drought
「drought」とは、干ばつのことを意味する表現である。
「drought」とは・「drought」の意味
「drought」とは、「乾燥していること」を基本的な意味として持つ英単語で、「日照り」「渇水」などと訳される言葉である。「水が不足して被害を及ぼす」という意味が転じて、「欠乏」「不足」と語義を広げることもあり、さらには「スランプ」という意味で用いられることもある。たとえば、子どもが生まれないことを「drought in births」という言い方で表現したり、心が乾ききっている状態を「drought in one's spirit」などという用い方である。スポーツ関係では優勝できない状態が長く続くことを「victory drought」といい、バスケットボールでよく用いられる表現にも、シュートが長い間決まっていない状態をさして「shooting drought」などと表現する。「drought」は、文法的には名詞としての用法に限られる。数えられる名詞として冠詞がつく可算名詞と、数えられない名詞で冠詞がつかない不可算名詞の両方に用いられる言葉で、「洪水に対する干ばつ」のように漠然と現象を表す場合は不可算数名詞となり、「(その年に起こった)長期にわたる渇水」などのように具体的な事象を示す際には可算名詞として用い、「a long-term drought」などの表現が可能となる。複数形は「droughts」である。
「drought」の発音・読み方
「drought」の発音記号は「dráut」となり、日本語読み風にカタカナ表記すると「ドラウト」である。発音の目安としては、「d」で舌先を上前歯の裏につけて「ドゥ」と息を破裂させ、「ráu」は舌先を巻いて「ル」のような発音をして曖昧に「ア」をいい、唇を丸く突き出して「ウ」と続け、「t」で舌先を上前歯の裏につけた状態で「トゥ」と息を破裂させる。これらを続けて「ドゥラァゥトゥ」と発音するイメージとなる。「drought」のコアイメージ・覚え方
「drought」のコアイメージは「乾いた」「干上がった」となり、「dry」に通じる。「drought」の覚え方としては、語呂合わせで「どら、ウトウト」などと記憶すると忘れにくい。「どら、ウトウトしているうち干上がらせようかい」などを例文として覚える。潮干狩りきた漁師が、暖かい陽気に誘われてウトウトと油断して身をさらしながら居眠りしている貝を見てつぶやいた言葉である。「drought」の語源・由来
「drought」の語源は、インドヨーロッパ祖語から分化し、英語をはじめドイツ語やオランダ語などのもとになったゲルマン祖語で、「堅くする」という意味の「dher-」である。時代が下るにしたがって、「乾燥した」の意味の「draugiz」と「こと」を示す「-ath」の組み合わせに変形し、現在の「drought」に帰着したものである。「drought」の類義語
「drought」の類義語には、「不足」「欠乏」を示す「lack」、「品薄」などの意味の「dearth」、「乾燥」「貧弱さ」を意味する「aridity」、「水不足」の「water shortage」、「乾季」「日照り続き」の「dry spell」などを挙げることができる。「drought」を含む英熟語・英語表現
「Drought-tolerant」とは
「Drought-tolerant」の「tolerant」とは、「耐性がある」という意味の形容詞である。したがって「Drought-tolerant」とは「干ばつに強い」という意味になる。植物などで、乾燥・干ばつ下にあっても有機性の資源を生産できる能力などをさす場合に用いる形容詞としても使用頻度が高いフレーズである。
「drought」の使い方・例文
「drought」の使い方・例文としては、「The drought led to an insufficiency of food.(干ばつは食糧不足を招いた)」、「Many peasants died during the drought.(その干ばつの間に大勢の農民が死んだ)」、「The spell of drought did severe damage to the harvest.(日でり続きが収穫にたいへんな損害を与えた)」、「If this drought lasts long, the crops will suffer severe damage.(もしこの日照りが長く続くと、農作物に大きな被害があることだろう)」、「Cities are also bracing for the drought.(都市も干ばつに備えている)」、「The rain brought relief to the drought-stricken area.(雨が、干ばつ地域に安堵をもたらした)」、「Even in weather and climate, an appropriate amount of sunny weather and rain means good harvest and fruitful rain, but too much of them can cause drought and floods.(自然の一部である天気や気候においても、適度な晴れや雨は実りや慈雨であるが、過ぎれば日照りや水害になる)」などを挙げることができる。Drought
旱魃

旱魃(かんばつ)とは、雨が降らないなどの原因である地域に起こる長期間の水不足の状態である。干ばつ、干魃とも書く。旱は「ひでり」、魃は「ひでりの神」の意味である。
概要
旱魃の被害を総じて干害(かんがい)と呼ぶ。旱害とも書き、これは干害の書き換え語でもある(従前から存在する同音同義語であり、新しい表記ではない)。
干害はその地域の水資源の存在量と人間の水需要がアンバランスになることによって発生するため、純粋な物理現象とはいえない。
定義と分類
旱魃の定義は関係する学問領域によってそれぞれ定義されており、以下のものが代表的である。
- 気象学的旱魃
- 乾燥気象が、深刻な水文(すいもん)のアンバランスを引き起こすほどある地域で続くこと。
- 気候学的旱魃
- 平均降水量などが年間・月間などの同期間内で、非常に少なくなっていること。
- 農業的旱魃
- 穀物生産や畜産に悪影響を及ぼすような降雨量の不足。
- 水文的旱魃
- 河川、貯水池、帯水層、湖、土壌における平均以下の水量が一定期間継続すること。
