問題提起
問題提起(もんだいていき)とは、ある状況や事象について、その問題点や課題を明らかにし、解決策を求める行為を指す言葉である。問題提起は、社会の進歩や改善を促すために重要な役割を果たす。問題提起は、具体的な事例を挙げることで、その問題の実態や影響を具体的に示し、理解を深める助けとなる。 問題提起は、議論や討論の初期段階で行われることが多く、その後の議論の方向性を決定する重要なプロセスである。また、問題提起は、新たな視点や考え方を提供し、既存の枠組みを超えた解決策を模索するきっかけとなることもある。そのため、問題提起は、社会問題の解決だけでなく、新たな発見や創造性を生み出すための重要な手段とも言える。
問題提起
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問題提起
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日本企業の知財戦略について考える際の問題点として、張輝 (2013)、張輝 (2014)は経営学及び実学的なアプローチから次のように指摘している。 第一に、知財戦略ではなく特許戦略に止まっている点である。今日でも、知財戦略に関する議論、書籍、セミナー、論文等の中で、知財戦略を表現しながらも、実際は特許権を中心とした「特許」戦略研究が非常に多く、「知財」戦略研究は少ない。特許権、著作権、商標権、営業秘密など、多様な知的財産権には共通点もあるが、経営的に言えば相違点の方が大事である。 第二に、経営論をベースに置く研究が少ない点である。今日、知財戦略、とりわけ特許戦略を題とする論考の中でも、実質的には知財一般や特許法務等を展開するものが多い。法的側面を中心に/ベースに展開される「法律論」または「法律論+α」も重要で不可欠だが、「死の谷」を越えるために、企業の競争力の増強に繋ぐ戦略的な「創出論」や「活用論」、言い換えれば「知財経営」論が非常に少ない。 第三に、知財戦略の担い手に対する深耕の不足である。知財戦略の担い手と言えば、企業の知財部門や知財関係者が連想される場合が多く、実質的には知財部門や知財関係者が主導した「法律論」や「手続論」が少なくない。経営戦略や事業戦略に組み込まれるような知財戦略になるよう、事業部門のキーマンにも向けるべきである。「隔靴掻痒」のような知財戦略?論に終止符を打たなければならない。
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問題提起
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「創造都市ネットワーク」の記事における「問題提起」の解説
最大のユネスコ分担金拠出国であるアメリカ(全体予算の22%を負担)が支払拒否したことによる財政難から、創造都市の運営にも支障をきたし、国際社会からは拠出額二位の日本(10%負担)への期待もあったが、創造都市に関しては中国が直接資金援助することで国際的評価と文化庇護国としての存在感を高めることになった。結果としてユネスコの創造都市ネットワークの公式ホームページには、「With the support of:」として中華人民共和国北京中央政府とShenzhen International Holdingsや大連万達グループ(Wanda Group)の名称が掲載されるようになった。 ユネスコ担当部署の資金不足から加盟都市が自主的に拠出金を出す案も提示され、財政基盤が脆弱な地方都市や途上国には負担となりえる。 韓国では朴槿恵大統領による経済政策クネノミクスの柱として創造経済(朝鮮語版)を掲げ、未来創造科学部を編成して創造都市であるソウル・利川市・全州市を中心に創造経済の育成を試みているが、IT分野に偏重し文化的効果が追従しておらず、実体経済としてもまだ成果は現れていない。その背景として本来であれば創造都市が守るべき地域文化(韓国であれば儒教)が逆に障壁となっているとの見方もある。 ユネスコに加盟していないため世界遺産の登録が認められていない台湾(中華民国)で、台北市が創造都市の食部門認定を目指しているが、国連・ユネスコ未加盟のため実現性が遠のいている。 海外の創造都市においてはジェントリフィケーションが問題となりつつある場所があり、中国では創造都市においても城中村(スラム)の存在があり創造産業の恩恵を受けられない格差問題もある。日本でも消滅可能性都市 や産業化なき都市化といった都市問題がある。 また、横浜市が独自に創造都市を名乗りヨコハマ創造都市センターを開設しているが、ユネスコへ申請する場合に横浜トリエンナーレの開催によるデザインかメディアアート部門を目指す案や横浜中華街を中核にした食部門を目指す案もあり、一つに的を絞りにくい事例もある。さらに旧三井物産横浜支店倉庫の解体による都市環境破壊から文化政策としての創造都市が必ずしも機能しているとは言いがたい側面もある。 地方創生法(まち・ひと・しごと創生法)の成立で創造都市が普及するきっかけになる可能性はあるが、依然として製造業に依存する傾向もあり、ハードからソフトへの転換は簡単には進まない。創造都市は地方が中央を通さず直接文化発信することが望まれるが、日本では文化庁が所管業務とし、「地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律」などに依存するため国主導になりがちで、国土交通省や経済産業省も独自に創造都市制度を提唱している。このため地方分権と重複事業の整理・統合や区分け(新産業育成なのか文化発信なのか)が検討されている。
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問題提起
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単なる高校部活動の対抗戦に留まらず、時には社会的関心を集めるほど人気の高い高校野球であるが、学校関係者や保護者、主催する高野連やマスコミに対し様々な角度から問題提起が行われている。 メディアの扱いに関する問題 学校の部活動の一つでしかない高校野球が、新聞やテレビなどのメディアにおいて、他のスポーツの部活動に比べて突出して扱われている(あるいは他の高校スポーツの取り上げられ方が高校野球に比べて極めて少ない)ことを問題視する意見がある。実際マスメディアは高校の部活動で全国大会を主催している野球、サッカー、ラグビー、バレーボールとそれ以外のスポーツの取扱れた方には違いがある。スポーツライターの相沢光一は、NHKが2010年夏の大会では約130時間にわたって全試合を完全中継した(NHKテレビが朝9時、NHKラジオ第1放送が朝8時から、一日最大10時間もの放送枠を設定し、通常の番組は全て休止)のに対し、同じ高校の総合大会である全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の放送時間はNHK Eテレで10時間のダイジェストに過ぎなかったことを指摘し、NHKは他スポーツの放送をもう少し増やしてもいいのではないかとの意見を述べている。またネット上では「高校野球だけが地域代表じゃない、人気は主催する朝日新聞社や長時間放送をするNHKによる創作」「メディアと高野連が選手によるドラマを創り崇めている」という指摘もある。これらのネット上の批判に対し、産経新聞記者の出崎敦史は高校野球の記事が多いのは書く側から言わせてもらえば「読みたい」という読者のニーズが多いからだと反論している。 選手への負担の問題 トーナメント制で行われる選手権と選抜はそれぞれ夏休みと春休みに開催され、休暇期間中に大会の全日程を消化することが目指される。それ故に上位に勝ち進む学校は短期間に集中して試合を行うことになり、それに伴う選手への負担増大がしばしば問題視される。特に投手については「エースと同等の力量を持つ複数の投手を育てる余裕がない」という選手層の問題もあって1人の主戦投手に頼らざるを得ないケースが多く、地方大会や全国大会で勝ち進んだ学校などでスポーツ障害を引き起こしたり燃え尽き症候群になることがある。燃え尽き症候群は近年に限った事ではなく、古くは王貞治も「もし5季連続出場を果たしていたら野球にけじめをつけて大学にいっていたと思う。