ミッドガルド:真帝国関係者
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「アルシャードトライデント」の記事における「ミッドガルド:真帝国関係者」の解説
アルフレッド 真帝国聖務枢機卿で真帝国教会の最高指導者。二大枢機卿の一人。ベスの上司に当たる。数百年に渡り少年と思える姿を維持しており、真帝国臣民の中にはアルフではないかと噂する者もいる。『アルシャード』ルール第一版基本ルールブック以来の公式NPC。『トライデント』シリーズでは3つのパーティーを繋げる狂言回しとして頻出する。 その正体は、過去の小ラグナロクにおいてを同胞を裏切りユグノス王の側についたと言われるアース神族の一柱・ロキ神。同時にブルースフィアの小ラグナロクたるティタノマキアにおいてオリュンポス神族側についたティターン神族の一柱・プロメテウス神でもある。 トリックスターらしくとても飄々とした性格で、機械神への信仰はどこまで本気のものか知れたものではなく、彼の正体を知らない者たちでも、アルフレッドは信仰心などは本当は皆無で教会の力を私的に使いたいがために地位にしがみついているだけではないかと疑っている者もいる。特に真帝国内で「天使派」と呼ばれる派閥に属する者はその傾向が顕著である。 「襲来! コスモマケドニア!!」では、真帝国に侵攻を仕掛けた「スカンダ」と称する軍団への対応策として、茉莉の協力を仰ぐべくベスをブルースフィアに送るが、その直前にスカンダにさらわれ、記憶と能力を封じられ異世界「10th-TERRA」に放置されてしまう。茉莉らに救出されたあとはビブロスト・ジャンクションにとどまり、助言者として茉莉に協力。異世界「ノーフューチャー」のある都市に立つ超高層ビル「アビスタワー」に隠されていたビスロストの橋を起動して、茉莉らをアレクサンドロスとの決戦の地・ノルンの泉へ送り出した。 その直後に当たる「天使がくれた世界滅亡」では虚無の翼号に現れ、船長のグラーフに、大ラグナロクの開始によってミッドガルドで機械天使が動き出したことを告げ、ヒルダへの手紙を託し再び姿を消す。皇帝崩御の後も姿を表さず、続く『パラダイスロスト』と「魔女が望んだ未来消失」では、事実上国政を司ってきた軍務枢機卿と聖務枢機卿の二人の不在により真帝国が混乱の極みとなっている様子が伺える。 「魔女が望んだ未来消失」ではウータンキドゥルに向かうシルダたちの前に現れ、「大聖樹」と「オラクルの神託」の真実を明かす。そして「自分には『大聖樹』を破壊する意図はない」と告げ、立ち去った。表向きは「天使派」の手から逃れるため隠遁中ということになっているが、もはや真帝国やミッドガルドには関心を失っていることがシルダたちとの会話から伺える。シルダたちと別れる際には「ひとつだけ真面目な願いがあるとしたら、最初で最後のこの”滅び”というものを楽しみたい」「この世の終わりに、生き残った神は人類に戦いを挑む。なぜなら、神が全て死ななければラグナロクは終らないから。人類の敵に回ることが面白ければ、自分はそうする」と告げている。 その後はプロメテウス神としてブルースフィアに渡り、ゼウス陣営と対立。「美少女★女神と伝説の愛天使」では、ミッドガルドの神の武器であったクアドラをブルースフィアの人間のもとにもたらしたのは自分であると告白し、「プロメテウスの火」であるクアドラに人間のための力になってくれるように依頼した。『トライデント』リプレイにおける登場はこれが最後となっている(最終作「創世! 真ラグナロク!!」には登場していない)。 マクシミリアン 真帝国軍務枢機卿兼総参謀長。真帝国軍(正規軍)の実質的な総司令官。二大枢機卿の一人。形式上は内務省に属する「皇帝の剣」も直轄しており、ミハエルの直接の上司である。