黒鬼会
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「サクラ大戦シリーズの登場人物」の記事における「黒鬼会」の解説
『2』に登場。表向きは鬼王を首魁とし、裏では陸軍大臣の地位を持つ京極慶吾が首領となる秘密結社で、「浄化」の名の下に帝都を破壊して、人と魔の共存する魔都へと変える為に暗躍していた。反魂の術によって蘇らせた葵叉丹こと山崎真之介や五行衆の木喰によって開発させた魔装機兵や降魔兵器等を主戦力としており、また京極の陸軍大臣としての地位もあって、その組織としての力はサクラ大戦シリーズの中でも非常に強大である。 京極 慶吾(きょうごく けいご) 声 - 神谷明 1880年2月26日生まれ、身長179cm、体重70kg、栃木出身。 陸軍大臣。かつては「戦神」と呼ばれた戦略家で、味方の犠牲は多いながらも絶大な戦果を挙げており、前線を退いた後は、若くして驚異的な出世を果たしている。大神とさくらが陸軍病院へ向かっていた際のトラブルで彼等と出会い、その際にさくらの父親である真宮寺一馬を「無駄死」と一蹴して、さくらを挑発している。 その正体は、黒鬼会の真の首領。軍人としての高い能力だけでなく、古の陰陽師の血も引いている事で強力な呪術も使いこなしており、山崎真之介や真宮寺一馬を反魂の術で蘇らせ、自らの手駒として利用している。目的の為には手段を選ばない卑劣さに、使えなくなった手駒となる人間達を容赦なく切り捨てる冷酷さも併せ持つ危険人物である。 自らの信奉者達を集めて結成した「太正維新軍」を結成し、陸軍による武力統治の為のクーデターである「太正維新」(モデルは二・二六事件)を決行し、それに並行して大帝国劇場を維新軍に襲撃させ、魔神器の奪取とさくらの身柄確保及び殺害を命令している。しかし、魔神器の内の2つである「剣」と「鏡」は入手したものの、新型霊子甲冑である天武を実戦投入した花組の反撃によって大帝国劇場の制圧には失敗。更には鬼王が入手していた魔神器の2つも奪還されてしまうが、大神が破邪の血に縛られていたさくらを救う為に魔神器全てを破壊した事で、結果的に「魔神器の奪取及び破壊」という最大の目的は達成されている。その後、維新軍が敗れ、黒鬼会も壊滅したと見せかけた後、自身もまた影武者の死体を使って死んだ様に見せかけて姿を晦ます。 その真の目的は、黒鬼会のメンバーに八鬼門封魔陣を解放させる事で、それによって怨念そのものを吸収して力とした太古の巨大要塞である「武蔵」を復活させ、帝都を魔都とし、自らがその王として君臨する事にあった。そして降魔の死体を利用して木喰に開発させた「降魔兵器」で帝都を襲撃させて窮地に陥れるも、空中戦艦ミカサによって反撃に転じた帝国華撃団による武蔵への突入を許す事になり、五行衆のメンバー全員と鬼王といった主戦力を失うまでに追い込まれた結果、武蔵の最深部に安置されている巨大魔装機兵の新皇に搭乗し、帝国華撃団に襲い掛かるも敗北。最後まで帝都が浄化されるべきである事と必ず自らの遺志を継ぐ者が現れると主張し、大神の搭乗する光武・改に討たれて死亡した。 最終決戦では、武蔵最深部に封印されていた超大型の魔操機兵「新皇(しんのう)」に搭乗して花組に挑む。 鬼王(おにおう) 声 - 野沢那智 黒鬼会の大幹部で、鬼面を被っている剣士。実力は非常に高く、北辰一刀流の剣技や強力な妖気を使いこなす。花組との戦いに敗れて用済みとなった葵叉丹こと山崎真之介を殺害する形で帝国華撃団の面々と対面し、彼の愛刀である「光刀無形」を奪って自身の武器としている。 