中岡家とは? わかりやすく解説

中岡家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 01:36 UTC 版)

はだしのゲンの登場人物」の記事における「中岡家」の解説

中岡 元(なかおか げん) この作品主人公通称ゲン」。中岡家の第四子・三男登場時は国民学校小学校2年生以後小学校4年生中学校1年生中学卒業後の順に章立て成されていく。お調子者だが、根は真面目な性格。後に、次男の昭から「段々頑固な父ちゃん似てきた」と評される原爆投下の際に女性呼び止められたことにより建物の塀の影に入っていたため、熱線直撃受けず奇跡的に助かった原爆症影響直後脱毛してしまうが後に再び生え揃った原爆で父の大吉・姉の英子・弟の進次を亡くしながらもたくましく生きていく。特技絵画浪曲読経また、浪曲朗々と詠み上げたり英語の歌お経短期間習得しており、一目見ただけで光子肖像画正確に描く等、記憶力にも優れているケンカ強く相手股間への頭突き手足への噛み付き得意技劇中ケンカでは同年代相手集団相手にも、ほぼ負け知らずで、時にはヤクザ元軍人にも立ち向かう。自ら「鍛え方が違う」と相手に度々言うほどの修羅場くぐっている。 尊敬する相手両親小学校作文では国民天皇陛下の子供という考え教育風習として浸透している戦時中にもかかわらずクラス一人だけ「父ちゃんの子供」と言って担任教師から殴られたほどである。そのため、母の君江亡くなった時には、彼女の遺体持ってマッカーサー元帥天皇の下へ行き広島原爆投下したことを非難し行こうとする程だった(しかし、兄の浩二止められ未遂に終わる)。両親死後回想シーン幾度か登場しており、逆境気持ち折れかけても彼らの言葉励まされ成長していく。初恋相手中尾光子であり、当初光子犬猿の仲中尾重蔵の娘と知って落胆したが、自分描いた光子似顔絵隆太見せることで仲介し、それが縁で2回デートしたが、光子原爆症急死してしまう。 思想戦時中大吉の強い影響および戦争直後における悲惨な体験から、軍国主義天皇制をその元凶信じている。戦争憎んでいるために、戦争美化したりわずかでも肯定するに対して厳しく大人に対して鉄拳制裁加えことがあるアメリカに対して原爆投下以外に進駐軍兵士横暴さや被爆者食い物にする組織目撃した影響などから快く思っていないが、被爆死したアメリカ兵捕虜に対して哀れむ様子見せている。一方大吉影響との交流で、当時差別対象となっていた朝鮮人に対して蔑視が無い。 小学校中学校通っているものの、隆太と関わったり、仕事お金を稼ぐのを優先してズル休みをしていることが多い。また、命を尊重しており、お金よりも人の命を優先している。 中学生の頃知り合った天野影響画家を目指すようになり、最後未来を切り開くために生まれ育った広島別れ告げ東京旅立つ。なお、幻となった続編の構想では、フランスで絵の修業をすることになっていた。 モデルとなった人物作者本人原爆投下された時、女性呼び止められ助かったのは事実だが、作者本人当時国学校1年生である。また、被爆時の脱毛実際後頭部とどまっており、原因火傷放置よるものである。 中岡 大吉(なかおか だいきち) ゲン浩二・昭・英子・進次・友子父親下駄絵付け職人京都蒔絵日本画修行をして広島帰り君江見合い結婚した。「踏まれても踏まれても真っ直伸びる麦のように強くなれ」とゲン兄弟言い聞かせて育てた戦時中から「日本負ける」「朝鮮人馬鹿にするな」と叫んで戦争強く反対していた。また、町内開催される竹槍訓練酩酊状態で参加したり、放屁するなど全くやる気無くそのこと指導官や町内会長鮫島伝次郎らから指摘されても「こんなもので戦っても銃で攻撃されたら皆殺しにされるだけで無駄なこと」「日本他の国仲良くなければならない」などと言い放ち途中で抜け出した。