艀とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 交通 > 船舶 > 小舟 > の意味・解説 

バージ船

読み方:バージせん
別名:はしけ船艀船、艀、バージ

重い荷を水上輸送するなどの目的用いられる船舶一種。底が浅く平らになっており、陸上輸送困難な重たい貨物などを運ぶために用いられる

はしけ【×艀】

読み方:はしけ

《「はしけぶね」の略》河川・港湾などで大型船と陸との間を往復して貨物乗客を運ぶ小舟船幅広く平底はしぶね


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/30 01:09 UTC 版)

英国ロンドンテムズ川をゆくバージ
トウボートに押されてミシシッピ川を上る艀(セントルイスゲートウェイ・アーチ上から撮影)

(はしけ)とは河川運河などの内陸水運内陸水路や港湾内において、重い貨物を積んで航行するために作られている、平底の船舶である。

艀の多くはエンジンを積んでいないため自力で航行することはできず、タグボート(トウボート)により牽引あるいは推進されながら航行する。

英語ではバージ(barge)もしくはライター(lighter)と呼ばれ、後者は特に艀のうち平底のものを指す。

歴史

19世紀、ロシアヴォルガ川のはしけ船
19世紀末のドイツの運河の風景。内陸運河では、艀は曳舟道を歩く馬や人に牽引されて進んでいた

陸上運送が馬や荷車などに頼っていた時代、より多くの荷物を積むことのできる艀は、沖合いの大きな船と河岸とをつなぐ荷役の主役であり、河川交通の主役でもあった。

英語の「Barge」という単語は1300年ごろに使用が確認されており、その語源は古いフランス語の「barge」から、さらに俗ラテン語の「barga」から来ている。古代ローマ時代のラテン語では、「エジプトの船」を意味するギリシア語の「baris」から「barica」と呼ばれていた。古代エジプト語の系譜を引くエジプトのコプト語では「小舟」を意味する「bari」という言葉があり、これが現在のバージの語源である。平底のものを指す「lighter」の語源ははっきりしていないが、古いオランダ語ドイツ語で「軽い」を意味する「lichten」を語源として派生したものと考えられている。

産業革命初期のヨーロッパやアメリカ合衆国では、馬などの動物や船曳き人夫に引かれて運河をゆく艀が安く大量の物資を運べる手段として重用された。艀や運河は、内陸部の交通を飛躍的に発展させ、内陸各地に工業都市や原料・穀物などの物資集散都市を発展させた。しかし後発の鉄道輸送と争うようになり、鉄道の速さ、鉄道運賃の安さ、河川や運河に比べて柔軟なルートを引ける線路によって艀は単価の高い貨物の輸送需要を奪われ、内陸運送の主役の地位を追われた。

また艀は港湾において、沖合いに停泊した大型貨物船から荷を降ろし、狭い桟橋埠頭へ揚陸するために活躍したが、貨物船のコンテナ化で港湾物流からも押し出された。

艀の作業員は自分の艀を所有していることもあり、かつては様々な運送会社や工場から仕事をもらって河川や港湾の運送を行い、家族と共に艀のへさきにある居住区で水上生活を営んでいた。日本でも高度成長期までは着岸する貨物船の荷役に艀が足りず増産されており、大きな港には数千艘の艀が待機し、多くの人々が仕事にあわせて各地を移動する水上生活を送っていたが、1970年代以降はこうした光景も見られなくなった。

しかし、トラックトレーラーでは運べない重い貨物を運ぶために、現在でも各地の河川や港湾で艀は活躍している。またトラックから水運・鉄道へ貨物輸送をシフトするモーダルシフトの一環として、艀を使ったコンテナなどの輸送が試行されている。また、自力で航行・運搬ができるよう、エンジンを搭載させたものが海外で見られる。

用途と荷役

艀は大きな重量の貨物を積むことができ、運送単価が非常に安いため、今日でも単価が安いバルクカーゴ(ばら積み貨物セメント石炭穀物など)や重量物の運送に使われている。また底が平らなため、より多くの貨物を積める一方浅い川や運河でも航行することができる。道路を通ることができない大型の機械(建設機械やプラント設備など)は、分解して陸送した場合には現地で組み立てる必要があるため、現地に組み立てられる作業員や施設がない場合は河川や海などを艀で運送することがある。

