T-103の派生型
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「タイラント (バイオハザードシリーズ)」の記事における「T-103の派生型」の解説
タイラント(T-078) 登場作品:『CV』『GS2』『DC』『DG(ゲーム版)』 『DC』では名称がタイラント(T-103量産型)と表記される。ハンク率いるU.S.S.の部隊が訓練用にロックフォート島に搬送した量産型タイラント。訓練用であるためか当初からパワーリミッターが解除されたスーパータイラントに近い状態で保管されていたため、元の姿は登場しないが、T-103との差異は無いとされている。右手が変化して指が無くなり、鋭いスパイクの付いた棍棒状になっている。さらに完全覚醒すると、巨大なブレード状の爪が生える。プレイヤーとは、覚醒直後と完全覚醒後の2回戦うことになる。 『CV』にて、ロックフォート島の司令官アルフレッドにより解放され、彼の命令通りクレアを襲撃するが返り討ちに遭う。復活後、完全に覚醒した状態でクレアと島の囚人スティーブが脱出に使った輸送機のカーゴルームに侵入し、クレアと死闘を繰り広げる。最後はクレアが資材射出用のカタパルトを作動させたことで資材もろとも飛行中の輸送機から外へ射出されたが、生死は不明。 『CV』では保管用の冷凍カプセルにT-078という型式番号が表記されていたが、詳細は不明。『DC』ではカプセルが登場しない。 T-0400TP タイラント 登場作品:『OB2』 アンブレラ開発センターに実験体として保管されていたT-103の改良型。外見はトレンチコートや靴、グローブのデザインがT-103と微妙に違う程度。だが、出が早いキック攻撃を仕掛けたり、ダッシュ移動で標的との距離を詰める、パンチ攻撃を複数回1セットで繰り出すなど、行動面にも差異が見られる。専用のMOディスクを介して制御端末に行動プログラムを入力することで、特定の制御が可能。また、MOディスクのコードによって腕力を少し弱める代わりに機動性を向上させるか、動作が緩慢になる代わりに腕力を向上させるか選択できる。 『OB2』にて、アンブレラ研究員のカーターが、脱走したB.O.W.ハンターを駆逐するために起動し、短期間だけ生存者達の護衛役となる。当初はカーターや逃げ込んできたケビン・ライマンらラクーン市民には手を出さず、命令通りハンターの駆逐に専念していたが、火災等、異常な環境の影響で暴走し、無意味に暴れまわるようになり、カーターを殺害した。その後、ケビンら市民達を執拗に追い、地上まで来たところでコートが外れパワーリミッターが解除され、後述するタイラントRへと変異した。 なお、体内に爆弾が仕込んであり、起爆スイッチを押せば即死させることができる。タイラントR 登場作品:『OB2』『UC』 Rはリボーンの略。前述した実験体T-0400TPのスーパー化形態。肥大化した肉体や両手に形成された巨大な爪など、容姿はT-103のスーパータイラント形態と共通する部分が多いが、爪の本数が多い(片手に5本、合計10本)などの差異が見られる。スーパータイラント同様に皮膚が岩石のように硬質化している。近距離では爪を真横に何度も振り回す即死技の「メガスラッシュ」を、少し離れればタックルを繰り出してくる。体色は上半身が灰色で、下半身が緑。また、急激な変異ゆえにタイラント自身の肉体にも多大な負荷がかかるようで、変異の際には激しく吐血するなど苦しむ様子が見られる。 R化前に体内の爆弾を使用していない場合、ここで使用すると即死させることができる。 R化後、ケビンら市民たちをなおも執拗に追跡するが、高架上まで追ってきたところでアンブレラが開発した不定形の試作B.O.W.ニュクスに取り込まれ、一体化した。 『UC』では、隠しシナリオ「瀕死」にて登場する。ケビンらラクーン市民達を追っている途中でラクーンシティからの脱出を目指すエイダ・ウォンと遭遇し、激闘を繰り広げるが倒された。 ニュクス 登場作品:『OB2』 アンブレラが開発した肉塊の様な姿の不定形のB.O.W.。無数に生えた触手で捕らえた生物を体内に取り込み一体化させる能力を持つ。当初は触手が生えた巨大な肉塊状であったが、U.B.C.S.隊員達やタイラントRを取り込んだことで人型に近い形態の巨大生物と化した。高濃度のT-ウイルスを含む肉片を四方に飛ばす、触手で近付く者を取り込もうとする等、戦闘能力は高い。タイラントRの部分を攻撃すると弱点である核が露出する。最期はケビンらラクーン市民によって倒され溶解・消滅する。 