当時の家庭用ゲーム機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 22:47 UTC 版)
「8ビットパソコン」の記事における「当時の家庭用ゲーム機」の解説
当時の家庭用ゲーム機は、ソフトウェアをROM(ロムカセット)によって供給するものが主流であったため、メモリーはスタックとワーク、VRAM用に数KBずつ搭載することによって、高速かつ高度な表現力を持ちながらも普及価格帯に抑えることに成功していた。 ROMは半導体であり、大量生産は可能であっても磁気媒体と比較すれば遥かに高価であったため、ソフトウェア全体の容量もROMチップの集積度や価格に左右されていた。 このためアイテムやイベント・各種パラメータといったデータの管理で大量に記憶容量を消費し、マップデータや画像データが膨大な容量となるRPGやADV、シミュレーションゲーム分野は不得意とされていた。 また画像の出力先が一般のテレビであったため、無闇に解像度を上げることも構造上不可能であり、カラフルで動きの速い映像を作ることに特化していた反面、動きは少なくとも精細な画像の表現には不向きであり、表示するメッセージやパラメーターの多いRPGや、精緻な画像が売りとなるアドベンチャーゲームなどはパソコン向きのジャンルであったと言える。 初期のコンピューターRPGゲームやアドベンチャーゲームは、専らパソコン向けのソフトウェアであり、後にポートピア連続殺人事件やドラゴンクエスト等の家庭用ゲーム機向けの物が発売された以降にも、パソコン向けのこれらゲームは、家庭用ゲーム機を遥かにしのぐ表現能力で根強いファンを獲得していた。また、そのようなゲームは必然的にプレイ時間が長くなる為、ゲームデータを一時保存する必要があった。テープやフロッピーディスクに保存できるパソコンとは違い、当初のロムカセットは保存機能がなかった為、パスワードやSRAMバッテリーバックアップといった方法が採用される迄は実際に発売するのも困難だった。 またその一方で、低年齢層がプレイすることも多い家庭用ゲーム機ソフトウェアとは違い、零細企業やマニア等による同人活動によって製作されたソフトウェア(ハドソンも当初はそれに近い物だった)も多数存在し、その中には現在でいうところのアダルトゲーム(当時は単純に「エロソフト」と表現されていた)も少なくなかった点で、それらの成人向けの内容により、家庭用ゲームとパソコンゲームの間には顕著な市場の違いが見られた。
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