中日新聞社 概要

中日新聞社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 15:51 UTC 版)

概要

戦前の愛知県の二大新聞社であった新愛知新聞社(しんあいちしんぶんしゃ)と名古屋新聞社(なごやしんぶんしゃ)が、戦時下による新聞社の統廃合命令に伴って1942年に合併し、中部日本新聞社(ちゅうぶにっぽんしんぶんしゃ)として設立された。その関係で、今なお大島家と小山家の2オーナー制が続いている。

その後、1954年に「中日スポーツ」を創刊、1956年には東京に進出して東京中日新聞(現・東京中日スポーツ)を創刊、そして1960年には北陸新聞社を買収して北陸中日新聞を創刊。1965年に題字を「中日新聞」に改題。1963年に東京新聞を発行する東京新聞社都新聞と、新愛知新聞社系列の国民新聞が合併してできた新聞社)の経営に加わり、1967年10月に東京新聞の編集と発行を東京新聞社から継承した。1993年には経営が悪化していた日刊福井を傘下に置き、日刊県民福井とした。1971年には社名を中部日本新聞社から中日新聞社に変更し、現在に至っている。2011年8月からは小学生向けの週刊新聞である「中日こどもウイークリー」が創刊された。発行部数は朝刊1,927,216部、夕刊237,342部(2021年1月~6月)[4]

各新聞の発行部数(2022年7–12月平均販売部数)
各新聞 発行部数
中日新聞 1,877,224
東京新聞 387,567
北陸中日新聞 76,372
日刊県民福井 30,569
中日スポーツ 237,707
東京中日スポーツ 70,497
中日こどもウィークリー 41,912

業績推移

単位(百万円) 売上高 売上原価 販管費 営業利益 経常利益 当期純利益 発行部数
2019年3月期 122,142 77,139 40,402 4,401 6,168 3,384 219.1万部(2019.4)
2020年3月期 116,981 75,270 41,278 432 2,345 1,002 218.2万部(2020.4)
2021年3月期 107,607 67,957 38,697 952 2,816 2,958 204.7万部(2021.4)

歴代社長

  1. 大島一郎(1942年 - 1945年)
  2. 杉山虎之助(1945年 - 1952年)
  3. 与良ヱ(1952年 - 1958年)
  4. 小山龍三(1958年 - 1961年)
  5. 与良ヱ(1961年 - 1967年)
  6. 三浦秀文(1967年 - 1973年)
  1. 加藤巳一郎(1973年 - 1987年)
  2. 大島宏彦(1987年 - 1997年)
  3. 白井文吾(1997年 - 2003年)
  4. 大島寅夫(2003年 - 2011年)
  5. 小出宣昭(2011年 - 2017年)
  6. 大島宇一郎(2017年 - 現職)

前述の通り、前身企業の新愛知新聞社を興した大島宇吉の家系と名古屋新聞社を経営した小山松寿の家系から歴代の社主を輩出しており、社長職は両家以外から選出される場合もあるが、重要事項に関しては今なお大島家と小山家の合議により決定されると言われる[5]。 2007年時点では第8代社長の大島宏彦(のち最高顧問、2023年没)が4.77%、元副社長の小山勇(元社主で第4代社長を務めた小山龍三の養嗣子、2020年没)が4.33%の株式を保有していた[6]

産経新聞社への一時移籍を経て社長に復帰した与良ヱ(元名古屋新聞社長・与良松三郎の長男)が1967年に急逝し、新愛知OBの三浦秀文が社長に就任して以降は大島派と小山派によるたすきがけ人事が続いている[注 1]。ただし、1973年に起きた中日スタヂアム事件による人事刷新などの要因もあり[7]、本社の社長交代と中日ドラゴンズのオーナー職とは必ずしも連動しておらず、第9代社長の白井文吾(現名誉会長)は2003年に本社会長となった後も2020年まで球団オーナー職に留まり続けていた。また、元相談役の小山武夫(小山龍三の養弟)は本社の社長在職経験が無く、中日スタヂアム事件のため本社取締役を辞任して以降はドラゴンズ専任の形でオーナーと球団社長を兼務している。


