シナリオハンドアウト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/27 08:34 UTC 版)
「ハンドアウト」の記事における「シナリオハンドアウト」の解説
シナリオハンドアウトとは、ファーイースト・アミューズメント・リサーチ社(以後、F.E.A.R.社と略する)のゲームで頻繁に使われるハンドアウトの形態である。 シナリオハンドアウトは上記で解説した「プレイヤーキャラクターの初期状況の解説」のために使われるハンドアウトの一種なのだが、以下の特性がある プレイヤーキャラクター一人一人ごとに、個別にハンドアウトが用意され、ハンドアウトごとにシナリオへの関わり方の前提が異なる。 ハンドアウトごとに、キャラクター作成のためのレギュレーション(推奨されるキャラクタークラスなど)が記入されている。 ハンドアウトごとに、その導入を選んだ場合に得られるボーナス(特殊能力、NPCとのコネクションなど)が記入されている。 つまり、参加者が5人いれば、5名それぞれにシナリオへの導入の仕方が別々に書いてあり、そしてそれぞれの導入に適したキャラクタークラスなどが書かれている。 シナリオハンドアウトは、原則的にはプレイヤーキャラクターの作成や成長を行なう前に渡される。プレイヤーは渡されたシナリオハンドアウトを見て、その導入に適したキャラクターを作成する。例えば以下のようなハンドアウトがあるとする。 推奨クラス:メイジ 「あなたは見習魔術師である。師匠から森の奥にある薬草を採ってくるように頼まれた。その道中であなたは血まみれで倒れている女性を発見した」 このようなシナリオハンドアウトなら、メイジのクラスのキャラクターの作成が推奨される。ここで書かれている導入を行なうには魔術師のキャラクターが一番自然であるために、推奨クラスでメイジが指定されている。またシナリオハンドアウトにおける推奨クラスの提示には「シナリオを遊ぶにあたって、このクラスがパーティの中に一人はいた方がシナリオをクリアしやすい」という事をプレイヤーに示す機能もある。パーティの中にメイジが一人はいないと解けないようなシナリオバランスの場合は、ゲームマスターは配布するシナリオハンドアウトの中にメイジを推奨クラスにしたものを事前に作成しておくべきである。 シナリオハンドアウトは、プレイヤーキャラクターがただの「パーティの部品」ではなく、一人一人にストーリー的なスポットが当てられるようなシナリオを行なうときに使用される。一つの事件に対して、プレイヤーキャラクターごとに関わる立場を変えてドラマやロールプレイを引き出しやすくするのがシナリオハンドアウトの目的である。個別の導入は、キャラクターがすでにパーティを組んでいることを否定しない。パーティを組んでいて、パーティ全員が同じ事件へ関わる中で、事件への関わり方のキャラクターごとに立場の違いを表した形でシナリオハンドアウトが作られている場合もある。 シナリオハンドアウトはテーブルトークRPGの全てのシナリオパターンで使用できるものではない。例えばダンジョン探索をメインに据えたシナリオの場合は、プレイヤーキャラクターの一人一人にストーリー的なスポットを当てるチャンスが少ない。このような時はシナリオハンドアウトの存在がゲームプレイの枷になることもあるので、シナリオハンドアウトを使用するかしないかはゲームマスターがシナリオごとに決定するのが基本である。 シナリオハンドアウトはプレイヤーキャラクターの作成を特定の形態に強制するものでなく、ゲームマスターからの推奨を提示するものである。プレイヤーがシナリオハンドアウトの導入に全く合わないキャラクターを作成したい場合は、ゲームマスターはプレイヤーと相談の上、妥協点を見出して、場合によっては変更可能な場所はプレイヤーの希望に合わせてシナリオハンドアウトの内容を変更した方が喜ばれることがある。 どのプレイヤーにどのシナリオハンドアウトを渡すかはゲームマスターが決められるが、プレイヤーが選ぶこともできる。コンベンションなど一期一会の相手とプレイする場合は、相手の嗜好がわからないためプレイヤーに選ばせることがある。プレイヤーに選ばせる場合は選択可能なハンドアウトの内容を全て公開してから、プレイヤー同士で相談させてハンドアウトを選んでもらう。これとは逆に、プレイヤーやキャラクターが継続するキャンペーンプレイの場合は二回目のプレイ以降はゲームマスターがプレイヤーキャラクターごとに似合ったハンドアウトを作ることもある。
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