戦車揚陸艇とは? わかりやすく解説

LCT

(戦車揚陸艇 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/02 22:08 UTC 版)

TLC Mk.5(アメリカ海軍LCT-202)

戦車揚陸艇(せんしゃようりくてい、英語: Landing Craft Tank, LCT)は、アメリカ海軍向けに建造された上陸用舟艇の種類。イギリス海軍が開発したTLC(英語: Tank Landing Craft)のアメリカ仕様であり、のちに汎用揚陸艇(LCU)に発展していった[1]

概要

TLC Mk.1は、1940年11月にホーソン・レスリーで1番艇が進水したのち、これを含めて計30隻が建造された。翌1941年以後、さらに500トン級のMk.2、その船体を延長した600トン級のMk.3、やや船体を縮小するかわりに拡幅したMk.4が順次、建造開始された。また同年12月のアメリカ合衆国の参戦に伴い、同国海軍向けとして、戦車揚陸艦(LST)への搭載に対応して小型化したMk.5[2]、またこれと同等の諸元を備えつつ、艦尾にもランプを備えて車両甲板を全通させたMk.6も開発され[3]、アメリカ海軍ではMk.5はLCT-1級、Mk.6はLCT-501級と称された。また、Mk.6をもとに、アメリカ海軍の要請に応じて兵員居住区を追加するなどした発展型であるMk.7も開発され、これはLSM-1級中型揚陸艦として配備された。LSM-1級の実績が良好であったことから、イギリス海軍自身も姉妹型としてTLC Mk.8を配備した[3]

これらのTLC/LCTは、第二次世界大戦終結までに計3,222隻が建造された。Mk.7とMk.8以外の艇は、航洋能力が比較的限定的であったこともあり、遠隔地での作戦の際には、ドック型揚陸艦ウェルドックに収容されたり、あるいは戦車揚陸艦などの甲板上に搭載されて輸送されることも多かった[1]

TLC諸元表
Mk.1 Mk.2 Mk.3 Mk.4 Mk.5
排水量 378 t 535 t 650 t 595 t 259 t
全長 46 m 48.74 m 59 m 57.07 m 35.81 m
速力 8 kt 10.5 kt 9 kt 8 kt
搭載量 254 t 305 t 356 t 136 t

脚注

出典

  1. ^ a b 「アメリカ揚陸艦史」『世界の艦船』第669号、海人社、2007年1月、1-135頁、NAID 40015212119 
  2. ^ Basil Hearde (2000年). “THE TIN ARMADA: SAGA OF THE LCT” (英語). 2014年4月16日閲覧。
  3. ^ a b Norman Friedman (2002). “The British Connection”. U.S. Amphibious Ships and Craft: An Illustrated Design History. Naval Institute Press. pp. 103-148. ISBN 978-1557502506 

戦車揚陸艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/31 19:51 UTC 版)

LCU」の記事における「戦車揚陸艇」の解説

LCUは、イギリス海軍開発した戦車揚陸艇(Tank Landing Craft, TLC)に源流有する。これはアメリカ海軍でLCTLanding Craft Tank)として配備された。 TLC Mk.1は、1940年11月ホーソン・レスリーで1番艇が進水したのち、これを含めて30隻が建造された。翌1941年以後、さらに500トン級のMk.2、その船体延長した600トン級のMk.3、やや船体縮めかわりに拡幅したMk.4が順次建造開始された。また同年12月アメリカ合衆国参戦に伴い同国海軍向けとして、戦車揚陸艦LST)への搭載対応して小型化したMk.5、またこれと同等諸元備えつつ、艦尾にもランプ備えて車両甲板全通させたMk.6も開発されアメリカ海軍では、Mk.5はLCT-1級、Mk.6はLCT-501級と称された。また、Mk.6をもとに、アメリカ海軍要請に応じて兵員居住区追加するなどした発展型であるMk.7も開発され、これはLSM-1級中型揚陸艦として配備された。LSM-1級の実績良好であったことから、イギリス海軍自身姉妹型としてTLC Mk.8を配備した。 これらのTLC/LCTは、大戦終結までに計3,222隻が建造された。Mk.7とMk.8以外の艇は、航洋能力比較限定的であったこともあり、遠隔地での作戦の際には、ドック型揚陸艦ウェルドック収容されたり、あるいは戦車揚陸艦などの甲板上に搭載され輸送されることも多かったTLC諸元表Mk.1Mk.2Mk.3Mk.4Mk.5排水量378 t 535 t 650 t 595 t 259 t 全長46 m 48.74 m 59 m 57.07 m 35.81 m 速力8 kt 10.5 kt 9 kt 8 kt 搭載量254 t 305 t 356 t 136 t

※この「戦車揚陸艇」の解説は、「LCU」の解説の一部です。
「戦車揚陸艇」を含む「LCU」の記事については、「LCU」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「戦車揚陸艇」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「戦車揚陸艇」の関連用語

戦車揚陸艇のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



戦車揚陸艇のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのLCT (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのLCU (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS