東和台中学校(東京都)
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「わたるがぴゅん!」の記事における「東和台中学校(東京都)」の解説
東京都の端っこにある、平凡な中学校。野球部もさして強いわけではなかったが、わたると宮城の転校により、大会で活躍をし、周囲の注目を浴びることになる。東京にあるとはいえ、周りは田舎。西東京。 与那覇 わたる(よなは わたる)1番 投手 右投右打。沖縄から転校してきた天才児。特別野球が好きなわけではなく、サッカーやボクシングなど、どんなスポーツも好み、人並み以上にこなすが、実はチームプレーは嫌い。体は小さいが負けず嫌いで自由奔放、とにかく悪知恵と機転が利く。あまり熱心に野球をやっているようには見えないが、いざというときは人一倍の根性を見せる。この学校にやって来る前には沖縄の学校でさまざまな事件を引き起こしており、全ての学校が手に負えなくなったという。東京では親と同居はせず、親代わりのおじい、おばあと共に暮らしている。 投手としての実力は中学生離れしていて、一般的な変化球はあまり投げないが、速球はかなりのスピードを持つ。また、数々の試合を通し、ハブボールを始めとする4種類の魔球を作り出す。打撃面ではかなりトリッキーなことをやってのけ、特に走塁時は反則ギリギリなことを当たり前のようにやってのける。背番号は10。キャップはツバを後ろに向けてかぶっている。1年生であり周りは先輩ばかりで敬語は使わないが、「さん」付けで呼び敬意は彼なりに払っている(宮城だけは「がっぱい」と呼ぶ)。 ハブボール…最初は地を這うように低い弾道を行くが、手前で急激に上昇(ホップ)するボール。登場時は一段ホップだったが、その後青城中戦で二段ホップ、紀ノ川中戦で三段ホップに進化する。肩に強い負担をかけるため、わたるの体力でも15球が限界とされていたが、ストーリー後半では特に制限はみられない。 シーサーボール…わたるの球速が生み出した、ナックルの変化版。通常のナックル(佐田の投げていたもの)はブレてから真下に落ちるが、わたるの球は速いため、空気抵抗に少し変化が生じ、シーサーボールはカーブ方向かシュート方向にランダムで落ちる(保志いわく、落ちる方向の割合はカーブ6:シュート4らしい)。因みに、東京都大会の決勝・三島北中戦の対上原では真下に落ちる変化(フォークボール型)も見せたが、明確にその軌道が描写されているのはこれ一度だけである。わたるが主力としている変化球で、様々な攻略法が編み出された。 スコールボール…応援団が雨乞い音頭により降らした雨からヒントを得た魔球。アンダースローから投げるハブボール。上にボールを放り投げ、しばらくすると急激に下方向に変化し、ストライクゾーンギリギリをかすめる球。バウンドした後のボールは簡単に打てるという弱点を見つけられ、その後は滅多に投げられなくなった。 アベック台風ボール…滞空中にボールの速度が変化する魔球。原理は二つの回転をかけるというもの。タイミングをはずされるため、非常に打ちにくい。そのかわり盗塁をされやすいという欠点がある。前3つの魔球と比べて若干地味である。 宮城 正(みやぎ ただし)/5番(一塁手) 右投右打。腕っ節は強いが非常に優しい沖縄出身の母と、本島に根深く残る欧米人差別にめげず大学教授として教鞭を取る明るいイギリス出身の父の間に生まれたハーフ(日本国籍)。小学校就学直後こそ素直で聡明な男子だったものの、父親の遺伝による身体的特徴『がっぱいちぶる』(「がっぱい=後頭部が大きい」「ちぶる=頭」の意で医学的に言う長頭)を理由にいじめられて萎縮していたが、息子に惜しみない愛情を注ぐ両親のアドバイスから(自分なりに解釈した「スキンシップ」という名の腕力で)友だち作りに励み、壮大な勘違いも相まって「人を惹き付ける男になる=沖縄番長を目指す」という大きな目標に向かって邁進する。第二次性徴によって劇的に体格が大きくなって中年のような老け顔になった小学4年生以降、それまでの優しさや聡明さの欠片も感じさせない豪傑振りが板に付き、父譲りの恵まれた体格と母譲りの喧嘩センスで南部番長を名乗った中学2年生の時に北部および中部番長を倒して本島総番となった直後、その場に居合わせたわたるとの邂逅と喧嘩が今に続く腐れ縁となり、勝ち逃げのまま転校したわたるを追って東和台中学校に転入。