貨物船の中には、貨物を積んだ艀を多数積むことのできる艀運搬船(LASH、Lighter Aboard Ship)というものもある。途上国の岸壁荷役が貧弱な港へ貨物を輸送する場合、また川の上流が最終目的地の場合に使われ、港で艀運搬船から艀を降ろし、タグボートに引かせて目的地へ向かわせることができる。

艀は、岸壁からの積み下ろしだけでなく、沖合いで停泊する船に近づいて海上で荷役を行うこともある。こうした作業に従事する作業員は沖仲仕と呼ばれたが、海上での作業は風の強い日には転覆の恐れもある危険なものであった。現在も海岸に大型船が着くことのできない離島や設備の整っていない港などでは、沖合いで艀に乗客や貨物を降ろして海岸に向かわせることもある。

大きさと仕組み

アメリカの河川で使われる典型的な艀の大きさは長さ195フィート(59.4 m)、幅35フィート(10.6 m)であり、1,500トンまで積載可能な大型のものである。日本では地域によって異なるが、積載重量は50トンから200トンで長さ20 m前後、幅6 m前後、深さ2 m前後の鋼鉄製の艀が標準である。貨物を満載にした場合の水面下の深さ(満載喫水)も2 m以内に納まるため、水深の浅い川や、低いが架かっていて普通の船の通れない川でも艀は通ることができる。

普通、艀はエンジンは積んでおらず、方向を変えるだけがついている。エンジンを積んだ艀は流れの穏やかな水路を航行する際に使われ、流れの速い川を遡上するときにはタグボートの力を借りる。

その他

アニメーション漫画といった創作作品の中には、航空機船舶に見立てて世界観を構築しているものがあり、それらの作品では、動力機に曳航される貨物輸送用グライダーを「艀」や「バージ」と呼称する設定がされていることがある。

宮崎駿の創作した『風の谷のナウシカ』の作中では、曳航式の小型貨物グライダーが「バージ」の呼称で登場する。

ギャラリー

関連項目

外部リンク


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 02:19 UTC 版)

がんばれタッグス」の記事における「艀」の解説

フランク 原語版:マイク・オマリー 日本語版:藤原啓治 レールホームがある鉄道用の艀。桟橋レール途切れたところに連結して貨車客車をのせることができる。ホーム終端部控え室部分に顔と名札がある。劇中では「フェリー」と呼ばれている。のほほんとした性格で、タッグス同士問題には無関心エディ 原語版:ティモシー・ベイトソン 日本語版:荒川太郎(「トップハットの大かつやく」のみ:亀山助清フランクと同じ形状鉄道用の艀。劇中ではフランク同様に、彼もフェリー呼ばれている。髭がはえている。彼とフランク移動する際は、常にタッグス(主にトップハット)の両サイド接続される性格フランク似ており、タッグスに対して消極的。 スティンカー 原語版:ティモシー・ベイトソン 日本語版:荒川太郎(「ぶきっちょウォリアー」のみ亀山助清古くて臭い廃棄物処理用の艀。普段ウォリアーの左サイド接続され運ばれているが、「トップハットの大かつやく」からはトップハットお気に入りゴミになった(「ぶきっちょウォリアー」でもトップハットスティンカー運んでいた)。 パール 原語版:ジョアン・グッド 日本語版:稀代桜子 スティンカー同型の艀。「ぶきっちょウォリアー」ではリトルディッチャーと働いている。サンシャイン仲が良い

※この「艀」の解説は、「がんばれタッグス」の解説の一部です。
「艀」を含む「がんばれタッグス」の記事については、「がんばれタッグス」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「艀」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/12 05:34 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. (はしけ)停泊中の大型船舶との間に貨物または旅客などを運送するのに用い小型船舶

熟語

  • 艀艇

※ご利用のPCやブラウザにより、漢字が正常に表示されない場合がございます。
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence. Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.

「艀」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



艀と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「艀」の関連用語

艀のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



艀のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
新語時事用語辞典新語時事用語辞典
Copyright © 2026 新語時事用語辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの艀 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのがんばれタッグス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
漢字辞典
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence.
Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Distributed under the Terms of Use in http://www.unicode.org/copyright.html.
Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2026 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2026 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2026 GRAS Group, Inc.RSS