中国文明
中華文明圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 05:38 UTC 版)
中華文明圏においては宗族の概念があるため、男系継承が主流だった。宗族という概念が(少なくとも典型的な意味では)成立しなかった日本では、実質的な女系継承として婿養子、入婿の制度があったが、これは論理的には養子関係を結ぶことにより息子として地位と出自(姓)を継承するという男系継承の擬制を取っている。また、遺伝的つながりのない婿養子よりも、より直接的に遺伝子を受け継いだ者に継承させるという意味で、女系の近い親族(外孫や甥など)が養子となって継承することも多かった。家系を操作することで、男系でもつながりがあるとすることもあった。日本以外の中華文明圏でも、家系図を操作することで実質的な女系継承を男系と偽って行うことがあった。さらに、男系がない時に緊急避難として女系子孫が祖先祭祀を継承することも、時代・地域によっては見られた。 日本以外の中華文明圏でも、帝王家について同様に男系継承が原則である。ただし、女系の子孫にどうしても帝王位を継がせたい場合は、禅譲というやや変則的な手段が利用可能である。西魏の恭帝から北周の孝閔帝への禅譲は、これにやや近いケースといえる。孝閔帝の生母は西魏の公主である馮翊公主であった。ただし、この禅譲は北周の宗室となる宇文氏の主導で行われたもので、孝閔帝が女系で西魏の宗室元氏に連なる点を除いては、他の易姓革命の場合と変わりはなかった。しかも、元氏の血を引く北周の皇帝は孝閔帝1代に終わった。
※この「中華文明圏」の解説は、「女系」の解説の一部です。
「中華文明圏」を含む「女系」の記事については、「女系」の概要を参照ください。
- 中華文明圏のページへのリンク