ネアンデルタール人 特徴

ネアンデルタール人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/08 14:52 UTC 版)

特徴

1888年時点の最初期の復元図
現生人類(左)とネアンデルタール人(右)の頭蓋骨の比較写真
現生人類(左)とネアンデルタール人(右)の頭蓋骨の比較図

典型的なネアンデルタール人類の骨格は、上記のラ・シャペローサンからほとんど完全な老年男性のものが発見されたほか、西アジア東欧からも良好な化石が出土している。それらに基づくネアンデルタール人類の特徴は次のようなものである。

  • ネアンデルタール人の容量は現生人類より大きく、男性の平均が1600 cm3あった(現代人男性の平均は1450 cm3)。しかし、頭蓋骨の形状は異なる。脳頭蓋は上下につぶれた形状をし、前後に長く、は後方に向かって傾斜している。また、後頭部に特徴的な膨らみ(ネアンデルタール人のシニョン)がある。なお、性差人種差を除外した同質な人類集団の中では脳の大きさは知能指数相関係数0.4程度の相関があることが知られる[14]。このことから、現生人類と比較しても遜色のない知能を有していた可能性もある。[独自研究?]
  • 顔が大きく、特に上顔部が前方に突出して突顎である。鼻根部・先端部共に高くかつ幅広い。これらの形質に呼応して上顔部は現生人類のコーカソイドと同じか、さらに立体的(顔の彫が深い)である。顔の曲率を調べる方法の一つとして「鼻頬角(びきょうかく)」があり、これは左右眼窩の外側縁と鼻根部を結ぶ直線がなす角度で、コーカソイドで136度から141度であり、モンゴロイドでは140度から150度であるが、ネアンデルタール人類では136.6度であった。他に、の部分が張り出し、眼窩上隆起を形成している。また、(おとがい)の無い、大きく頑丈な下顎を持つ。
  • 現生人類と比べ、の奥(上気道)が短い。このため、分節言語発声する能力が低かった可能性が議論されている。
  • 四肢骨は遠位部、すなわちであれば前腕下肢であればの部分が短く、しかも四肢全体が躯体部に比べて相対的に短く、いわゆる「胴長短脚」の体型で、これは彼らの生きていた時代の厳しい寒冷気候への適応であったとされる(アレンの法則)。
  • 男性の身長は165cmほどで、体重は80kg以上と推定されている。[要出典]骨格は非常に頑丈で骨格筋も発達していた。
  • 成長スピードはホモ・サピエンスより速かった。ただし寿命性的成熟に至る年齢などは、はっきりとしない。1歳2ヶ月ほどで乳離れをしており、出産間隔も短かったとの説がある[15]。2017年、スペイン国立自然科学博物館などが発表した論文によれば、ネアンデルタール人は成長速度が早かったのではなく、成長期が長かった可能性があるという説を唱えた。おそらく12歳ほどと思われるネアンデルタール人の少年の頭蓋骨を調べたところ、この少年の脳の重さは、成人ネアンデルタール人の87.5%ほどであったという。12歳時点のホモ・サピエンスの脳の重さは、大人の95%ほどになっているとされる。この事から、ネアンデルタール人は成長期がホモ・サピエンスよりも長くなっており、大きな頭蓋骨を持つに至った理由とされる[16]

以上のような相違点はあるものの、遠目には現生人類とあまり変わらない外見をしていたと考えられている。また、思春期に達して第二次性徴が現われるまではネアンデルタール人としての特徴はそれほど発現せず[17]、特に女性の場合には(ネアンデルタール人類に限らず、現生人類を含む全ての進化段階で)形質の特殊化が弱いと考えると、我々現生人類はネアンデルタール人から見て幼児的・女性的に見えたかもしれないとも指摘されている[18]

その他、高緯度地方は日射が不足するため黒い肌ではビタミンDが不足してしまうこと[19]、およびDNAの解析結果より[20][21]、ネアンデルタール人は白い肌で赤い髪だったとの説がある。




注釈

  1. ^ 噴出物が空を覆い寒冷化が進む、これを「火山の冬」説という[39]

出典

  1. ^ “Neanderthals Died Out 10,000 Years Earlier Than Thought, With Help From Modern Humans”. National Geographic. (2014年8月20日). http://news.nationalgeographic.com/news/2014/08/140820-neanderthal-dating-bones-archaeology-science/ 2017年9月21日閲覧。 
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