ソール_(北欧神話)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ソール_(北欧神話)の意味・解説 

ソール (北欧神話)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/31 23:32 UTC 版)

ソール
馬に引かれる日車の像。
青銅器時代の北欧における信仰の重要な対象であったことの例証である。
テンプレートを表示

ソールまたはソル(Sól)とは、北欧神話に登場する太陽女神

神話

スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』第11章 - 第12章で、次のように説明されている[1]

ムンディルファリという男が、自身の2人の子供があまりに美しいことから、娘にソール(太陽)、息子にマーニ(月)という名をつけた。神々はこれに怒り、二人を捕らえて、太陽を牽く馬車の馭者をさせた。ソールは太陽の運行を、マーニは月の運行と満ち欠けを司る。
馬の名はアールヴァク(「早起き」の意)、アルスヴィズ(「快速」の意)といい、体を冷やすための (ふいご)が取り付けられている。
太陽は常にスコルというに追いかけられているため、急いで運行しなければならない。

古エッダ』の『グリームニルの歌』第39では、太陽が「天の花嫁」と呼ばれている[2]。また『ヴァフズルーズニルの歌』第47節では、太陽の運行は「妖精の栄光」を意味するアールヴレズルという名で呼ばれている[3]。こういった言い換えはケニングと呼ばれ、古北欧語や古英語では多く見られる。

『グリームニルの歌』第38節には、大地と太陽との間にスヴェルという楯が立っており、それが太陽の膨大な熱を大地から遮っていると語られている[4]

『ギュルヴィたぶらかし』第51章が語るところでは、ラグナロクの時、太陽はついに狼に飲み込まれる[5]。しかし同53章および前述の『ヴァフズルーズニルの歌』第47節において、ソールがラグナロクの前に美しい娘を生んでおり、新しい世界ではその娘が太陽の軌道を巡るとされている[6]

ちなみに北欧神話における太陽は、大地を照らしていない。スコルとハティが追いかけてることや、ラグナロクで、すべての封印、足枷、縛めが消し飛ぶこと、フェンリルがグレイプニルの足枷にとらわれていることから、ソールとマーニによって封印が維持されていたと考えられる。大地を照らしているのは、昼の神である夜の女神であるノートと、デリングの息子のダグである。

備考

脚注

  1. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』232-233頁。
  2. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』56、61頁。
  3. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』49頁。
  4. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』56頁。
  5. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』275頁。
  6. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』49、280頁。

参考文献

関連項目

  • ダグ - 北欧神話において昼を司る神。
  • トール - 北欧神話の雷神。日本語訳で「ソール」と表記されることがある。
  • ソール - ローマ神話の太陽神。綴りは(Sōl)。

「ソール (北欧神話)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ソール_(北欧神話)」の関連用語

ソール_(北欧神話)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ソール_(北欧神話)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのソール (北欧神話) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS