歴代火影
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:13 UTC 版)
「NARUTO -ナルト-の登場人物」の記事における「歴代火影」の解説
千手柱間(せんじゅ ハシラマ) 声 - 菅生隆之、泰勇気(少年) 初代火影。木ノ葉隠れの里の創設者の一人。かつての森の千手一族の長で、五代目火影・綱手の祖父でもある。並外れた規模の木遁忍術を操り、当時の忍界において「最強の忍」「忍の神」と謳われた。生前は愛情に溢れ、何よりも里の者達のことを第一に考えた人格者だった。 幼少期にマダラと出会い親友となるが、一族の争いから敵対することになる。成人後に彼に勝って和解し、協力して木ノ葉隠れの里を興す。しかし、里の方針を巡りマダラと対立し、「終末の谷」で彼を殺して決着をつけたことで、柱間は忍とは「目標のために耐え忍ぶ者」であることを悟った。死亡した時期は不明だが、死因について綱手は「里のために戦って夢半ばで死亡した」と語っている。 死後から数十年後の第一部では、大蛇丸の木ノ葉崩しに際して「穢土転生の術」により蘇生され弟の扉間と共にヒルゼンと戦わされることとなるが、最終的に「屍鬼封尽」により封印された。 それから約3年後の第四次忍界大戦の最中、復活した大蛇丸により他の歴代火影たちと共に再び蘇生され、サスケに自身とマダラの因縁や木ノ葉を設立した経緯を語り、サスケが里を守ることを選択したことで歴代火影、大蛇丸、サスケの率いる「鷹」のメンバーと共に戦場へ向かった。 戦場に到着すると歴代火影4人による「四赤陽陣」で十尾を抑え込むが、オビトが十尾の人柱力となり結界を破壊。オビトを食い止めようとするがマダラに邪魔され再戦となり、マダラが「輪廻天生」で完全に生き返った後に黒い杭で動きを封じられ仙術チャクラを吸収された。十尾の人柱力となったマダラを触媒にカグヤが復活した際に黒い杭が消滅して解放され、扉間達と共にマダラの下半身から現れた六道仙人から事情を聞き、カグヤが封印された後には歴代五影と共に「口寄せの術」でナルト達を帰還させた。そして虫の息のマダラとかつての親友だった頃のように語り合って最期を看取った後、六道仙人によって「穢土転生」を解術され、自分とマダラの後任の転生者であるナルトとサスケに「自分達とは違う決着であってほしい」と願いながら昇天した。 千手扉間(せんじゅ トビラマ) 声 - 堀内賢雄、河西健吾(少年) 二代目火影。初代火影・柱間の弟。一人称は「ワシ」で、兄の柱間のことは「兄者」と呼んでいる。自身が開発した「飛雷神の術」を始めとする時空間忍術や高いレベルの水遁忍術を扱うほか、周囲の広範囲のチャクラを感知することができる。目標に向かい邁進する性格であり、巧みな手腕で里の基盤を築き上げ、大蛇丸からも「最も尊敬する火影」と称された。一方で死者を蘇らせて操る禁術「口寄せ・穢土転生」を開発するなど、里のためなら非情な手段も辞さない徹底したリアリストとしても知られ、うちは一族や他里の忍からは悪名高い人物として知られていた。 兄の死後はその意志を継いで火影に就任、忍者学校や木ノ葉警務部隊などの組織を設立し、里の基盤を築きあげた。マダラの反乱後はうちは一族の忍を警務部隊という形で里の中枢から遠ざけたが、この処置はダンゾウなど里の上層部がうちは一族を冷遇するきっかけとなった。その後第二次忍界大戦前後、雲隠れの里での協定の際に金角・銀角兄弟によるクーデターが発生し、護衛小隊と共に逃亡するも敵の忍達に包囲され、護衛小隊のメンバーの一人だったヒルゼンを三代目火影として指名し、仲間を逃がすために自らが囮となって瀕死の重体となる。第一部では柱間と共に大蛇丸の「穢土転生」により蘇生され、ヒルゼンと戦わされるも「封印術・屍鬼封尽」によって封印された。 それから約3年後の第四次忍界大戦の最中、歴代の火影達と共に大蛇丸によって再び蘇生され、オビトと交戦する。