ヴォル (北欧神話)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/05 10:23 UTC 版)
ヴォル(古ノルド語: Vör[note 1]、「注意深い者」[1]もしくは「知っている、注意深い」[2])あるいはヴェル[note 2]は、北欧神話の知恵に関連する女神。ヴォルは13世紀に書かれた『スノッリのエッダ』で裏付けられ、またスカルド詩のケニングに2度使われている。研究者などはこの女神の名前の裏の意味についての学説を提起している。
裏付け
『スノッリのエッダ』の「ギュルヴィたぶらかし」35章で、ハールは16柱のアース女神について簡単に説明する。ハールはヴォルを10番目に挙げ、ヴォルは「賢く詮索好きなので、何事であれ彼女から隠し通すことはできない」と述べる。ハールは「何かを見つけ出した女はヴォルになる」という言い回しがあると付け加える[3]。『スノッリのエッダ』の「詩語法」75章では、ヴォルが27柱の女神のリスト内に登場する[4]。
学説
ルドルフ・ジメックは、ヴォル(Vör)と「注意深い」という意味の vörr の間の語源学的なつながりが正しいとしても、ヴォルが『スノッリのエッダ』で裏付られるように女神であるかどうかは不確かであると述べる[1]。同じ著書の中で、ジメックはサーガ、フリーン、シェヴン、スノトラ、ヴァール、そしてヴォルら女神たちは、漠然と「女性を保護する女神と見なされるべき」と定義された存在であり、彼女ら全員が「私的な範囲の特殊分野に責任を負うが、守備範囲に明確な違いがあり、多くの点でマトロナエに類似している」と記述している[5]。ジメックはゲイラヴォルという名のヴァルキュリヤの名前の2つ目の要素が女神ヴォルと同一か(したがって、ゲイラヴォルは「槍の女神」という意味になる)、あるいは vör が単に個人名の接尾辞としてありふれたものである可能性があるとしている[6]。
アンディ・オーチャードは、「スノッリの語源の解釈は、非常に難解であったためにそれ以上は資料に当たれなかったことをほのめかしているのではないか」とし、そうでなければヴォルに関する資料がめったに無かったのだろうと指摘する[2]。
脚注
注釈
出典
参考文献
翻訳元
- Faulkes, Anthony (Trans.) (1995). Edda. Everyman. ISBN 0-460-87616-3
- Orchard, Andy (1997). Dictionary of Norse Myth and Legend. Cassell. ISBN 0-304-34520-2
- Simek, Rudolf (2007) translated by Angela Hall. Dictionary of Northern Mythology. Boydell & Brewer. ISBN 0-85991-513-1
翻訳
- 菅原邦城 『北欧神話』 東京書籍、1984年。
- V.G.ネッケル他編 『エッダ 古代北欧歌謡集』 谷口幸男訳、新潮社、1973年。
- Simek, Rudolf (2007) translated by Angela Hall. Dictionary of Northern Mythology. Boydell & Brewer. ISBN 0-85991-513-1
「ヴォル (北欧神話)」の例文・使い方・用例・文例
- ヴォルフガンク・アマデウス・モーツァルトの、彼にに関する、または彼の様式の
- 南東のヴォルタ川は、世界最大級の人造湖を作るためにせき止められた
- ヴォルガ川からウラル山脈にかけて居住するタタール人が使うチュルク語
- ヨーロッパで(ヴォルガ川に次いで)2番目に長い川
- ヴォルテールの風刺に登場する底抜けの楽天家
- ヨーロッパロシアのヴォルガ中部地方に住む農耕民族
- 今年はオーストリアの偉大な作曲家,ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生誕250周年にあたる。
- ハリーとホグワーツのアルバス・ダンブルドア(マイケル・ガンボン)校長は,邪悪なヴォルデモート卿が復活したと主張するが,魔法省を含む魔法界はそのことを認めようとしない。
- こうして,ハリーをリーダーとする秘密組織「ダンブルドア軍団」がヴォルデモートとの戦いに備えて結成される。
- それらの夢はヴォルデモートの陰謀と何か関係があるのだろうか。
- ハリーの両親の死の原因であるヴォルデモートが今,ハリーに迫っている。
- ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生家もそこで見られる。
- 邪悪なヴォルデモート卿(きょう)は魔法界と人間界を両方とも支配しようとしている。
- 同校のアルバス・ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)はヴォルデモートとの最終決戦が迫っていることを知り,ハリーに戦いの準備をさせる。
- ダンブルドアとハリーはヴォルデモートの防御を解く手がかりを見つけようとする。
- ダンブルドアはある退職した教師に学校に戻って来るよう頼む。なぜなら,その教師がヴォルデモートの過去について何らかの重要な情報を持っているとダンブルドアは信じているからだ。
- この映画では,ヴォルデモートの個人的な物語が明らかになる。
- ハリーはヴォルデモートの邪悪な陰謀を終わらせる方法を見つけられるのだろうか。
- 彼らは邪悪なヴォルデモート卿(きょう)(レイフ・ファインズ)の不死の鍵(かぎ)である分霊箱を探しているのだ。
- 魔法界は今やヴォルデモートとその手下の死喰い人の支配下にある。
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