帝国華撃団に正体を知られる訳にはいかなかった京極に代わって、八鬼門封魔陣の解放の指揮を執る。太正維新が起こった際は、自ら出撃する形で花組と二度に渡る死闘を行う事になり、最初の新宿の戦いでは魔神器の「剣」と「鏡」を持った状態で戦うが、強大な霊力を発揮したさくらの天武との一騎打ちに敗れて二つの魔神機は奪還されてしまう。続く黒鬼会の本拠地である赤坂での戦いでは、金剛や土蜘蛛との死闘で消耗しきっていた事もあって優勢となっていたのだが、それでも花組の勢いを止める事は叶わず、敗北。自らの手で黒鬼会の本拠地を崩壊させ、それに呑み込まれた。 その正体は京極の反魂の術で蘇らされた真宮寺一馬(しんぐうじ かずま)、すなわちさくらの実父の成れの果てである。王子での八鬼門封魔陣の解放時に自らの剣の構えを見せた結果、娘にその正体を気付かれる事になり、京極の強力な呪術の影響でさくらや大神の説得に耳を貸そうとしなかったが、武蔵の中心部であるイドの間での最終決戦に敗れた結果、京極の呪術から解放された事で鬼王から真宮寺一馬の人格に戻る。最期は京極の法力による攻撃から父としてさくらを庇いながら、降魔兵器を操る為の妖力の出力体である水晶の存在と、それを二剣二刀の儀によって破壊する事を伝えて消滅。さくらに妻の事を託して二度目の死を迎えた。 搭乗機は叉丹の機体と同系統の魔操機兵「闇神威(機体色は銅色)」。最終戦では必殺の破邪剣征・桜花放神(前作でさくらが使った技に比べ、攻撃範囲の横幅が5倍)に加え、五行衆5人の機体の特殊能力をターンごとに使用する。特に宝形の分身をした際に必殺技が使用可能となれば、桜花方神による波状攻撃を見舞われる事になる。 金剛(こんごう) 声 - 立木文彦 五行衆の一人。自称「五行衆筆頭」。見た目通りの体育会系で、頭はどちらかと言えば悪いものの、小細工を使わない真正面からの力押しを得意としている。また、強者との戦いを好む性質の持ち主で、帝国華撃団のメンバーの中でも大神やさくらと戦う事に執着している。 同じ五行衆である水狐に惚れている節があり、土蜘蛛が彼女を気に入らないと称していた際は庇う様にフォローしたり、熱海での彼女との共同作戦の際は、通信でマリアに騙されてしまう失態を犯しながらも、帝国華撃団の攻撃から必死に彼女を庇っている。そしてその死には特に感情的になり、自身と逆に死んだ水狐の死を嘲っていた土蜘蛛とは一触即発寸前の状態となっていた。 五行衆の中では武蔵の最終決戦まで生き残り、最後の一人として全力で立ちはだかり、花組に敗北。最後まで彼等に勝てなかった悔しさを既に亡き水狐に漏らしつつも、自身を倒した花組でも決して京極には勝てないと告げ、大日剣の右手を天に掲げ雄叫びを上げながら爆発して最後を遂げた。 搭乗機はパワー重視の魔操機兵「大日剣(だいにちけん)」で、手にした刀型の鉄塊と腹部の砲塔が特徴的。その腹部の砲塔から雷撃を発射する「五行相克 鬼神轟天殺(ごきょうそうこく きしんごうてんさつ)」が必殺技。毎回、取り巻きの脇侍・改「黄童子」を連れて現れる。最終決戦では黄童子による「かばう」と、光武・改の行動回数を1つ減らす「金剛金縛り」なる技も使用する。また、熱海でも増援として出現し宝形に対し「かばう」を行ってくる。 水狐(すいこ) 声 - 佐久間レイ 五行衆の一人。妖艶な美女。京極の命令により米田の秘書、影山サキ(かげやま サキ)として大帝国劇場に潜入しスパイ活動を行った。大帝国劇場の潜入時はどちらかと言えば温厚な性格を演じていたが、スパイや破壊工作、暗殺といった汚れ仕事を中心に行ってきたが故か、実際は仲間というものを信じない性格をしている。