最後に出られなかったことで気持ちが宙ぶらりんになった」と後年語っている。 春の選抜は秋季大会の結果によって参加校を決定するため試合数・環境ともに比較的易しくなる傾向にあるものの、夏の選手権では短期間のうちに地方大会・本大会と数多くの試合を高気温・強い日照の下で行わなくてはならないため選手は過酷な環境に置かれる。2011年には選手が熱中症で次々に倒れて試合続行が不可能となり没収試合となる例まで出た。また、2013年には埼玉大会で38度を超える猛暑の中で試合が行われ、選手だけでなく観客の一般生徒も熱中症の症状で病院に搬送される事態になった。実際、日本体育協会が推奨する熱中症予防のための運動指針では気温35度以上時の運動は特別の場合を除き原則禁止(対象が子供の場合は中止すべき)としていることから、「もう夏のスポーツはやめよう」といった意見まで出ている。このような批判が出る事に対しスポーツジャーナリストの玉木正之は「人気の裏返しでもあるのだろうが、長年マスコミが封印してきた高校野球への本音が、ネットでは言えるからだろう」と指摘、さらには「マスコミが大会を主催することで競技を発展させた面はあるが高校野球が商売と切り離せなくなった結果、開催時期などの問題点を指摘できず、健全なジャーナリズムが機能しなくなっている。(高野連は)選手がアマチュアであることに甘えている」とも指摘した。ダルビッシュ有は「見直すべきだと思うが、壁となるのが50年以上もの歴史」と発言した。 対応策としては、2004年からは春・夏とも全国大会の準々決勝を2試合ずつ・2日に分けて開催されるようになり、やがて夏は2013年から、春は2015年から準々決勝を1日で4試合一括開催に戻し、準々決勝の次の日を休養日とする日程に見直した(なお、夏の大会の地方予選ではこれ以前からも準々決勝の翌日、あるいは、高校の1学期の終業式が行われる7月20日前後の平日を予め開催しない日に制定しているものも多くある)。また、2018年の京都大会では猛暑の為、準々決勝を当初の4連続試合から午前中に2試合行い、日中に休憩時間を設け16時から第3試合以降を開催する措置を取った。高野連は、地方大会における暑さ・熱中症対策として、地方大会を主催する各都道府県高野連に助成金として全国選手権の収益から15万円を支給。観客向けのミスト噴霧機や冷風機のリース、経口補水液の購入、理学療法士や看護士の増員などに充てられる。 このような議論が度々なされているにも関わらず、2018年の選手権において、金足農業(秋田)のエース投手・吉田輝星が地方大会・本大会を合わせた全11試合に登板、11試合目の本大会決勝で途中降板するまで一度も交代することなく全試合を1人で投げ計1517球という球数を投じるという事態に至り、これに対して批判意見や、「金農旋風」と称して金足農業の健闘を讃える一連の報道姿勢や各所での盛り上がりはこれらを「美談化」するものであるという指摘もあった。大会後、同年12月に新潟高野連が2019年4月の春季新潟大会において「1試合100球」を限度とする球数制限を導入することを決定。これを受けて2019年2月に日本高野連でも理事会が召集された後、日本高野連を中心とした「投手の障害予防に関する有識者会議」が発足することとなった。 夏の日中に集中して行われる大会運営に対しては野球に批判が集中しがちではあるが、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)においてもその状況に大差はなく過度な批判は前項「メディアの扱いに関する問題」とも関連した問題となる。 問題とされた作戦 1992年8月16日に行われた明徳義塾対星稜の試合では明徳義塾の監督は星稜の4番松井秀喜に対し5打席すべてを敬遠するという作戦に出た。試合は明徳義塾が勝利したが試合終了直後から試合内容に納得のいかない観客から「帰れ」コールやブーイングが起き、これによって校歌斉唱の声が潰されただけではなく、高野連が異例の声明を発表する事態になる。監督は試合終了後に「高校生の中に一人プロが混じっていた。勝つために(敬遠を)指示した」と記者団に答えた。スポーツ紙、テレビニュース、一般紙は明徳義塾の行動に対する非難を行い、プロ野球経験者は非難、擁護と意見が二分した。 詳細は「松井秀喜5打席連続敬遠」を参照 2006年に行われた高校野球県秋田県予選準決勝の本荘対秋田戦で行われた、雨天ノーゲームを巡る遅延行為と故意遅延プレーの発生。9-1と本荘がリードしていた5回裏に、雨天による一時中断があった。高野連のルールでは7回が終了しない状態では雨天ノーゲームとなるため、秋田は雨天ノーゲームを狙い、打者が一球ごとに打席を外す、投球テンポを遅くする、送球されたボールを盗塁したランナーを故意にタッチせず進塁させるなどの遅延行為を行った。本荘はそれに対抗し、監督の指示でわざとアウトになるようなプレー(敬遠球への空振りや無謀な盗塁)を行った(試合は本荘がコールド勝ち)。この試合では本荘の行為のみが問題とされ始末書の提出を県高野連から求められたが、秋田へは何の処分もなかった。 2000年鹿児島大会の鹿児島玉龍対樟南戦(7月12日)飛球を巡る審判の判定に樟南の監督枦山智博が主将青野毅を通じ30分にわたり抗議。最終的に審判がマイクで観客に説明した。試合後の会見で枦山は「判定が覆らないのはわかっていたが自軍選手の鼓舞、相手高校の良い流れを断ち切るための作戦として抗議を行った」と説明。当時、枦山は県高野連の理事を務めていたが、試合後抗議をした責任を取り理事辞任を申し出た。県高野連は7月20日に理事会を開催して枦山の辞任を了承、同時に再発防止策として枦山に始末書の提出を求めた。 高校球児自身や保護者の問題 数々の問題が指摘される中、高校球児自身やその保護者の対応を批判する声もある。横浜高校監督・渡辺元智は報知新聞社から上梓した「高校野球って何だろう?」の中で「教育としての高校野球」「人を育てるのも人」を強調。その上で最近の生徒たちを「(昔の生徒に比べ)あいさつができない」「(悪い事をしても)謝らず言い訳をする」「口のきき方を知らない」「一般常識が欠けている」と批判。保護者についても「(他校の監督より)高校野球に熱が入るあまり、肝心な生徒さんの教育にはそっちのけで監督にかけあう、お届けものをする、監督や選手の人事に口を出す保護者、父母会まであると聞いている」と苦言。「生徒さんを強豪校へ入学させたりプロを目指したいならまずは野球の技術よりも生徒さんの教育(人間形成)が一番必要ではないのか」と批判した。 また、近年、高校球児が刑事事件を起こし逮捕され学校や高野連が謝罪や釈明に追われるケースが急増している。特に2012年夏の選手権大会では甲子園出場校の高校球児が大会期間中に刑事事件を起こし逮捕されたことを受け高野連が緊急の会見を開く事態となった。これら刑事事件を起こした高校が出場を辞退したケースはなく、問題を起こした者を外し大会に出場している。また2012年の地区大会ではサヨナラ負けを喫した高校の野球部員が判定を不服として整列を拒否したりインターネット掲示板「2ちゃんねる」で審判を批判する書き込みや、Twitterを通じて対戦校の関係者や女子生徒への脅迫、強姦予告、殺害予告などが行われたため、学校側が野球部の活動自粛を決めた例もある。 東映や巨人で投手としてプレーし、引退後は数々のプロ球団でコーチを歴任、また母校・中央大学でも監督を務めた高橋善正も「野球部はプロ養成所ではない。規律や社会のルールを破った者には以後1年間活動を認めない、部も一定期間活動停止にする、この位の厳しさが必要だ。高校野球部の不祥事は起きるべくして起きている」と論評している。 部活動としての高校野球の問題 「スポ根」および「上下関係」も参照 高校野球も他のスポーツと同様に「勝利至上主義」基づく体罰などの「過剰な指導」、根性論に根ざすシゴキ、「指導者・先輩への絶対服従、上意下達」、「連帯責任」的な処分が存在する。 シゴキの一例として黒田博樹は上宮高時代、夏の府大会で、自分の起こしたミスに対し監督から朝6時から夜9時まで15時間、ポールとポールの間のフェンス際を、水さえ与えられず際限なくただ「走れ」と命じられたという内容を2012年7月、ニューヨーク・タイムズで告白、掲載された。このようなシゴキがエスカレート、地方・全国大会の出場を辞退したケースや先輩の暴行による後輩部員の死亡事故まで起きている。連帯責任は1960年代から70年代にかけては野球部とは全く無関係の在校生徒が起こした問題を受け連帯責任で甲子園出場を辞退したケースもあった(佐伯達夫の項も参照)。1980年代から対象が在校生徒から野球部関係者と範囲が狭くなり、近年は問題を起こした者を外すのみと対象範囲が縮小されている。 氏原英明は高校野球全体の傾向としてオーバートレーニングであると指摘しており、2019新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて練習量が減ったことで却って「選手の体格、打撃の飛距離、投球の球速が向上した」という声があると紹介している。高校生に限らず根本的に日本のアマチュア野球はオーバートレーニング傾向で、中学生の段階から練習のし過ぎで骨端線が早期に閉鎖してしまい身長が本来より伸びなくなってしまうケースが多い。その点ドミニカのアマチュア球界の指導者はMLBに教え子を送り出すことがを最終目標となっており、少年期はのびのびと楽しく野球をやらせる方針が一般的。また、アメリカでは選手を練習で故障させると保護者に将来プロ球界で得られたはずの逸失利益の補填を巡って告訴されるリスクがあるため、成長期の選手に無理をさせないのが一般的である。 田中将大がニューヨークヤンキースに移籍した際に、地元の新聞ニューヨーク・タイムズが1面トップで大特集を行ったが、記事中では田中の高校時代の野球生活を紹介し、チームへの絶対的な献身や規律の厳守を要求する日本の野球チームの実態を伝えている。この記事を自身のコラムで取り上げた国際ジャーナリストのロバートソン黎子は、アメリカの青少年に日本の高校の野球部で行われている苦行僧的日々の強制は、まず無理だろうし、児童虐待という声も上がりかねないだろうと指摘している。 体罰に関してはプロ野球経験者の間でも意見が二分している。松坂大輔はリトルリーグ時代「野球でミスをしても怒られないが、悪い事をすれば尻をバットで叩かれること位は当たり前だった」と回顧。松井秀喜も中学時代、度重なる敬遠四球にふてくされた態度をとったところ試合後、監督から体罰を受けたと証言するが、一方で監督の体罰が無ければ今の自分はいなかったと回顧。逆に桑田真澄は、自らが殴られた経験を踏まえ「体罰は不要。子どもの自立を妨げ、成長の芽を摘みかねない」と指摘している。 2013年1月、社会問題化した桜宮高校バスケットボール部の体罰問題を受け、翌2月高野連は、加盟校全校に体罰根絶の徹底を求める通達を出した。また選抜大会開会式のスピーチで下村博文文部科学大臣が体罰根絶を改めて訴えるなど体罰根絶に努めた。しかし同年6月、高野連が野球部指導者にアンケートを行った結果、指導者から部員への体罰問題の項目では、全体の9.7%が「(体罰は)指導する上で必要」と回答したことを発表。アンケート結果を受け、西岡宏堂・審議委員長は「間違った考えの人がまだこれだけいることはショックだ。体罰がなくなるまで言い続けないといけない」と厳しい口調で語り体罰根絶に改めて努めていく旨を示した。 鍛冶舎巧(取材時点で県岐阜商高硬式野球部監督)は、「引き出しの少ない指導者は生徒を型にはめたがる。個性を尊重し奔放にやらせると自分が対応できなくなるから」競技経験の無い部活の顧問を任される教員も多い。高校球児の頭髪に限れば周囲の固定観念が根強い。九州地方のチームが甲子園に立った時、監督は選手の頭髪を自由化すると、OBやファンから「球児らしくない」と苦情が殺到した。頭を丸めることを強制することは明確な体罰(暴力)と定義されている。 抗議権の無い者による抗議 高校野球では選手やコーチに抗議権が認められ、監督に抗議権が無い。しかし抗議権の無い者による抗議として次の事例がある。 広陵対佐賀北(2007年選手権決勝) - 微妙な判定をきっかけに佐賀北が逆転。広陵の監督が抗議を表明し、高野連から注意を受けた 明石商対加古川北(2009年秋季兵庫大会) - サヨナラ打の判定をめぐり両校の監督が審判に抗議した結果、審判の判断が二転三転した。県高野連は9月25日にベンチを出て抗議した明石商の監督と部長に注意を、試合後選手に整列を指示しなかった加古川北の監督、部長に厳重注意をそれぞれ言い渡した。また、県高野連審判部が二転三転した判定について県高野連に謝罪し、「再発防止に努める」とした。 横浜対関東一(2012年選抜大会準々決勝) - 5回裏一死一、三塁の場面で横浜がセーフティースクイズを敢行。同点かと思われたが、関東一より「三塁走者が本塁を踏んでいない」とのアピール。球審がアピールを認めたため、同点スクイズは幻となった。球審がマイクを握り「三塁走者が本塁を踏んでいないとアピールしたので、アウトにしました」と宣告後、横浜高校の監督・渡辺元智が身ぶり手ぶりを加え、球審に「走者はベースを踏んでいる」と猛抗議した。しかし、大会本部の総務委員から「監督に抗議権はない」事を告げられ口頭で注意を受けた。横浜の三塁走者は試合後、記者団に「踏んでなければスパイクの裏の感触でわかる。ガッツリ踏んだと思いました」と語り、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有はツイッターで「横浜高校渡辺監督に注意って。てかいつも思うけど何で抗議がダメなの? 高校野球やってた時から色々と謎な決まりが多かった記憶が。」と横浜監督を擁護し、高野連の体制を批判した。 鹿児島玉龍対樟南(2000年鹿児島大会) - 飛球を巡る審判の判定に樟南の監督枦山智博が主将を通じて30分にわたり抗議、審判がマイクで観客に説明した。試合後、枦山は判定が覆らないとわかっていたが自軍選手の鼓舞、相手高校の良い流れを断ち切るための作戦として抗議を行ったと説明。当時、枦山は県高野連の理事を務めていたが、責任を取り試合後に辞任を申し出。県高野連は7月20日理事会で枦山の辞任を了承、同時に始末書の提出を求めた。 岐阜城北対県岐阜商(2006年夏季岐阜大会) - 県岐阜商がサヨナラホームランを打った際、歓喜した控え選手と走者が交錯。岐阜城北の監督が県岐阜商の野球規則違反を主張し抗議、選手は試合後30分ほど整列を拒否した。試合後高野連は県岐阜商に控え選手が試合終了前にベンチから飛び出したことに対して、岐阜城北に整列の遅延行為を理由とした厳重注意処分をそれぞれ下した 「高校野球賭博」 高校野球が主に「対象試合の勝敗予想」「優勝校の予想」など対象に賭博対象となっている問題。かつては暴力団が胴元となり一試合に数百万から数千万円が動いたケースもあったが近年では高校野球賭博が暴力団だけでなく一般市民や身内のグループ、会社のサラリーマン内で横行し検挙された例や2015年プロ野球選手が野球賭博に関与していた問題では高校野球の勝敗に現金を賭けていたことも明らかにされた 高野連の「干渉」 主催する高野連が学校や周辺に過度な干渉をしているという問題。部の場合、ユニフォームはともかくマネージャーの服装だけでなく、抽選会に出席する責任教師や監督、選手の服装に至るまで指定され、過去に出場校のユニフォームに入っている刺繍が好ましくないとして説明を求めた結果、学校側が刺繍をはずした事例がある。部外では当時の長野県知事(田中康夫)の応援に対して干渉した例、開会式当日、広島への原子爆弾投下の時刻にあわせて他の出場校とともに開会式前に室内練習場で黙祷を捧げようと計画した選手を制止し、自校のみで黙祷させた例もある。 報道への干渉例として読売新聞が2007年8月1日から2007年8月3日にかけ、3回シリーズで連載した高野連の在り方や問題点を取り上げた特集記事「高野連ってなに?」を掲載。高野連が読売新聞に対し、記事の訂正と謝罪を求めたが読売新聞は回答をしていない。 応援・観客のモラルの問題 高校野球においては各校の吹奏楽部などがアルプススタンドにて応援することが通例となっているが、2011年の選手権大会前に発売された雑誌『週刊朝日増刊 甲子園2011』において、作戦の一環として「習志野の攻撃中はナインの背中を押すため管楽器のベル(音が出る部分)をバッターボックスに向け、相手校が『タイム』をかけてマウンドに集まる時はマウンドに向きを変え、相手ベンチからの指示を聞こえなくしたり、マウンド上での会話をしにくくしたりする」などとする習志野高校(千葉)の吹奏楽部顧問・石津谷治法のインタビュー記事が掲載された。