パラダイス・ロスト(Paradise Lost)
パラダイス・ロスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/16 23:36 UTC 版)
パラダイス・ロスト(Paradise Lost)
- 1 パラダイス・ロストとは
- 2 パラダイス・ロストの概要
パラダイスロスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 01:09 UTC 版)
誘拐拉致や傷害罪で服役中。学園での出来事を語る。 高等部の芸能クラスの担任教諭に就任。内山田も監視役として高等部の副校長に就任。 「鬼畜生」という名前で「ゴブリンプロ」を設立する。
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パラダイス・ロスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 01:20 UTC 版)
「ジョーカー・ゲーム」の記事における「パラダイス・ロスト」の解説
誤算 フランス在住の日本人留学生・島野亮佑は、知らない場所で目が覚めた上に記憶喪失になっていた。その場に居合わせていたアラン・レルニエ、ジャン・ヴィクトール、マリー・トーレスの3人によると、ドイツ軍に自宅を占領された老婆が暴言に混じって反ナチス発言を言い出したために見せしめとして銃殺される所だったのを島野が突如間に割って入り、老婆を救出したことで小競り合いが勃発。その最中ドイツ兵が振り回した自動小銃の台尻が側頭部を殴打してしまったため大怪我を負ってしまい、手当のためここに運び込んだのはいいが、その事が原因で記憶喪失になってしまったのだという。また、持っていた旅券で島野自身の身元は判明するも、3人にはパリ訛りのフランス語、ドイツ兵にはドイツ語、気絶中はロシア語とハンガリー語でうわ言を言っていたり『90対8対2』という謎の数字を呟いた事、ここに来るまでに登った階段の数を言い当てたり鏡の反転文字を読み解いた事を指摘され、さらに度のない眼鏡をかけていた上に口に綿を詰めていて、それらを取り除いたら顔の印象が変わった事を告げるが当人は困惑したままだった。実は島野もまた先程から頭の中で何者かの声が響いており、ますます自分の存在が分からなくなっていた。 そこへ4人を追っていたドイツ軍が現れ、島野が迷惑をかけた自分が囮になると申し出ると、アランは自分達がレジスタンスのメンバーで、島野はその仲間だと疑われているため、今出て行かれると自分達も危険なのだと言い、先に3人が逃げ出す事になるが、前方の兵隊は見せかけで裏口から逃げ出す所を捕らえるつもりだと見抜いた島野は武器は無いかと問いかけるも、その場にはジャンがあらかじめ調達した小型の拳銃しかなく、その上故障していた。島野はラジオの修理道具で瞬く間に直してみせると、買い溜めしている食料品の中に小麦粉がある事を知り、3人に協力してもらい粉塵爆発を起こして脱出する。途中裏口で待機していたドイツ兵を一瞬にして体術でなぎ倒してみせ、3人は島野に対する懐疑心が深まっていく。しかし、アランは二度に渡って自分達フランス人を助けてくれた島野を同志としてレジスタンスに迎え入れる事を宣言し、マリーも賛同する。島野は突然の勧誘に戸惑いながらもひとまず安全な場所に逃げるのが先決だと答えるが、その直後再び視界が暗転する。 再び目を覚ました島野が見たものは、マリーを人質にするジャンと驚愕するアランだった。実はジャンはマリーにプロポーズを断られた事と、当のマリーはいつもアランについてばかりでひとりのけ者にされる腹いせから対独協力者(コラボ)となり、アランを密かに監視して反逆者の罪を擦り付けてドイツ軍に引き渡して強制収容所行きにし、自分とマリーは釈放されてその隙に彼女を手に入れる計画を立てていた。だが、島野の介入で通報した自分までもがお尋ね者となってしまったため、急遽島野共々アラン達を連行する方向に切り替えたのだ。だが、島野は静かに立ち上がるとジャンを挑発する。すると突然得体の知れない恐怖を感じたジャンはマリーを突き飛ばすと引き金を引くが、島野は一瞬で捩じ伏せ、ジャンの身柄を二人に預けると姿を消してしまった。 島野の正体はレジスタンスの動向を探るために潜入したD機関のスパイで、『90対8対2』という数字は国内の傍聴者、対独協力者(コラボ)、レジスタンスの比率を表したものだった。島野は近くにいた老婆に暗示をかけて反ナチス言語を吹き込ませ、その後救出という形で指導者的立場にいるアラン達に接触。記憶喪失はD機関で結城中佐から教わった『起こりうる誤算』の一つで、その間脳内で聞こえていた『何者かの声』は、島野の中の潜在記憶が形になったものだった。あの時、ジャンに殴られたことで再び全てを思い出した島野は咄嗟に結城の気配を真似てジャンを怖気づかせたのである。そもそも手渡された時点で銃の故障が人為的なものだと気がついていた島野は最初の弾を空砲にしてジャンに持たせていたため、彼のその後の行動は予測できたも当然であった。その後島野は待ち合わせ場所である小さな田舎町に建つ教会の告解室に向かうと、そこには修道士に変装した当の結城本人が待ち構えており、驚きつつも例の数字と隠れ家にあった品物から割り出したレジスタンス分析結果を報告し終え今後について問いただした所、結城の返答は「最終帰還船に乗り、いったん帰国せよ」というものだった。それは日本がフランスを瞬く間に制圧したドイツと軍事同盟を結ぶ事と、島野が先日上げた『今回の制圧については、明らかに兵器や戦略の近代化を無視したフランス軍側のミスによるものであり、ドイツ軍側もこの先英国との対戦について明確なビジョンを持っているとは思えない』という報告が無視された事を意味していた。結城自らがやって来たのは、それに伴い “島野亮佑” の偽装経歴が使えなくなる=任務完了を告げるためでもあった。数々の小さな誤算に見舞われた中でも最大ともいえるその報告に、島野が自分を勧誘した時のあのアランの笑顔を思い浮かべ、同時に彼等と別れる事を残念に思っていると、それを見抜いたらしき結城から「残ってもいいぞ」の一言を受け我に返り、所詮素人のスパイごっこにプロの自分が付き合う気などなく、ましてやどうでもいいプロパガンダの為に命を投げ出す気などさらさら無いため、島野は肩をすくめて帰国を受け入れ、「次はもう少し骨のある任務をお願いします」と言いのけるのだった。 失楽園 英領シンガポールの中でも格式高く『最上の楽園』と称されるホテル、ラッフルズ・ホテルに宿泊していた米海軍士官マイケル・キャンベルは、ホテル内にあるバーで大いに悩んでいた。彼は半年前に領事館付武官として赴任してきたのだが、その時ホテルロビーで見かけた美しい女性、ジュリア・オルセンに一目惚れし、アメリカ人特有の無神経さと厚かましさを駆使して猛然と言い寄った末に交際にこぎつけ結婚の約束までしていたのだが、そのジュリアが昨夜発生した英国人実業家死亡事件の容疑者になってしまったのである。亡くなったのは同じホテルの宿泊者で大規模なゴム農園経営者のジョセフ・ブラントで、中庭の隅に倒れている所をホテル内を巡回していたバトラーに発見された。ブラントは酒癖がかなり悪く他の常連客からは敬遠されており、当初彼の死因が頚椎損傷だった事と、死体があった真上の二階回廊の手摺りにウイスキーボトルとグラスがあった事から、酔った末に誤って転落した事故死と片付けられるはずだった所へ父親に付き添われたジュリアが出頭し、「あの日。友人のもとを訪れた帰り道に柱の影から何者かに腕を掴まれ、驚いて手を振り払い逃げ出してしまった。あの時相手の顔はよく見えなかったのだが、後日事件の話を聞きつけ、もしかしたらそれはブラントだったのではないかという疑念に行き着いた」と話した。