ただし、表裏の無い性格をした金剛に対してはそれ程警戒はしておらず、熱海においてはやむを得ない態度ながらも、共同作戦を実行してもいる。 米田を陸軍省からの帰りにおいて狙撃し重傷を負わせており、さくらが京極と一悶着を起こした後は、彼女や紅蘭に暗殺対象である海軍大臣の山口和豊のいる深川の料亭で京極が会合を開くと偽って、そこへ向かうよう仕向けている。熱海では、旅行に来ていた花組のメンバーが帝国華撃団本部と連絡が取れないようキネマトロンを奪って破壊し、水狐として霊子甲冑の無い状態で倒そうとしたが、自身が遺していた通信機を利用されてしまう形で失敗している。 その後は、自分が何の為に戦えばいいのか分からず悩んでいたレニの孤独な心につけ込んで操ったが、それも結局は失敗に終わってしまい、更にはこれまでの数々の失敗の為に京極からも見放された事実を鬼王に通信で告げられ孤立してしまう事になるが、それでも孤軍奮闘し花組に倒される。死の間際、「仲間を信じなかった自分にも、本当は心の底で京極に縋っていた」と悟り、花組に「これからの戦いは激しさを増す」と言い残し、宝形の大爆発とともに散った。 搭乗機は鉄扇を使用する魔操機兵「宝形(ほうぎょう)」。池袋の戦いでは8体に分身して花組を翻弄、さらに必殺技「五行相克 雪花波紋十軌(ごぎょうそうこく せっかはもんじゅっき)」の波状攻撃で襲いかかる。 火車(かしゃ) 声 - 関俊彦 五行衆の一人。慇懃無礼で自分以外の人間をゴミとしか思わず、自分の放った火で逃げ惑う人間を見て嘲笑う残虐かつ狡猾な男(神崎すみれ曰く「最悪のゲス」)。放火魔かつ爆弾魔で、避難所にあらかじめ爆薬をしかけたり、戦場に火炎放射器のトラップを設置したり、脇侍を起爆剤にするなど、爆発物の取り扱いに長けている。 深川での最初の戦いでは、鬼王から今後の邪魔な存在となり得る海軍大臣の山口和豊の抹殺を任され、山口だけでなく、水狐の諜報活動によって山口のいる料亭に誘き寄せられたさくらや紅蘭、深川の人々までもを無差別に巻き込んだ放火による破壊活動を行うが、帝国華撃団に敗北し、山口の抹殺にも失敗する。 浅草の二度目の戦いでは、織姫と緒方星也を捕らえ、小屋に爆弾を仕掛けじわじわと恐怖を与えようとしたが、失敗。帝国華撃団との直接の戦いでも敗北し、最期は焼塵を点火器として花組全員の爆殺を狙うが、織姫の攻撃により制御を失った焼塵に突っ込まれて、逆に自身の搭乗機である五鈷が炎上、自分自身が焼き尽くされてしまう。始めこそ助けを求める悲鳴を上げていたが、「私の体が燃えていく、私の体が灰になっていく」と、恐怖を通り越して快楽にも似た声をあげ、狂ったように笑いながら絶命するという因果応報の最期を遂げた。 搭乗機は火炎放射器を搭載した魔操機兵「五鈷(ごこ)」。木喰の智拳と同系機で、1ターンに3回行動する。取り巻きの脇侍・改「焼塵」は爆弾の点火器となる性能も持つ。二度目の戦いで織姫と緒方の二人を救出した後は、自爆兵器「火乱(からん)」を射出し、さらには狡猾という設定のためか、火乱の追撃でダメージを与えやすい狭い路地へ誘導するように動く。必殺技は上空に打ち上げた炎を広範囲に落として攻撃する「五行相克 紅蓮火輪双(ごぎょうそうこく ぐれんかりんそう)」。 木喰(もくじき) 声 - 八奈見乗児 五行衆の一人。葵叉丹に引けを取らない天才的頭脳を持ったマッドサイエンティストで、黒鬼会で使用される魔操機兵の設計だけでなく、叉丹の開発した脇侍の解析及び強化改造や降魔を機械的に強化した「降魔兵器」の開発にも関わっていた。