術・技能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:36 UTC 版)
ダヴィデの言霊 まつろわぬ神にすら手傷を負わせる古の勇壮な呪詛。 弓の歌 古き英霊を哀悼する言霊で、神をも斬り裂くサウルの剣、もしくは神すら貫き射抜く力を持ち青い輝きを放つヨナタンの矢を呼び出す秘術。 ゴルゴタの言霊 神への憎悪と絶望の言霊でゴルゴタの丘と同じ冷気を呼び込む戦闘魔術。神をも傷つける強力な死の呪詛で、これを身に浴びただけで常人ならば心臓麻痺を起こして即死し、強力な魔術師であっても立っていられないほどに衰弱させる効果を持つ。 聖絶の言霊 使用者に『聖なる殲滅の特権』を与える欧州戦闘魔術の最高秘儀。習得には聖騎士級の武芸と魔力が要求されるが、神獣・神霊に対しては非常に有効な対抗手段となる。指を突きつけるだけで100人を超す群衆さえもひとり残らず心臓麻痺を起こさせてたやすく虐殺できるとされ、魔女の素質を持たぬ者でも短距離の飛行が可能になるなどの効果もある。瞬発力に関しては熟練度の影響は少ないが、使いこなせるようになるほど安定感が増す。現在完璧に使いこなせる者は、聖ラファエロ、パオロ・ブランデッリ、サー・アイスマンといった伝説的な騎士たちばかり。 ジェリコの殲滅 悲運の都ジェリコを壊滅させた聖なる虐殺の呪詛。 ミデアンの殲滅 ミデアンの民と王を地上から殲滅した滅びの言霊。 霊視 神祖の末裔である巫女や魔女に備わる、生と不死の境界にたゆたうアカシャの記憶を読み取る技術。正確には「今起きている現象」を霊感で読み取り、「起こりうる未来」を無意識に予測する能力のことを言う。作中では神の素性や権能の由来を知るために用いられる。 魔女による霊視で効果的なものを呼び込む率は1割程度なので、基本的に人海戦術で行う。自ら強く知りたいと思うことはうまく視えないが、祐理ほどの能力者であれば色即是空の境地に至ることで望んで啓示を得ることもできる(ただし、身体への負担が非常に大きい)。 この能力を持つ者たちは直感にも優れており、彼女たちにとっては“なんとなく”という感覚であっても実際は真実を言い当てていることが多い。 『智』そのものである叡智の神の《神裔》は、深く瞑想し心を研ぎすませば『他の世界』の状況すら霊視できるという。 精神感応 精神を研ぎ澄まし、他者の気配や感情を漠然と読み取るだけでなく、霊体や魂に干渉して巧みに操る能力。ただし、カンピオーネや神、《神祖》などの心を読むことはできない。ごく一部の魔女や巫女にしかない極めて特異な能力である。霊体を作り出す、強制的に精神的苦痛を与えて攻撃する、自分の呪力を他者に渡すなど、様々な応用方法がある。かなり広範囲に作用する異能であり、術者の実力によっては都市一つ丸ごと影響下に収められる。また《神祖》の系譜に連なる者同士であれば、遠隔地から感応力のパスを繋げて魂を同調させ、自分の術を他者を介して発動させることも可能となる。 幽体離脱 「幽体分離の法」で霊体(エクトプラズム)を作り出して、離れた場所から自分の想いのままに操る。実体がないため、神速ほどではないが、かなりの速度で移動することが可能。能力が高くなるほど本体から離れて移動できる距離も長くなり、霊体の形をより本人の姿に似せることもできる。 御霊鎮め 精神感応力を最大限に高め、媛巫女の和魂を放出し呪力の高まりを鎮めることで、神秘や怪異現象を沈静化する術。破壊力はないものの『聖絶』をも打ち消せる力があり、特定条件下で膨大な呪力の供給を受ければ神の権能のみならず物理攻撃すら無効化できるが、肉体にかかる負担はかなり大きい。 神がかり 神の声を聞き、己の呪力を無に近づけることで神の力を一部だけその身に宿す力。欧州魔術においては降臨術と呼ばれる。非常に稀有な素質で、欧州では最近300年は誕生しておらず、恵那は世界で唯一の使用者である。ヒトの限界として精々1万分の1以下の神力しか使えないとされるが、曲りなりにも神力を行使するので神やカンピオーネの魔術耐性を破ることが可能。半神や神獣とも戦える人類最高峰の力を得る一方で、集中力がすり減り体力的にも消耗する(フルマラソンをハイペースで走りきる程)ため、使用後1週間は時間を空けるべきとされる。また、街に居続けると体に俗気がたまり神がかりが使えなくなるため、頻繁に深山に籠もり五穀断ちなどをしなければならない。 不確定要素が多すぎるものの、意図的に大量の神気を呼び込んで暴走状態を起こし瞬間的な爆発力を利用することもでき、その場合の力は人間の身でありながら神獣と同等クラスに到達する。精神が肉体の上位にある幽世で行うと、神の御霊に体を乗っ取られてしまいかねず、暴走の危険性が非常に高まる。 降臨術の技量が高まると2種類の神々の神気を肉体に宿らせる「二重の神がかり」が可能となり、この状態では一時的に従属神に匹敵するほどの戦闘力を操ることが可能となる。 禍祓い(まがはらい) 一部の媛巫女だけが使える、魔術や呪力などの超自然の力を打ち消す力。神やカンピオーネの権能も一部なら消去が可能。非常に稀有な能力の一つで、この術の使い手のひかりは100年ぶりに現れた逸材。欧州では長年大切に愛用してきた品物、名工の手で手作りされた逸品、魔力を秘めた呪具といった物に、妖精や精霊の祝福である「幸運の加護」を蓄えることでも同じことができるが、加護の蓄積に長い時間がかかる欠点があるので、魔術無効化の手段では最も有効。ただし未熟な場合は直接触れなければならないなどの制限がかかる。 『神域のカンピオーネス』にも登場。使用者の梨於奈は、半神の力で石化した都市国家をまるごと解呪している。 名伏せ 一部の媛巫女だけが使える、人の記憶をいじって書き換えることのできる霊力。また、記憶検索で本人が忘れているようなことも強引に思い出させることも可能だが、頭の中をいじられる弊害で2、30人に一人ほどの確率で記憶障害を引き起こしてしまう。『狂わし』という特殊な霊力を必要としない記憶操作の術も存在するが、こちらはある程度魔術に触れた人間であればふとしたきっかけで記憶を取り戻してしまうほどの効果しかない。 飛翔術 魔女術の一つ。中国では空行術という。使用者に飛行能力を与える魔術。人間が使える術の中では最高の速度を出すことができ、ヨーロッパでは陸続きの国境を超えることも可能なほど移動距離も長いが、使用前に目的地を決める必要があるため追跡には向かず、直線的にしか飛ぶことができないため使用中は無防備になる。基本的には1名から数名までのグループで移動する時に使う術だが、呪力に余裕さえあれば全長20メートルの帆船ほどの規模がある物体でも飛翔させられる。 『神域のカンピオーネス』にも登場。使用者の梨於奈によれば、複数名で移動する場合には便利だが、単独移動では鳥に変身した方が疲れないらしい。 魔女の目 魔女術の一つ。視覚を遠方に飛ばし、自在に動かす千里眼系の術の一種。同系統の術の中で最も速く動かせるという特徴から、主に尾行や飛翔術の目的地を定めるときによく用いられる。類似のものに媛巫女の「物見の術」があるが、こちらは視力が強化され俯瞰的な視点から対象を見る(速度については不明)。 隠れ身 魔女術の一つ。自分を周囲の景色と同化させ、姿を隠す術。特定の人間にのみその姿を見せることも可能。一部の魔女のほか、妖精たちも使うことができる。 世界移動(ブレーンウォーキング) 現世から「生と死の境界」へと移動するための呪術。日本では『幽世渡り』と呼ばれる。最高位の魔女にのみ口伝で伝えられる秘術であり、特殊な霊薬を服用する必要がある。 縮地法 いわゆる瞬間移動を行う方術。《神足通》ともいう。非常に難易度が高いが、優れた道姑である羅濠教主の場合は舌打ちだけで術を発動することができ、カンピオーネ特有の膨大な呪力を利用して短距離転移を連発し、近接戦闘にも役立てている。さらに彼女は、フェイントと最短の動きを組み合わせて神速の相手の死角さえもつく絶技・《無影脚》を練り上げている。 飛鳳十二神掌(ひほうじゅうにしんしょう) 羅翠蓮が得意とする中華武術の絶技。鳳雛登門・鳳眼穿廉・鳳爪掏心・飛鳳墜落・丹鳳朝暘・金鳳亮翅・群鳳連環・雄鳳千斤・鳳翼天象・鳳龍陰陽・鳳凰双飛・大鳳無天の十二手からなる技で、元々「飛鳳五仙掌」と呼ばれていた技法に羅濠が自ら編み出した七掌を加えて完成させた掌法。直弟子である鷹化にも伝授している。後に魔除けの雷法を体に纏って放つ「十二神掌忽雷架式」という魔術破りの効果が付与された技も開発している。 虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう) 虚空蔵菩薩を一心に念じることにより、超人的な記憶力を得る秘法。空海も会得していたとされる術で、一読した仏典の内容をすべて一言一句も欠けずに記憶できるようになる。 天山童姥功(てんざんどうぼこう) 2ヶ月分の修行に匹敵するだけの気をわずかな期間で速成できる内功。その分無理がかかるため、代償として一時的に体格が幼くなり、体力と筋力が低下する。 吸星奪魂掌(きゅうせいだつこんしょう) 奇経八脈に流れる気をあえて空にすることで、掌で触れた相手から気を抜きだし奪い取るという邪派の武芸の一つ。 禹歩 武術と奇門遁甲の方術を組み合わせた遁甲歩法の絶技。縮地とは異なる移動術。北斗七星をなぞる「七星点心歩法」、南斗六星をなぞる「六甲迷蹤歩法」、カシオペア座をなぞる「王良五星歩法」など複数の種類が存在する。 教授 『啓示』とも言い、一瞬にして莫大な量の知識を教え込む術。効果は約1日しか持続しない。類似の効果を持つ術には、神祖や神しか行使できない超高位の術として時間制限もなく知識に加えセンスのない者にも特定の魔術などを使用可能にする『秘法伝授』、大人数で行う儀式魔術の際に感覚や想いを他者と共有する『霊感共有』、過去の記憶を映像として相手に伝える『幻視の術』もある。 元老院最終勧告(セナトゥス・コンスルトゥム・ウルティムム) 鉄の鎖で悪しき魔術や悪魔から身を守るための五芒星の印を作り、堅牢な防御障壁を構築する秘術。 召喚・送還 西洋の騎士達が武器を持ち運ぶときに使用する魔術。武器を自在に出し入れできる利便性の高い術だが、重量に上限があり剣以上の重さを持つ物(人間など)を転移させることはできない。また、手紙のようなごく軽い物を届ける『投函』という術も存在する。 千の言語 長年魔術を学び、言霊の奥義を悟った達人のみが会得する秘術。会話相手の言葉から他言語を短期間で習得する。魔術師たちは幼いころから言語センスを鍛えることによって身につけるが、霊的ステージが高いカンピオーネには最初から備わっている。文字に対しても適用されるかは不明。 護堂はイタリア語を三日ほどで、ヴォバンはほんの5、60分で日本語を習得した。 跳躍 自らに人間離れした跳躍力と身軽さを与える、ドニも使用可能な体術の一種。『跳躍』はテンプル騎士団の呼び名で、武侠には『軽功』、日本では『猿飛』と呼ばれる。同様に、魔術と武芸を組み合わせて馬並みの速度で駆ける技術なども存在する。 弼馬温(ひつばおん) 日本から蛇神・竜神の類を祓うために、斉天大聖・孫悟空を日光に封じ込めた大呪術。斉天大聖から神通力と神の気概を封じ、猿猴神君として封じる力を持つ。日本に竜蛇の類が現れた時、九法塚家が保管する「斬竜刀」に禍祓いの巫女が霊力を込めることによって解呪され、斉天大聖が竜蛇を退治するとしばらく後で再び封印され東照宮へ引き戻される。「弼馬温」とは天界の役職の位で、天宮で馬の世話をする厩番のこと。古老の面々と当時地上にいた黒衣の僧正によって行われた。 この術の核となるのは、かつて天界で暴れた孫悟空を捕らえた顕聖二郎真君の神力を宿した「顕聖之符」と呼ばれる破邪の符である。斉天大聖が弼馬温を破り、護堂たちが大聖を討ち取ったことで用途を失ったため、符に宿る霊験を利用してヴォバンの《ソドムの瞳》によって塩に変えられた正史編纂委員会の職員たちを救ったが、この件がきっかけで本物の二郎真君が地上へ顕現することとなった。
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