山川 菊栄とは? わかりやすく解説

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やまかわ‐きくえ〔やまかは‐〕【山川菊栄】


山川 菊栄 (やまかわ きくえ)

18901980 (明治23年昭和55年)
女性解放思想家社会差別視点女性解放捉えた聡明さと強い意思持った女性運動家。
大正・昭和期社会主義女性解放思想代表的理論家東京都出身女子英学塾卒。夫は山川均1911年大正10)堺(近藤)真柄らと赤瀾会結成18年平塚らいてう与謝野晶子との間で起こった母性保護論争に、差別のない社会でしか女性自立解放はないとする社会主義的論理参加23年関東大震災時に朝鮮人虐殺引き起こしたとして軍部非難第二次大戦後は労働省婦人少年初代局長就任自伝「おんな二代の記」。

 年(和暦)
1894年 (明治27年) 日清戦争 4才
1903年 (明治36年) 江戸開府300年 13
1904年 (明治37年) 日露戦争 14才
1907年 (明治40年) 足尾銅山暴動 17才
1910年 (明治43年) 韓国併合 20才
1918年 (大正7年) 米騒動 28
1923年 (大正12年) 関東大震災 33才
1928年 (昭和3年) ■初の普通選挙実施 38
1932年 (昭和7年) 五・一五事件 42
1936年 (昭和11年) 二・二六事件 46
1941年 (昭和16年) ■対英米宣戦布告 51
1945年 (昭和20年) ポツダム宣言受諾 55
1946年 (昭和21年) 日本国憲法公布 56
1951年 (昭和26年) サンフランシスコ講和条約 61
1953年 (昭和28年) テレビ放送開始 63
1956年 (昭和31年) 国際連合加盟 66
1960年 (昭和35年) 東京タワー完成 70
1960年 (昭和35年) 日米新安保条約調印 70
1964年 (昭和39年) 東京オリンピック 74
1968年 (昭和43年) GNP世界第2位 78
1970年 (昭和45年) 大阪万国博覧会 80
1971年 (昭和46年) 環境庁設置 81
1973年 (昭和48年) 第1次オイルショック 83
1976年 (昭和51年) ロッキード事件 86
1978年 (昭和53年) 日中平和友好条約 88
1978年 (昭和53年) 成田空港開港 88
1979年 (昭和54年) 第2次オイルショック 89


石橋 湛山 1884年1973年 (明治17年昭和48年) +6
東条 英機 1884年1948年 (明治17年昭和23年) +6
安田 靫彦 1884年1978年 (明治17年昭和53年) +6
三浦 環 1884年1946年 (明治17年昭和21年) +6
武者小路 実篤 1885年1976年 (明治18年昭和51年) +5
平塚 らいてう 1886年1971年 (明治19年昭和46年) +4
山田 耕筰 1886年1965年 (明治19年昭和40年) +4
谷崎 潤一郎 1886年1965年 (明治19年昭和40年) +4
松旭斎 天勝 1886年1944年 (明治19年昭和19年) +4
柳 宗悦 1889年1961年 (明治22年昭和36年) +1
古今亭 志ん生 1890年1973年 (明治23年昭和48年) 0
近衛 文麿 1891年1945年 (明治24年昭和20年) -1
岸田 劉生 1891年1929年 (明治24年昭和4年) -1
河合 栄治郎 1891年1944年 (明治24年昭和19年) -1
芥川 龍之介 1892年1927年 (明治25年昭和2年) -2
西条 八十 1892年1970年 (明治25年昭和45年) -2
早川 徳次 1893年1980年 (明治26年昭和55年) -3

山川菊栄

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山川 菊栄
(やまかわ きくえ)
女人藝術』1928年8月号より
誕生 森田菊栄
(1890-11-03) 1890年11月3日
日本 東京府東京市麹町区四番町(現:千代田区九段北
死没 (1980-11-02) 1980年11月2日(89歳没)
日本 東京都
職業 婦人運動家評論家作家
国籍 日本
代表作 アウグスト・ベーベル『婦人論《婦人と社会主義》』の初完訳
配偶者 山川均(1916年)
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山川 菊栄(やまかわ きくえ、旧字体山川 菊榮1890年明治23年〉11月3日 - 1980年昭和55年〉11月2日)は、日本の婦人問題評論家・研究家、社会主義者、労働運動家、婦人運動家である。戦前、公娼制度の廃止、女性労働者の地位向上、古い家族制度の批判、社会主義フェミニズムの理論化、女性社会主義者の組織化などを展開。アウグスト・ベーベルの『婦人論』の最初の完訳者としても有名。戦後も、女性運動、婦人労働運動の理論的指導者として活動し、労働省の初代婦人少年局長をつとめた[1]