これらの言動家族と共に非国民扱いされて特高警察連行され激し暴行を受け、指導官や町内会長始めとして町内住民ほとんどを敵に回すことになり、一家社会から迫害受けていた。 実写版では、日頃反戦的な態度加え戦意高揚のためのプロパガンダアートを描くことを拒否した過去映画版)や、左翼系の劇団関わりがある疑いテレビ版)などの背景付与されている。このため自分もとよりゲン家族までが周囲から様々な迫害受けたが、決し自分の考え曲げることは無かったやんちゃが過ぎるゲンや進次、疎開から脱走した昭に体罰辞さない威厳持ち君江呆れるほどの頑固者であったが、人の道外れることを嫌い、飾り気の無い姿に君江含め家族はもちろん、隣人含めた数少ない支持者から尊敬されていた。そんな不憫な家族思い予科練に行くと決めた浩二死なせたくない一心反対したが、最後浩二対し生きて帰ることを願いながら涙ながらに万歳三唱送り出す原爆投下の際に英子・進次ともども自宅下敷きになり、家族見捨てることをためらうゲン対し強く生きること諭しながら焼死した物語早い段階死亡したが、ゲン生き方人格に最も強い影響を与えた人物であり、回想シーン遺骨幻影の形で死後作中頻繁に登場するモデルとなった人物作者の父・晴海で、漫画同じく日本画家であり原爆投下時に家の下敷きになり死亡している。なお、生前広島前衛芸術リードした山路商が舞台美術かかわり薄田太郎同人として、丸木位里公演参加した広島存在した素人劇団十一人座」に参加していた。 中岡 君江(なかおか きみえ) ゲン浩二・昭・英子・進次・友子の母親。優しいが、いかなる理由でも他人に暴力振るうことを良しとしないの強い女性結婚前は、広島評判美人だった。大吉の志を理解しつつも、子供達までもが非国民扱いを受けることを苦悩し戦争を恨む。原爆投下の際は、2階ベランダ洗濯物干していた最中で、屋根の影に入っていたため熱線浴びず、風圧吹き飛ばされる家屋下敷きにならずに助かった作品冒頭時点で既に身重であり、原爆猛火の中で末娘友子産み落とす未亡人となりゲン達を抱えて艱難辛苦辛酸を舐めるが、ゲン大きな心の支えであり、 戦災孤児に対して分け隔てなく優しく接するその慈愛満ちた人柄から隆太隆太仲間からも実の母親同然に慕われる1948年吐血し隆太活躍手に入れた金で入院する。そこで、余命4カ月宣告を受けるが本人には知らされずに退院し自宅療養する。1949年大吉との新婚旅行であった京都への旅行中吐血病院へ行くも、ゲンたちに看取られ客死する。火葬後は放射能影響遺骨らしい遺骨が残らなかった。死因原爆症による胃癌であったモデルとなった人物作者の母・君代。実際中沢の母は60歳まで生きた1966年死去)。脳出血発症した後は長く寝たきり生活を送っていた。火葬後の遺骨が残らなかったのは作者実体験元にした話であるが、加齢疾患影響遺骨原型留めないケースはままあり、原爆症との因果関係については作者思い込み可能性も高い。 中岡 浩二(なかおか こうじ) 中岡家の第一子長男登場17歳。病理学研究家志していた。戦時中家族非国民として迫害されるのをはね返すため、海軍予科練に自ら志願し鹿児島県海軍航空隊入隊した軍隊内部から戦争悲惨さ実感し、また同期花田照吉の自殺訓練中の事故死として処理され、国のために息子死んだことを喜ぶ花田両親見て大吉言っていたことが正しかった改めて知る。 戦場へ行くことなく終戦迎え広島に戻る。6巻発言特攻隊にいたようである。戦後は父亡き後大黒柱として、家計のため鉄工所就職する。後に高い給金惹かれ景気良い博多炭鉱出稼ぎに行くが、大黒柱重荷疲れ飲んだくれの生活を送っていた。後半広島市近郊工場再就職し、広子という女性と結婚する。アニメ映画版には登場しないモデルとなった人物作者長兄浩平作者自伝漫画『おれは見た』では「康人」となっている)。本作異なり航空隊志願しておらず、学徒動員召集を受け呉で泊まり込み働いていた。戦艦大和溶接したのが彼の後の自慢でもあったという。 中岡 英子(なかおか えいこ) 中岡家の第二子長女国民学校5年生物静か大人しく清楚な少女だが、無鉄砲な弟たち叱ったりもするしっかり者として描かれる。元々病弱だったゆえに学校集団疎開には行けなかった。鮫島竜吉に金を盗んだなどとでっち上げられ、担任沼田も「非国民の子供だから」などと言い分もろくに聞かず事実確認もせず身ぐるみがされる身体検査をされる(同時にゲンも「戦争反対」の作文書いたことで職員室連行されている。テレビドラマ版では上級生から「英子校長室に連れていかれた」と聞かされ急いで駆け付けた)など理不尽な嫌がらせを受けることもあった。このことを聞いた大吉激怒し学校殴り込んで竜吉沼田鉄拳制裁し、竜吉が嘘を白状したことで英子無実晴れた(テレビドラマ版では竜吉殴られていない)。原作アニメ版では原爆投下の際に家の下敷きになり、大吉と進次と共に焼死しているが、実写映画版・テレビドラマ版小説版ではゲンが家に戻った時には、既に家の下敷きとなって死亡している。 モデルとなった人物作者の姉・英子作者の話によれば原爆投下時に家の下敷きになり死亡しているが、立ち会った中沢の母から姉に呼びかけても返答がなかったので即死だったのだろうと伝えられている。 中岡 昭(なかおか あきら) 中岡家の第三子・次男登場時は国民学校3年生原爆投下時は、学校集団疎開により広島県山県郡山間部にいたため、原爆投下の難を逃れた集団疎開の際にはあまりにひもじい生活のため友人田村と共に一度脱走したが、家族想い受け止めて疎開先へ戻る。戦後は、中岡家の暮らし支えるために家庭菜園はじめとする食糧調達勤しんでいた。浩二博多出稼ぎ行った後は、ヒステリックな言動多くなる中学2年生のときに繊維問屋商人目指すため、大阪旅立ったアニメ映画版テレビドラマには登場しないモデルとなった人物作者次兄・昭二。作者の話によれば疎開していた時に中に入っていた大豆食べ尽くしたことがあったという。 中岡 進次(なかおか しんじ) 中岡家の第五子・四男。未就学児。いつもゲンの傍にいて、ゲン浪曲合わせて踊るのが得意。食べ盛りでいつもお腹空かせてはゲン兄弟喧嘩になる。原爆投下の際に家の下敷きになり、ゲンガラス屋の堀川から貰った模型軍艦ガラス屋のエピソード割愛されアニメ版ではゲンの手となっている)を抱いたまま焼死したテレビドラマ版では大吉促され軍艦マーチ替え歌唄いながら焼死するエピソードになっているモデルとなった人物作者の弟・進。実際に漫画同じく原爆投下時に家の下敷きになり死亡しているが、軍艦エピソード脚色である。作者実体験では、家族遺骨掘り起こした際、弟の頭蓋骨持った瞬間脳裏こびりついて焼かれ死んだことを「殺すんだったらもっと楽に殺してくれと思った」と後に語っている。 中岡 友子(なかおか ともこ) 中岡家の第六子・次女。とてもかわいらしい女の子で、孤児たち希望だった。1945年8月6日原爆投下間もなくして誕生。「友達がたくさんできるように」との願いをこめてゲン名づけた。しかし栄養失調原爆症併発のため1年後テレビドラマ版では1946年8月)に死去。ただし友子生前広島市第1回平和祭開催される場面がある(平和祭開催されたのは1947年8月6日)。単行本では1947年8月6日記載されているものもある。 モデルとなった人物作者の妹・朋子作者自伝漫画『おれは見た』では「友子」と表記されている)。被爆直後誕生している点は同様だが、実際には4ヶ月後の12月栄養失調亡くなっている。

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