その後「輪廻天生」で蘇ったマダラに黒い杭を刺され動きを封じられるが、輪廻眼を開眼したサスケによって黒い杭は全て抜き取られ動けるようになった。そして、十尾の人柱力となったマダラの下半身から現れた六道仙人から事情を聞いた際には、「助言を頂けるなら、もっと早くにしてほしかった」と皮肉を述べている。ナルト達を帰還させた後、六道仙人によって「穢土転生」を解術され、ヒルゼンに同調し「後のことは次の世代に任せよう」と柱間に告げて昇天した。 猿飛ヒルゼン(さるとび ヒルゼン) 声 - 柴田秀勝、藤井啓輔(少年)、演 - 平川和宏、白崎誠也 三代目火影。通称「教授(プロフェッサー)」。木ノ葉丸の祖父でアスマの父。柱間と扉間の弟子であり、後に「伝説の三忍」と呼ばれることとなった大蛇丸・自来也・綱手の三人の師。歴代の火影の中でも最強とされ、五大性質変化や木ノ葉に存在する全ての術を解き明かした。忍術では全て属性を扱える他、口寄せ契約を結ぶ猿猴王・猿魔が変化した棒「金剛如意」による体術を使う。 かつてはダンゾウらと共に扉間の護衛小隊に所属していた。雲隠れの里での協定で起きた金角・銀角のクーデターが発生した際には、自ら囮役を買って出るも、扉間は次の火影にヒルゼンを指名して自ら囮となり彼らを逃がした。火影就任後は穏健な政策を進めるも、厳格な方針を主張することが多かったダンゾウとは度々対立していた。 うちは一族のクーデター計画が発覚した際には、うちは一族の殲滅に対して最後まで反対していた。そのためイタチからも大きな信頼を得ており、残されたサスケを里の上層部から守るようにとも頼まれていた。また、九尾の人柱力としての宿命を背負ったナルトのことも誰よりも案じており、ナルトが他里の忍に狙われないために九尾の封印の事実やナルトがミナトの息子であることも秘匿し、天涯孤独で生きることになった彼を見守り続けていた。 第一部では、中忍試験に乗じて木ノ葉隠れの里へ侵攻したかつての弟子である大蛇丸と対峙し、穢土転生で蘇った柱間と扉間を相手に苦戦するも、自身の命を犠牲にする禁術「屍鬼封尽」で2人の魂を死神の中に封印し、次いで大蛇丸も封印しようとするがあと一歩力が及ばず、印を結ぶのに必要な腕の機能だけの封印に留まった。そして術の代償で死神に魂を奪われる中、これからを生きる里の人々に「火の意志」が受け継がれてゆくことを感じつつ息を引き取った。 第四次忍界大戦時では、大蛇丸によって死神から解放されて歴代火影と共に穢土転生され、サスケにうちは一族の滅亡の真実を語った。そしてサスケと共に戦場へ向かい、十尾が神樹に変化した際には神樹からナルトを助け出した。ナルトたちがカグヤが封印した際は、歴代五影と共にナルト達を「口寄せの術」で帰還させた。六道仙人によって「穢土転生」を解術され、ナルトに後のことを託して昇天した。 『疾風伝』の「カカシ暗部篇」ではその過去が描かれており、第三次忍界大戦の終結後には岩隠れの里との平和条約締結に関する責任をダンゾウから追及されて火影を引退したが、九尾の事件でミナトが死亡したことにより緊急的に自ら火影に復帰した。その後ダンゾウ率いる「根」に暗殺されかけるも、暗部時代のカカシが流した情報によって難を逃れていた。 波風ミナト(なみかぜ ミナト) 声 - 森川智之、入野自由(少年)、演 - 北園涼 四代目火影でナルトの父。金髪に青い眼をした容姿端麗の青年。一人称は「オレ」。かつては並はずれた速度での「瞬身の術」や、特殊な印が書かれた札を目印に瞬間移動する時空間忍術「飛雷神の術」を用いて一瞬にして敵を倒すことから「木ノ葉の黄色い閃光」と呼ばれた。自来也の弟子でもある他、「螺旋丸」を開発しており、この術は自来也を介して息子のナルトへと受け継がれた。 アカデミーでは後に妻となるクシナと同期であり、彼女が雲隠れの忍に攫われた際に、彼女が道中に残していった赤い髪の毛を手掛かりに追跡して救出したことがきっかけで、彼女から好意を抱かれるようになった。第三次忍界大戦においては無双の活躍を見せ、またその前後にはカカシ・オビト・リンの3人の担当上忍となりミナト班を結成するも、「カカシ外伝」での岩隠れの里での任務ではオビトを失い、さらに後には別の任務に出ている間に霧隠れの里に攫われたリンをカカシの手によって死なせてしまった。 その後ヒルゼンの後任として異例の22歳の若さで四代目火影に就任し、クシナの出産に付き添ってナルトの誕生に立ち会うが、その直後にオビトの襲撃を受けてクシナを連れ去られて九尾を抜かれてしまう。瀕死のクシナを救出した後オビトを里から撤退させ、里を襲撃していた九尾を時空間忍術で自身と共に里の外に跳ばした。そして禁術「屍鬼封尽」で九尾の陰のチャクラを自身に封印し、九尾の陽のチャクラを生まれたばかりのナルトに封印しようとするが、封印を阻止すべくナルトを殺そうとした九尾の攻撃からクシナと共にナルトを庇って腹を九尾の爪で貫かれ、「屍鬼封尽」の代償として自ら死が迫る中、ナルトへの封印を発動させてその生涯を終えた。 クシナと共に自身の精神やチャクラをナルトの中に残しており、死後もナルトを内側から見守り続けていたが、ペインとの戦いで憎しみに飲み込まれたナルトが精神世界で九尾を解放しようとした瞬間に現れて制止し、自分が父親であるという事実や九尾事件の事実を明かし、「おまえを信じている」と話してナルトを力付け、残り僅かなチャクラで九尾の封印式を組み直して消滅した。 第四次忍界大戦では歴代火影と共に「穢土転生の術」によって蘇生された。連合に迫っていた十尾の尾獣玉を被害の少ない海に転送して皆を救い、四人の火影による結界で十尾を閉じ込めていた。戦場ではナルトとの再会し、十尾の人柱力となったオビトにナルト・サスケ・扉間と共に戦うが、オビトの陰陽遁によって右腕をもがれた上に罵られ、後悔の念を抱くもナルトの言葉によって戦意を取り戻した。その後は止めを刺そうとしたカカシを制止し、かつてオビトやリンを救えなかったことを二人に対して詫びた。 「陽」の九喇嘛を抜かれて瀕死状態になったナルトに、自分の中の「陰」の九喇嘛を入れて蘇生させようとするも黒ゼツの妨害を受け、さらに十尾の人柱力となったマダラの襲来に対して仙術で応戦するも、螺旋丸を弾き返されて左腕までもを失ってしまった。その後は救援に来たガイのサポートに回り、ガイに向けて放たれた求道玉を「飛雷神の術」で自分ごと全て木ノ葉隠れの里へ飛ばして意識を失った。無限月読の発動後に目覚めて戦場に戻り、歴代火影と合流した。マダラの半身から復活した大筒木ハゴロモの指示で、浄土から呼び寄せられた歴代五影と共にカグヤを封印したナルト達を始球空間から口寄せの術で連れ戻した。その後、ハゴロモによって穢土転生の術を解術される直前に10月10日の朝日を迎え、ナルトに「誕生日おめでとう」と最初で最後の誕生日祝いの言葉を贈り、別れを悲しむナルトから自分を超える火影になるという決意と「自分のことは何も心配いらない」というクシナへの伝言を伝えられて笑顔で昇天した。 綱手(せんじゅつなで) 声 - 勝生真沙子、七緒はるひ(幼少)、沖佳苗(少女変装時)、演 - 大湖せしる 伝説の三忍の一人であり初代火影・千手柱間の初孫。髪色は金髪で額に小さな青い菱形の模様(これは後述する額に溜め込んだチャクラである)がある。大酒飲みで大の賭博好きだが賭け事には弱い。ナルトからは「綱手のばあちゃん」、サクラからは「師匠」(たまに「綱手様」とも呼ぶ)、相談役などの年配の人物からは「綱手」または「綱手姫」(初代火影の孫であることに由来)、その他の木ノ葉の里の面々からは「綱手様」と呼ばれ慕われている。 忍一の怪力の持ち主であり、人差し指で地面を叩き割る、デコピンで相手を吹き飛ばす、踵落としで地割れを起こすなど途轍もない怪力を誇る。また過去には女湯を覗いた自来也を持ち前の怪力で制裁し、瀕死の重傷を負わせたこともある。