江波(すずの実家)の人々
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「この世界の片隅に」の記事における「江波(すずの実家)の人々」の解説
浦野十郎(うらの じゅうろう) すずの父。かつては海苔養殖に従事していたが、工業港建設で海が埋め立てられたため廃業し、埋立地に建てられた工場に勤めている。原爆投下後、妻のキセノを探して広島市内に入ったことから二次被爆し、10月に原爆症により倒れてすぐに亡くなり多くの被爆死者たちとともに学校敷地内で荼毘に付された。 浦野キセノ(うらの キセノ) すずの母。森田の叔父さんと横顔がよく似ている。8月6日の朝には祭りの準備で広島市街に出かけており、その後消息を絶つ。十郎とすみの捜索もむなしく最後まで見つからなかった。 浦野要一(うらの よういち) すずの兄。短気ですぐ拳や怒声が出るためすずのみならず腕白な哲ら男子からも怖れられる、通称「鬼(おに)いちゃん」。陸軍軍人としてニューギニアに出征していたためすずの結婚式には立ち会えず、1945年の2月に戦死の知らせが届き他の戦死者達と共に葬儀が営まれた。最終階級は上等兵。しかし戦死の報告とともに届いたものは石ころ一つしかなく、浦野家の人々は彼の死を実感できずにいる。 浦野すみ(うらの すみ) 昭和元年(1926年)生まれ。すずの妹。しっかり者の美人で、すずに見合い話が来た際に当のすずも「すみちゃんとの間違いでは」と言ったほどである。年子である姉のすずを「すずちゃん」と呼び慕っている。女子挺身隊の一員として陸軍の軍需工場に勤労動員していた時に知り合った陸軍の若い将校(すみ曰く「美男子」、原作では少尉)とほのかに想い合う仲になる。原爆投下後、父の十郎とともに母キセノの捜索のため広島市内に頻繁に出入りしたことから二次被爆し、原爆症のめまいと青あざ(内出血)に悩まされ、イトの家で寝込んでいる。 水原哲(みずはら てつ) 小学校時代のすずの幼なじみで元ガキ大将。海軍兵学校の生徒だった4歳年上の兄を海難事故で失ったことが原因で家庭が荒れており、幼少期はやさぐれていた。小学校卒業後、志願兵として海軍に入隊する。水兵として乗り組んでいた青葉の停泊中、入浴と一夜の宿を求めて北條家を訪れる。再会時は性格が丸くなっていた。すずとは互いに意識しあいながらも素直になれない仲で、すずは周作の妻となっても捨てられない水原への淡い気持ちに罪悪感を持ち、水原もすずの気持ちを理解していたが、訪問時に彼女が周作のことも深く愛するようになっていることを知る。 終戦まで生存しており、終戦後、着底している青葉を見つめる水原をすずが発見。一旦は声をかけようとするも、その眼差しを見て声をかけるのをやめて立ち去った。 りっちゃん 小学校時代のすずの幼なじみ。卒業後、女学校に進学。
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江波の人々
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「はだしのゲンの登場人物」の記事における「江波の人々」の解説
吉田 政二(よしだ せいじ) アマチュア画家で大学生。県美展で何度も入賞実績があり、家族に将来を嘱望されていた。戦争が終わったらパリへ行って絵の勉強をするはずだったが、学徒動員の勤労奉仕で広島市に出たばかりに原爆によって全身に大火傷を負い、そのせいで家族はもとより町の人からも「オバケ」と罵られ、「ピカの毒がうつる」として介護も受けられず放置されていた。1日3円(テレビドラマ版では1週間100円、アニメ版では一日10円)で身の回りの世話の仕事を始めたゲンと隆太の叱咤を受けて奮起するも病状が悪化し、未完成の絵と愛用の画材をゲンに託して亡くなる。アニメ版とテレビドラマ版では生存しており、兄とも和解している。登場当初は、ゲンのことを「ハゲタカ」と呼んでいた。 吉田 英造(よしだ えいぞう) 政二の兄。地元の資産家。路上で仕事を求めていたゲンに政二の世話を託す。政二を避けながらも、一方で身を案ずる場面もあるなど、兄として弟を気にかけている。政二の死後、バイト料を盗んだ金と疑われたゲンの無実を証明してやり、さらに江波の人間は疑い深いので気をつけるようゲンに忠告する。なおテレビドラマ版では酒問屋の主である。 吉田 ハナ(よしだ - ) 英造の妻。原爆が落ちる前は義弟の政二とも仲むつまじく接していたが、政二の被爆後は一転して忌み嫌うようになる。常に世間体を気にしており、政二が死んだ時には喜んでいた。テレビドラマ版では花子という名前で登場しており、政二を心の底からは嫌っておらず、ゲン達に政二のために世話をさせないように言ったこともある。 吉田 冬子・秋子(よしだ ふゆこ・あきこ) 英造・ハナ夫妻の娘で政二の姪。原爆が落ちる前は叔父の政二とも非常に仲むつまじく接していたが、政二の被爆後は一転して忌み嫌うようになる。近所の人間から「オバケの家の子」と白眼視されており、姉の冬子には良心の呵責があるように描かれているが、妹の秋子の方は、5円の報酬と引換に政二の殺害をゲンに申し入れる程憎悪している。 政二が死んだ時には母と姉妹共に喜ぶ。その光景を見たゲンに家の塀に落書きされる。テレビドラマ版では、登場しない。 林 キヨ(はやし - ) 君江の幼馴染。原爆で家が失った君江たちに、自宅の一室、後に倉庫を貸す。幼少の頃いじめから助けてくれていた君江への恩義を忘れていない人情味ある人物である。夫・正造(しょうぞう)は沖縄で戦死。テレビドラマ版では清子(きよこ)という名前で登場している。 林 キヨの姑 性悪で了見が狭い老婆で、居候、また店子として、次々と増える中岡家の人間に終始辛く当たる。キヨのことは呼び捨てでこき使っている。ゲンが似島で貰ってきた米を、林家から盗んだものと主張し、君江を派出所に突き出す。君江が米を盗んでいないことが判明しても謝るどころか開き直ってゲン達のせいにし、浩二が帰ってきた時は沖縄で戦死した息子(キヨの夫)を思い出してムカムカすると言い出し、ついには孫の辰夫をゲンが喧嘩の末に怪我を負わせたのを名目にして、中岡家に相談もなく貸していた倉庫を別人に貸し出してしまう形で中岡家を追い出す。退去の際、ゲンと隆太によって肥溜めに落とされる報復を受けた。テレビドラマ版ではセツと名前が与えられた。 林 辰夫・竹子(はやし たつお・たけこ) キヨの子供。母親のキヨよりも祖母の方を慕っており、また祖母に甘やかされて育ったため、意地悪で我儘な性格。ゲンたちを嫌い、祖母から許しをもらってゲンたちを幾度となくいじめるが、ある時、遂に反撃に出たゲンに辰夫が怪我を負わされ、それを知って堪忍袋の緒が切れた祖母によって、中岡家はとうとう強制退去に追いやられてしまった。退去の際、報復としてゲンと隆太によって馬糞を喰らわせられた。テレビドラマ版ではゲンの家族の骨を捨てようとしたため、ゲンに指を噛みちぎられる重症を負わされ、それがきっかけで中岡家は原作同様林家から追い出される事とったる。
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