新兵収容艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 07:05 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動新兵収容艦(しんぺいしゅうようかん、英: receiving ship)は、海軍において、新兵が乗組員として艦に割り当てられるまで、彼らを収容しておくために港湾に置かれる船のことである。新兵練習艦、補充兵収容船などとも訳される。[1]
19世紀の初めごろまで、イギリス海軍では水兵の強制徴募が行われていた。これは自ら望んでいないものを強制的に海軍の兵員とする制度である。その場合、当然彼らの脱走をいかに防ぐかということが問題となるが、その解決策のひとつがこの「新兵収容艦」であった。港湾に浮かんだ船から見つけられずに脱出することは大変困難であり、また、当時の水兵の大半は泳ぐことができなかったからである。
新兵収容艦には、主に、まだ水上に浮かんでいることは出来るが、航海に耐えることは出来ない老朽船が充てられた。年を経た木造船の場合、長年の使用によって船体外皮が劣化し、厳しい外洋の航海に耐えられないのが一般的であった。
また、新兵収容艦は、病院施設がない泊地等で病院の役割を果たすことが多かった。軍艦の艦医はしばしばここで医療行為を行った。
脚注
- ^ 「新兵収容艦」の訳語は『封鎖艦、イオニア海へ』(パトリック・オブライアン著「オーブリー&マチュリンシリーズ」第8巻、ハヤカワ書房、高津幸枝訳)等による。
新兵収容艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/12 05:02 UTC 版)
新兵収容艦は、乗員に採用される前の、新規入隊の水兵が宿泊する家として、港湾で用いられた艦船である。 イギリス海軍では水兵を集めるために強制徴募を行い、この結果、士気のない新兵の脱走防止の問題が生じた。新兵収容艦はその解決の一つであった。察知されずに船から逃亡することは困難であり、また多くの場合、19世紀中頃のほとんどの水兵はどのようにして泳ぐかを知らなかった。 典型的な新兵収容艦は、老朽化してまだ浮くことのできる艦船であり、時代遅れの船や、もはや航海に耐えなくなった船だった。この実施は通常、木造船の船齢によるもので、外洋航走の厳しさに耐えるには脆くなりすぎたのち、老朽化した船体は比較的静かな水上に置かれ、長年にわたり浮くままとされた。
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