特殊潜航艇とは? わかりやすく解説

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とくしゅ‐せんこうてい〔‐センカウテイ〕【特殊潜航艇】

読み方:とくしゅせんこうてい

旧日本海軍太平洋戦争用いた小型潜航艇母艦目的地近くまで運ばれてから作戦任務に就く。昭和16年1941)の真珠湾、その翌年シドニーなどの攻撃参加


特殊潜航艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/17 04:51 UTC 版)

特殊潜航艇(とくしゅせんこうてい、: midget submarine〈ミゼット・サブマリン〉)とは、敵海軍の泊地襲撃や、工作員潜入などに使われる軍用潜水艇・小型潜水艦。日本の甲標的をはじめとして、世界各国で製造・運用された。

概要

泊地襲撃に潜水艦を使用するというアイデアは、アメリカ独立戦争時に使用された世界最初の潜水艇である「タートル」や、南北戦争時に世界最初の艦艇を撃沈した「H.ハンリー」、第一次第二次世界大戦時にも各国は使用しており、潜水艦運用初期にはごく基本的な戦法であった。

外洋行動が可能な大型潜水艦が実用化されると、泊地等の狭水域に対する襲撃行動は艦の大きさの点から不向きとなってきた。第二次世界大戦時には、狭水域における行動に適したサイズと独特の装備を有した潜水艇・特殊潜航艇が開発・製造され、実戦にも投入された。

日本の甲標的は、1941年の開戦時における真珠湾攻撃や1942年のシドニー港攻撃ディエゴ・スアレス港の攻撃等に投入された。真珠湾攻撃では戦艦ウェストバージニア戦艦オクラホマに魚雷を命中させたとされる[1]。ディエゴ・スアレスでは戦艦ラミリーズを大破、油槽船ブリティッシュ・ロイヤルティ(6,993トン)を撃沈した。またガダルカナルの作戦において米輸送艦アルチバ(USS Alchiba, AK-23)、米輸送艦マジャバ(USS Majaba, AG-43)など数隻を撃破した。

ドイツでは1943年9月にイギリスの特殊潜航艇によってティルピッツが攻撃されたことを機に開発が始まり、ネガーモルヒヘヒトデルフィンといった特殊潜航艇を開発した。ドイツの特殊潜航艇は日本のそれよりも小型で、一人乗りのものが多かった。魚雷を改造しただけというものもあり、1,000隻以上の大量の特殊潜航艇が製造されたものの、どれもこれといった活躍を見せることはなかった。戦果といえるものは駆逐艦1隻と輸送船数隻程度であるとされている。

接近して艦船を攻撃する魚雷を模した特殊潜航艇を人間魚雷とも呼ぶ[2]

各国の特殊潜航艇

日本

大日本帝国海軍

大日本帝国陸軍

イギリス

  • X艇(1942年以降)
  • XE級潜水艦(1944年)
  • スティックルバック級潜水艦(1950年代)

ドイツ

脚注

  1. ^ 特殊潜航艇の真珠湾雷撃成功か 米専門家が分析 四国新聞社 全国ニュース 2009/12/08  2016年8月29日閲覧
  2. ^ J・グリーソン、T・ウォルドロン、永来重明(訳)、出光照生(監修)『必殺!人間魚雷 日英独伊・恐怖の特殊潜航艇』第二次世界大戦ブックス72、サンケイ出版、1977年

関連項目

外部リンク


特殊潜航艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 00:21 UTC 版)

オウム真理教の兵器」の記事における「特殊潜航艇」の解説

1991年12月、「オウム海中都市構想」を企てた麻原が、その手始めとして村井らに命じ建造させた。発端富田隆映画彼女が水着にきがえたら』に潜水艦出てくることを話していたところ、麻原オウムでも潜水艦ぐらい作れと言い出したことであるという。教団雑誌えんじょいはぴねす」に掲載される予定だった。

※この「特殊潜航艇」の解説は、「オウム真理教の兵器」の解説の一部です。
「特殊潜航艇」を含む「オウム真理教の兵器」の記事については、「オウム真理教の兵器」の概要を参照ください。

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