を読むことが好きで、推理小説家の島辺博人や門石梅和(静のペンネーム)のファン。将来の夢は女子高生探偵であり、街の事件に首を突っ込み、普段はトンチンカンだが時折非常に鋭い推理力を見せることがある。また、おつかいの内容も忘れるほど忘れっぽいが、実際の役には立たない所で非常に優秀な記憶力を発揮することがある。 高校時代、賞金目当てで自ら推理小説を書いたこともあるが、第一次選考で落とされている。しかし、ミュージカル同好会から脚本の依頼が来たり、学園祭のクラスの出し物である劇の台本を担当するなど、周囲からはそれなりに文才は認められていた。20歳のときに推理小説大賞に入選し、出版社の記念パーティーにおいて、静に対して、彼女が門石梅和であることを以前から知っており、彼女を目標に文学に精進してきたことを告げた。 表紙に「事件簿」と書かれたネタ帳を常に所持し、日々の出来事や覚え書き・アイデアなどを気の向くままに記入している。 広章から想いを寄せられているが本人は全く気付いていない。物語当初は担任の森秋が気になっていたが、本人いわく惚れかけただけとのこと。 私服は、Tシャツ(冬はパーカー)とズボン、散髪は商店街の理髪店で行うなどおしゃれに興味がなく女の子らしい面はあまりない。 辰野 俊子(たつの としこ)※作中での表記は「辰野 トシ子」 9月10日生まれ。血液型はB型。身長164センチメートル。左利き。 歩鳥の同級生で一緒に喫茶店シーサイドでメイドのアルバイトをしている。シーサイド内で唯一、メイドカフェの知識を持っている。 歩鳥の幼馴染である広章のことが好きで、当初は働く気がなかったが、彼がシーサイドの常連であると知ってアルバイトを始める。接近する機会は増えたものの未だに想いを伝えられずにいる。 学校では人当たりのよい優等生として振舞っているが、実は結構短気かつ薄情な性格であり、歩鳥や紺先輩、中学からの友人である針原などの前ではその地を出している。街中で頻繁にナンパされるほど美人で、スタイルもよい。 かなづちであり水泳は出来ないものの、多芸多才で、料理、ヴァイオリン演奏、卓球など、どれも人並み以上の腕前を持っている。しかし、本人曰く「器用貧乏で、いつも天才と努力家に追い越される」とのこと。 中学時代は卓球部所属で、双葉の後輩。視力が非常に悪く、眼鏡をかけているたまにコンタクトレンズを使用することもある。 商店街の慰安旅行などにも参加しているが商店街の住人から名前を正しく覚えてもらっておらず、毎回ウメ子ちゃん、タツ子ちゃんというように間違われる。 メイド喫茶に憧れていたり、少年漫画原作のミュージカルのチケットを取ったり、アニメ作品のオマケカードを収集したりとオタク寄りのミーハーな趣味を持つが、あまり公言はしていない。 歩鳥に「タッツン」というアダ名を付けられ、クラスでも男女を問わず浸透しているが、本人はあまり気に入っていない。中学生の弟がいる。冷え症であり季節の変わり目毎に風邪をひく。 真田 広章(さなだ ひろゆき) 2月16日生まれ。血液型はA型。身長172センチメートル。 歩鳥の幼馴染。歩鳥とは小学校から同じ学校に通っている。 魚屋のひとり息子で、休日などには店の手伝いをしている。母親とは幼いころに死別しているが物心がついていなかった時期なので、そういう意味では深い悲しみはなかったようである。歩鳥に対して恋心を抱いており、彼女がアルバイトをしている喫茶店シーサイドに足しげく通っている。歩鳥のことに対しての妄想がやや暴走気味で「脳内みんな」や「脳内隊長」などの脳内キャラクターが登場する。そのためか、彼の中での歩鳥のイメージは若干美化されている。 歩鳥お手製の「サバソバ」を食べて以来、そばが苦手になっている。 割とモテそうな外見の持ち主だがトシ子に好意を持たれていることに気付いていない上に、歩鳥と手をつなぐだけで真っ赤になるほど恋愛については奥手で鈍い。 紺 双葉(こん ふたば) 声 - 矢澤りえか / 大原桃子 9月8日生まれ。血液型はA型。