『ff』サプリメント『ヴァーレスライヒ』からの公式NPCで、リプレイでは「砂漠の異教神」で初登場。 「真帝国が大陸統一を完遂すれば機械神が降臨し、千年王国が築かれる」という真帝国の宗教的教義を狂信的なまでに信じており、無謀なまでの領土拡張戦争を続けている。その拙速なやり方には真帝国内からも批判があり、軍の士気も下がる結果となっているが、拡大する奈落から世界を救うためには機械神に降臨してもらうしかないと考えている彼にとっては、他者からの批判は些事に過ぎない。 真帝国内で「天使派」と呼ばれている派閥に属しており、実際に機械天使たちと通じている。天使たちが立案した「神の光」計画(後述)に賛同しており、「天使がくれた世界滅亡」ではそれを実行させるために軍を私的に動かしていた。この流れの中で、計画に反対するであろう銀十字軍に虚偽の嫌疑をかけて粛清している。しかし皮肉にも、子飼いの部下であったミハエルと銀十字軍粛清や「神の光」計画を巡って対立し、最後はミハエルの手で討たれた。 グスタフ・ヨーゼフ2世 真帝国皇帝。ルール第一版基本ルールブック以来の公式NPC。 白髪の老人であり、その治世は400年に及ぶ。年老いた現在では玉座から滅多なことでは動かない。さらに言葉もほとんど発することはない。寡黙故に「沈黙の皇帝」と呼ばれ、彼が言葉を発すること自体が大事件として扱われるほど。何もしゃべらない皇帝が何を欲しているのかは、皇帝のお側役でもあるアルフレッド枢機卿が伝宣することが通例になっているが、アルフレッドが本当に皇帝の考えを正確に伝えているかは疑う者もいる。 軍事治世ともに優れた才覚を持ち、彼が若々しかった頃はそれを存分に発揮していた。ミッドガルド大陸北部の一国に過ぎなかった真帝国は、彼の治世になってから飛躍的に発展している。その歴史的な実績と、ただ存在するだけで他を圧倒するカリスマ性により、玉座にお飾りのように座るだけとなった現在でも、真帝国を支える象徴として強い存在感を放っていた。 彼がすさまじいまでの寿命を得ているのは、天使達によって創造された人工救世主だからである。グスタフ帝は人工救世主としては歴史上で最大の成功例であったが、彼の力をもってしても真帝国が大陸を統一することは果たせなかった。 「天使がくれた世界滅亡」の開始直前に老衰により崩御。後嗣を残さなかったため、新しい皇帝を「創る」ために神の光計画が発動した。 ユーベル・エンデ 帝都グラスヘイムを構成する三つ子都市・ヨハネを統括する枢機卿。黒髪の男性。 皇帝崩御と二大枢機卿の不在で混乱するグラスヘイム市民に対し、メタトロンが救い主として降臨したことを知らせて人心を掌握。帝都をまとめあげた。それまでは二大枢機卿の影に隠れて地味な存在だった彼だが、現在の真帝国では最後まで残った中央権力者である。 「天使派」に与し、メタトロンやグナーデに協力しており、「魔女が望んだ未来消失」では、銀嶺渓谷の危機を目の当たりにしている西方方面軍に、銀嶺渓谷とは正反対の方向に位置するムスペルヘイムへの南進を命令。司令官であるゾンバルトを悩ませた。 彼の正体は《シャヘル》のシャードを継承したアインヘリアルで、現在はシャヘルの元の姿である「悪魔王」ルシファーの神性を宿すようになった。彼は大ラグナロクの後の宇宙の再生に誰かの意思が絡んではならないという強い信念をもっており、宇宙はただ虚無に帰るべき、再生が行われるならばただ虚無から自然に生まれるのを待つべきだと考えている。彼の思想についてはリプレイでは「創世! 真ラグナロク!!」で僅かに触れられているのみだが、シナリオ集『パラダイスロスト』やサプリメント『ラグナロク』に詳しい。大ラグナロクにおいてはメタトロンとは一時的に共闘しているが、「自らの意思で宇宙を再生させたい」と考えるメタトロンとは最終的には争う運命にある。