果物 種の状態による分類

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 食物 > 食品 > 果物 > 果物の解説 > 種の状態による分類 

果物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/14 14:11 UTC 版)

種の状態による分類

英語圏ではプラム、アンズ(アプリコット)、モモのように種の部分が石のようにかたい果物をストーンフルーツという[4]。また、イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、スグリのように、かたい皮や大きな種のない果物をソフトフルーツという[4]

栄養面や効能

果物の糖分の構成

甘みはフルクトースグルコースショ糖などで構成されている。

癌予防の可能性

果物は、野菜とともに予防の可能性が大きいものとされている[5][6]

高血圧の予防

腎臓に障害がなくカリウムを摂取しても問題がなければ、カリウムを豊富に含む野菜や果物の摂取を増やすことにより高血圧の降圧が期待できる[7]

食用

果物は、栄養的には(植物の組織全般に比べて)果糖を含み、糖質糖分)が多く、カロリーが高く、ビタミン類を多く含み、消化しやすい、という性質があり、としては甘味酸味を持つ。

保存食

果物には収穫期があり年間を通して収穫できるわけではないため、ジャムコンポートシロップなどの果物の加工食品がある[4]

昔から病人に果物をあてがうことが行われており、病人のお見舞いには果物詰め合わせが定番である。

メロンやリンゴなどの水分量が多い果物は、生水の摂取が難しい時代や地域で飲料水の供給源となっている[8]

生物学と果物

植物の繁殖戦略と果物

鳥は果実を食べ、種子を遠くへ運ぶ役割を担う。

「果物」は動物が食べたがる果実である。「果物」と言われる果実は、生物学的な果実の分類の上ではいくつかの類型にまたがるが、いずれにしても、一般的な植物組織よりも柔らかく、糖分、ビタミンCなどを多く含む部分を持つ。また赤や黄色に着色する例が多い。

これは植物の繁殖に関する戦略として、動物に食べさせ、それによって種子散布を動物に担わせる、と言う方針によっている。植物は移動できないため、種子形成の際にこれが移動することは、花粉媒介と並んでその分布拡大や個体群の維持において極めて重要である。そのために様々な戦略をとる植物が存在するが、動物に運ばせるのはその代表的な方法の一つである。そのための具体的な方法の一つが種子およびその周辺に動物の食料として魅力的な性質を与えることで、動物がそれを食べ、あるいは食べる目的で輸送を担う、と言うものである。種子そのものを食料とする例(ドングリなど)もあるが、それよりは周辺部を可食としたほうが種子の犠牲は少ない。これが果物というあり方である。

植物の一般的な組織、例えばは、生きた原形質を含むから、それなりにバランスの取れた食料であり得る。しかし細胞壁セルロースという丈夫な成分で作られていること、セルロースそれ自体もカロリーは高いものの消化の困難なものであることなど、植物を餌とするのは難度が高く、専門的な食植者は様々な特異な適応的な形質を持つのが普通である(すりつぶす歯、複数に分かれた複雑な消化管など)。それに対して果物の可食部は一般的な植物組織より、遙かに動物に利用されやすくなっている。

(やや目的論的な説明としては)「果物に糖分が多いのも、消化酵素が含まれるのも、動物がそれを利用する場合の利便を図っている(=目的としている)ものであり、それによってより多くの動物を引き寄せることを目指している」と説明してもよい。また(目的論的な説明を避けて)「さまざまな性質の果実をもつ植物が(突然変異や さまざまな交配によって)生まれたが、自然選択の結果、動物が利用しやすい果実をもつ植物が、結果として、より多く生き残り、その形質 が/も 残った。」などと説明してもよい。「植物にとってはそのような果実を持つことはコストがかかり損失も生じるが、動物を誘引することで種子散布をより効率よく行うための投資である」と説明してもよい。果実が熟するに連れて赤や黄色などに着色するのも、動物にとって目立つようになり、食べ頃を知らせる信号の効果を持っている。

果物が「美味しい」と動物にとって感じられるのは、その味が動物全般の好みに合致していることによる。人類が果実を好むのも、植物のこの戦略に 乗せられたもの/乗ったもの と考えてもよい。

ビタミンC合成能を失った動物種との共生

L-グロノラクトンオキシダーゼ(ビタミンC合成酵素)遺伝子の活性は、いくつかの進化史のなかでそれぞれ独立に失われている。哺乳類ではテンジクネズミや霊長目の直鼻亜目がこの遺伝子の活性を失っており、そのためにビタミンCを合成できないが、その原因となった突然変異は別のものである。どちらの系統でも、活性を失った遺伝子は多数の変異を蓄積しつつ、偽遺伝子として残っている[9]スズメ目鳥類では、活性の喪失が何度か起こっており、またおそらくは再獲得も起こったために、種によってビタミンC合成能力が異なる。他に、コウモリ類もこの遺伝子の活性を失っている[10]。これらの動物が遺伝子変異によるビタミンC合成能力を失ったにもかかわらず継続的に生存し得た最大の理由は、これらの動物が果物等のビタミンCを豊富に含む食餌を日常的に得られる共生環境にあったためである。

霊長目でこの酵素の活性が失われたのは約6300万年前であり、直鼻亜目(酵素活性なし)と曲鼻亜目(酵素活性あり)の分岐が起こったのとほぼ同時である。ビタミンC合成能力を失った直鼻亜目にはメガネザル下目や真猿下目(サル、類人猿、ヒト)が含まれている[11]。果物との共生関係はヒトの直系祖先を含め少なくとも6300万年以上の共生関係にあったと考えられる。