旱魃の影響
旱魃によってその地域の環境、経済、社会に様々な影響が発生する。一般的には次のような事象が起こる。
- 自然火災(山火事など)
- 農作物・狩猟・果物などの収穫減少
- 河川の水量の減少が漁業に悪影響を及ぼすこともある
- 害虫問題の増加[1]
- 貧困、生活苦による自殺[2]。
- 避難民、移住者の発生
- 社会不安
- 戦争
- 飢饉(飢餓)
- 疫病
- 砂漠化
これらの問題は、外部資源への依存率の増大や残された水資源の品質(汚染状態)など様々な要因が複雑に絡みあって発生する。その国のインフラの整備状況によって旱魃の影響(とくに飢餓)が甚大になることも、あるいは軽減されることもある。
大規模な旱魃
- ヨーロッパ、1540年。ヨーロッパ旱魃 (1540年)。死者51万人[3]。
- カーボベルデ、18世紀–19世紀。死者数10万人以上。被災者多数がニューイングランドなどに移住、捕鯨業に従事。
- インド、1900年。死者数25万人~325万人。旱魃による飢饉、病気。
- ソビエト連邦ウクライナ、ヴォルガ地域、1921・1922年。25~500万人が旱魃による飢饉により死亡。
- ソビエト連邦ウクライナ、クバン、北コーカサス、1932–1934年。ホロドモール。死者数:500万~1000万人。
- 中国北西部、1928–1930年。死者数300万人以上、飢餓。
- 中国四川省、1936年。500万人が死亡(飢餓)。3400万人が移住。
- アメリカ合衆国大平原地帯、1930–1937年。3回の旱魃。
- 中国四川省、1941年。死者数250万人。
- インド、1965–1967年。
- イラン、1968–1972年。
- サヘル(サハラ砂漠南縁地域)、1968–1974年。
- エチオピア、1973・1974年。
- ボリビア、1983年。
- エチオピア、1984・1985年。
- 日本、1994年渇水。
- オーストラリア、2001年–進行中。Drought in Australia。淡水化プロジェクト(Desalination Projects)(パース・ゴールドコースト)。多くの地域で節水規制が設けられている。ブリスベンではダムを建設する予定。
- 東アフリカ大旱魃 (2006年)
- 東アフリカ大旱魃 (2011年)
- ヨーロッパ、2022年。過去500年で最悪の干ばつとなり、同年8月の報告書において欧州の47%が土壌の水分不足が明らかな警告状態、17%は植生が影響を受ける警戒状態となった[4]。少なくとも1万5000人が死亡[5]。
- 中国長江周辺、2022年。同年7月以降、長江中下流域が1961年の観測開始以来最も強い熱波に襲われた[6]。一部地域の降雨量は半分以下になり、長江の水位が記録的に低くなった[7]。
- 日本北陸地方・東北地方日本海側、2023年8月。新潟県や山形県、秋田県の一部地域で旱魃による稲の枯死や、枝豆やブドウなどの園芸作物の品質低下、乳牛などの畜産物の各種被害が発生したほか、貯水率が0%となっている農業用ダムがあることが報告された[8][9]。
脚注
- ^ California's drought has been a dream come true — for pests The Verge 2015年5月1日
- ^ “インド西部の州、3か月で農民600人以上自殺 不作で経済的に困窮か”. AFP (2018年7月18日). 2018年7月18日閲覧。
- ^ Andreas Frey (2018年8月11日). “Europas vernichtende Jahrtausenddürre”. 2018年8月12日閲覧。
- ^ 「欧州、過去500年で最も深刻な干ばつに直面=報告書」『Reuters』2022年8月23日。2023年6月14日閲覧。
- ^ NHK. “記録破りの熱波・干ばつ・大洪水!“極端気象”にどう向き合う? - 記事”. 明日をまもるナビ - NHK. 2023年6月14日閲覧。
- ^ “長江中下流域の干ばつ、9月まで続く見通し(中国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース”. ジェトロ. 2023年6月14日閲覧。
- ^ 「中国、熱波で干ばつが深刻化 人工降雨で水不足解消狙う」『BBCニュース』。2023年6月14日閲覧。
- ^ 新潟日報. “新潟県渇水、農作物の被害拡大 稲の枯死、枝豆の品質低下”. 新潟日報デジタルプラス. 2023年9月1日閲覧。
- ^ 秋田魁新報社. “コメ、ブドウ、乳牛…県内猛暑、農家に暗雲 収量減少や品質低下の恐れも”. 秋田魁新報社電子版. 2023年9月1日閲覧。
関連項目
- 黄熱、腸チフス
- 灌漑
- 洪水
- 環境問題関連の記事一覧
- 救荒食物
- 水の危機
- 砂漠化および干ばつと闘う世界デー
- 干ばつ耐性
外部リンク
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- Worldwaterforum
- US drought monitor
- USAtoday´s resources:floods and droughts
- Managing drought
- NOAA drought information center
- Drought, a paleo perspective
- US National Drought Mitigation Center
- Droughtoutlook
- Drought and agriculture
- US DA
- Drought disaster center
- Florida Drought Center
- Drought preparedness
- Drought for kids
- Drought Act Initiative
- PBS The drought
- Cuba suffers through worst drought in history
- Drought leaves Europe's farmers helpless
- The CA drought of 2002
- Natural Hazards Causes and Effects Drought
- Droughtのページへのリンク