以後はわたるの家の裏庭を勝手に借りて寝泊まりし、生活費である毎月の仕送りをわたるのおばあに一括管理される不自由な生活を送るようになったが、一宿一飯の礼儀として薪割りなどの雑事は進んで行う。東和台転校時も2年生であり、気性の荒さから主将の田中や神山までも呼び捨てにする上、そのほかの部員の名前を覚えていない。 鬼頭の計らいで野球部に籍を置くも、そもそも転入の目的はわたると喧嘩して勝つためであり、野球のルールを進んで覚えようとする努力や周囲に合わせて標準語に改めようとする姿勢を全く見せず、気の向くままに振る舞いウチナーグチ(沖縄方言)を使い続ける独立独歩を一貫する。本島に相思相愛の恋人「花子」(はなこ)がおり、周囲の目にはその顔貌と肥満体から豚を彷彿とさせる醜女にしか映らない花子の純粋な想いを心から大事にしているが、花子を想うあまり世に言う「恋は盲目」に陥り、全国大会決勝戦中に本島から単身駆け付けた花子の手弁当(沖縄の自宅で作って保冷処理せず札幌会場まで持ってきた)を平らげて食中りをおこした末、バックスクリーン直撃の超弩級ホームランを花子に捧げた代わりに盛大に脱糞してしまった。 マスコットバットを普通のバットの如く軽々と扱うだけでなくそれをホームランゾーンへ放り込む桁外れの腕力と筋骨の強さ、そして14歳とは思えない体格(推定身長190-200cm前後)から繰り出される豪快の一言に尽きる打撃は良くも悪くも試合の流れを一変させ、仕方なく一時的に投手を務めた際には同方向の手足が出る滅茶苦茶なピッチングフォームで神山のキャッチャーミットを吹き飛ばす剛速球を披露し、体格の割にスピードとスタミナを併せ持つなど打・投・走に関して恐るべき地力を持つ。また、右投右打ではあるが実際には「その時々に応じて都合の良いほうを使う」という無自覚極まりないスイッチプレイヤーであり、肩を脱臼したり指を骨折したり後頭部を強打したりと結構な重症を負っても平気で動き回る驚異的な体力と回復力、野生の熊と対峙しても何だかんだで引き分けに持ち込む度胸と強運まで兼ね備える。その反面、連載が進むに連れて基本ルールすら知らない様子が散見されるほど野球知識の欠落に拍車が掛かり、ファールはスタンドを超えてもホームランにならないという基本的なルールすらも連載最終盤を除いて理解していなかったほど。変化球には滅法弱く守備力も壊滅的という極端なパワーヒッター(ただし、宮城の思考を逆手に取ったわたるの悪知恵次第で変化球にも対応し守備力も格段に上がる)。 ただでさえ中学生規格外の体格に加え、後方に長く突き出た頭のために着用できる既成品キャップが無く、野球帽は後ろ半分を切り取ってゴムバンドを縫い付けたもの、バッターヘルメットは後ろ半分を叩き割ったものを専用している。小さな頃から苦労の絶えない頭の形でありながら、それでもそんな自身の頭を誇りに思っているらしく、特徴的な頭を持つ者(『たっちゅーちぶる』=とんがり頭=三島北中の上原、『たっぺーちぶる』=絶壁頭=宮古島中の金城)が現れるとそれを笑いつつも対抗意識を燃やしてしまう癖がある。 田中 将(たなか まさし)3番 遊撃手 右投右打。東和台中のキャプテンであるが、人に流されやすく動揺しやすい。マネージャーの若葉とは恋人同士として噂されているが、実際はそれほど進展していない。若葉のこととなると、異様なまでのガッツを出し、それにより結果を出すこともある。子供のころから熱血野球少年にあこがれており、野球に対して熱い情熱を持って取り組む。昔、足を骨折してからスライディング恐怖症になっていたが、和泉中との練習試合で克服した。東和台の複雑かつユニークなサインは彼の発案で、細かい指示も出せるので重宝している。 神山 武(かみやま たけし)4番 捕手 右投左打。野球部では田中に次ぐポストにいる。4番だがバントが得意。もともと4番としてはパワーのある方ではないが、大事な場面ではヒットを打っている。カーブ打ちが得意。ほかにも、シーサーボールを捕る特訓をしたり、小学生からバッテリーを組んでいた石井と共に特訓をしたりと、見せ場の多い選手である。わたるや宮城を勧誘したのも彼でチーム力アップや勝つためなら手段を選ばない、ある意味捕手の鑑である。柔軟性もあり機転も利く。全国大会決勝で金城からサヨナラホームランを打った。 丸山 ひろあき(まるやま ひろあき)補欠 右投右打。わたるのクラスメートで、席が隣であるため、わたるの最初の友人となる人物。