果樹の樹形と枝の名称

樹形

果樹を栽培する時の樹の形。主幹及び骨格枝の配置で樹形が決まる。

主幹形(しゅかんけい)
主幹が中央にまっすぐ伸びた樹形。幼木時に主幹形でも、樹齢が進むにつれ、変則主幹形に移行する。ハウスミカンなどの超密植栽培時に用いられる。
変則主幹形(へんそくしゅかんけい)
主幹を2~3mで切り、主枝を3~4本配置する樹形。カキやクリ
開心自然形(かいしんしぜんけい)
主幹を60cm程度設け、主枝を立て気味に3~4本設置する樹形。カンキツやウメ
開心形(かいしんけい)
盃状形(はいじょうけい)とも呼ぶ。主枝を開帳させ3~4本設置する樹形
たな仕立て
棚を使用して、枝を棚に誘引する。ブドウ・キウイフルーツ・ナシで用いられる。

枝の名称

枝の名称は、主として剪定作業をする際にそれぞれの枝の役割を明確化させるために使用される。この名称により剪定作業を説明することができる。また、摘果や摘蕾作業時にも使用される。

主幹(しゅかん)
地面から最上位の主枝の分岐点まで幹を指す。
主枝(しゅし)
主幹から直接分かれた出た枝で亜主枝、側枝、結果母枝、結果枝を着ける枝で樹形の基本となる枝。剪定する際には、主枝の本数を最初に確認する。
亜主枝(あしゅし)
主枝から分かれた出た枝で側枝、結果母枝、結果枝を着ける枝。主枝が埋められない空間に亜主枝を配置する。主枝とともに骨格枝と呼ばれ、樹形を構成する。
骨格枝(こっかくし)
樹の骨組みとなる枝で、主枝と亜主枝をさす。
側枝(そくし)
結果母枝や結果枝をつける枝。
発育枝(はついくし)
葉芽だけをつけた一年枝。
結果母枝(けっかぼし)
結果枝が伸びて着花する昨年生長した枝。この結果枝を出す枝の事。カンキツ、カキ等は結果母枝性。
結果枝(けっかし)
花芽を着けて、開花結実する枝の総称である。長さにより短果枝(たんかし)・中果枝(ちゅうかし)・長果枝(ちょうかし)と呼ばれる。この際、区分けする長さには諸説あり一定ではない。短果枝で花芽が密についた枝を花束状(かそくじょう)短果枝という。
徒長枝(とちょうし)
新梢(しんしょう)
新しく生長した枝。樹種の習性や伸び方により、結果枝、結果母枝、発育枝、徒長枝になる。

芽の呼び方

花芽(はなめ)
翌春に咲く花を持っている芽。枝・葉を一緒に持っている場合もある。
葉芽(はめ)
翌春に生長する葉と枝だけを持っている芽。

注釈

  1. ^ 青木直己 『図説 和菓子の今昔』(2版)淡交社、19-21頁。 によれば、「水菓子」は、果物が菓子を意味していたことの名残り。果物や木の実は弥生時代以降の食料環境の変化に伴って食料から徐々に嗜好品としての側面が強くなり、長い年月をかけて「菓子」の一分野となった。「菓子」の字義からも果物などが菓子をさしていたことが解る。

脚注

  1. ^ 農林水産省「消費者相談」の回答より
  2. ^ 並松 信久、2021年、「和菓子の変遷と菓子屋の展開」、『京都産業大学日本文化研究所紀要』26巻、京都産業大学日本文化研究所、ISSN 1341-7207NAID AN10537878 p. 303
  3. ^ 『農学基礎シリーズ 果樹園芸学の基礎』一般社団法人 農山漁村文化協会、2013年10月25日、21頁。ISBN 978-4-540-42204-1 
  4. ^ a b c 羽根 則子 『増補改訂 イギリス菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』誠文堂新光社、2019年、207頁。 
  5. ^ 国立がんセンターがん対策情報センター (2009年2月25日). “日本人のためのがん予防法:現状において推奨できる科学的根拠に基づくがん予防法”. 2009年12月1日閲覧。
  6. ^ WHO technical report series 916. Diet, nutrition and the prevention of chronic diseases, 2003 & IARC monograph on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans, Volume83, Tobacco Smoke and Involuntary Smoking, 2004
  7. ^ 高齢者高血圧治療のこつ、久代 登志男、日本老年医学会雑誌、Vol.47 (2010) No.2 P123-126
  8. ^ 青澤直子. “第31回ハミウリ”. WOM Bangkok. 2020年4月4日閲覧。
  9. ^ Nishikimi M, Kawai T, Yagi K (October 1992). “Guinea pigs possess a highly mutated gene for L-gulono-gamma-lactone oxidase, the key enzyme for L-ascorbic acid biosynthesis missing in this species”. J. Biol. Chem. 267 (30): 21967–72. PMID 1400507. 
  10. ^ Martinez del Rio C (1997). “Can Passerines Synthesize Vitamin C?”. The Auk 114 (3): 513-516. http://elibrary.unm.edu/sora/Auk/v114n03/p0513-p0516.pdf. 
  11. ^ Pollock JI, Mullin RJ (May 1987). “Vitamin C biosynthesis in prosimians: evidence for the anthropoid affinity of Tarsius”. Am. J. Phys. Anthropol. 73 (1): 65–70. doi:10.1002/ajpa.1330730106. PMID 3113259. 
  12. ^ 毎月8日は果物の日 - 日果連ホームページ 2010年4月9日閲覧[リンク切れ]


「果物」の続きの解説一覧




果物と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「果物」の関連用語

果物のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



果物のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの果物 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2022 GRAS Group, Inc.RSS