戦車戦術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 07:00 UTC 版)
カリウスは歩兵と戦車の連携を重視し、また事前に地形の偵察を欠かさなかった。奇襲となったマリナーファの戦いでもまず事前に敵情と地形を確認している。また、要求された攻撃時間を無視してでも、歩兵部隊の指揮官と打ち合わせを行い、段取りを決めた上で攻撃を行った。指揮官の顔も氏名も分からない状況、何をするべきかを決めていない状況で歩兵と戦っても、それはただそばで別々の兵科が戦っているにすぎず、連繋をとっているとは言い難い状況であるためであった。仮に歩兵が戦意を失っても、誰に連絡を取るべきか分からなくては歩兵の攻撃を再起させることは難しかった。カリウスは連携によって、歩兵の攻撃を再起させることに成功した。 カリウスは戦車同士の緊密な連携にも気を配っており、単独攻撃はとらなかった(疲労から、誤って僚車を一両きりで夜間警備させたことに対し、もってのほかの行為だったと述べている)。この点は、ヴィレル・ボカージュの戦いで勝機を逃さぬためには単独攻撃も辞さなかったミハエル・ヴィットマンと対照的である。また索敵の重要性、周囲の状況の把握の重要性を説き、ソ連軍の戦車長がハッチを閉じたままでいることを批判している。キューポラの限られた視界、密閉された戦車内では、対戦車砲による攻撃を把握するまでにはかなりの時間がかかった。また、ソ連軍の車長と砲手を兼務する配置に対し、指揮と索敵に専念できる乗員配置の優位性を指摘している。
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