しかし、茉莉たちがメタトロンを滅ぼしたのと時を同じくして、別のクエスターたちに滅ぼされ、メタトロンと雌雄を決する刻を迎える事は遂に来なかった。 ヴィルヘルム・グーデリアン 真帝国の名家グーデリアン家の一員で、事実上の近衛軍である銀十字軍の司令官。ルール第一版基本ルールブック以来の公式NPC。リプレイでは「天使がくれた世界滅亡」の冒頭に登場。 ミハエルが自分を内偵する「皇帝の剣」の一員であることを看破しており、その上でマクシミリアンの陰謀をミハエルに告発し、その証拠物件として1個のデータチップを渡す。しかしその直後、ヴィルヘルムが駐屯していた基地はマクシミリアン直卒部隊の急襲を受け、ミハエルを逃すべく自ら機械天使に応戦し、壮絶な最期を遂げた。 ヴィルヘルムの死はプレイヤーには驚きであったらしく、デザイナーでもある井上純弌をして「こいつが死んだら銀十字軍が崩壊するぞ」とまで言わしめた。 グンター・グーデリアン グーデリアン家の一員で、銀十字軍の情報将校。ヴィルヘルムの異母弟。『ヴァーレスライヒ』からの公式NPC。 銀十字軍に対するマクシミリアンの粛清と兄ヴィルヘルムの死を受けて地下に潜伏している。「天使がくれた世界滅亡」において、グラスヘイムの貧民階層のバーで、ハンスから紹介されたシルダ、ミハエルと、メイから接触するよう求められたアプフェル、グラーフと会い、ヴィルヘルムがミハエルに託したチップが、本来は皇帝しか持ち得ないのがマクシミリアンに奪われ、銀十字軍が奪回したものであること、マクシミリアンが集めている「神の光」出身者の本命がシルダであることを伝える。 「魔女が望んだ未来消失」では、奈落の軍勢がグロスヴァンド山脈に降下してからは、G=M社のパトリック・ウォンの助力を得てウィルマ―兄妹と共にヴァナヘイムに脱出している。 ヒルダ 99人の女性エイリアスで構成されるアルフレッド直下の特殊部隊「ゴルテンラウプ」の隊長。『ヴァーレスライヒ』からの公式NPC。 「天使がくれた世界滅亡」の序盤のグラーフの目的は、アルフレッドから託された書簡を彼女に届けることであった。その書簡に書かれていた内容は「全力でグラーフ・シュペーのバックアップをしろ」。彼女はそれに従い、マクシミリアンがいる「皇帝の玉座の間」へとつながるアルフレッド専用の隠し通路の場所を教えた。 アンジェラ・ローゼンベルク 真帝国の亜人部隊「白竜部隊」を率いる将軍。”蛇の眼”の二つ名を持つ男装の女傑。ルール第一版基本ルールブック以来の公式NPC。 普段は人間の姿をとっているが、ドラゴンの一族である。自らが真帝国に恭順することで真帝国領内の銀嶺峡谷のドラゴン族の領域に手を出させないようにしている。恭順の証として皇帝グスタフ・ヨーゼフ2世に左目を献上しており、人間形態時は眼帯をかけている。 「魔女が望んだ未来消失」では真帝国の北方と南方の境界である銀嶺峡谷で、北から押し寄せる奈落の軍団を押しとどめる絶望的な防衛線を強いられている。同リプレイ冒頭で、ガブリエルの脱出ゲートでグラズヘイムから飛ばされてきたミハエルはこの地でアンジェラに介抱され、彼女に対して援軍をつれてくると約束する。この援軍集めこそが同リプレイの本筋となっている。 「魔女が望んだ未来消失」のシナリオハンドアウトにおけるミハエルのコネクションとなっていたことから、プリプレイではアンジェラのファンを自認する田中天とミハエルのプレイヤーの小太刀右京との間でちょっとした睨み合いが起き、菊池たけしから「仲いいな、君たち」と突っ込まれていた。 ”海ガラス”のハンティ 帝国企業の一つ「ヴァナヘイム」の社長。ルール第一版サプリメント『アメージング・ワールド』以来の公式NPC。 