人物

東京府東京市麹町区四番町(現:千代田区九段北)生まれ[2]。旧姓は森田、後に青山姓となる。夫は山川均。息子は山川振作。

1916年、『青鞜』1月号に、「日本婦人の社会事業に就て伊藤野枝氏に與ふ」[3]を発表し、『青鞜』1915年12月号に発表された伊藤野枝の論文「傲慢狭量にして不徹底なる日本婦人の公共事業に就て」[4]を批判した。

1918年、論文「母性保護と経済的独立」を「婦人公論」に発表し、論壇での地位を確立した[1]。雑誌「社会主義研究」「前衛」などを創刊した[1]

日本の婦人運動に初めて批評的、科学的視点を持ち込んだ。多くの評論集は、明晰な分析と鋭い批評眼を示し、日本における女性解放運動の思想的原点と評される[5]。戦後は民主婦人協会を結成、その後婦人少年局長に就任した[1]

評論活動以外では、戦時下、柳田國男のあっせんにより[注釈 1]、『武家の女性』『わが住む村』を執筆し、聞き書きをもとにした普通の生活の営みを民俗・社会誌として作品にした。戦後には、母・千世と菊栄二代の女性史としての『おんな二代の記』や、水戸藩藩儒であった祖父青山延寿の日誌や書簡などに元に『覚書 幕末の水戸藩』をはじめとする社会史を平明な文体で残した。

経歴

1920年夏(29歳)
『山川菊栄 第4巻』(岩波書店、1982年)より
左から山川菊栄、伊藤野枝堺真柄

父は松江藩士の森田龍之助、母は水戸藩士弘道館教授頭取代理・彰考館権総裁を務めた儒学者・史学者の青山延寿の娘・千世で、祖父延寿の死去に伴い、青山家の戸主となり、1906年より青山姓を名乗る[6]。弘道館の初代教授頭取を務めた儒学者・青山延于は母方の曾祖父にあたる。大叔父(大叔母の夫)に水戸藩吉成勇太郎がいる[7]

東京府立第二高等女学校卒業。

1912年(明治45年)、女子英学塾(現:津田塾大学)卒業。

1913年(大正2年)、『近代思想』の9月号に掲載された渋六(堺利彦)の「胡麻鹽頭」というエッセイに、ドイツの指導的社会主義者アウグスト・ベーベル逝去に関する記述があり、それを読んで、ベーベルとその主著『女性と社会主義』(『婦人論』として知られる)に関心を持ち、その後、その英語著作を神田の古本屋で入手して読み、感銘を受ける[8]

1915年大正4年)、堺利彦幸徳秋水らの金曜講演会、大杉栄らの平民講演会を通して社会主義を学ぶ。

1915年〜1916年『青鞜』誌上において伊藤野枝との間に「廃娼論争」を交わし、野枝の上中流階級の女性たちによる慈善的・恩恵活動を欺瞞的とする批判に賛意を表する一方、公娼制度容認を徹底的に批判した[9]

1916年(大正5年)、山川均と堺利彦が編集していた社会主義雑誌『新社会』7月号に、社会主義運動家山川均に頼まれて「公私娼問題」を掲載[10]。同年、11月、山川均と結婚[11]

1918年(大正7年)ころから始まった母性保護論争に参加、社会主義の立場から平塚らいてう与謝野晶子らの運動を批判[12]

1921年(大正10年)4月、日本で最初の社会主義婦人団体「赤瀾会」を結成、同年メーデーに初参加。

婦人少年局長時代の山川(1948年撮影)

