セガサターン版以前の3機種に共通する変更
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「ダライアスII」の記事における「セガサターン版以前の3機種に共通する変更」の解説
サターン版以前のハードにおいては、画面数の違いやスペック上の理由により様々な要素が縮小、もしくは削除されており、いずれの機種もステージやボス構成および攻撃パターンに独自の変更があり、アーケードに忠実と言える版はない。また、最初に移植されたメガドライブ版に追従したような共通の仕様も少なくない。以下に共通の仕様を述べる。 2人同時プレイは不可 画面比率の変更 当時の家庭用ゲーム機およびテレビモニタでは、オリジナル同様の2画面(3画面)構成を其のまま移植することは(スペック的にも住環境的な意味でも)難しかったため。1画面に収まるように再設計されている。具体例は個々の項目で述べる。 ショット数について アーケード版で4連射だった自機のショットが全機種で2連射に減少している。またパワーアップして2連装ショットになった際も、大きめの一つの弾としか判定されず、掛け合わせると自機のショット性能がアーケードの1/4にまで下がっている。PCエンジン版はメガドライブ版より弾速が遅いが、パワーアップ時に付加されるサブショットが独立で連射できるためアーケードと異なる形ながら、攻撃性能が若干改善されている。 トーチカの核爆発や「TUNA SASHIMI」のナレーションなど容量を要する演出の多くが削除。 敵の撃破エフェクトが簡略化され多くの敵で同じグラフィックとSEを使い回している。 ラスタースクロールは「太陽」とその色違いステージのみ全ての機種で再現しているが、一部ボスの背景や雲のラスターはメガドライブのみ再現している。 全機種ともアーケードよりスクロールが遅く、スクロールが加速するシーンも削除された。このためサビでボスに突入するなどのアーケード版のBGMタイミングが一切再現されない。ステージ開始時の降下、クリア時の浮上演出はPCエンジン版のみ再現している。 音楽「say PaPa」について アーケード版においてはsay PaPaの第一部「兆し」を最終ステージ手前のボスクリア〜ステージセレクトに、二部以降を最終ステージにそれぞれ演奏していたのが、移植版では単純に全パートを最終ステージに演奏するよう変更された。 なおsay PaPaを全パート通して流す演出はポニーキャニオンから発売されたゲームシミュレーションビデオ『ダライアスII』が初出となる。グランドオクトパスを撃破した時点から演奏が始まるため家庭用の構成とも異なる。また原作準拠の演出も収録されている。 メガドライブ版『ダライアスII』 タイトーから発売。開発もタイトー内製(2019/02/28のYOUTUBE「ZUNTATA CHANNEL 」で発言) 画面上下の20%程度を黒帯にして5:3程度の横長のゲーム画面としている。 キャラクターは画面サイズよりさらに縮小され、アーケードの5〜6割程度のサイズになっている。 この変更により敵弾をよけ易くなった反面、一部の敵はアーケードに比べショットが非常に当てづらくなっている。 使用キャラクターはオプション画面で選択可能で、ティアットヤングを選ぶと、自機の初期装備がショット・レーザー・ボムそれぞれ1段階ずつパワーアップした状態となる。 ボスの変更 ゾーンCのキラーヒジアが削除されオリジナルボスのネホノジア(アジの骨)がゾーンXに追加された。同じモチーフのボスだが性能や配置ステージにあまり共通性はない。 アーケード版からのボスも性能や配置変更が行われ、アロイランタンの体内で連戦するシーンが削除された。 スチールスピンがゾーンB(ステージ2)からGHIJ(ステージ4)へ移動。 レッドクラブがゾーンGHIJ(ステージ4)からQSU(ステージ6)へ移動。 ゾーンKMのヤマトとLのリーダインの入れ替え(共にステージ5)。 中ボスのオクトパスがエレクトリックファン(イソギンチャク)に変更されたが、性能はほぼ同一。 容量の限界から一部のステージはアーケードとまったく異なる地形になっており、基地風のグラフィックパターンがアーケードより頻出する。 容量は元々6メガビットを予定して開発していたが、ヤマトを登場させるために8メガビットに増やされた。 隠しコマンドの入力で全てのボスが登場する12ステージ連続のスペシャルモードが選択できる。 BGMはアーケード版が豊富なPCMを利用していたため、FM音源への移植にあたって大きく簡略化されたがメロディーは忠実に再現している。 アレンジ担当は岩垂徳行。岩垂はOGRの指示と品質チェックを受けるためタイトー研究所に通ったと言う。 全ステージクリア後には、前作の『エキストラバージョン』のように、自機一機に付き、30000点のボーナスが加算される残機ボーナス制にもなった。 なお当時は、主にアーケード版をやりこんでいたファンからの不評も見られた(#評価)。 セガ・マスターシステム(日本国外向けセガマークIII)版『SAGAIA』 海外のみの発売。開発はナツメ。 容量の関係からゾーン数が、太陽1、水星2、金星1、月2、地球1、火星2、木星3のA〜Lの全12ゾーンに減少している。また、背景が大きくアレンジされたステージがある。 内容はメガドライブ版のダウンスケール移植となっており、メガドライブ版を踏襲した部分が大きい(2人同時プレイ不可、ティアットヤングを選ぶと強化された状態でスタート、オプション画面の設定項目が同一など)。 一方で、BGを使用したアーケード版に比する大きさのボス、アロイランタンの中で再度ボス戦を再現、ネホノジアがキラーヒジアに戻っている、1ゾーンしかない地球面のボスが難易度によってリーダインかヤマトに変化、リトルストライプがカット、音源の制約上ゾーンAや最終ゾーンのシンクロ演出がカットされ、アラート画面で一旦BGMが途切れる、などの違いがある。 PSG版BGMを手がけたのは水谷郁(スタッフロールには「MUSIC COMPOSER」としてOGRがクレジットされている)。メロディーは概ね原曲を踏襲しているが、三連符が再現できずリズム調整されている。 『ダライアス コズミックコレクション』版2019年に発売されたNintendo Switch版『ダライアス コズミックコレクション』の特装版に、国内初となる他機種移植版が収録。同年9月には「CONSUMER EDITION」として、特装版の中から本作を含め家庭用ゲームソフト群のみ収録された版がダウンロード専売でリリースされた。翌2020年にはPlayStation 4(PS4)版『コズミックコレクション』が通常版と「CONSUMER EDITION」とで同時にリリースされた(PS4はどちらの版もダウンロード専売。特装版はリリースされなかった)。 『LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶』版※この部分の出典 → PS4・PS5・Xbox One・Xbox Series X/S用ソフトとしてセガが2021年9月24日にリリースしたマルチプラットフォームゲームソフト『LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶』のゲーム本編には、マスターシステム本体が3DCG化し(本編では実機として主役キャラの拠点に置かれる形で登場)いくつかの専用ソフトも実際に遊べる状態で実装されるが、有料ダウンロードコンテンツの1つ「探偵ライフ充実パック」を導入すると、マスターシステム用ソフトが4つ追加される。この4つの一つとして、『SAGAIA』が『ダライアスII』と改題して収録されている。これはゲーム本編の舞台が日本であることから、「日本でマスターシステム版『ダライアスII』がリリースされている」IF設定にしているためでタイトル画面のロゴが『DARIUS II』になっている以外、内容自体は『SAGAIA』とほとんど同じ。またSwitch版と違い付加価値要素は無く、ほぼ「素」に近い状態で完全移植されている。 PCエンジンSUPER CD-ROM2版『スーパーダライアスII』 NECアベニューから発売。開発はA-Wave。 迫力を優先しアーケードのキャラクターサイズをほぼ再現したまま一画面に変更されている。 アーケード版の時点で前作より大きな自機デザインであったため、画面に対するキャラクター比率が非常に大きく、敵弾の判定や速度は画面に合わせた調整が行われているが、敵機の体当たりやボスの至近攻撃などはそのサイズのため対処が難しくなっている。 大まかなステージ構成は当時の移植としてはアーケード版に近く、背景も比較的忠実に書かれている。ただし壊滅都市地下など入り組んだ地形はPCエンジン本体の二重スクロール性能の兼ね合いで大幅に簡略化された。また、演出面でもアーケード版のゾーンAや最終ゾーンでは道中からボス戦までBGMによるシンクロ演出があったが、PCエンジン版はCDの読み込みが入る為、曲が切り替わりボス戦BGMが流れるほか、MD版や海外マークIII版で再現されていた最終ステージや他ステージなどのラスタスクロールが、ゾーンA、Z、Xといった一部ステージを除きカットされている。オリジナルの演出として、ヤマトステージではゾーンによって青空と夕焼けのバージョンが追加されている。 登場ボスが大幅に変更されており、アーケードで登場したボスのうち、前作『スーパーダライアス』に登場済みのボスは中ボスに変更、グランドオクトパスが表現上の理由で断念、マザーホークが海洋生物でないという理由で削除、バイオストロングがメカ・バイオストロングにアレンジ変更された結果、純粋にアーケードから登場のボスはキラーヒジア、ヤマト、リーダインの三体だけとなり、残りはすべてオリジナルのボス(一部モチーフが『サーガイア』や『外伝』と共通している)に変更された。 