キャンベルは慌てて警察署へ赴き面会を頼むがけんもほろろに追い返されてしまい、愛する人ひとり救えないもどかしさと以前視察で訪れた、後に彼女が追いやられるであろう不衛生な刑務所の光景を思い出し絶望的な状況の中にいたところへカウンターにいたバーテンダーから、「あるお客様から、当ホテルで飲んだというカクテル『シンガポール・スリング』のリクエストを頂いたが、肝心のオリジナルレシピがもう無いため、考案として試飲をお願いしたい」と声をかけられる。キャンベルは言われるがままに飲みながらあれこれ意見を述べていくと、彼は御礼としてブラントが “サイン嫌い” (要は前払い主義) である事と悪ふざけ好きな事、そして一風変わった楽天的平和手記だった為、あの日はそれで誰かと口論していたらしい事を告げると、ブラントの飲み仲間だというトムソン元准将を紹介する。トムソンによるとブラントの口論相手はリチャード・パーカー大尉で、彼は昨日の昼過ぎから地元の実業家達を相手に、日本軍にスパイ養成機関ーD機関ーが設立されたと言う噂を理由にシンガポール防衛ライン建設の為の労働者提供を訴えていたがブラントを筆頭に全員から一笑されたのだという。それを聞いたキャンベルは、あの日ブラントはジュリアに振り払われた所を偶然パーカーに見られて英国人のプライドを傷つけられ口論になり、揉み合いの末に死亡して転落死したように偽装されたのではないかと仮説を立てる。そしてパーカーの元へ赴き彼を問い詰めると、軍人としてシンガポールに侵攻するであろう日本軍の脅威に備えなくてはならないからそんな事に構ってる暇はない。と一蹴する。そこでキャンベルがブラントが倒れていた場所でパーカーの指紋がついた万年筆を見つけた事を話すと、彼は茫然としたままキャンベルがあらかじめ待機させていた警官に連行されていった。そして警察署で観念したのかキャンベルの仮説通りの証言をし、ジュリアは晴れて無罪放免となりキャンベルは安堵した……のだが、彼女を待っている間に子供のゴムボールを使った悪戯に出くわした途端、頭を殴られたような衝撃を受ける。 トムソンによれば “サイン嫌い” のブラントは支払いの時になると必ず『死んだふり』をして免れていたという。もしかするとあの日パーカーを見かけた彼は、悪戯心からわざと昼間の件を蒸し返して喧嘩をふっかけ、ゴムボールを使って『死んだふり』をし、逃げ出したパーカーが後で戻って来ると消えていた遺体に動揺し慌てふためく姿を柱の陰から眺めてからかってやろうと企んだ。しかし当の彼はなかなか戻って来ず、入れ代わりにやって来たジュリアに自身の存在を悟られない為か、はたまた共犯を持ちかけたかったかで腕を掴むも彼女は恐怖から咄嗟に振り払ってしまい、ブラントは転落死してしまったのではないか?そこまで考えたキャンベルは同時に、あの仮説が本当に自分が思いついたものだったのか疑問を持つ。領事館付武官とはいえ無能に等しい自分があそこまで考えつくなど到底ありえない。まるで誰かに答えを誘導されたようだ。その時脳内に浮かんだのはあのバーテンダーとの会話だった。さらに自分がカクテルを試飲した時の意見、「シンガポール・スリング」という名前、グラスを磨いていた時の動作などが尽く今回の仮説と一致している事に気が付き、最早顔を思い出せないあのバーテンダーが実はD機関のスパイで、あの時パーカーが話していた事は全て本当の事であり、彼を排除する為に自分は利用されたのではないかとキャンベルは疑念を抱く。しかし、釈放されたジュリアの姿を見た途端キャンベルは何もかもがどうでも良くなった。彼女を守るためならば何度でも真実に蓋をし、その結果としてこの楽園を失う事になっても構わないと、キャンベルは真っ先に自分の胸に飛び込んで来た恋人を抱きしめながら心に誓うのだった。 追跡 在日新聞記者のアーロン・プライスは、愛妻でベルギー人のエレンと仲睦まじく暮らしていた。しかし、その裏でアーロンは10年前より英国からのスパイとしても活動しており、現在はD機関の結城中佐について調べていた。