1947年(昭和22年)、日本社会党に入党。9月1日、片山内閣のもとで、新設の労働省の初代婦人少年局長に就任した[13]。米国の労働婦人局統計調査資料を、太平洋戦争開戦までの約20年間寄贈を受けて読んでおり、日本でもこうした調査が必要と考えていたことから、「簡単に引き受けた」という[14][15]。地方の出先機関である地方職員室の管理職、主任に女性を登用した。GHQの支持を取り付けつつ、自ら各地に出張して面接を繰り返した。「山川人事」と呼ばれた。[16]

内務省廃止でポストを失った男性を主任に就けるとの目的もあり、地方労働基準局長から男性ばかりが推薦されるのにあきれ、「地位収入を問題とせず、すて身でとびこんできてくださる優秀な方」を募集するとの「局長の檄文」を執筆した。人選は難航したが、1947年7月下旬に全都道府県で主任の人事が固まった[17]1951年まで務めた。

1962年(昭和37年)4月14日、田中寿美子らと「婦人問題懇話会」(1984年に「日本婦人問題懇話会」に改称)を設立した[18][19]

1974年(昭和49年)、『覚書 幕末の水戸藩』で大佛次郎賞受賞[20]

1980年(昭和55年)、死去。墓所は倉敷市長連寺山門北側[21]

没後

1981年(昭和56年)、「山川菊栄記念会設立趣意書」によれば、山川菊栄の遺族から寄せられた基金で、女性問題の研究・調査を対象に「山川菊栄記念婦人問題研究奨励金」(山川菊栄賞)を贈呈することになり、その運営のために山川菊栄記念会が設立された[22]

1990年、生誕100年、没後10年を記念して、「山川菊栄生誕100年を記念する会」主催の連続講座やシンポジウムが開催された。連続講座は1989年12月から1990年5月にかけて4回開催され、中嶌邦永畑道子竹中恵美子鈴木裕子が講師をつとめた[23]。シンポジウムは1990年11月3日に津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス内の津田ホールで開催され、「現代フェミニズムと山川菊栄」のテーマで李順愛、井上輝子、竹中恵美子が話し合い、コーディネーターは駒野陽子がつとめた[24]

2010年、生誕120年を記念してドキュメンタリー映画「姉妹よ、まずかく疑うことを習え 山川菊栄の思想と活動」の制作が企画された[25]

山川菊栄文庫

1988年11月4日江ノ島神奈川県立婦人総合センターに山川菊栄文庫が開設された[1]。菊栄の長男で東京大学名誉教授の山川振作が寄贈した図書、雑誌、写真、色紙、書簡、日記などと同センター婦人図書館の資料によって構成されている[1][26]。同センターの移転・廃止にともない[27]、山川文庫を含めた女性関連資料は2015年2月中旬、横浜市神奈川県立図書館に移管された[5]

家族・親族

父 森田龍之助

松江藩

母 森田千世

(もりた ちせ、旧姓青山、1857年-1947年10月20日[28]水戸藩儒学者青山延寿の娘[28]女子師範(現お茶の水女子大学)の第1回入試に首席で合格[29]、第1回卒業生[28]

姉 佐々城松栄

旧姓森田、東京府第二高等女学校を経て女子英学塾卒。エスペランティスト

夫 山川均
長男 山川振作

東京大学名誉教授[1]