身長153センチメートル。 尾谷高校で歩鳥のひとつ上の先輩、中学時代はトシ子や針原の卓球部の先輩だった。イギリス人のクォーター。金髪で目は青い。中学生時代の髪は黒である。中性的な顔立ちから、出会った時の歩鳥からは美少年と間違われた。 人見知りで感情が表情が出にくいことから友達は極端に少ない。普段は男勝りで気丈な性格に見えるが、実は結構気が弱く怖がり。両親曰く「甘えん坊」である。両親は気象庁の研究員でイギリスに住んでおり、現在はアパート「河井荘」で一人暮らしをしている。アパートでは「コバン」という名の猫(キムリック)を飼っている。 食が細く学校では偏った食生活を送っており、また極度の低血圧で寝起きが悪い。しかし、運動神経は抜群で、特に中学から続けている卓球の腕前はトシ子や針原以上であり、「デタラメな強さ」と言われるほど。 部活の後輩でもないのによく歩鳥に絡んで遊んでおり、アパートに鍵をかけていないので歩鳥が勝手に上がりこむことも頻繁にある。逆に人見知りな双葉が嵐山家を自発的に訪問することはほとんどないが、台風のために嵐山家に避難したり盆踊りに参加した際には、歩鳥の母親に世話を焼かれて嬉しそうにしていた。 音楽が好きで、歩鳥曰くお店が開けるほどのCDを持っている。音楽を聴く際、スピーカー以外にビーツ・エレクトロニクスのヘッドホンを使用している描写がある。また、フェンダー・プレシジョンベースを所有しており、アニメのエンディング時はミュージックマン・スティングレイを演奏している。他にも幽霊やUFOといったオカルトの類が好きな一面もありUFOの墜落騒ぎがあった際には一際テンションが上がっている様子を歩鳥に突っ込まれている。本人は霊感がないと言っているが、寝起きで朦朧としている時にはたいてい予知夢を見たり、くねくねのような怪異を目撃したりしている。 針原 春江(はりばら はるえ) 声 - 白石涼子 / 水原薫 8月7日生まれ。血液型はAB型。身長161センチメートル。 尾谷高生で歩鳥やトシ子の同学年の友達。紺と同じく中・高と卓球部に所属している。卓球の特訓と称して、双葉にドラムの練習をさせられたことがあり、曰く「特訓サギ」。卓球の腕前は確かなようで、中学時代には「死神」と恐れられ、トシ子には「努力家」と評されたこともある。また先述のドラムの腕前も非凡であり、特訓の後に軽音楽部の先輩からスカウトされている。 御世辞にも美人とは言えないが、明石家さんま似の顔と面倒見のいい性格から、部活の後輩から慕われることが多い。またタケルにもなつかれており、針原本人もタケルを欲しがったほど大好きである。ほとんど同じ顔の大学生の兄がいる。 森秋 夏彦(もりあき なつひこ) 11月29日生まれ。血液型はA型。身長176センチメートル。 尾谷高校の数学教師で、歩鳥やトシ子の担任。歩鳥からは「モリアーキー」というアダ名で呼ばれている。理論派で冗談が通じない堅物で、歩鳥の数学の成績の悪さと荒唐無稽な天然っぷり、屁理屈で胃を痛めており、さらに髪も抜け始めている。 森秋が小学生の時、割り算での質問に対する担任の回答に文字通り割り切れない思いを抱き、それがきっかけとなり数学教師となった。また、そのエピソードによって、その教師は人生における1人目の天敵となり、2人目が歩鳥である。 冷静なイメージとは裏腹に大の野球好きであり、阪神タイガースのファン。普段からは想像もつかないほどにエキサイトした時には関西弁が出ることもある。ただし、神奈川県鎌倉市の出身である。終盤に何度か実家が登場しており、豪邸で、裕福な育ちをうかがわせている。 浅井 孝介(あさい こうすけ) 声 - 徳本英一郎 歩鳥達のクラスメイトで真田とよくつるんでいる。あだ名はゴリ(体育のバスケの試合中に真田に咄嗟に付けられた)。 あだ名の通り体躯のいい大男で筋トレばかりしている。 あまりモテるようなタイプの人間ではないが、真田へ思いを伝えるための辰野の努力が結果的にこの浅井に転がることが多い。しかし、終盤で彼女ができて周囲から驚かれていた。 