町山という人物から入手した明治33年以降5年分の陸軍幼年学校の記録から、首席で入学したのにも関わらず退学している有崎晃という人間が結城であると睨み、その有崎家の執事をしていた里村という老人の元を尋ねる。 その里村が言うには晃は生前の有崎子爵の子として明治29年に屋敷に連れて来られ、その後厳しく育てられたという。その後、陸軍幼年学校に入った晃はある日、幼年学校の生徒達と喧嘩をしその時のやり方が陸軍軍人に相応しくないとして退学処分を受けてしまう。そして晃は英国に留学し、有崎子爵が亡くなるその時まで帰国せず、財産は遺言のとおり里村らに分配され、その後晃は再び英国へ帰国してしまう。 里村から晃が英国で公爵と呼ばれていることを聞かされる。公爵の英語読みである「Duke(デューク)」の頭文字は「D」であり、晃の英国での後見人であるマンスフィールド・カミング海軍大佐はMI6の生みの親であり英国のスパイマスターだった。自分と同じ人物に師事していた事に驚いたアーロンは、有崎晃が今の結城中佐だと結び付け本国へ暗号を発信していたが、その最中に陸軍憲兵隊に踏み込まれ現行犯で捕まってしまう。だが、本来は死刑であるはずのアーロンは釈放され自分が釈放された理由がわからないままであった。その後里村がアーロンの身元引受人として現れ、アーロンは長い間意識不明でやつれた晃を紹介される。里村が言うには欧州でオブザーバーとして参戦した戦いで敵軍の毒ガス攻撃により命は取り留めたもののそれ以降目を覚まさないという。そして国に援助を求めたが、軍人でないことを理由に拒絶され途方に暮れたところに、負傷しているある青年が現れ、援助する代わりに里村に晃の過去を調べに来た者が現れたら、アーロンに話したことと同じ様に話せと頼まれたとのことだ。その青年こそが結城中佐であり、有崎晃は今回のアーロンのように結城中佐の身辺を探る者が現れた際にそれを誘き寄せるための囮だったのではないかとアーロンは悟った。 その後アーロンは公園で途方に暮れ、自分が釈放された理由にたどり着く。それは10年もの間自分が集めた国内の協力者のリストであった。アーロンが憲兵隊に逮捕された時、壮絶な拷問を受けた彼は自害を考え、遺書を用意していたのだが、それはアーロンの死後にリストが英国大使館に渡るようにするため、リストの紙を遺書に偽装した物であった。そして釈放という形で自害は阻止され、遺書の紙は憲兵隊に紛れ込んでいたD機関員により回収されていたのである。任務が失敗したことを痛感し身の振り方を考えた時、アーロンの脳裏に浮かぶのはエレンの姿であった。『死に際に伴侶の顔が浮かんだスパイは引き時である』という師の言葉を思い出したアーロンは引退を決意し、戦争が終わったらベルギーに移住しようと考えるのであった。 暗号名ケルベロス 日本の技術者、内海脩はサンフランシスコからハワイ諸島を経由し日本へと向かう豪華客船朱鷺丸(ときまる)の船上で新聞のクロスワードパズルに興じていた。ある時、海面に大きな黒い影が現れ、朱鷺丸に迫る。多くの船客がそれをUボートではないかと考えて船上は騒然となり、一人が「ステイ(止まれ)」と叫ぶ声が聞こえたその時、影の正体がマッコウクジラであると判明し、船客達は安堵した。 騒ぎが治まるのを見届けた内海が自身の座っていた席へと視線を向けると、一人の老紳士が内海のクロスワードパズルを見ていた。老紳士はサンフランシスコで小さな貿易会社をやっているジェフリー・モーガンと名乗り、クロスワードパズルを見ると放置できなくなる性分だと自称する。そこで内海はジェフリーに手伝ってもらうことにし一緒に解いていく。最終的に答えは「エニグマ」であるとわかり、内海はドイツ軍が採用しているエニグマ暗号機の話を持ち出す。すると、ジェフリーはエニグマ暗号機の解読方法を提示した。そこで内海は日本海軍もエニグマ暗号機と同様の原理で作られた日本の機械式暗号である紫暗号を使用しているという事実を語り、ジェフリーが偽名でその本名はルイス・マクラウドという諜報機関に在籍しているスパイであり、以前は「ザ・プロフ」というコードネームで暗号解読に活躍していた事実を看破する。実はD機関員の内海は、結城中佐の命で母国の諜報機関に追われて日本に亡命しようとするルイスを来させない様にするため、彼が内地に降り立つ前に拘束し寄港先のハワイで下船させるという任務を受けていた。ルイスは内海がケルベロスなる者と思い込み殺そうとするが、彼の一枚上手な反撃により失敗する。 ルイス自身は整形をしており、その完成度は古い友人や家族でさえ見分けがつかなかったが、内海はある部分を見てルイスであると判断した。クロスワード自体もクロスワードが好きなルイスをおびき寄せる餌として用意された物だったのである。ところが、イギリス海軍の艦船が朱鷺丸に対して停船命令を下し、朱鷺丸は停船をする。 以前、ドイツの貨物船ゲルマニア号がアメリカに漂着し、イギリスとドイツがその船員の身柄を自国に引き渡すようそれぞれに強く要求するという出来事があった。そして朱鷺丸には出航直前になって乗船を希望してきたドイツ人船客が五十人以上存在していたのだが、その中に身分を隠したゲルマニア号の船員が密かに紛れており、それに気づいたイギリス海軍が船員達の身柄を拘束しに来たのである。それを見たルイスはここで自身の身分を明かせば内海を拘束させる事ができると勝ち誇った。一転して余裕の表情となったルイスはそこにあったグラスの飲み物を口にしてしまう。すると突然ルイスは苦しみ始めその場に倒れて死亡した。 内海はルイスの遺体をイギリス兵に発見させ、偶然居合わせた船客の突然死による無用な混乱を避けるために死体の番をしていたと主張。朱鷺丸の船員とイギリス兵による合同捜査が行われ、自分がそれに参加できるように誘導した。船医の所見によるとルイスの死因は毒殺であるという。内海は乗客リストから一匹の犬を見つけ自身の下へ呼び出し、ジェフリーの死亡した事の状況を明らかにする代わりに呼び出した犬フラテの飼い主である英国人のシンシア・グレーンとその娘エマの母娘と話す時間をもらうことに成功する。そして、内海がフラテの首輪の中にあった写真をシンシアに見せると、彼女は真実を話し始めた。 ルイスの飲み物に毒を盛った犯人はシンシアであった。彼女の目的はルイスへの復讐であり、そのためにケルベロスという暗号名でドイツのスパイとして活動していた。全ては夫の航海士レイモンド・グレーンが、ルイスの発案したエニグマ暗号解読のための策謀における捨て駒としてドイツ軍に殺され、よりにもよって彼の葬儀の日にその事実を知ってしまったことによるものであった。また、船上で「ステイ(止まれ)」と叫んだ船客もこのシンシアであった。これは鯨の影に驚いたからではなく、写真が隠されているフラテがルイスに近づいたからであるという。ルイスの写真をフラテの首輪に隠していたのは、内海が顔を変えたルイスを見破る決め手となったのと同じ部分である「耳の形」を確認するためであった。内海は写真を捨ててしまえば良かったと彼女に話すが、その写真はルイスの傍らに立つレイモンドが一番ハンサムに映っているものだから捨てられないという。そして、内海の顔立ちと雰囲気がどことなく夫に似ていた事と、彼もまた何らかの『秘密』を背負って生きているのだと見抜いた事を呟く。内海はその言葉から彼女の覚悟を聞き、エマを彼女から引き離すべくフラテと共にその場から連れ出す。その間にシンシアはイギリス海軍の船へと向かい自首をすることにした。シンシアが取り調べを受ける前に自害するつもりである事を悟った内海は、自分が謎を解いた事の責任を取り、エマとフラテを引き取りハワイで面倒を見る事を決意する。
※この「パラダイス・ロスト」の解説は、「ジョーカー・ゲーム」の解説の一部です。
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