【戦車揚陸艦】(せんしゃようりくかん)
揚陸艦の一種。
通常の揚陸艦が上陸用舟艇やヘリコプターなどを用いて兵員・車両・資材などを揚陸するのに対し、それ自体が直接浜辺に乗り上げて(ビーチング)戦車などの重量物を揚陸する能力を持つもの。
アメリカ海軍での記号は「LST(Landing Ship of Tank)」。
かつての揚陸艦は上陸用舟艇を甲板上から吊り降ろし、それを用いて兵員を揚陸させていたが、これでは舟艇の大きさに限界があり、戦車などの重量物を揚陸することができなかった。
戦車揚陸艦は揚陸艦そのものにビーチング能力を持たせることにより、戦車などを揚陸できるようにしたものである。
しかし、船首に大型の乗降ドアを設けていることと、浜辺に乗り上げるために船底を平らにしておかねばならない構造上、他の艦船に比べて速力に劣るという欠点があり、また、この方式で接岸できる海岸は全地球上の海岸線の15%程度しかないという欠点も指摘されたため、後にドック型揚陸艦などが登場して大型の上陸用舟艇を運用できるようになると、次第に使われなくなった。
主な戦車揚陸艦
- 第二次世界大戦後に建造されたもの
- アメリカ
- ニューポート級
- タルボット・カウンティ級
- テレボーン・パリッシュ級
- サフォーク・カウンティ級
- LST-1級
- アメリカ
戦車揚陸艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 00:51 UTC 版)
戦車揚陸艦(せんしゃようりくかん、英語: tank landing ship)は、擱座着岸(ビーチング)機能を有する揚陸艦の艦種。アメリカ海軍の分類記号としてはLST(Landing ship, tank)が当てられる[注 1]。また類似した設計ながらも水陸両用作戦よりは後方支援に重きを置いて、LSL(Landing Ship, Logistic: 補給揚陸艦)やLSV(Logistics Support Vessels: 兵站支援艦)といった分類記号を付された艦も登場している[1]。
注釈
- ^ 海上自衛隊では、ドック型輸送揚陸艦であるおおすみ型輸送艦 (2代)を含めて、全ての揚陸艦にLSTの記号を付している。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k 吉原 1994.
- ^ 大内 2012, pp. 13–19.
- ^ 大内 2012, pp. 45–50.
- ^ 大内 2012, pp. 97–105.
- ^ a b 多田 2014.
- ^ a b c 大内 2012, pp. 181–182.
- ^ 大内 2012, pp. 182–193.
- ^ a b 大内 2012, pp. 210–217.
- ^ Friedman 2002, pp. 334–345.
- ^ a b 大内 2012, pp. 181–187.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 海人社 1994.
- ^ 森 1991, pp. 234–243.
- 1 戦車揚陸艦とは
- 2 戦車揚陸艦の概要
- 3 脚注
- 4 外部リンク
戦車揚陸艦 (LST)
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「アメリカ海軍揚陸艦一覧」の記事における「戦車揚陸艦 (LST)」の解説
詳細は「アメリカ海軍戦車揚陸艦一覧」を参照 アメリカ海軍は第二次世界大戦中から1970年代初めにかけて1,200隻近くの戦車揚陸艦 ("Landing Ship, Tank" , "LST") を建造した。
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