タイラント、タイラントR戦にて体内の爆弾を使用していない場合、ここで使用することができ、即死はしないが大ダメージを与える事が出来る。 タイラントC 登場作品:『OB2』 Cが何の略かは不明瞭。本編とは全く関係ないミニゲームシナリオ『対峙3』にのみ登場する隠しキャラ的存在で、本編の世界観にも存在するのかは不明。コートが赤く、頭部に角が生えている点、両手に鋭い爪が生えている以外は実験体T‐0400TPと同じ外見。攻撃方法はタイラントRに準ずる。その動作速度は尋常ではなく、近距離でメガスラッシュを放たれれば即死は必至である。 イワン 登場作品:『UC』 アンブレラ社幹部のセルゲイ・ウラジミール大佐の護衛・側近として、特別に知能の改良が施されたT-103。コートが白い点とHMD内蔵のサングラス(レンズの色はオレンジと青)を着用している点を除き実験体T-0400TPと同じ外見。二体存在し、サングラスがオレンジ色の個体はイワンA、サングラスが青色の個体はイワンBと呼ばれる。ウェスカーと空中戦を繰り広げるほどの、異常な跳躍力を持つ。改良されているが、暴走状態を発生できるようになっており、緊急時にはスーパータイラント化できる(ゲーム版では変化しないが、小説版では変化する)。力任せに突進、殴る、放り投げる、踏みつける、振り払うといった攻撃を行う。命令には忠実で、固定砲台を使用可能な知能を有す。 ネメシス-T型 声:西嶋陽一(PXZ) / 奈良徹(PXZ2) 登場作品:『3』『GS2』『UC』『ORC』『RE:3』 通称「追跡者」。T-103に寄生生物「ネメシス」を宿らせている。これが本体の退化した脳の代わりに脊髄付近に新しい脳を形成し、馬を操る騎手のような関係になることで知能を向上させたB.O.W.。 洋館事件でのタイラント暴走を受け、アンブレラ社生物兵器研究チームは改良の必要性を認識し、改良のため新型開発計画を模索し始める。複数の研究チームのうち、本社直属のヨーロッパ支部第6研究所では独自の開発計画が立案され、アンブレラ第6研究所でその計画を基に、既成概念を根本から覆すほどの研究を開始する。それが「ネメシス計画」と呼ばれるもので、新たに開発した寄生生命体を既存のタイラントに投与し、知能向上を図るものであった。この計画で開発された寄生生物「NE-α型」は、研究者の間では計画名からそのまま「ネメシス」と呼ばれている。ネメシスとは“復讐の女神”の名であり、S.T.A.R.S.が今までアンブレラに与えたダメージに対する復讐という意味合いがある。 ネメシスは脊髄に細胞レベルで移植されると、T-ウィルスを取り込んで増殖を開始し、宿主の延髄付近に新たな脳を形成後、中枢神経回路の改変を行うと同時に脳機能を支配する。この結果、宿主の思考はネメシスに委ねられ、ネメシスを介して外部からの完全制御を可能とする。これにより支配されたタイラントが「ネメシス-T型」である。 ネメシスに支配されたことで通常のT-103以上の知能を誇っており、より明確な標的の選定が可能で、なおかつ学習することで指示された目標のみならず、ターゲットと一緒にいる人間も敵と認識するようになる。開発チームには教育担当も存在し、その担当官がS.T.A.R.S.隊員の映像資料や写真を覚え込ませ、彼らを見極められるようにした(しかし、『OR』においてはUSSを認識できないほど暴走しており、一旦弱らせてからNE‐α型を新たに注入する任務がある)。また、思考能力の向上で自己判断力も優れたものとなり、ロケットランチャー、ガトリングガン、火炎放射器などの複雑な操作を必要とする武器も使用可能となった。それに加え、他のタイラントシリーズと違って単純な言語ならある程度理解したり操ることも可能であり、S.T.A.R.S.隊員を発見すると、低い声で「スターズ…」と発する。なお、ネメシスは培養過程で自我が芽生え始めており、複数の実験体がアンブレラの施設から脱走を企てていた模様。 身体能力はタイラント以上であり、グレネードランチャーなどの弾道の見える武器なら簡単に回避できる。特に自己再生能力は並外れたものがあり、大きな損傷を受けても短時間で回復し、目標追跡を続行する。これはネメシスの分泌液の影響が大きく、これには身体の損傷回復を大幅に促す効果がある。しかし、無理な回復や急激な再生は肉体の異形化を起こす要因となる。なお、ネメシスは以下の3形態の存在が確認されている。第1形態 外見的な特徴として、タイラントT-103型同様に防弾対爆仕様でリミッターの役割を果たすロングコートを着用しているが、こちらは黒色で形状も拘束衣に近いものである。