階級の家系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 06:15 UTC 版)
おおよその君主国家では、まず国家元首である皇帝ないし国王の家系が皇族や王族と呼ばれた。次いで貴族とされる国家の領土を幾つかに分割した地域を治める地方領主であるヨーロッパの諸侯、中国の卿士大夫などの豪族、中央政府を主宰する日本の公家、軍事階級である日本の武家、ヨーロッパの騎士、イスラム教世界のマムルークなど、その次に商人や職人、役人、農民などの自由民、最後に個人に財産として所有される奴隷が続いた。これらの家系は、血族集団間の階級を作り重層的な身分制を敷く封建社会が成立するようになった。特にインドでは、長くこの制度が維持され、バラモン、クシャトリア、バイシャ、シュードラで広く知られる。 このように一定の血族集団が社会で優位性を有する地位・名声を連綿と継承していることを階級としての家系と呼ぶ。 中華文明圏の諸国を始め、儒教的価値観の影響を受けた国々や地域では、家系を重んじる価値観が強く、例えば韓国では族譜として、先祖伝来の記録を書き残す習慣が残存している。日本でも家系図に系譜を記す習慣があったが、近年では薄れてきている。日本においても、天皇の地位は代々皇族により世襲され、摂政関白大臣や将軍の地位を世襲した公卿や武士など、特定の氏や家名や階級を代々継承した血族集団により独占されてきた歴史を有する。また、氏と家の概念が区別されており、家系に関する研究も盛んである。
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