功夫とは? わかりやすく解説

カンフー【功夫】

読み方:かんふー

《(中国語)》中国拳法クンフー


功夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/12 12:27 UTC 版)

功夫
中国語 功夫
発音記号
標準中国語
漢語拼音 gōngfu
ウェード式 kung1-fu
注音符号 ㄍㄨㄥ ㄈㄨ
呉語
ローマ字 kon1 fu
粤語
粤拼 gung1 fu1
閩南語
閩南語白話字 kang-hu
台湾語ローマ字 kang-hu

功夫カンフーまたはクンフー繁体字: 功夫; 拼音: Gōngfu; 粤拼: Gung1fu1[kʊ́ŋfu]  北京語発音: kung fu/kungfu([ˌkʌŋˈf] ( 音声ファイル)または[ˌkʊŋˈf]、日本語読み:こうふまたはくふう[1])は、中国武術を指す。少林拳詠春拳太極拳などさまざまな体系があり、世界中で実践されている。本来の意味は「練習・鍛錬・訓練の蓄積」、また、それに掛けた「時間や労力」の意味であり、必ずしも[2]関連するわけではない[3]。「功夫が足りている」のように用いられる。茶の場合は「工夫茶(功夫茶)」などと使用される。

この用語が中国人コミュニティによって中国武術に関連して使用されるようになったのは、20世紀後半になってからのことである[4]オックスフォード英語辞典は、「kung fu」という用語を「空手に似た主に非武装の中国武術」と定義し、印刷物で「kung fu」が最初に使用されたのは 1966年のパンチ誌によるものであるとしている[5]

ブルース・リーの香港映画と功夫

ブルース・リーの切手(タジキスタン)

北京語では拼音は Gōngfu だが、ブルース・リーの中国武術香港映画の映画が世界的にヒットした際、ウェード式、もしくは広東語の伝統的な表記法によって Kung-fu と書かれ、英語読みされた「カンフー」[ˌkʌŋˈfuː] ( 音声ファイル) が世界的に中国武術一般の総称として広まった。

日本では1970年代から1980年代前半、カンフー映画の字幕や広告において「武術」あるいは「カンフー」と表示すべき部分を「空手」「カラテ映画」と表示するなどの誤りや、「日本から広まった空手の達人による空手映画」などといった現在から考えると信じられないような誤解もあった。カンフーブームが空手道場の入門者を増やすという現象も当時見られた。ただし、カンフー映画と空手が全く無縁なわけではなく、カンフー映画では中国武術ではない、空手やテコンドーをもとにしたアクションも多く見られた。

格闘技コミックを数多く描いた漫画原作者梶原一騎は「ショーリンケン、コンフー、つまりカラテ!」などと、意図したものかは不明だが、ブルース・リーブームを空手と結びつけるミスリードを誘う表現を多用した[6]。またリーの成功以降、カンフーの修行者の記号化が促進され、中国拳法家といえば「中国服(女性はチャイナドレス)を着用して布靴[7]を履き、戦闘時には上半身裸でヌンチャクを振り回しホアアアアアアと奇声をあげる」「攻撃時にはアチョーと奇声を発する」などといったイメージが一般大衆間において形成された。1970-80年代には日本のテレビドラマ『ザ・ハングマン』シリーズ、『西部警察 PART-III』など[注 1]、非常に多くの映像作品においてこうした記号化されたカンフー使いが登場した。この時期においても、複数回の映画化の機会に恵まれ、知名度の高かった少林拳に関しては、日本人の宗道臣によって戦後に創始された少林寺拳法との混同こそあったものの比較的正確な姿[注 2]で紹介されている。1990年代以降、格闘ゲームの流行などもあって中国拳法に関する情報量が増えたことからこうした傾向は薄れている。

少林寺の塔林

脚注

注釈

  1. ^ 『ザ・ハングマン』にはドラゴンという香港人の青年がレギュラーキャラクターとして登場しており、当初は当時の香港人の姿を正確に描写していたが、のち記号化されたカンフー使いの姿に変更された。『西部警察 PART-III』においても、北条刑事が似たような経緯でキャラクター描写が変更されている。
  2. ^ 仮面ライダースーパー1』においても、拳法の指導を行った拳法家・龍明広は姓名とともに流派も「北派少林拳」と正確にクレジットされた。

出典

  1. ^ 功夫”. 普及版 字通. 2022年10月27日閲覧。
  2. ^ Lorge, Peter (2012). Chinese Martial Arts From Antiquity to the Twenty-First Century. Cambridge: Cambridge University Press. ISBN 9780521878814 
  3. ^ 『基本をのこらず身に着ける はじめてのカンフー』8頁。
  4. ^ Lorge, Peter (2012). Chinese Martial Arts From Antiquity to the Twenty-First Century. Cambridge: Cambridge University Press. ISBN 9780521878814 
  5. ^ Lorge, Peter (2012). Chinese Martial Arts From Antiquity to the Twenty-First Century. Cambridge: Cambridge University Press. ISBN 9780521878814 
  6. ^ たとえば「プロレススーパースター列伝」講談社漫画文庫版2巻P32でのアブドーラ・ザ・ブッチャーの台詞「ショーリンケン……コンフー……つ、つまり……東洋の神秘の格闘技カラテ!!」など。なお、実際にブッチャーが身につけているのは空手である。
  7. ^ 懶漢鞋(ランハンシエ)

関連項目

外部リンク


功夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 08:38 UTC 版)

扶桑武侠傳」の記事における「功夫」の解説

功夫は一般的なTRPGにおける「スキル」「技能」にあたるものである。キャラクターメイキング時に修得ポイント消費することで会得する。功夫は門派ごとに設定されているが、門派に関係なく会得できる一般功夫もある。各功夫にはレベルのようなものがあり、これを「功夫値の上限」と呼ぶ。修得ポイント1点消費するたびに1つの功夫の「功夫値の上限」が1点上昇する。各キャラクターゲームの開始時に「功夫値の上限」と同じ数だけ各功夫の功夫値を得る。 行為判定を行うとき、その判定内容会得している功夫と関係あるならば、その功夫の功夫値を使用することで以下のボーナス与えられる。(<歴史>の功夫を会得しているものが歴史書調べ場合、など) 命力判定 功夫値を1点消費するごとに、判定使用するサイコロ一個増加 内力判定 功夫値を1点消費するごとに、山札からカード一枚引き足すことができる。

※この「功夫」の解説は、「扶桑武侠傳」の解説の一部です。
「功夫」を含む「扶桑武侠傳」の記事については、「扶桑武侠傳」の概要を参照ください。

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