ゲームシステムと世界観が異なる理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/10 04:50 UTC 版)
「黒き星の皇子」の記事における「ゲームシステムと世界観が異なる理由」の解説
『黒き星の皇子』は、ゲームシステムには『セブン=フォートレス V3』が使われているが、世界観は完全に『ナイトウィザード』に従っている。ライム=ケーベルやマンテル博士、ゾフィの魂など、これまで菊池たけしが手がけたTRPGリプレイや読者参加企画の人物やアイテムが登場してはいるが、『V3』の個性でもある「様々な世界からのキャラクターが競演する」という部分はほとんど強調されず、表面的には「ウィザードたちが地球をエミュレイターから護るために人知れず戦う」という『ナイトウィザード』リプレイのノリが維持されている。 こうなった理由は2つある。一つは『ナイトウィザード』リプレイの読者層に『セブン=フォートレス』を紹介しようという営業的側面。もう一つの、そして最大の理由は、このリプレイのシナリオに仕掛けられている、ある大掛かりなトリックを表現するために、『V3』で設けられたあるキャラクタークラスを採用する必要があったためだ。 そのクラスとは、PC2(リプレイにおいてソルティレージュとなる)のシナリオハンドアウトで推奨クラスとされた「エンジェル」である。『ナイトウィザード』には守護天使であることを表す「使徒」というクラスがある。一方、「エンジェル」は菊池の読者参加企画『エイスエンジェル』の世界観を『セブン=フォートレス V3』に導入するに当たり設けられたクラスで、『エイスエンジェル』の背景世界である第五世界エルフレアの人造天使を表すクラスである。『ナイトウィザード』のルールであれば、強化改造された天使ならば「使徒」と「強化人間」、人造天使なら「使徒」と「人造人間」の組み合わせだけで表現できるにもかかわらず、なぜ『セブン=フォートレス V3』を採用してまで「エンジェル」をPC2のハンドアウトの推奨クラスにしているのかが、『黒き星の皇子』の最大の謎を解くためのヒントになっている。 『黒き星の皇子』では「『未来の日記』の1ページ」が完全に行方不明になったかのような演出が良くされるが、実は様々な場所に、菊池たけし作品に詳しい者ならば『エイスエンジェル』のキーアイテムである「エンジェルシード」を想起させるキーワードがちりばめられている。ほとんどは『エイスエンジェル』を知らないと全く気づかないような難解な伏線だが、掲載誌が『エイスエンジェル』を連載していた『E-LOGIN』であったのが、このシナリオトリックを使うことを可能にした。「ソルティレージュはエルフレアの人間でもないのに、エンジェルのクラスを持っている以上、体内にエンジェルシードが存在していることになる」ということが、すなわちソルティレージュがエンジェルシードを埋め込まれた東雲麻耶の未来の姿であることを意味している。
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