ヴァナヘイム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/03/22 23:57 UTC 版)
ヴァナヘイム(古ノルド語: Vanaheimr ヴァナヘイムル)とは、北欧神話に登場するヴァン神族の国である。
概要
スノッリ・ストゥルルソンの書いた『ユングリング家のサガ』によると、かつてタナクヴィースル(タナクヴィスルとも[1])あるいはヴァナクヴィースルと呼ばれ、スノッリの頃にタナイスと呼ばれ、黒海に流れ込む川(現在のドン川[注釈 1])があった。その支流の間に、ヴァナヘイムあるいはヴァナランドと呼ばれる国があったという[2]。やがて、アジアにあった国アーサヘイムまたはアーサランド(都は「アースガルズ」)が、ヴァンの国に侵攻し、戦争が始まったとされている[3]。
抗争は長引き、ついに和睦することとなり、両国は互いに人質を交換した。ヴァナヘイムからはニョルズ、フレイを先方へ送り出したとされている[3]。
ヴァン神族もヴァナヘイムもやがて神話の物語から姿を消していく。ラグナロクにおいて住人や国土がどのような運命をたどったかは不明である。ただ、『古エッダ』の『ヴァフスルーズニルの言葉』第39節において、アースガルズにいるニョルズが世界の終わる時にヴァン神族のところへ帰るだろうと言及されるのみである[4]。
住人はセックスに関しておおらかであり、近親婚も行われているとされる。しかしこうした傾向は、住人の司るのが生殖や豊穣、愛情といったものであるせいだろう[5]。
脚注
注釈
出典
参考文献
- スノッリ・ストゥルルソン『ヘイムスクリングラ - 北欧王朝史 -(一)』谷口幸男訳、プレスポート・北欧文化通信社、2008年、ISBN 978-4-938409-02-9。
- V.G.ネッケル他編 『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
- 山室静 『北欧の神話 神々と巨人のたたかい』筑摩書房、1982年、ISBN 978-4-480-32908-0。
関連項目
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ヴァナヘイム
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「アルシャードトライデント」の記事における「ヴァナヘイム」の解説
ミッドガルド大陸南東の沿岸部にある島。島の海底には人魚人類「メロウ」が住まう海底都市国家「オアンネス」がある。かつて真帝国がオアンネス侵攻を企てた際、メロウの盟友である海賊や海上商人たちはオアンネス防衛のために島の名前を商号に取った会社を作り、それを帝国企業とすることで恭順する策を採った。ヴァナヘイム社は企業活動で経済的利益を真帝国にもたらすことと引き換えに、政治的には真帝国政府のオアンネスへの干渉を出来る限り退けている。ヴァナヘイム社の社長は同時にオアンネスの元首「タバルナ(大王)」を兼ねる。
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