セリ 毒草との間違い

セリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 09:43 UTC 版)

毒草との間違い

野外で採取する場合、小川のそばや水田周辺の水路沿いなどで見られるが、大型で姿かたちがよく似て有毒なドクゼリとの区別に配慮が必要である[10][28]。特に春先の若芽はセリと間違いやすく[29]、ドクゼリのほうは地下茎は緑色で太くタケノコ状の節があり、横に這わず、セリ独特の芳香もないのに対し、セリは白いひげ根があるで区別できる[15]。また、キツネノボタンも同じような場所に生育する毒草である。ドクニンジンは、ニンジンにも似たヨーロッパ原産のセリ科有毒植物で、日本には関東地方から中国地方の範囲に帰化しており、草原に生えている[10]。個々の小葉だけを取ると似ているので間違えるおそれがある。

文化

日本では古くから食用にされており、平安時代には宮中行事にも用いられていた。

セリは春の七草の一つに数えられ、奈良時代に成立されたとされる『万葉集』にもセリ(芹子/世理)摘みの歌がいくつか知られている[11][30]。また『万葉集』巻一〇には「君のため山田の沢にえぐつむと 雪消の水に裳(も)の裾ぬれぬ」と詠まれた歌があり、ここで詠まれた「えぐ」はクログワイカヤツリグサ科)とする説もあるが、植物研究者の細見末雄や深津正はこれを否定し、セリ説を唱えている[31]。平安時代の『後拾遺和歌集』中に曽禰好忠が「根芹つむ春の沢田におり立ちて 衣のすそのぬれぬ日ぞなき」と詠んだ歌があり、細見は前述の『万葉集』の歌を本歌とした取歌であると解説している[32]

伝統料理

成句

高貴な女性がセリを食べるのを見た身分の低い男が、セリを摘むことで思いを遂げようとしたが徒労に終わったという故事から、恋い慕っても無駄なことや思い通りにいかないことを「芹を摘む」という[33]


  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Oenanthe javanica (Blume) DC.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2020年7月5日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Oenanthe javanica (Blume) DC. var. japonica (Miq.) Honda”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2020年7月5日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Oenanthe decumbens sensu Koso-Pol., excl. basion.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2020年7月5日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Oenanthe stolonifera Wall. ex DC.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2020年7月5日閲覧。
  5. ^ a b 田中修 2007, p. 30.
  6. ^ 岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』秀和システム、2006年11月5日、299頁。ISBN 4-7980-1485-0
  7. ^ a b c d e f 講談社編 2013, p. 128.
  8. ^ 貝津好孝 1995, p. 181.
  9. ^ 主婦の友社編 2013, p. 136.
  10. ^ a b c d e f g h i 近田文弘監修 亀田龍吉・有沢重雄著 2010, p. 100.
  11. ^ a b c d e f g h i j k 馬場篤 1996, p. 96.
  12. ^ さとうち藍、松岡達英『冒険図鑑 野外で生活するために』福音館書店、1985年、306ページ、ISBN 4-8340-0263-2
  13. ^ a b c d 田中孝治 1995, p. 186.
  14. ^ a b 田中修 2007, p. 29.
  15. ^ a b c d e f g h i 田中孝治 1995, p. 187.
  16. ^ 講談社 2013, p. 128.
  17. ^ a b c 主婦の友社編 2011, p. 137.
  18. ^ 講談社編 & 20123, p. 128.
  19. ^ a b c d e f g 主婦の友社編 2011, p. 136.
  20. ^ a b c 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 25.
  21. ^ a b c 小池すみこ 1998, pp. 82–83.
  22. ^ 三関せりあきた郷土作物研究会(事務局:秋田県立大学生物資源科学部)2020年1月23日閲覧
  23. ^ 講談社編 2013, p. 24.
  24. ^ 「仙台のせり鍋 サッとゆで 驚きの甘さ」日本経済新聞』夕刊2018年3月22日(2020年1月23日閲覧)
  25. ^ 寄生虫による食中毒にご注意ください内閣府食品安全委員会(2020年1月23日閲覧)
  26. ^ 馬場篤 1996, p. 69.
  27. ^ a b 貝津好孝 1995, p. 161.
  28. ^ 「ドクゼリ:4人が食中毒 セリに酷似、1人重体 新潟市保健所発表/新潟」『毎日新聞』2013年4月2日(火)13時16分配信
  29. ^ 田中孝治 1996, p. 187.
  30. ^ 深津正 2000, p. 278.
  31. ^ 深津正 2000, pp. 276–278.
  32. ^ 深津正 2000, p. 279.
  33. ^ 新村出広辞苑 第七版』岩波書店、2018年1月12日、1650頁。ISBN 4-00-080131-7


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