老齢の為か足腰が弱いらしく、浮遊式の蒸気ポッドに乗って移動する。五行衆の中では参謀格に当たる戦略家で、相手の動きを計算し罠に嵌めて戦う一方、計算に頼り切っているため、計算外の事態に陥ると弱い。ただ、その立案してきた作戦が効果的なのも事実で、帝国華撃団に阻止さえされていなければ戦略的に有利となる物が多かった。 鶯谷での戦いでは金剛と共に花組と交戦しようとしていたが、開戦前にレニの駆るアイゼンクライトの不意打ちを受けて乗機が損傷した為に撤退。その翌日には水狐に米田を暗殺させる隙を作る為に渋谷で資材の運搬任務を実行し、出撃してきた花組と戦闘によって時間を稼いでいる。その後も帝国華撃団に支援しうる勢力である神崎家や海軍大臣の山口和豊を抹殺する為の作戦も立案しているが、実行役を務めた五行衆の敗北によって、いずれも失敗に終わっている。 太正維新軍によるクーデター発動後は維新軍と連携を取り、帝劇防御壁の展開や砲台の設置によって制圧した大帝国劇場を難攻不落の要塞にするが、新型霊子甲冑である天武を実戦投入した大神とさくらとの戦闘に敗北。「この敗北は計算外じゃー!」という断末魔を上げて戦死する。木喰の死によって、本来ならもっと早くに投入されるはずだった降魔兵器の完成が遅れる事になっている。 搭乗機は砲撃重視の魔操機兵「智拳(ちけん)」で、1ターンに3回行動が可能。歴代のボス機体の中で唯一、必殺技が直接攻撃ではなく補助系という珍しい機体。その必殺技「五行相克 皓矢念臨演舞(ごぎょうそうこく こうしねんりんえんぶ)」の効果は補助兵器の「円空(えんくう)」に気力を充填し、必殺攻撃(周囲攻撃)ができるようにするもの。 土蜘蛛(つちぐも) 声 - 渡辺美佐 五行衆の一人。元は古代戦士の血を引く人間の女性だが、阿修羅の様に腕が六本という異形の姿から魔物として迫害された為に人間である事をやめてしまっている。この時、京極慶吾に救われており、以後は自身を迫害した人間そのものを「偽善者」と憎み、復讐するために彼の仲間になった。それゆえに、京極に対する忠誠心は最も厚い。また、女性扱いされる事を嫌い、戦いを狩りとして考えており、自身とは逆に「女」としての弱さを捨てられなかった水狐の事を「女狐」と毛嫌いしており、その死さえも嘲る態度を取っている程。 最初の戦いでは、帝国華撃団を支援する勢力である神崎財閥を滅ぼすべく神崎邸の襲撃を行うが、偶然にもすみれの見合いが行われていた事で花組が乗り込んでいた結果、交戦して失敗。二度目の赤坂での戦いでも、新型霊子甲冑の天武を投入してきた花組の前に敗北。花組によって討たれるくらいなら自分から死んだ方がマシと告げて自分から滝壺に転落しているが、死には至らなかった。 最後の決戦では、度重なる失敗の自覚もあったのか、大量の降魔兵器を率いて帝国華撃団が切り札として投入した空中戦艦ミカサを捨て身で鎮めようとしたが、それでも花組に敗北。最後は自らの生い立ちを明かした後、京極が自分を迫害した世界を滅ぼしてくれると信じ、それを地獄から眺めると告げて戦死した。 搭乗機体は4本の腕が特徴的な魔操機兵「八葉(はちよう)」。特徴として、敵機の移動妨害を無視して移動できる能力を持つ(同系機の宝形や鬼王の闇神威も同様のすり抜け移動が可能)。終盤はターンごとに機体色を変え、ダメージ吸収等の特殊能力を付加して襲いかかる。必殺技は前後左右斜めの8方向に衝撃波を発射する「五行相克 九印曼荼羅(ごぎょうそうこく くいんまんだら)」。
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