西 美波(にし みなみ) 声 - 戸松遥 尾谷高校の体育教師。歩鳥やトシ子らのクラスを受け持っている。 森秋に好意を寄せている。元々はそれとなくアプローチしていたが、森秋の自宅で教師仲間だけで飲み会をしようと提案しつつ実は誰も誘わず自分だけ押しかけるという大胆な作戦を仕掛けるなど、次第にアプローチが積極的になってきている。 溝口 奈美子(みぞぐち なみこ) 尾谷高校の音楽教師。 高校生のときは森秋の教え子で、彼に告白したが、「教師と教え子の恋愛は成立せず」と交際を断られた。このときのエピソードは現在でも尾谷高校で伝説として語り継がれている。 教師になった後は森秋をストーキングしており、遭遇することが多い森秋と歩鳥が交際していると勘違いした。歩鳥に匿名で脅迫状を出して二人を別れさせようとしたが、歩鳥の推理で脅迫状の差出人と突き止められた。歩鳥の説明に聞く耳を持たず一方的に逆上し、歩鳥と止めに入った真田に暴力をふるい、森秋の知るところとなった。森秋から「生徒を傷つけたら穏便に済みませんよ」と通告され、教師を辞めて帰郷した。 福沢 晶(ふくざわ あきら) 声 - 吉田聖子 歩鳥と同学年の女子学生。映画研究会所属。クラスが違うため、歩鳥とは顔見知り程度の仲だが、歩鳥によく相談事をもちこむ。南第三中学校時代は卓球部に所属しており、双葉・トシ子・針原の卓球の能力について歩鳥に解説したことがある。ボクシングを習っている川島実という恋人がいるが、川島が二股をかけているという噂が立っていた。しかし、その後、歩鳥の捜査で、偶然、近所に川島と外見がそっくりの男性が住んでいることが判明する。 鈴木 隆洋(すずき たかひろ) 声 - 松井謙典 真田の友人。歩鳥・真田と同学年。映画研究会所属。人見知りで他の部員と打ち解けることが出来なかった丹波に話しかけたことがきっかけで丹波と仲良くなる。新入生向けのクラブ説明会で上映する映画の主役として歩鳥に声をかけたため(もともと主役は福沢の予定だったが、福沢が川島と喧嘩して怪我をしてしまったため、急遽、歩鳥がキャスティングされた)、丹波にいらぬ誤解をされることとなる。その後、丹波と恋人同士となる。 丹波 凛(たんば りん) 歩鳥より1学年下の女子学生。映画研究会所属。おとなしい性格のため、部活で他の部員と打ち解けることが出来なかった時に鈴木に声をかけられ、特撮映画好きという同じ趣味を持っていたため仲良くなる。鈴木と新入生向けのクラブ説明会で上映する映画で使う怪獣の模型を一緒に作っていたが、歩鳥に鈴木を奪われたと誤解して、怒りのあまり模型を破壊してしまう。歩鳥の説明で誤解を解き、鈴木と付き合うようになった。夏に一緒に怪獣映画を見に行った時には「スーたん」「リンたん」と呼び合う仲になっており、歩鳥をあきれさせた。 室伏 涼(むろふし りょう) 尾谷高校の卒業生。歩鳥の2学年上。男性のような名前だが、女性。高校を卒業して浪人していた時に母校に遊びに行き、歩鳥と偶然出会う。歩鳥をモデルにした絵を描き、その絵は東京都現代絵画展で最優秀賞を受賞した。しかし、抽象画であったため、歩鳥はそれが自分をモデルにした絵とは気が付かなかった。さらに歩鳥は室伏を自分より1年下と勘違いしていた。愛用しているタバコはCROWNメンソール。公式ガイドブックによれば、キャラクターのベースとなったのは『恋愛ラボ』の榎本結子。 城嶋 悟(じょうしま さとる) 声 - 徳本英一郎 歩鳥・真田の1つ上の学年で、双葉のクラスメイト。真田と仲がよい。長髪で顔にピアスをしており眉も細く剃っているなど不良然とした強面の男だが、実はたまたま見つけた捨て犬のために、自宅がペット禁止のマンションのため知人の家を転々としながら里親探しをするなど底抜けの善人。文化祭や運動会の際に双葉の姿に見惚れたり、年賀状を送るなど双葉に好意を抱いている節がある。
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