祖父 青山延寿
大叔父 吉成勇太郎
曽祖父 青山延于

著書

単著

  • 『女の立場から』(三田書房、1919年)
  • 『現代の生活と婦人』(叢文閣、1919年)
  • 『婦人の勝利』(日本評論社、1919年)
  • 『女性の反逆』(三徳社、1922年)
  • 『メーデー』(水曜会パンフレット第11輯、水曜会出版部、1922年
  • 『婦人問題と婦人運動』(文化学会出版部、1925年)
  • リープクネヒトルクゼンブルグ』(上西書店、1925年)
  • 『無産階級の婦人運動』(無産社、1928年)
  • 『女性五十講』(改造社、1933年)(同年に改訂版)
  • 『婦人と世相 評論集』(北斗書房、1937年)
  • 『女は働いてゐる』(育生社〈新世代叢書〉、1940年)
  • 『村の秋と豚 随筆集』(宮越太陽堂書房、1941年)
  • 『わが住む村』(三国書房〈女性叢書〉、1943年 / 岩波文庫、1983年 NDLJP:9539136
  • 『武家の女性』(三国書房〈女性叢書〉、1943年 / 岩波文庫、1983年)
  • 『明日の女性のために』(鱒書房、1947年)
  • 『日本の民主化と女性』(三興書林、1947年)
  • 『婦人解放論』(鱒書房〈社会思想新書〉、1947年)
  • 『新しい賃銀原則 べアトリス・ウエップ 男女平等賃銀制の研究』(国際文化労働社、1948年)
  • 『新しき女性のために』(家の光協会、1949年)
  • 『ミル ベーベル 婦人解放論』(啓示社、1949年)
  • 『平和革命の国 イギリス』(慶友社、1954年)
  • 『女二代の記 わたしの半自叙伝』(日本評論新社、1956年)
    • 『おんな二代の記』(平凡社東洋文庫、1982年、ワイド版2004年 / 岩波文庫、2014年)
  • 『覚書 幕末の水戸藩』(岩波書店、1974年 / 岩波文庫、1991年)
  • 『女性解放へ 社会主義婦人運動論』(日本婦人会議中央本部出版部、1977年)
  • 『二十世紀をあゆむ ある女の足あと』(大和書房、1978年)
  • 『日本婦人運動小史』(大和書房、1979年)
  • 『山川菊栄の航跡 「私の運動史」と著作目録』(外崎光広・岡部雅子編、ドメス出版、1979年)

著作集

  • 『山川菊栄集』(全10巻・別巻1、田中寿美子・山川振作編、岩波書店、1981年 - 1982年)
  • 『山川菊栄女性解放論集』(全3巻、鈴木裕子編、岩波書店、1984年)
  • 『山川菊栄評論集』(鈴木裕子編、岩波文庫、1990年)
  • 『新装増補 山川菊栄集 評論篇』(全8巻・別巻1、鈴木裕子編、岩波書店、2011年 - 2012年)

共編著

  • 『労農露西亜の研究』(山川均と共著、アルス、1921年)
  • 『社会主義の婦人観』(堺利彦と共著、上西書店、1926年)
  • 『無産者運動と婦人の問題』(山川均と共著、白揚社、1928年)
  • 『働く青少年』(編、石崎書店、1950年)
  • 『母と女教師と』(丸岡秀子と共編著、和光社、1953年)
  • 『婦人』(編、有斐閣〈らいぶらりい・しりいず〉、1954年)

翻訳

英語訳

  • Women of the Mito Domain : Recollections of Samurai Family Life (ケイト・ナカイ訳、東京大学出版会、1992年) 原文は『武家の女性』全訳と『覚書 幕末の水戸藩』部分訳。いずれも『山川菊栄集』収録版による。

フランス語訳

  • Préjugés de race, préjugés de sexe, préjugés de classes(伊藤綾、コンスタンス・セレニ共訳、Japon colonial 1880-1930, Les voix de la dissension, Paris, Les Belles-Lettres, 2014年)原文は「人種的偏見・性的偏見・階級的偏見」『雄弁』(1924年6月号
  • Coups de fusils en Mandchourie, (伊藤綾、コンスタンス・セレニ共訳、Japon colonial 1880-1930, Les voix de la dissension, Paris, Les Belles-Lettres, 2014年)原文は「満州の銃声」(『婦人公論』11月号、1931年)

関連文献

  • 菅谷直子『不屈の女性 山川菊栄の後半生』(海燕書房、1988年)
  • 鈴木裕子『山川菊栄 人と思想 戦前篇』(労働大学〈労大ハンドブック〉、1989年)
  • 鈴木裕子『山川菊栄 人と思想 戦後篇』(労働大学〈労大ハンドブック〉、1990年)
  • 山川菊栄生誕百年を記念する会編『現代フェミニズムと山川菊栄 連読講座「山川菊栄と現代」の記録』(大和書房、1990年)
  • 森まゆみ『明治快女伝 わたしはわたしよ』(労働旬報社、1996年) - 山川菊栄
  • 江原由美子編『フェミニズムの名著50』(平凡社、2002年) - 山川菊栄(鈴木裕子著)
  • 菅谷直子『来しかたに想う 山川菊栄に出会って』(編集室、2005年)
  • 鹿野政直『近代国家を構想した思想家たち(岩波ジュニア新書)』(岩波書店、2005年) - 山川菊栄
  • 岡部雅子『山川菊栄と過ごして』(ドメス出版、2008年)
  • 山川菊栄記念会・労働者運動資料室編『イヌとからすとうずらとペンと 山川菊栄・山川均写真集』(同時代社、2016年)
  • 森まゆみ『暗い時代の人々』(亜紀書房、2017年) - 第二章 山川菊栄 
  • 山川菊栄生誕130周年記念シンポジウム記録集『いま、山川菊栄が新しい!』(山川菊栄記念会、2021年)