寄生生物の影響から外見は人間には見えず、肉体はケロイド状の皮膚に所々筋肉組織が剥き出しとなり、触手が体中を取り巻いている。また、顔は歯茎が剥き出しであり、右目は大きな手術痕で潰れている。 攻撃手段として、ロケットランチャー(形状はFIM-92 スティンガー)と、タイラント定番の武器である爪の代わりになる鋭く柔軟な触手が武器となっている。ロケットランチャーの操作は非常に優れており、高速で飛行するヘリを1発で撃墜できるほど。触手は鞭のように攻撃したり、敵の体内へT-ウィルスを送り込む時などに使用される(これによってブラッドはゾンビ化し、ジルも窮地に立たされた)。 ドリームキャスト版スタッフインタビューによれば、現段階のネメシスはあくまでも実験的な生物兵器であり、スペック的にタイラントを大きくしのぐものの、兵器としてのエレガントさがないために商品にはなり得ないとのこと。 『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』、『マーベル VS. カプコン:インフィニット』でもプレイヤーキャラクターとして登場する。『PROJECT X ZONE』、『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』では敵キャラクターとして登場。 『3』のリメイクである『RE:3』では、ロングコートのデザインが変更されて皮膚の露出度が若干減っているほか、その服装も黒い包帯のようなものを身体中にぐるぐる巻きにしたようなデザインとなっている事に加え、最初は顔を覆面のようなもので包んでいたり、左胸に露出した心臓を覆い隠しているかのような半球状の大型機器が追加されている。これらは、物語が進むにつれ、覆面が剥がれて、素顔が分かるようになったり、包帯状のコートが千切れ千切れになっていく。また、顔もアートディレクターのこだわりによって変更され、鼻(の穴)が追加されている。攻撃手段はロケットランチャーや触手だけでなく、火炎放射器も使用する。触手は、ネメシスの一部を送り込むことも可能となっている。 本編序盤にジルのアパートを襲撃し、その後、彼女の行く先々に現れては襲いかかる。途中、建設中のビル内で火炎放射器を、それが破壊されるとロケットランチャーを使用してくる。 第2形態 ネメシスの分泌物の影響で凄まじい回復力を得ることとなったが、元々2つの生物が共存しているがゆえに遺伝情報は不安定であった。そのため、肉体の急速な再生に付いていけず、身体が異形化してしまった形態。外的要因による大ダメージで特に異形化の進んだ上半身は、着用していたリミッター兼用のコートを失ったことにより、急速に変異を遂げている。この上半身の開放により触手が異常発達した上、第1形態と比べるとその攻撃性は増しており、右腕は触手に覆われている。このため、以前のように武器を使える状態ではなくなっている。また、タイラントの身体だけでなく、延髄から中枢神経が伸びて脳幹を侵食していたネメシス自体も、危機的状況の適応化を図って大型化している。 『RE:3』では列車の爆発により全身火だるまの状態から川に落ち、そのダメージからの回復の過程によって第2形態へ変貌する。オリジナルの『3』における人型からは、大幅に変更がなされており、第1形態以上に体格が大きく発達しており、全体の体格が肥大化した事に伴い、二足歩行だけでは自重を支えきれず、四足歩行の獣型に変異し、以後はこの状態で移動する。手や足は鋭い爪が生えた上に、大きく長くなった事に加えて形状が変化しており、第1形態のように武器は扱えなくなったが、引き換えに変異前よりもはるかに向上した跳躍力やスピードを生かした攻撃を仕掛けられるようになった。最初の戦闘においてシャッターで左腕を切断されるが、すぐ触手状の新たな腕を生やし、追跡を続行する。その後は触手状となった左腕を鞭の様に使い攻撃する。 第3形態 連動していたタイラントの脳が破壊されてその防衛本能が特出し、より異形化を起こすと共に、暴走状態に突入した形態。前述のSPEC OPSとの死闘の末に相討ちとなったタイラントの死骸を食べたことにより濃度が増したT-ウィルスと寄生生物の2つの生物はお互いに拒絶反応を起こし始め、命令を上回った生存本能からネメシスとタイラントの細胞同士が複雑に絡み合って巨大化し、肉体を醜悪な怪物へと激変させた。ゲーム中では分かりにくいが、身体が反転し仰向け状態になり、4足歩行化している。頭部は捕食を最優先し、大型の消化器官に変貌を遂げる。手足は欠落しているが、異常発達した触手がそれを補っている。胸郭から牙状に突き出ているものは肋骨であり、そこには肋骨で包み込むようにネメシス本体の物と思われる脳も露出している(版権絵では確認できないが、ゲーム中で確認可能)。