注釈

  1. ^ 第7代社長の加藤巳一郎は前任の三浦と同じ新愛知OBだが、合併後は名古屋新聞で自身と同じ経理・販売畑を歩んで来た小山龍三社主に近い立場を取るようになった経緯から小山派とされている。
  2. ^ ただし、近隣の都市に支局が設置されている場合や、比較的大きくない市の場合は、人員が多い事などを考慮してか、通信局や通信部を設置しない場合もある。
  3. ^ 「幸ビル」とも呼ばれる[12]
  4. ^ 福井県向けの朝日新聞は距離的な観点から京都市にある朝日新聞と東洋紙業の合弁会社・トーシプリンティングサービスに委託している。
  5. ^ 富山県向けのみ、1989年9月から2011年3月までは朝日新聞東京本社の紙面を朝日新聞名古屋本社で印刷・輸送、さらに石川県福井県、及び1989年8月までの富山県は京都市内(現在のものとは別)の朝日新聞直営の工場を使用していたが、中日新聞との相互提携の実現により、2011年4月から現在の形となった。
  6. ^ a b 2013年3月まではテレビ・ラジオ兼営局だったが、同年4月に子会社のCBCラジオにラジオ放送事業と放送免許を譲渡・継承。2014年4月に子会社のCBCテレビにテレビ放送事業と放送免許を譲渡・継承し、放送持株会社へ移行。
  7. ^ 中部日本放送の和文ロゴは設立当初から変えておらず、和文ロゴのみが一番古い。1973年から制定されたCBCの略称ロゴも、1982年にマイナーチェンジこそしているものの、TBS系列全体で2番目に古い略称ロゴとなっている(RSK山陽放送と同率)。TBS系列で一番古い略称ロゴは青森テレビ(ATV)で、開局直前に変更されたものが2023年現在まで使われている。2022年1月1日に略称ロゴでそれまで1番古かった中国放送CIを導入した後に全廃して以降からである。
  8. ^ 1973年までは九州場所も開催会場運営会社の福岡スポーツセンター西鉄グループ)との共催だった。1974年に単独主催に移行する際に、開催会場も九電記念体育館に移転した。
  9. ^ マスメディア集中排除原則の建前上、公式サイトのグループ企業一覧に名を連ねていないが、中日新聞社代表取締役社長の大島宇一郎が東海テレビ放送の代表取締役を兼任するなど事実上支配している。

出典

  1. ^ a b c d 会社概要”. 中日新聞社 (2015年7月1日). 2021年6月19日閲覧。
  2. ^ https://static.chunichi.co.jp/chunichi/pages/info/annai/corporate/index.html
  3. ^ 中日新聞:会社概要:中日新聞社から(CHUNICHI Web) 2014年4月1日
  4. ^ 中日新聞社メディアガイド
  5. ^ “メディアのオーナー多い地方財閥 中日新聞や河北新報もそう”. NEWSポストセブン (小学館). (2016年5月8日). https://www.news-postseven.com/archives/20160508_406872.html 2023年2月9日閲覧。 
  6. ^ 野原仁 (2009年). “日本の新聞社の株主に関する実証的分析(1)”. 岐阜大学地域科学部研究報告 Vol.24. 岐阜大学. 2023年2月9日閲覧。
  7. ^ 『中部財界』1973年12月号, p89「中日新聞が役員の人事刷新 三浦秀文会長、加藤巳一郎社長」。
  8. ^ 2011年2月26日の「中日新聞」朝刊15面(学ぶ)『しんぶんのヒ・ミ・ツ』(Newspaper In Education内)より。
  9. ^ a b c d e 中日新聞印刷. “中日新聞印刷について”. 2024年2月2日閲覧。
  10. ^ 中日高速オフセット印刷. “企業情報”. 2024年2月2日閲覧。
  11. ^ 中日オフセット印刷. “会社概要”. 2024年2月2日閲覧。
  12. ^ 中日新聞社. “会社概要”. 2024年2月2日閲覧。
  13. ^ 『中日新聞』2023年9月1日朝刊1面「社告」
  14. ^ “中日新聞、2億8600万円申告漏れ…国税指摘”. YOMIURI ONLINE(読売新聞). (2012年6月29日). オリジナルの2012年7月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120702004114/http://www.yomiuri.co.jp:80/national/news/20120629-OYT1T00564.htm? 
  15. ^ “記者が警察発表文を元組員に複数回提供‥「記者倫理に反する」中日新聞社”. Yahoo!ニュース. CBCテレビ. (2018年5月17日). オリジナルの2018年5月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180517153739/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180517-00006968-cbcv-soci 
  16. ^ 中日新聞が約1億4300万円の申告漏れ 名古屋国税局 毎日新聞(共同通信配信) 2019年12月26日
  17. ^ 中日新聞記者が市長選出馬会見の録音を市に提供 愛知・北名古屋 毎日新聞 2022年3月24日
  18. ^ 『日本民間放送年鑑 2010』 - 日本民間放送連盟編(コーケン出版、2010年)






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