関連作品

映像

  • ドキュメンタリー映画「姉妹よ、まずかく疑うことを習え 山川菊栄の思想と活動」 - 2011年、76分、監督・構成 山上千恵子、企画・監修 山川菊栄記念会、制作 ワーク・イン。山川菊栄生誕120年記念事業[30]

舞台

  • 舞台「山の動く日来たれ」 - 2007年4月初演[31]。脚本・演出 阿笠清子。母性保護論争をテーマとし、与謝野晶子、平塚らいてう、山川菊栄、山田わかが登場する[32]

小説

  • 柚木麻子『らんたん』(小学館 2021年) - 女子教育に尽力した河井道をモデルにした小説。山川菊栄が登場する[33][34]

脚注

注釈

  1. ^ 関口すみ子「歴史家としての山川菊栄──『武家の女性』(1943年)から『覚書 幕末の水戸藩』(1974年)へ」(関口すみ子個人サイト「関口すみ子の世界へようこそ」https://www.sekiguchi.website/blank-6(2025年2月21日確認)内の第2章「1940(昭和15)年──佐藤中陵『山海庶品』、柳田国男、『村の秋と豚』」による。これには『新女苑』(1940年11月号)誌上で柳田と菊栄が主婦の歴史について対談したのち、翌年に、出版された菊栄の随筆集『村の豚と秋』(1941年1月、宮越太陽堂書店)について、柳田は「なによりも羨ましく思ひますのは御文章の自由かつ明晰なことです。及びがたいと存じました」と絶賛する書簡を菊栄に送ったと書かれている。その後、菊栄から柳田を訪問したことが菊栄の日記から判明しており、『武家の女性』と『わが住む村』の出版が実現していったのだという。従って、柳田と菊栄が師弟関係という事実はなく、柳田が出版の仲介をしただけということになる。
  2. ^ 匿名の一ドイツ人外交官により書かれた。詳しくは、山川菊栄著『新装増補版 山川菊栄集 評論篇 別巻』(岩波書店、2012年)ISBN 978-4-00-028469-1 の巻末著者目録のp.2を参照のこと。その後、原著J'accuseをデジタルで見ることが出来るようになり著者Richard Grelingが判明した。

出典

  1. ^ a b c d e f g 「江の島に「菊栄文庫」あす開設 神奈川」『朝日新聞』1988年11月3日、朝刊 神奈川版。
  2. ^ 山川菊栄 麹町界隈わがまち人物館
  3. ^ 靑山菊榮「日本婦人の社會事業に就て伊藤野枝氏に與ふ」『青鞜』第6巻第1号、青鞜社、1916年1月、142-153頁、NDLJP:1511530/75 
  4. ^ 伊藤野枝「傲慢狭量にして不徹底なる日本婦人の公共事業に就て」『青鞜』第5巻第12号、青鞜社、1915年12月。 
  5. ^ a b 山川菊栄賞、34年の歴史に幕 女性問題研究者を支援”. 神奈川新聞カナロコ (2015年2月25日). 2024年3月10日閲覧。
  6. ^ 田中寿美子、山川振作 編『山川菊栄集』 1巻、岩波書店、1981年、301頁。NDLJP:12143136/157 
  7. ^ 山川菊栄『武家の女性』岩波書店、1983年、p.10
  8. ^ 『近代日本女性史への証言』, pp. 30–31.
  9. ^ 鈴木裕子『忘れられた思想家・山川菊栄-フェミニズムと戦時下の抵抗』梨の木舎、2022年3月10日、P122ー123頁。 
  10. ^ 山川菊栄『女二代の記』日本評論新社、1956年5月、182頁。 
  11. ^ 山川菊栄『女二代の記』日本評論新社、1956年5月、187頁。 
  12. ^ 井上輝子『日本のフェミニズムー150年の人と思想』有斐閣、2021年、48-53頁。 
  13. ^ 世相風俗観察会『増補新版 現代世相風俗史年表 昭和20年(1945)-平成20年(2008)』河出書房新社、2003年11月7日、22頁。ISBN 9784309225043 
  14. ^ 伊藤セツ『山川菊栄研究 過去を読み 未来を拓く』ドメス出版、2018年11月、408頁。 
  15. ^ 山川菊栄記念会『いま、山川菊栄が新しい! 山川菊栄生誕130周年記念シンポジウム記録』2021年7月12日、25頁。 
  16. ^ 山川菊栄記念会『いま、山川菊栄が新しい! 山川菊栄生誕130周年記念シンポジウム記録』2021年7月21日、26頁。 
  17. ^ 山川菊栄記念会『いま、山川菊栄が新しい! 山川菊栄生誕130周年記念シンポジウム記録』2021年7月21日、26-27頁。 
  18. ^ 『日本婦人有権者同盟年表 参政権と歩んだ40年』 1985, p. 83.
  19. ^ 伊藤セツ (2019年8月18日). “『婦人問題懇話会報』上での山川菊栄―1号から30号まで菊栄執筆の22篇 を概観して”. ウィメンズアクションネットワーク. 2023年10月28日閲覧。
  20. ^ 大佛次郎賞・大佛次郎論壇賞”. 朝日新聞社. 2024年3月10日閲覧。
  21. ^ 田中寿美子、山川振作 編『山川菊栄集』 8巻、岩波書店、1982年、287頁。NDLJP:12143139/151 
  22. ^ 山川菊栄記念会 編『たたかう女性学へ』インパクト出版会、2000年、322頁。 
  23. ^ 「山川菊栄の足跡たどる連続講座 生誕100年記念」『朝日新聞』1989年12月13日、朝刊、17面。
  24. ^ 「山川菊栄生誕100年記念シンポジウム(情報クリップ)」『朝日新聞』1990年10月30日、朝刊、16面。
  25. ^ 山上千恵子監督特集3:山川菊栄の思想と活動『姉妹よ、まずかく疑うことを習え』 今を生きる女性(姉妹)たちへ”. Women's Action Network (2017年8月11日). 2024年3月10日閲覧。
  26. ^ 山川菊栄文庫について” (PDF). 2024年3月10日閲覧。
  27. ^ かながわ女性センターの図書館、県立に統合の方針/神奈川県”. 神奈川新聞カナロコ (2013年8月27日). 2024年3月10日閲覧。
  28. ^ a b c 森田千世”. デジタル版 日本人名大辞典+Plus(コトバンク). 2024年3月10日閲覧。
  29. ^ 「情報クリップ」『朝日新聞』2015年1月5日、夕刊、7面。
  30. ^ 映画紹介”. ワーク・イン. 2024年3月10日閲覧。
  31. ^ 「与謝野晶子、色あせない 市民劇団、「母性保護論争」テーマに4度目の舞台 【大阪】」『朝日新聞』2008年11月1日、朝刊、17面。
  32. ^ 「「母性保護論争」を現代に あす、立川で舞台 /東京都」『朝日新聞』2009年6月19日、朝刊 多摩版、29面。
  33. ^ 「らんたん 第二部」 連載スタート記念 ◇ 柚木麻子さん特別インタビュー”. 小説丸 (2021年2月24日). 2024年3月10日閲覧。
  34. ^ 構想5年。柚木麻子が満を持して放つ女子大河小説!『らんたん』”. 小学館 (2021年11月4日). 2024年3月10日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


山川菊栄

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徳永恕」の記事における「山川菊栄」の解説

恕は、東京府立第二高等女学校4年のとき、友人看病出席日数足りなくなったために、落第している。このとき、新たに加わったクラスに山川菊栄がいた。恕が貸した木下尚江の『良人の自白』『火の柱』を夢中になって読んだと、山川菊栄は述懐している。このクラスで、頼もしい恕は「お父さん」というあだ名付けられた。

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