習志野は同大会初戦の静岡戦において7回に2死満塁からホームスチールを成功させたが、これに関連して静岡県の地元紙である静岡新聞社は試合後に、プレーとの直接的な因果関係には言及していないものの、習志野の応援を「ごう音のような吹奏楽による応援」と評し、「グラウンド上では、声による意思疎通ができなかった」とする静岡高の選手の感想を報道した。またTBSテレビアナウンサーの安住紳一郎も試合の直後に放送された安住紳一郎の日曜天国(TBSラジオ)で、情報源を明らかにしなかったもののこの発言に言及。同番組での安住の発言を受け日刊ゲンダイが学校に取材するなどした結果、習志野の教頭はフェアプレー精神に反する意図を否定したものの、2回戦以降は相手のタイム中は演奏を停止するなどの措置を取った。前述のインタビューを執筆した柳川悠二は翌2012年、「高野連が顧問の発言を問題視し、大会中に学校関係者や野球部・小林徹監督を呼び出し厳重注意していた」とも述べている。 習志野は2019年の選抜でも2回戦の星稜戦において太鼓の音に対して近隣住民からの苦情を受け、一番大きな太鼓の使用を自粛、他の太鼓もサイズの小さいものに代える措置を取った。高野連側はこの対応は「一時的な措置」であり、次回からは従来通りでよい、としていたものの、実際には次戦以降も太鼓の数を減らす事態となった。なお習志野は同大会において応援団優秀賞を受賞している(同賞は初戦の応援が対象となる)。 熱心な高校野球ファンのコミュニティである「8号門クラブ」によってバックネット裏席が占拠されるということが度々問題視されており、2016年からのドリームシート設置に影響しているのではないかとの声もある。 1992年の松井秀喜5打席連続敬遠の際にはグラウンドに大量のメガホンが投げ込まれたり、明徳義塾高校の校歌斉唱の際に球場全体から「帰れ」コールや勝利直後から脅迫の電話や手紙が送られる等の嫌がらせが発生し、一時はパトカーや警備員から守られながら行動せざるを得ない事態となった。 試合の展開等から、観客の応援がいわゆる「判官贔屓」的な一方的にものになる事があり、近年は度々議論となっている。 1988年の第60回選抜高等学校野球大会上宮対高知商業戦で元木自身が隠し球を決めたが試合後、全国から上宮高校に「卑怯なことをするな」「きちんと教育しているのか」「高校生らしくない」などの苦情電話が殺到。彼曰く以後は隠し球は使用不可になったという。 2016年選手権の東邦高校対八戸学院光星高校戦、東邦が7点差で迎えた終盤からの大逆転勝利を収めた試合で、アルプススタンド以外の観客によるタオル回しなどを用いた東邦高校への過度な応援が見られ、これについて八戸学院光星の選手は「周りみんなが敵に見えた」と発言。 2018年選手権の日大三高校対奈良大附属高校戦、関西の学校である奈良大附高に応援が集中。手拍子やうちわを使った球場全体の応援に対し日大三高の選手は「正直『オレたちこんなに嫌われてるんだ』って気持ちが萎えかけた」と発言した。 1998年選手権の第80回大会準決勝や2007年の第89回選手権大会決勝、2009年の第91回選手権大会決勝でもこうした事態が発生していたものの当時は特に問題視されることはなく、これらは現在でも半ば「伝説の試合」として肯定的に語り継がれている。 また、学校や選手に対する偏見、憶測やデマが度々発生する事がある。例えば、学校が県外の生徒で固められていると「第二○○代表」と揶揄される事が多々あり、秀岳館高校は試合に勝利しても冷たい視線や罵声を浴びる事があった。第99回選手権大会では1回戦の中京大中京-広陵戦の試合結果に不満を持った愛知県内の男性がインターネット掲示板に中京大中京高に対する爆破予告を書き込み、威力業務妨害罪により逮捕される事態も発生している。
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