坊主頭でめがねをかけており、わたるにはカンパチ(沖縄方言で「10円ハゲ」という意味)と呼ばれている。わたるに憧れており、日々わたるのような選手になれるように努力している。その努力が実り、たびたび代打として結果を残した。守備にも出場したことがあるが、その際は二塁を守る。また、なぜか練習もなしにシーサーボールを完璧に捕球できた。 名前に関しては全国大会決勝で「丸山 心平(まるやま:しんぺい)」と書かれたこともある。 宇野 孝太郎(うの こうたろう)2番 二塁手 右投右打。上位打者でありながらヒットに恵まれなかった。ヒットは地区大会・全国大会をあわせても、宮古島中戦の最終打席で打った一本しかない。実はその前の打席にも一安打しているのだが、宮城のせいでフイになった。 石井(いしい)補欠 右投右打。元エースだが、わたるに投手のポジションを取られたため補欠。神山とは小学校のころからバッテリーを組んでいる。エースを奪われた際、野球部をやめることを考えたが、神山に説得され野球熱を取り戻し、その後、全国大会の準決勝では宮城の代走で出場、サヨナラヒットを打つ。元投手のため、強肩。 京井(きょうい)6番 左翼手 左投左打。東和台下位打線トリッキーズの一員。トリッキーズができた当初は下位打線なのに仲間はずれになっていたが、その後森井から二塁打を打ったことでトリッキーズリーダーとして任命された。地区大会の全試合と宮古島中戦では、瀬戸と打順が入れ替わっている。 瀬戸(せと)7番 右翼手 右投右打。東和台下位打線トリッキーズの一員。紀ノ川中戦では、大福が落ちていると嘘をつく手法でまんまと出塁した。 石田(いしだ)8番 三塁手 右投右打。東和台下位打線トリッキーズの一員。わたるの入部当初、守備にケチをつけられ、そのことをきっかけにわたると勝負し三塁手のポジションを明け渡したものの、わたるがエースとなる際、レギュラーに復帰した。紀ノ川中戦では、森井に「アホ」と言ったことで出塁した。 島津(しまづ)9番 中堅手 右投右打。東和台下位打線トリッキーズの一員。決勝でプッシュバントに失敗し、顔面に球を当て交代になる。紀ノ川中戦では、わたる達に何か食べているふりをさせることで出塁、1点を取った。 橋口(はしぐち)補欠 右投右打。宮城が入部する前の正一塁手。和泉中との練習試合では7番・一塁として出場しているが、地区大会・全国大会では1試合も出場していない。 鬼頭(おにがしら) 野球部の顧問。愛煙家。また、若葉と宮城のクラスの担任でもある。北海道の南長万部中出身で、サッカー、ラグビーなどのスポーツで地区大会決勝へ行った時、必ず優勝の邪魔をすることから、「鬼頭伝説」という伝説までできた。そのため、南長万部村の村民には徹底的に嫌われており、南長万部中との試合中は常にベンチの裏に身を隠していたが、試合後に村民達と和解する。 関 若葉(せき わかば) 野球部のマネージャーで、田中の彼女と噂されている。気の強い性格で、わたるを殴ったり、学校で暴れている宮城を気絶させたりと、様々な功績を残している。土門に惚れられており、告白されたこともある。 吉田 栄作(よしだ えいさく) わたるの友人で、応援団員。転校してきたわたるをからかったことが始まりで、それから様々な接点を持つ。応援団には強制的に入らされ、野球部の応援に来る際には毎回と言っていいほど逃げ出し、その腕前は「逃げる大会があったら絶対金メダル取れる」と言われたほどである。宮城と共に、試合の有無に関係なくギャグシーンの主要担当役。東京から北海道へ自転車で行く際には、一人だけ一輪車を使用し(行きたくないため一輪車を持ってきたが、「そそそれでいい」と言われ一輪車で行く羽目になった)、尻が切れながらもなんとか北海道へ到着した。普段は不真面目だが、宮古島中戦で「ここまで来たからには絶対優勝しろよな」といった一面もある。 土門(どもん) 東和台中の応援団長。若葉に惚れており、告白したこともある。緊張して話すときは噛んでしまい、言葉の最初の文字を繰り返す。彼女から離れたくないあまり、野球部が北海道へ全国大会に行く際、応援団をひきつれて自転車で東京から北海道まで横断したこともある。試合会場にボロボロで到達した時は、アナウンサーによって球場に広められ、球場をあげた称賛を受けた。 宮城相手に喧嘩を挑むことも多いが、そのたびに完膚なきまでに倒されている。
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