学校
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/22 08:26 UTC 版)
学校年度
「学校年度」は教育機関の1学年の年度を区切るもので英語のschoolyearやacademic yearに当たる[13]。「学年暦」ともいう[13]。
下表のとおり、世界の多くの国々では9月開始が主流となっている。特に北半球の国々には夏休みの終わる9月開始の国々が多く、歴史的には農家の子どもは農作業等を手伝っており、春から夏にかけては小麦の収穫や牧畜の出産で繁忙期に当たるため、それが終わる秋に新学年が始まるようになった[13]。
開始月 | 国名 |
---|---|
1月 | シンガポール、マレーシア、南アフリカ |
2月 | ブラジル |
3月 | 韓国、アルゼンチン、南半球の国 |
4月 | 日本、北朝鮮、インド |
5月 | タイ |
6月 | フィリピン |
7月 | インドネシア、台湾 |
8月 | メキシコ 、アメリカ(一部) |
9月 | 中国、ロシア、アメリカ(一部)、カナダ、ヨーロッパ各国 |
10月 | カンボジア、セネガル、マリ |
- 日本
- 日本の場合、学校教育法施行規則第59条で小学校は4月1日開始(翌年3月31日まで)となっており、この規定が中学校(同79条)、高等学校(同104条)、特別支援学校(同135条)、幼稚園(同39条)に準用されている[13]。なお、大学については学校教育法施行規則第163条により学長、専修学校については同184条により校長が定めるとされており、大学等によっては9月や10月に入学する制度がある[13]。
- 江戸時代の寺子屋や明治初期の学校では入学時期は自由で各個人の能力に応じて進級する仕組みだった(寺子屋の入学は慶事として気候の良い春先が選ばれることが多かった)[13]。1872年の学制の公布により一斉入学・一斉進級が原則になったが、学制が公布された時は9月1日開始となっていた[13]。1886年に会計年度が4月始まりとなったことで高等師範学校がそれに倣い、一般の学校も学校年度を統一するよう国が指導したことで4月1日開始となって今日に至る[13]。
- アメリカ
- アメリカでは州が学校年度を定めている[13]。
- イギリス
- イギリスでは9月開始だが、1月や4月にも入学機会を設けている[13]。
- 韓国
- 韓国では歴史的には1961年まで4月開始だったが、1962年に3月開始に変更された[13]。学校での暖房の国家負担を節減する目的だったといわれている[13]。
- オーストラリア
- オーストラリアの大学では通常、2回に入学機会を設けている。年に3回学生を受け入れる大学もある。2月(秋)が主要な入学シーズンである。[14]
注釈
出典
- ^ a b c 高橋靖直編『学校制度と社会 第二版』玉川大学出版局、2007年、11頁
- ^ a b 高橋靖直編『学校制度と社会 第二版』玉川大学出版局、2007年、10頁
- ^ 学校教育法第1条(一条校を参照)
- ^ 学校教育法(昭和22年法律第26号)第124条「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として次の各号に該当する組織的な教育を行うもの」(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び我が国に居住する外国人を専ら対象とするものを除く。)
- ^ 学校教育法(昭和22年法律第26号)第134条「学校教育に類する教育を行うもの」(当該教育を行うにつき他の法律に特別な規定のあるもの及び第124条に規定する専修学校の教育を行うものを除く。)
- ^ 小林登志子『シュメル 人類最古の文明』中央公論新社〈中公新書〉、2005年。 204頁
- ^ ピエール・ノラ『記憶の場』
- ^ a b c 高橋靖直編『学校制度と社会 第二版』玉川大学出版局、2007年、15頁
- ^ 高橋靖直編『学校制度と社会 第二版』玉川大学出版局、2007年、16頁
- ^ 高橋靖直編『学校制度と社会 第二版』玉川大学出版局、2007年、17頁
- ^ a b c 高橋靖直編『学校制度と社会 第二版』玉川大学出版局、2007年、18頁
- ^ 明治期の教科書 その1(愛知芸術文化センター 愛知県図書館)
- ^ a b c d e f g h i j k l “日本の学校はなぜ4月に新しい学年がスタートするのか? 諸外国はどうか?”. ニッセイ基礎研究所. 2020年11月30日閲覧。
- ^ “Australia University Intakes - Everything You Need to Know” (英語). UniSearch. 2024年6月13日閲覧。
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