ゲームシステム・運営体制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/30 03:24 UTC 版)
「ときめきメモリアルONLINE」の記事における「ゲームシステム・運営体制」の解説
正式サービス開始に先駆けて、β2テスト参加者のユーザーデータの一部(名前・所属など。能力値などの成長要素は除く)が一定期間内にアカウント移行手続きを行うことでそのまま正式サービスに引き継がれることが発表された。多くのプレイヤーはこれを好意的に受け止めたが、一方で正式版からの新規プレイヤーとの兼ね合いを懸念する声もあった。 2006年3月23日午後2時、定刻通りに正式サービスが開始された。しかし、そのアカウント移行手続きにアクセスが殺到。その結果アカウント管理サーバが頻繁にダウンを繰り返し移行手続きを進められないプレイヤーが続出、運営側もアカウント管理サーバの増設や新規ユーザー登録を一時停止する事で対応したものの状況の改善には同日深夜までかかった。その補償措置として、3月29日までのユーザー登録者(引継ぎ・新規とも)に対して5日間の無料利用権が付与されることになった。 また同年7月21日から24日にかけて期末試験(定期試験)イベントが行われたが前述のβ2テストと比較しても教科ごとの解答時間の短縮(10分→5分)や、試験実施直前の新規授業問題追加などに留まり、β2テストにおいてプレイヤーの大量流出を招いた教訓が生かされぬまま施策は迷走を続けゲーム性の拡張などの新要素を期待しつつここまでゲームを続けてきたプレイヤーからも見切りを付けられる結果となった。そしてβ2テストでも露見しなかった数々の不具合も発生しその対応に追われるなど、この時期運営体制の場当たり的な状態も露呈し始めた。 一方、β2テスト期間中にも多くの意見・要望や問題提起があったにもかかわらず正式サービス開始と同時に行われたアップデートも若干のアイテムの追加程度の小規模なものに留まり、その後運営チームは新しいデザインの制服やアクセサリーなど装備アイテムの追加を盛り込んだアップデートを数回行っただけに留まりプレイヤー側から提起された意見・要望や問題提起が反映される事も不具合の修正を別にすればほとんど見られなかった。また2006年6月に当面の実装計画を示したロードマップを発表しドラマイベントやアイテム、ミニゲームの追加、プレイヤーから新規導入アイテムのアイディアを募集するなどの試みを行ったものの8月以降ロードマップの下方修正が相次いだ事でロードマップそのものが事実上崩壊した上、ミニゲームの「大富豪」に至っては一度は実装無期延期になるなど前途は非常に多難となっていた。 また公式のオンラインイベントにおいても毎月プレイヤー参加型の公式イベントを行う予定であることなどが盛り込まれていたが2005年10月のβ1テストで1度行われて以来、β2テスト時を含め長期にわたり全く行われる事が無く2006年6月24日に8ヶ月ぶりの公式イベントとして「川柳コンテスト」がようやく実施された。その後数回に渡って公式イベントが行われたものの、「体育祭」では実施が12月に延期されるといった事例も発生した。 プレイヤー数の著しい減少に歯止めがかからず、運営サイドは7サーバあった学校サーバを11月8日に2サーバに統合。正式サービス開始より僅か半年で当初の運営計画が破綻してしまった事が誰の目にも明らかなものとなった。また利用有効期間満了後のデータ保持期間(90日間)が過ぎ、アカウントが失効してしまったプレイヤーを対象とした復帰キャンペーンが同月17日から27日にかけて行われた。さらに同年12月15日から24日までの期間、新規プレイヤー・既存プレイヤーともにプレイ料金を無料化するという施策を発表し校内に残るアクティブプレイヤーを集結させ規模を縮小しての再スタートを図ったが大した効果が上がらなかった。 そこで先のキャンペーンにおける新規プレイヤー向けに無料体験アカウントを配布したが新規ユーザーに対する既存プレイヤーのいるサーバ(はるかぜ高校・ひだまり高校)に登録することが出来ない(強制的に新規サーバ・さつきの高校に収容される)仕様となっていたため、キャンペーンは存在意義そのものが問われる状況となり最終的には有料サービス移行後に既存サーバ・はるかぜ高校への統合を行うことで問題を回避することとなったが既存ユーザーの不信感を更に煽る結果となってしまった。 これら数々の要因から来るプレイヤーの運営サイドへ対する不満、不信感は最早拭えない物となりユーザー参加型の公式イベントである「体育祭」イベントにおいて閉会式の挨拶のためにゲーム内に現れた本作プロデューサーに対し参加したプレイヤーからの怒号とブーイングの嵐が浴びせられる事態となった。 この「体育祭」の前後から「非公認」のプレイヤー間コミュニティの場などではユーザーが目に見えて減少し続け、新規参加者も乏しくなった当ゲームのサービス打ち切りの噂や懸念が出所不明ながら囁かれるようになっていた。しかし規約上コナミの判断による打ち切りには90日の事前告知期間が必要なため2007年1月1日を迎えた時点での発表がなかったことにより、この当時はよく囁かれた同年3月31日、すなわち2006年度末での打ち切りの可能性は消滅した。 しかしながら2007年に入ってからも大きな更新計画の発表も無くプレイヤーの不安感は増幅されてゆく中、同年3月7日、コナミは遂に同年7月31日を以て運営を終了するとの正式発表を行い運営継続の断念を明らかにした。3月28日にはこれまで未実装となっていたさまざまな要素の大部分について開発中止を発表し、サービスの終息へ向けての動きが加速していった。 2007年6月27日、最後の無料サービス期間がスタート。しかしその直前にアカウント停止後90日以上経過していたキャラクターのデータを削除するという出来事があり、このタイミングでの復帰を目指していたユーザーを自らさらに切り捨てる結果となった。一方で「キャラクターの名前をゲームのエンディングクレジットに掲載する」などの「卒業記念制作」と銘打ったキャンペーンを実施したがこれも無料サービス期間開始前にアカウントが有効だった(月額料金を支払っていた)プレイヤーのみを対象にするなど、プレイヤー心理を無視した運営本位の体質は最後まで変わる事が無かった。 そしてサービス終了日である同年7月31日、両サーバーで実施された卒業式イベントでも運営に対するユーザーの怒号は鳴り止まずイベントそのものもユーザー無視のまま淡々と進行し最後まで運営陣とユーザーとの溝は埋まらぬまま本作の歴史に幕が下ろされたのであった。 また7月31日から8月1日に日付が変わった際にゲーム終了とともにエンドロール(卒業アルバムに相当?)が流れたが、プログラムに一部不具合(プレイ中BGMオフの設定にしてあればエンドロールのBGMもオフのまま等)があった為に(オンラインゲームとしての)サービス終了後にクライアントプログラムのアップデートパッチがリリースされるという異例の事態が起こった。
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先に述べた通りプレイヤー相互間のコミュニケーションとそこから派生するコミュニティ形成を重視する設計上、他のオンラインゲーム、特にMMORPGと比べてゲームとしての遊びの要素やプレイスタイルの幅に乏しい点が指摘されプレイヤーから改善が求め続けられていた。しかしプレイヤーが重要と見た要望点の改善が後手後手に回り続け、結果的に殆どが開発中止に追い込まれる事になった。本作のプロデューサーは「(既存のMMORPGのような)パーティーを組んでモンスターをやっつけることだけがオンラインゲームではない。新しいオンラインゲーム像を本作で提唱したい」という思想のもと、「プレイヤー自身で何かを実現・表現する空間の提供」というある種のポータルサイトの様にしたいという展望を語っていた。だが、結果から見れば「既存のMMORPGの街ひとつ分だけしかない空間で実現できることは限られており、むしろ単に冒険や戦闘などの要素を排除しただけに過ぎず本作ならではという特色は全く無い」という評価に終わってしまった。今後の目標や構想として自由度の高いシステムを掲げ続け、プレイヤーも本作ならではという機能や内容の導入を期待し求め続けたが結局は導入されぬままサービス終了を迎えた。2006年6月22日に、同年9月までの実装ロードマップが発表された。アイテムや授業問題などの追加に加え、毎月単位の公式イベントやミニゲームの実装計画も盛り込まれていた。しかし8月以降は実装予定の順延が繰り返されるなど早い段階でロードマップが事実上崩壊、プレイヤー間にゲームそのものの先行きについての不安を煽る結果となった。 一方でコミュニケーションゲームという謳い文句であるにもかかわらずその基本となるチャットシステムやフレンドリストなどのコミュニケーション機能の完成度が低く、またチャットシステムにおいて猥褻用語・差別用語などを規制し伏字(*印)で表示する機能のチェック基準が厳しく日常会話にさえ支障が出るケースが多く発生していることなどコナミ独自基準の自主規制でプレイヤーに不自由を強いている部分も少なくなかった(スカンソープ問題)。β1テスト時には、例えば「わかんない」という言葉を発した際に「わかん」=「和姦」と判断されて伏字処理され「***ない」などと表示されるケースや、「フェラーリ」と言った単語も伏字の対象あった。β2テスト以降は若干緩和されたがそれでも他社オンラインゲームや放送コードなどと比較してもかなり厳しい規制基準が設定されプレイヤーの意図しない、また他のオンラインゲームでは有り得なかった程の伏字の発生が起き会話に支障をきたしていた。 これらのゲーム内容と裏腹に他社MMORPG並みの月額プレイ料金設定(30日間1200円)やゲーム中のスクリーンショットの個人ウェブサイト上での使用規定及びその前提となるコナミ公認ファンサイトへの認定基準の厳しさなど、運営姿勢の強気さや要望の取り入れや実装を無期延期するどころかプレイヤー管理体制の強引さばかりが目につき、まさに殿様商売的な運営体制からプレイヤーに敬遠される結果となった。クライアントソフトウェアそのものは無償ダウンロードで提供されていたものの他社のダウンロード型オンラインゲームのような無料体験期間付きアカウントなどは用意されておらず、ちょっとだけ体験プレイをしてみたい場合でも初回分の月額プレイ料金を丸々支払わなければならなかった。このことが新規参加のハードルをさらに高くしたのではないかと見る向きもあった。これに対してコナミは2006年12月に10日間の無料体験期間を設けたが、この制度を利用して新規登録したプレイヤーを既存サーバではなく新規サーバに隔離するという施策に波紋が広がったためキャンペーン終了後に既存サーバへの統合を行うことで問題を回避することになった。 ただし、ゲーム自体のサービス終了アナウンスがそれから僅か3ヶ月後である事を考えれば、この無料体験期間の設定そのものも完全に遅きに失した感が否めなかった。 また月額プレイ料金に関しても現状の30日間1200円という額についてプレイヤー間では不満が根強く、値下げや支払方法の多様化(金融機関引き落としや、『ウルティマオンライン』『ラグナロクオンライン』などに見られる利用権の店頭販売など)を求める意見が続出するなどプレイヤー間に蔓延した割高感の払拭ができなかった。また昨今増加中のアイテム課金制度の導入を望む意見も出ていたが、その一方でアイテム課金制度導入タイトルに多い基本料金の無料化には慎重な意見もあった。 スクリーンショット使用に関してはプレイヤー自身のブログなどである程度自由な使用が出来たように他社MMORPG並みの規制緩和を求める声が上がっていたが、これもサービスが終了されるまで一切行われずプレイヤーに敬遠される一因になった。またプレイヤーによる自身のブログなどへの掲載も禁止し、違反者への処罰・罰則をちらつかせ続けた事がプレイヤーたちを萎縮させゲームの口コミ的な宣伝効果さえ完全に殺す事になってしまった。「公認ファンサイトのススメ」(上記外部リンク参照)でも、ページを開くと「ダメ!!ダメ!!」「ごめんなさい」という表現や制限・処罰・罰則といった強烈な言葉が頻出した。また同様に公式トップページから「公認ファンサイト」紹介を選択しても真っ先に目に飛び込んでくるのは「めっ!」という、規約違反を侵しそうなプレイヤーに警告を発するイラストであった。また非公認のホームページにも巡回を行い、規約違反と見なせるものにたいして実際に警告を行った。これらのようにファンサイト運営希望者のみならず全てのプレイヤーに対し、まず規制と処罰ありきで対応する様にしか見えない高圧的な姿勢にプレイヤーの多くは萎縮し幻滅を抱き一方では大きな批判が集まり、実際非公式の仲間内のコミュニティのホームページなどもほとんどが活発とはおよそ言い難い状況に終始した。また公認ファンサイトでもサービス終了後、スクリーンショットの掲載を2008年以降は一切禁止するという方針にも批判が集まった。 アカウントのシステムそのものについても下記の様な不満が上がっていたが、抜本的な対策が施される事は最後まで無かった。クラスの配属はシステム側で自動的に決定されるため、友達と同じクラスになりたい時などは何度もキャラクターの作成・削除を繰り返してお目当てのクラスを引き当てるのを待つしかなかった。そのため、クラスの任意選択制や既に配属済みのプレイヤーからの招待制の導入を求める声が上がっていた。 1つのアカウントで1サーバにのみ所属するシステムのため、他サーバに所属するプレイヤーとは複数のアカウントを用意しない限り交流することが出来なかった。そのことから、キャラクター作成スロットごとに学校を選択出来たりあるいは1アカウントで全てのサーバにそれぞれキャラクターを持てるようにとの要望があったがこれも実現しなかった。一方で利用者そのものが伸び悩んでおり、各サーバに大量の空席が残る状況であった。正式サービス開始と同時に当時の既存5サーバに加えて2サーバが増設されたが1アカウントで1つの学校サーバしか選択できないため、おのずと新規サーバの利用者は正式サービスから参入したプレイヤーに限られまたβ2テストからのデータ引継ぎで既存サーバに残ったプレイヤーにはよほどの理由がない限り全キャラクターを削除しての転校(サーバ移住)という選択肢は存在し得なかった。「転校システム」の実装目標こそアナウンスされたが、サービス終了までに実装される事は無かった。 これに対しコナミは2006年11月に当時の7サーバを2サーバに統合し、活動中のユーザーを集結させた。しかし既存コミュニティの統合・引継など課題が山積していた上、統合後もユーザー減少の状況を改善させる事ができなかった。 ドラマイベントはNPCとプレイすることも出来たが現行の仕様ではNPCは単純に正解ルートを選ぶ場合が多く、またキーワードさえ取ってしまえばそのドラマイベントを再度プレイする必要性が無くなってしまうため他のプレイヤーとプレイする意味やストーリー分岐などを試行錯誤する意味がなくなってしまった。 オンラインゲームとしての『ときめきメモリアルONLINE』本体が本記事で取り上げたように多くの問題点や今後の課題を抱えていた一方で、キャラクターグッズなどの関連商品の製作・販売やインターネットラジオ・テレビアニメなどへの進出を始めとするメディアミックス展開(詳細は後述)は非常に積極的かつ活発であった。こうした動きは今までの『ときめきメモリアル』シリーズでもひとつの特徴ではあったが、一方で「メインのはずのオンラインゲーム運営よりも、関連商品の購買意欲を煽ることが優先されている」という批判の声も上がりプレイヤーたちをシラけさせる一因になった。
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