アーケードからのボスであるヤマト戦のみ画面が左右にスクロールし、アーケードと同じ移動範囲を再現している。 中ボスはすべてのゾーンで別の物が用意され、前作『スーパーダライアス』の全てのボスと、数体のオリジナル中ボスで構成されている。 ミス時のパワーダウン方式が変更され、難易度によって変わるようになった。イージー設定で一切パワーダウンしなくなる。 BGM担当はT's Music。BGMはギターソロパートを特徴とした、原曲とは異なる大胆なアレンジが施されておりCD-DAで収録。これにバーチャルリアリティサウンドシステムが施され、音が上下左右全方向へ展開する多次元サウンドが売りとなっていた。一方でSEに関しては原音から大幅に変更されており、PCエンジンの内蔵音源ということを考慮しても前作と比較してもレベルが大幅にダウンしている。ソフトに先行してサウンドトラックが発売された。 ソフト発売に先行して、小学館から発売された『PCエンジンCD-ROMカプセル』Vol.4に体験版が収録された。 上記の表に記載したとおり、Wii版バーチャルコンソールで配信・販売されていた(要800Wiiポイント)が、現在は終了している。 PCエンジン版ボスの種類は以下の通り。 ゾーン名コードボスボスモチーフA GE0P GOLDEN EYES(ゴールデンアイズ) マトウダイ B BG3F B-GUADIAN(ガーディアン) ヨウジウオ・チンアナゴ C KL2H KILLER HIJIA(キラーヒジア) アジのヒラキ DE D700 REVENGE SHARK(リベンジシャーク) ジンベイザメ F DD0S DEEP DRAGON(ディープドラゴン) ウィーディーシードラゴン GI CA2C CRAB ARMER(クラブアーマー) カブトガニ HJ BC00 BALD CRAB(ボールドクラブ) タカアシガニ KM FB30 YAMATO(ヤマト) ヤドカリ LNO F407 LEADAIN(リーダイン) ウニ PQRSTU KN8G DARK MODON(ダークモドン) オニボウズギス ZVWXYZV これ以降は全てラスボスである。 V'WY RS93 MECH BIO STRONG(メカバイオストロング) 胎児 VX IO0R MODERATO(モデラート) リュウグウノツカイ ZZ' TW2F HEAT ARROW(ヒートアロー) マンボウ ゾーン名中ボス中ボスモチーフA KING FOSSIL(キングフォスル) シーラカンス B GUARD SAVAGE(ガードサベージ) イタチザメ C HYPER STING(ハイパースティング) ミノカサゴ D BIG RAJARNN(ビッグラジャーンヌ) トビエイ E LITTLE STRIPES(リトルストライプ) エンゼルフィッシュ F FATTY GLUTTON(ファッティグラトン) ピラニア G STEEL SPINE(スチールスピン) ハリセンボン H DRIO SAWM(ドリオサーム) ウツボ I BURST OUT(バーストアウト) フグ J RED CRAB(レッドクラブ) シオマネキ K FLYNOUO (フライノウオ) フウライウオ(カミソリウオ) L STRONG SHELL(ストロングシェル) ウミガメ M CUTTLE FISH(カトルフィッシュ) イカ N BATTLE CHAINSAW(バトルチェーンソー) ノコギリザメ O KEEN BAYONET(キーンベイオネット) メカジキ P WINER GUIPY(ウィナーグィパイ) ウナギ Q MYSTIC POWER(ミスティックパワー) アンモナイト R FIRE STAR(ファイヤースター) ヒトデ T BUDDY BLAZER(バディブレイザー) ウミテング S IRON HAMMER(アイアンハンマー) シュモクザメ U MY HOME DADDY(マイホームダディ) ヤドカリ Z' OCTOPUS(オクトパス) タコ Z' RAMY.L(ラミィ.L) ヒラメ V GREAT THING(グレートシング) クジラ V CARY.R(カリィ.R) カレイ W EARZAM(エーザム) ホオジロザメ W EYEN DART(アインダート) コバンザメ X GREEN CORONATUS(グリーンコロナタス) タツノオトシゴ Y HARD MOLLUSK(ハードマウルスク) クラゲ Y ALLOY LANTERN(アロイランタン) アンコウ Z DUAL SHEARS(ディアルシェアーズ) アメリカザリガニ Z BARNOR ANGEL(バーナーエンジェル) トビウオ V' ELECTRIC FAN(エレクトリックファン) イソギンチャク V' TOUGH SPRING(タフスプリング) エビ
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