その近くの背中には強酸性の膿が多数吹き出ており、第1形態の面影は全く残っていない。知能の低下は著しいものの、S.T.A.R.S.抹殺を果たそうと追跡を継続している。また、有害な廃液の影響で取り込んだ毒素を周囲に撒き散らしている。肉体的には激変を遂げたが、耐久力は衰えておらず、ゲーム中で戦闘を終わらせるには「パラケルススの魔剣」と呼ばれるレールキャノンが必要となる。しかし、パラケルススの魔剣を撃ち込まれ、変異によって巨大化した肉体の半分以上を吹き飛ばされても残った触手で活動を続け、その後のイベントでマグナム弾を数発撃ち込まれてようやく息絶える。 『RE:3』では溶解液によって体を溶かされたダメージにより暴走状態に突入する。こちらも、第2形態同様にオリジナルの『3』の容姿から大幅に変更が成され、溶解液で受けたダメージからの回復を図ったため、第2形態以上に体格が巨大になり、出現した当初はナマコかワームを彷彿とさせる外観をしていたが、後にその背中が裂け、そこから長大な触手を壁に張り付けることで自身を支えると同時に固定するようになり、更に第2形態の面影を残しながらも更に巨大に発達した上半身を露にする。第2形態で触手だった左腕が再び巨大な左腕として形成され、右腕もさらに巨大に発達した形となっており、脇腹辺りには短いながらも新たな両腕が形成され、オリジナルと違い、頭部が存在している。巨大な体格へ変化したため、第2形態時にあった跳躍力やスピードは失われ、動くことはおろか、歩行すらできなくなっているものの、巨大に発達した両腕での強力な叩き付けや振り回しを広範囲に繰り出せるようになることでそれらを補っており、溶解液が含まれた膿疱を有し、攻撃で破壊された際はそれらを撒き散らさせて攻撃するようになった。この膿疱は同時に弱点となっているが、これらを全て破壊しても、一時的にダウンさせられるのみであり、加えてそれまでの形態と違い、余りに巨大な体格となったことで通常の武器では倒せなくなっており、倒すには専用のレールガンを用いる必要があり、通常の武器とは比べ物にならないほどに強力な反面、1度使用する度に、電源を入れ直して充電させる必要がある。最期はレールガンを数発喰らってダウンした所へ、ジルにレールガンの銃口を口腔に突っ込まれて、放たれた事により、上半身が吹き飛んで息絶えた。 タイラント(東スラヴ共和国仕様) 登場作品:『DM』 東スラヴ共和国の大統領スベトラーナ・ベリコバが秘蔵する、量産型タイラント。外見はT-103型に酷似しているが、明確な生物兵器として開発され擬態する必要性がなくなったためか、身長は1m近く大きくなっており、黒いコートを身に纏っている。アンブレラ社製のT-103と比べ、知能が大幅に強化されており、プラーガにより人間にコントロールされ統率の取れた行動が出来るリッカーの集団を単独で壊滅させるほどの戦闘力を有する。劇中では肩に「008」「013」「016」と記された3体が登場し、いずれの個体もスベトラーナの命令通りに行動しており、凄まじい走行力で対象を執拗に追跡する。スーパータイラント(東スラヴ共和国仕様) リミッターである黒いコートがなくなり、リミッターを解除され、スーパー化を遂げたタイラント。約4.3メートルもの巨体を誇り、右手が肥大化した鋭い鉤爪を持つが、指の骨が尖鋭化・露出して常に掌を開いた状態になっていたT-103のスーパー化形態と違い、拳を握ってパンチを繰り出したり、人間を掴むことができる。また、心臓は完全に内蔵されて露出していない。戦闘力は向上しており、リッカーを一撃で薙ぎ払い、進行するBMP-3を正面から怪力で押さえ込む。また、スーパー化後も暴走せず命令に従い任務を続行できるほか、戦車砲の仕組みを即座に理解して発射前の時点で回避するなど、知能にも改良が見られる。 劇中では先述の013がスーパー化した個体と、番号不明の2体が登場し、013は先述の通りレオンとバディが乗るBMP-3を正面から怪力で抑え込みついには持ち上げるが、バディにコントロールされたリッカーが飛び掛かったことに気を取られたところを戦車砲で頭部を接射で破壊され死亡。後者の2体はレオンとバディを追い詰めるが、最終的にロシアとの連合軍を結成し東スラヴに侵攻したアメリカ軍のA-10による攻撃を受け、1体はGAU-8の掃射で上半身を吹き飛ばされるなどズタズタとなり死亡、もう1体もミサイルにより吹き飛ばされた。
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