一企業の社長と同時に、人魚形人類「メロウ」の国家・オアンネスの大王(タパルナ)でもあり、経済的視点だけでなく政治的視点も持つ傑物。オアンネスの人間族らしく海賊然とした荒々しい風貌の海の男だが、知略に長ける。 「魔女が望んだ未来消失」では、皇帝崩御と二大枢機卿の不在、北方の奈落と西方のジャーヘッドの同時侵攻、大天使メタトロンの降臨と混乱きわまる真帝国において、どこにつけば得かという自らの立ち位置を決めかねており、プリムローズや銀十字軍と協力体制をとっている。同リプレイの冒頭で、ガブリエルの脱出ゲートでグラズヘイムから飛ばされてきたシルダはこの地で介抱されており、ハンティは事件の渦中にいる彼女から情報を得ようとしていた。 シルダと合流したミハエルはハンティに「自分が混乱する真帝国を掌握し、人類圏を再建する。そのときにはヴァナヘイム社には帝国企業として厚く報いる」という法外な約束をし、その先行投資という形で巨額の資金(アムング国民をまるごと傭兵とするための資金)の援助を求めた。ハンティは気宇壮大だが真摯なミハエルの姿勢に若き日の自分の姿を見たのか、要請を受諾した。 ヘルムート・ゾンバルト 真帝国軍(正規軍)西方方面軍司令官。ルール第一版基本ルールブック以来の公式NPC。 「魔女が望んだ未来消失」では、駐屯地から近い銀嶺峡谷でのアンジェラの白竜部隊の危機を目の当たりにしながら、ユーベルより下った「ムスペルヘイムへ南進せよ」の命令を受け、態度を決めかねていたが、ミハエルとシルダの説得でユーベルの命令に敢えて背き白竜部隊救援を決断。命令を下す直前、副官のヒンビッヒに処分されかかったが、シルダたちがヒンビッヒを倒した事で改めて北進を命令する。 『アルシャード』シリーズでは名物NPCとしてファンが多い。「軍人としては無能だが自己保身に長け、賄賂好きで野心に満ちた俗物」がトレードマークだが、「魔女が望んだ未来消失」では、その「自己保身」の処世術がシルダたちとミッドガルド大陸の危機を救う一助となった。メタトロンを盲信することなく、ユーベルの南進命令を銀嶺峡谷の現状を無視したものとして抵抗するなど、軍人としての現実感覚も持ち合わせていたようで、プレイヤーたちからは「劇場版『ドラえもん』のジャイアンみたいだ」との声が上がった。 ヒンビッヒ・バウアー 真帝国軍(正規軍)西方方面軍副司令官。『ヴァーレスライヒ』からの公式NPC。 ゾンバルトの側近であり、ゾンバルトとは異なり軍人として有能である。典型的な堅物なエリート軍人青年であるが、ゾンバルトのあしらい方が上手く世渡りにも長けている。 「魔女が望んだ未来消失」では、銀嶺峡谷への援軍を求めるシルダたちをゾンバルトごと排除する司令をユーベルから受けていたらしく、ミハエルやシルダの説得に折れそうになったゾンバルトを「将軍はお疲れのようだ」と言って麻酔薬で眠らせようとしてのける典型的な悪役ぶりを発揮。異教徒の処刑という名分で奈落天使を召還してシルダたちの前に立ちふさがり、真帝国軍将校を輩出した名門のプライドで戦いを挑んだが、最後はミハエルとの壮絶な銃撃戦の末、ミハエルから「真帝国を裏切った男」と宣告され、息絶えた。 思想的にはマクシミリアンとほぼ同じ立場であり、「天使派」に同調、天使たちの様々な計画を実行する手足として動くこともしばしばある。メタトロンら天使たちが奈落を受け入れた事実については、それが天使の選択ならばミッドガルドを救う力になるはずだと盲信していたようである。しかしそれが、曲がりなりにも現実主義に立つゾンバルトとの運命を分ける結果となった。 登場時には田中天から「『QuickStart!!』のサクラコがファンだ、というイメージが先行してる気がする」と言われていた。
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