スルーズとは? わかりやすく解説

スルーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 04:28 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
アルヴィースとスルーズ。ローランス・フレーリク

スルーズ古ノルド語: Þrúðr、ラテン文字: ThrúdまたはThrud)は、北欧神話の登場人物であり、その名は「強き者」を意味する[1]トールシヴの娘として知られているほか、スルーズという名前はヴァルハラエインヘリャルにエールをふるまうワルキューレの一柱の名前としてもあがっている[2]。 トールとシヴの娘としてのスルーズと、ワルキューレとしてのスルーズが同一人物であったか否は定かではない[3]


主なエピソード

ヴァルハラで死者たちにエールをふるまう、ワルキューレのヒルドルとスルーズとフレック英語版

『古エッダ』

古エッダ』の『アルヴィースの言葉』において、ドヴェルグアルヴィースが「トールの娘を嫁にもらう」と言う場面があり、娘の名について言及はないものの、この娘はスルーズのことではないかとされている。


『スノッリのエッダ』

スノッリのエッダの『詩語法(4) においてトールが「スルーズの父」(faðir Þrúðar)というケニングで呼ばれる場面があり、Eysteinn Valdasonはトールをたたえる詩の中でこのケニングを用いているほか、『詩語法』(21) では、スルーズの母としてシフの名が挙げられている。

ブラギ・ボッダソン英語版の『ラグナル頌歌』では、霜の巨人の一人であるフルングニルについて「スルーズの奪い手」というケニングが割り当てられているものの、このケニングの由来について直接的に言及した資料は存在しない。

スノッリがトールとフルングニルの戦いについて言及している『詩語法』 (17)では、全く異なる原因について言及されており、スカルド詩人フヴィーンのショーゾールヴル英語版の『長き秋』では理由もなく戦う様子が描写されているだけである。


『長き秋』では「巨人スィアチによるイズンの拉致」と「トールとフルングニルの戦い」が『スノッリのエッダ』への引用という形で現存している。スカルド詩の研究者であるマーガレット・クルーニーズ・ロス英語版は、いずれの話も巨人が女神を拉致して失敗に終わった挙句殺されるという内容であることから、これらの2つのエピソードは補足的なものではないかとみている[4]


また、エイリーヴル・ゴズルーナルソン英語版スカルド詩ソール頌歌(18)では、トールに対して「スルーズに対して激しい熱望を抱く者」(þrámóðnir Þrúðar)というケニングが使われている[4]


エーランド島のルーン石碑(Karlevi Runestone)

スルーズの存在はエーランド島にあるKarlevi Runestoneというルーン石碑の中でも言及されている。10世紀に作られたこの石碑には、リーダー格の人物が「スルーズの木」("tree of Þrúðr")と呼ばれる箇所が存在する[5]

ケニング

前述のルーン石碑をはじめ、スルーズの名はリーダー格の人物や女性に対するケニングとして用いられた。後者の使用例として、Ormr Steinþórssonが女性を題材とした詩の中で用いたhrosta lúðrs gæi-Þrúðrというケニングがある。研究者のAnthony Faulkesはこのケニングについて「麦芽の箱(あるいは麦芽汁の桶)およびエール瓶を持つ者」であるとみている[6]

関連項目

脚注

  1. ^ Lindow (2001:291).
  2. ^ グリームニルの言葉,第36節
  3. ^ Simek 1987
  4. ^ a b Clunies Ross 1994, p. 114.
  5. ^ Entry Öl 1 in Rundata 2.0 for Windows.
  6. ^ Faulkes 1998, p. 297.

参考資料


スルーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 22:32 UTC 版)

終末のワルキューレ」の記事における「スルーズ」の解説

戦乙女三女神名の意味は「強き者」。神器錬成した相手とその武器雷電為右衛門の超筋外骨締廻。雷電制御不能な筋肉抑え自在にコントロールすることが出来る。

※この「スルーズ」の解説は、「終末のワルキューレ」の解説の一部です。
「スルーズ」を含む「終末のワルキューレ」の記事については、「終末のワルキューレ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「スルーズ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「スルーズ」の関連用語

スルーズのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



スルーズのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのスルーズ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの終末のワルキューレ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS