索引型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 16:14 UTC 版)
索引型世界においては、万物はイデア・《索引》が存在するが故に存在できる。たとえば《火の索引》という自然法則が存在するから、火が存在できるという順序で世界は成り立っている。この万物を存在せしめているしくみ自体に働きかけることで、万物を実体化させる魔法が索引型魔法である。 索引型世界においては万物と《索引》は対応関係を持ち、《索引》を観測するとそれに対応した物が実体化する。たとえば黄金と対応した《索引》を見つけたらその《索引》を観測するたびに何度でも黄金を生み出せる。そのため無から有を生み出すことも可能である。しかし《索引》を観測すると術者の意思にかかわりなく魔法が発動してしまうので、暴発の危険に常にさらされている。またどの《索引》が何に対応しているかは基本的に試してみるまでわからないので、《索引》探しが大変な場合もある。なお魔法は索引の媒質中に出現する。例えば音を索引とする神音大系では音の媒質中(主に空気中)に魔法が現れるし、術者のイメージを索引とする宣名大系は術者のイメージ内に魔法が出現する。 理論上は、世界に存在しうるありとあらゆる物と現象を生みだせる魔法であり、魔力型と比べると万能性が高い。とはいえ、索引を発見できればの話であるので、実際になんでもできるわけではないが。 賢猟大系(けんりょうたいけい) 味や匂いを索引とする魔法。得意としている系統は肉体の強化魔術だが、脳が正確な味や匂いを感じないとうまく発動しない。正確な匂い以外を嗅がないようにするため、普段はガスマスクをつけている人が多い。人間にとって身近な感覚で発動するため魔法を発見した時期が早く、最古の魔法のひとつとも言われている。魔法的転移(テレポート)匂いを覚えたもののそばへと転移する魔法。使用時には対象の匂いを再度嗅ぐ必要がある。テレポートとしては珍しく、移動するものを追尾できるという特性を持つ。 再演大系(さいえんたいけい) 観測者たる人間(の仕草・行動)そのものを索引とし、過去の人間を操作して歴史を書き換える魔法。はるかな未来に世界を救うというマイトレーヤ・弥勒菩薩のモデルとなった。 再演魔導師は世界の歴史を一冊の本として感覚する。過去全ての人間の仕草・行動を「文字」として記述した「本」である。再演魔法は本に記された過去の出来事を演じる行為を《索引》として、本の中の「文字」を、つまり過去の人間の行動・仕草を書き換える魔法である。ゆえに直接操ることができるのは「人間の仕草・行動」だけであり、他の魔法大系のように自然を操ることはできないし、人間の心を操ることはできない(魔法使いに魔法を使わせて間接的に自然を操作したり、行動を介して間接的に心の動きを誘導することはできる)。 強い再演魔法で大きく歴史を変えると、時間の流れは枝分かれして、新しい時間軸が生じる。本に記述されているのは「術者のいる時間軸」の歴史だけであり、他の時間軸の歴史は記述されていないため、他の時間軸に属する人間を再演魔法で観測・操作することはできない。 未来から投射される攻撃を防ぐ方法は魔法消去くらいしか無いため、非常に恐れられている。 魔法使いへの直接干渉に特化した唯一の魔法大系。60年前に一つの国家に荷担した再演大系は「連合」の魔法使いたちを操り戦争を行った。だがそれによってこの魔法を危険視した「連合」によってその痕跡の全てを徹底的に消された。 魔法消去者を除くすべての人間にとって天敵と呼べる魔法であり、多くの悲劇を生み出してきた。再演魔導士自身さえその例外ではなく、未来からの再演魔法に操られ、苦しめられてきた。 索引型魔法とされているが、実際はカオティックファクターの一種。舞花によって召喚された「真なる神」が、「再演の神」として顕現したことでその影響力を格段に高める。それによって唯一の弱点であった魔法消去を克服し、ほぼ無敵の魔法となる。運命の化身唯一魔導士に与えられる「世界を客観視できる場所」を介して、他の時間軸における自分自身を召喚する魔法。別の時間軸のきずな曰く、再演魔法による歴史改変自体が「歴史の化身」を作っているようなものらしく、それを利用した魔法。他の時間軸の自分の協力者も召喚できる(同一人物は同じ時間軸に二人現れることはできないという制約上、召喚された歴史に既に存在していないという条件付きだが)。召喚された人間は他の時間軸の人間であるため再演魔術に対する完全な耐性を持つ。この魔法を発動させたのは、歴史上倉本きずなただ一人。 本来「未来から人間を操る」はずの再演魔法でありながら、「未来からの再演干渉で生まれた他の時間軸を逆手にとって」「魔法による操作ではなく人間関係による協力者を以て」「未来からの再演干渉を無効化して」「現在が未来からの再演干渉に反抗するための魔法」であり、その成り立ちも性質も、再演魔法の自己否定とも言える皮肉な魔法。 概念魔術1.望んだ結果以外の未来を破壊することで、望みの結果を世界に押し付ける魔術。その際再演の神の修正によって砕いた未来のかけらである賢者の石が発生する。正確には未来が破壊されているわけではなく、元の時間の流れから枝分かれして分離しているだけらしい。 いかなる望みも叶える万能な魔法だが、「結果」に至るまでの「過程」は保障されないし予測できない。「生き延びたい」と望めば、敵も味方も犠牲にして生き残る、ということもありうる。 応用として、「術者が攻撃された未来」を破壊し、「術者が攻撃を『偶然』回避した未来」を選択することで、攻撃を無効化する「不可侵聖域」という防御魔法もある。 2.光輝ある破滅 「こうしてこうなった」という結果を人間に押し付けて無理やり実行させる魔術。 結果が先に決まっているため、普通であれば実行不可能なことをやらせることもできるが、引き換えに対象の生命が削られる。 再演魔術師はこれによって戦場に光輝ある英雄を生み出し、そして生命を奪って破滅させてきた。故に光輝ある破滅と呼ばれる。 3.戒律石版 世界を示す「本」に無理やり偽ページを挿入することで、一定時間・一定範囲内の人間に偽ページに書かれた行動を押し付け操る魔術。 本来再演魔術は過去を演ずる行為から《索引》を引き出すという手順を踏まなければならないため、一度に操れる人数は限られており、操りきれない人数での飽和攻撃には弱いが、戒律石版はその手順をすっ飛ばして、大量の魔術を一括行使し、大量の人間を操ることができる。 神音大系(しんおんたいけい) 音を媒介に奇跡を引き出す魔術。索引となる音を生み出すために音楽技術が発達している。また索引行為が音の組み合わせである音楽という形態故か、魔法(索引)の組み合わせや分業が進んでいる。地獄に信仰を広めたことから、天使のモデルとなった。協会とそれに属する一千の魔法世界を敵に回して一万年以上も決着がつかないほど強く、最強の魔法大系と言われている。「三十六宮」序列白宮二位。ゆらぎの化身(シャドーアバター)「私自身」を指す神音を奏でる事で擬似的なもう一人の自分を作り出す。自分自身を表す神音は個人ごとに違うため、習得難度は高い。 破滅の化身と同じく分身型のアバターで、分身も魔法を使うことができるため、手数を増やすために用いられる。破滅の化身と違って分身が倒されても術者にダメージはないので、盾として使用することも可能。破滅の化身ほどの爆発力は無いが、デメリット無しに戦力を倍化できる強力な魔法。 ミヒャエルが《極点》から化身を強化する魔法を持ち帰ったため、それに連なる魔法も存在する。また後述の聖霊騎士もゆらぎの化身であることを利用して同様に強化できる。作中では化身の巨大化、聖霊と共振することで彼らの知識・技術の習得、ゆらぎの化身と聖霊騎士を融合して化身と術者本人を強化する《半聖霊化》(ホーリー・マーター)などが登場している。 聖霊騎士「ゆらぎの化身」を術者の死後も召喚できるようにしたもの。神音大系における不死魔術。「ゆらぎの化身」は本来本人しか呼び出せないものだが、聖霊騎士は誰にでも召喚可能となっている。 ある儀式を行うことで聖霊騎士となり、儀式の最後にその騎士は死亡する。聖霊騎士に叙勲される者は、神聖騎士団の過去の歴戦の英雄である。聖霊騎士は体を大気で構成される魔法構造体であり、たとえ死んでも神音を奏でるだけで何度でも召喚可能で、早ければ五分もかからず復帰することもある。召喚のたびに作成時点の状態にリセットされるため、肉体的・精神的ダメージも完全に回復するが、記憶もリセットされてしまう。敵対者にとっては倒しても意味が無いので、できれば相手にしたくないが、皆強力な魔法使いであるために無視もできないという頭の痛い存在。ただし「同じ時間軸に複数の同一人物は存在できない」というルールには縛られるため、同じ聖霊騎士を複数同時に召喚することはできない。故に聖霊騎士を生かしたまま封印できれば、以後の召喚を封じることができる。これは無限に蘇る聖霊騎士に対する唯一の対抗策と言ってよく、故に協会は運良く神音魔導師を生け捕りに出来た場合、無理やり聖霊騎士を召喚させて、封印するという処置を取る。 戦力としての利用が主だが、それ以外にも後世に技術や知識を伝える教師としての役目ももっている。 聖霊騎士にはそれぞれ四桁のナンバーが振られており、何らかの技術革新がない限り9999人で定員止めとなるため、現在では新たな聖霊騎士が捧げられることは少なくなっている。故に戦力強化のために、聖霊騎士一人一人の力を強化する方法が模索されている。現在7045人の聖霊騎士が存在する。 かつて永遠の命を求めたはじまりの騎士達が、未来の再演大系魔導士の導きによって極点から入手した魔法。この魔法を得た功績により神音騎士団派が神音世界内で最大勢力となった。しかしその不死は術者の死を必要とするものであり、開発者としては不本意なものであったらしい。 前述のように索引型世界においては万物は索引が存在するが故に存在し得る。逆に言えば、世界に存在し得るあらゆるものは、世界の最初から索引が存在していたということになる。故に、再演魔法によって時間の流れがどれほど分岐しようと、索引はどの歴史でも共通である。これは聖霊騎士も例外ではなく、その索引はどの歴史でも共通である。そして索引型魔法は索引のあるもの全てを召喚できる魔法であるから、他の時間軸で作成された聖霊騎士も索引され知れれば召喚できる。他の時間軸の聖霊騎士は再演魔法の干渉を受けない。この性質を利用して、再演魔導師に対する刺客として利用されることもある。 神門(バブ・イル)神そのものは索引化できず、魔法で直接召喚することはできないが、神が降臨するための門は魔法で作れる。その門を神門(バブ・イル)と呼び、神音大系はその索引を「神の辞書」から入手することで地獄に神を降臨させようとしている。 魔法的転移(テレポート)場所を示す神音を奏でることで、その場所へと移動するポピュラーな魔法。 使用自体は簡単な魔法だが、予め索引が分かっている場所にしか行けない。 多重神音複数の音を同時に聞き分けることで、複数の魔法を同時発動する技術。神音大系における多重発動。 浸透神音「音の媒質中に魔法が発現する」という神音魔法の性質を利用し、人体内に音を伝わらせることで、人体内に魔法を発現させる技術。 神音魔法では本来人体への直接干渉はできないが、この技術により擬似的な直接干渉が可能となる。防御魔法を無視する攻撃魔法の他、治療にも使える強力な技術。 聖痕大系(せいこんたいけい) 触覚と痛覚を索引とする魔法。主に痛みの感触を媒介に発動する。索引行為が難しい魔法だが、その出力は索引型最大級。魔法生物の取り扱いに最も優れた魔法の一つ。聖痕世界は最も過酷な魔法世界の一つであるともいわれる。「三十六宮」序列蒼宮三位。まどろみの化身(レサージアバター)自分の感覚するものが世界であるという観測から、自分の感じる時間(主観時間)を世界に押し付ける化身。極度の苦痛や恐怖などで自身の主観時間を加速させることで、実際の時間をも加速させ高速で行動できるようになる。ただし気が緩んだりして主観時間が減速すると時間加速も減速してしまうという弱点がある。 宣名大系(せんめいたいけい) 術者が想起した抽象的なイメージを索引とする魔法。 他の索引型魔法のように物を直接実体化させるのではなく、「対象物を他の物に変える」という形でしか魔法が発動しないため、他の索引型魔法と違い何かを生み出すには他の何かを犠牲にしなければならない。これらの理由から(揶揄をこめて)“亜”索引型と呼ばれている。ただし化身の性質上、通常の魔法では不可能とされる人体への直接干渉が例外的に可能であり、殺傷力は高い。