ユーゴスラビア ユーゴスラビアの概要

ユーゴスラビア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 13:39 UTC 版)

ユーゴスラビアの変遷

国名の「ユーゴスラビア」は「南スラヴ人の国」であり[1]、こう名乗っていたのは1929年から2003年までの期間であるが、実質的な枠組みとしては1918年に建国されたセルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国に始まり、2006年6月にモンテネグロの独立で解体されたセルビア・モンテネグロまでを系譜とする。戦前は全人口の4分の3が農民であったが、1945年の第二次世界大戦後はチトーによって、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国となり、1948年にソ連率いるコミンフォルムから追放されるまで、ソ連型の社会主義建設に専念した。追放された後は労働者自主管理型の分権的な社会主義を生み出し、外交政策の非同盟主義への転換とともに「(ユーゴスラビア)独自の社会主義」の二本柱となった[1]。また、その間に国名や国家体制、国土の領域についてはいくつかの変遷が存在する(#国名参照)。

なお、ユーゴスラビアの名は解体後においても政治的事情により、構成国のひとつであった北マケドニアが現在の国名に改名する2019年までの間、同国の国際連合等における公式呼称であった「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」として残存していた。

国家の多様性から『七つの国境[注釈 1]、六つの共和国[注釈 2]、五つの民族[注釈 3]、四つの言語[注釈 4]、三つの宗教[注釈 5]、二つの文字[注釈 6]、一つの国家』と形容される[1][2][3]


注釈

  1. ^ イタリア、オーストリア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、ギリシャ、アルバニア
  2. ^ スロベニア、クロアチア、セルビア(ヴォイヴォディナコソボの2自治州が含まれる)、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、マケドニア
  3. ^ スロベニア人、クロアチア人、セルビア人、マケドニア人、ムスリム人(ユーゴスラビア内ムスリム)。 また、アルバニア人も多く、彼らのほとんどはコソボ自治州に住む。
  4. ^ スロベニア語、クロアチア語、セルビア語、マケドニア語
  5. ^ カトリック、正教、イスラム教。 宗教はスロベニア、クロアチアらほとんどカトリック信者、ボスニア・ヘルツェゴビナ(40%以上)やコソボ(80%以上)では多数のイスラム教徒がおり、セルビアとモンテネグロ、マケドニアでは圧倒的に正教の信者が多い。
  6. ^ ラテン文字とキリル文字
  7. ^ ユーゴスラビア連邦人民共和国の国家規模は(社会主義国の連邦として)ソ連に次ぐものであった。

出典

  1. ^ a b c 第2版,世界大百科事典内言及, 日本大百科全書(ニッポニカ),精選版 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,世界大百科事典. “ユーゴスラビアとは”. コトバンク. 2022年3月8日閲覧。
  2. ^ 特集 西バルカン地域 多民族社会の平和を目指して(1/4ページ) | 広報誌・パンフレット・マンガ | JICAについて - JICA”. www.jica.go.jp. 2021年4月29日閲覧。
  3. ^ 映画『灼熱』 公式サイト”. www.magichour.co.jp. 2022年3月8日閲覧。
  4. ^ KosovaThanksYou コソボ独立を承認した国の一覧
  5. ^ 〔備考〕外交関係の回復に関する書簡について
  6. ^ ユーゴ、ソ連と友好不可侵協定調印『東京日日新聞』昭和16年4月7日夕刊)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p387 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
  7. ^ ドイツ軍、ユーゴ・ギリシャへ侵入(『東京日日新聞』昭和16年4月7日)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p387
  8. ^ ユーゴ全軍が無条件降伏(『東京日日新聞』昭和16年4月19日夕刊)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p388
  9. ^ W. A. Brown & R. Opie, American Foreign Assistance, 1953
  10. ^ Sherman Register - Yugoslavia
  11. ^ Yugoslav Air Force Combat Aircraft: 1953 to 1979 – The Jet Age I (US & Soviet Aircraft)
  12. ^ United Nations Photo: Yugoslav General Visits UN Emergency Force
  13. ^ “旧ユーゴ内戦と国際社会”. https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/00-6/iciyanagi.htm 2017年7月11日閲覧。 


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