医療忍術のスペシャリストでもあり、スリーマンセルに医療忍者を加えるスタイルを考案したのも彼女である。また大蛞蝓のカツユを口寄せし、負傷者の回復などを行わせることができる他、額には「百豪の術」で常にチャクラを溜めており、それを解放することで発動する再生忍術「創造再生の術」によって、自分も含めた重傷レベルの怪我ですら回復させることができる。 自来也や大蛇丸とは同期の幼馴染であり、修行時代は共に後の三代目火影・ヒルゼンに師事していた。自来也と同年代の壮年であるが老けるのが嫌で術により容姿を変えており、作中では一貫して妙齢の女の姿をしている。自来也によれば、放浪中は術で容姿を変えることで借金取りから逃げていたともいう。第三次忍界大戦時には自来也や大蛇丸と共に里に多大な貢献を果たし「伝説の三忍」の一人に謳われたが、戦乱の中で弟の縄樹を亡くし、その後さらに負傷により血まみれになった恋人のダンの死を看取ったことで血液恐怖症を発症してしまい、以来は医療との関わりを断っていた。戦後はシズネと共に里を離れ、あてもなくギャンブル続きの旅を続けていた。 第一部では突如再会した大蛇丸から、縄樹とダンの蘇生と引き換えに彼の腕を治療することを依頼される。その晩にナルトを連れた自来也とも再会し、五代目火影への就任の要請を受けるもその時は「ありえない」と一蹴。大蛇丸の誘惑に心が揺らいでおり、一度は依頼を受けるつもりで待ち合わせ場所に向かったが、自らの愚かさに気付き治療を拒否したため戦闘となる。実戦を長く離れていたこともあり苦戦を強いられるが、後を追ってきたナルトたちと合流し共闘、ナルトの姿に縄樹やダンの面影を見たことで自らが五代目火影になることを決意し、最後は重傷を負いながらも大蛇丸の顔面に渾身の一撃を加えて撃退した。その後は里に帰還して五代目火影に就任し、サクラといのを弟子として医療忍術の心得を会得させた。 第二部のペインの襲来時には口寄せしたカツユを通して負傷者たちの治癒を行うが、ペインの攻撃により里を全壊させられ、寸前に「忍法・創造再生」を使い里の人々を守り抜くも、溜めていたチャクラを全て開放したため力尽きる。その後は意識不明のまま昏睡状態に陥り、その間に火の国の上層部から火影を解任されたが、五影会談終了後に意識を戻し火影に復帰した。第四次忍界大戦では四代目雷影・エーと共に本部にて指揮を執り、途中で戦場に向かったナルトとキラービーを止めるためエーと共に立ち塞がるも、根負けして2人の参戦を許可した。 本部に帰還した後、穢土転生によってマダラが口寄せされたことを受け、エーと共にマブイの「天送の術」で戦場へ赴き、五影全員による連携攻撃を仕掛けるが、穢土転生の契約を解除し現世に留まったマダラの反撃を受けて他の五影共々敗北。身体を上下真っ二つに切断される致命傷を負うもかろうじて生き延び、カツユを口寄せして瀕死の五影達の治療を試みていたところに大蛇丸一行が現れ、回復を受けたことで一命を取り留めた。回復後は戦場に戻ってシカマルを治療し回復させた後、サクラと共にカツユを口寄せして忍連合軍の足場とし、戦場全体にチャクラの回復フィールドを発生させた。 第四次忍界大戦後はカカシを六代目火影に指名し火影の座を退いた後、柱間細胞を元にした義手の精製に成功し、それをナルトに与えている。小説『カカシ秘伝』では火影退任前後の様子が描かれており、第四次忍界大戦を経験した影響から虚脱した生活を送っている様子が描かれている。最終話時点でも存命であり、旧五影会談で他の先代五影がそれなりに老化している中、自身はあまり変わらない姿を見せている。
※この「歴代火影」の解説は、「NARUTO -ナルト-の登場人物」の解説の一部です。
「歴代火影」を含む「NARUTO -ナルト-の登場人物」の記事については、「NARUTO -ナルト-の登場人物」の概要を参照ください。
- 歴代火影のページへのリンク