また奇跡の自由度が非常に高く、通常の魔法では不可能とされる抽象概念を扱うことさえできる。貪欲の化身(アバター・ヴォラスティ)(アバター・アブリス)宣名魔法は本来、術者のイメージの中に魔法が出現する魔法であり、魔法の力を直接現実に引きだすことができない。しかし自分自身というイメージを指定した対象にかぶせることで、対象と術者のイメージとの区別を曖昧にして、魔法を対象の中に出現させることが可能となる。この自分自身というイメージが宣名大系の化身、貪欲の化身(アバターアブリス)である。宣名大系においてほぼ全ての魔法を使うための基礎能力であり、宣名魔法は化身を被せるという手順を踏まなければ使えない。 魔法的転移(テレポート)ものを魔法の転移門に変えて、空間をつなげる魔法。転移門はふたつ一組であり、通過した物体をもう一方の転移門へと瞬間移動させる。 転移門の索引に加えて、場所を示す索引も必要となる。 天盟大系(てんめいたいけい) しりとりをして索引を観測する魔法。言葉を連結することで生まれるイメージ(行間や文脈)を索引としているとされる。索引と物との対応関係が比較的明確な索引型魔法であり、例えば「炎」「火」といった言葉をしりとりの中につなぐことで、炎に関係する物を呼び出すことができる。 ことばは様々な意味をもつため、抽象概念と同じく「観測によるゆれ」の影響を受けやすく、イメージを固定するのが難しい。そのため、イメージを固定するために、しりとりで言う言葉の現物を指差しながらしりとりを進める必要がある。そのため「愛」や「理解」のような意味の広い抽象概念をしりとりにつなぐのは非常に難しい。また、天盟大系魔道士の母国語は常に観測されてゆれやすいので、彼らにとっての異国語である日本語でしりとりを進めることが多い。 しりとりに使う現物を個人で所有するよりも集団で共有した方が効率がよいため、魔法世界としては例外的に早期から社会化が進んでいた。しかしそれゆえに集団心理に惑わされて戦乱の絶えない世界になってしまい、かつては「三十六宮」の一つという高位世界だったのにもかかわらず、現在は凋落した。集団戦法の祖というべき魔法大系であり、集団を利用した分業魔法や多重発動といった高度技術が発達している。インマラホテプ大魔法構造体。人間の頭に魔法で愛情をたたきこむ能力があり、それによって天盟世界の争いを幾度も止めてきた。人体への直接干渉と抽象概念の取扱という魔法の二大不可能事を可能とする非常に高度な魔法。ただしインマラホテプは「愛」ということばからしかつなげることが出来ず、天盟大系ではしりとりに使うことばの現物を指す必要があるため、召喚されたことは過去に数度しかないという。相似秩序を天盟秩序によって記述した「枠を超えた魔法」であり、相似弦(によく似たもの)を介して人から人へと愛情を感染させていく。
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索引(インデックス)型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 00:42 UTC 版)
検索対象となる文書数が膨大な場合、grep型では検索を行うたびに1つ1つの文書にアクセスし、該当データを逐次検索するので、検索対象文書の増加に比例して、検索にかかる時間も長くなっていってしまう。そこであらかじめ検索対象となる文書群を走査しておき、高速な検索が可能になるような索引データを準備することで、検索時のパフォーマンスを向上させる手法が取られている。事前に索引ファイルを作成することをインデクシング(英: indexing)と呼ぶ。インデクシングにより生成されるデータはインデックス(インデクス)と呼ばれ、その構造は多くの場合、「文字列 | ファイルの場所 | ファイルの更新日 | 出現頻度…」といったようなリスト形式(テーブル構造)を取り、文字列が検索キーとなっている。検索時にはこのインデックスにアクセスすることで、劇的に高速な検索が可能となる。
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