中央競馬所属
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「たいようのマキバオー」の記事における「中央競馬所属」の解説
フィールオーライ 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2004年3月31日 血統:父 サンデーサイデンス、母 ワインドアンダーヘア(ウインドインハーヘア)、母父 クロザオ(アルザオ) 所属:栗東・酒井厩舎 主戦騎手:滝川正和 おもな勝ち鞍:クラシック三冠、ジャパンカップ、有馬記念、宝塚記念 サンデーサイデンス最後の産駒にして、ブリッツ以来の史上最強馬と称えられる競走馬。文太とは同日生まれの同い年、ともに4000万で落札という共通点を持つが、デビュー後5戦5勝で無敗のクラシック二冠を達成しまったく対照的な道を歩んでいる。しかし性格は負けず嫌いのかけっこ好きと共通している。自らが中央競馬のスターホースであるというようなことを鼻にかけることはまったくない、優しく明るい性格。口もなかなか達者で、「菊花賞の日程がもっと早ければ秋にはフレンチ(凱旋門賞)が味わえる」というJRAに向けた「味のある」揶揄を語っている。 夏の北海道で放牧中に文太と出会う。セリの当時から特徴のある外見と血統的評判で話題になっていた文太のことをよく覚えており、すぐに友達となった。最初は相手が中央競馬のトップホースとは気づかなかった文太は、ジャパンカップ(フィール)を視察しようと競馬場に訪れた際に初めてフィールがフィール自身だということに気づいた(文太自身、気づいた時は気まずさと恥ずかしさと相まってツンケンするそぶりを見せたものの、フィールの性格の良さでお互いがいい意味でライバル関係になった)。その内面には勝利という結果と「自分が走るということの意味」の間で葛藤する気高さを秘めている。のち、ブリッツ以来の無敗の三冠馬となり、苦しみながらもジャパンカップと有馬記念も制し、翌年の海外挑戦を期待されていた。 しかし、年明け早々軽度の骨折を発症。早期の回復と現役続行が十分可能な軽度の症状にもかかわらず、種牡馬としての価値という観点から引退が既定路線となるが、その報道がなされた直後に、走りたいのに走れなくなるということに納得のいかない文太に誘われ、覆面の捨て馬キンタマン / 金太 (きんた)として福留厩舎に逗留することとなる。世間的には「誘拐」され「失踪中」ということになっていたが、スタッフもその所在については把握しており、競馬の知識を活かして文太へ走り方のアドバイスを行ったり、砂浜と波打ち際でのリハビリなどを黙認しながら確認していた。 その結果、脚の状態もほぼ完治し、文太も黒船賞で勝利、また主戦騎手の滝川が居合わせたのを機に、そのまま栗東のトレセンへと戻って現役を続行することになった。このころには福留厩舎の関係者も金太=フィールオーライということに気がついていたが、ハヤトと広報の吉田は、最後になっても気がついていなかった。復帰戦となった宝塚記念ではファムファタールの奇策にも動じず完勝し、夏は凱旋門賞に向けた調整のため再度高知の福留厩舎に逗留する。 そしていよいよフランスへ遠征し、凱旋門賞へ向けたステップレースとしてフォア賞に出走。ほかに有力馬のいない5頭立ての少数頭であり1.6倍の一番人気に押されるが、最終コーナーで右前脚開放骨折を発症、安楽死となった。 彼の死後も、文太やファムなど多くの馬に影響を与えた馬として回想で度々登場する。文太は彼の遺志を継ぎ凱旋門賞への挑戦を決め、アマゾンは戦う土俵こそ違えど、「挑戦し続けることの意味」を共有する者として自身のレース中にフィールを回想していた。 モデルとしては上記の血統やその圧倒的な強さ、「宙を翔ける史上最強馬」「英雄」のキャッチフレーズ、主戦騎手の滝川(後述)のモデルが武豊であるためディープインパクトが連想されるが、好位につけて確実に差し切る脚質などシンボリルドルフが連想される部分もあり、多少の差異も見られる(飯富曰く「ぶっちぎるタイプではなく、相手の力を見極めて無駄に力を使い切らず勝つ」)。 金太を演じていたときに被っていた覆面は、前作『みどりのマキバオー』で登場したオーナーブリーダー・ひげ牧場のトレードマークである○の中に「金」のマークが入ったものであった。 マウンテンロック 性別:牡 毛色:栗毛 生誕:2001年3月13日 血統:父 ホーケィナイナー(フォーティナイナー)、母 プラムノーランズ(ウメノアスコット)、母父 ハゲタトップレス(※ハギノトップレディ) 所属:美浦・太原厩舎 主戦騎手:山本菅助 おもな勝ち鞍:ジャパンカップダート、フェブラリーステークス、ブリーダーズゴールドカップ、黒船賞、かきつばた記念 山本菅助が騎乗するGⅠ7勝を誇るエリート競走馬。4歳時には国内全ダートの最高峰レース・ジャパンカップダートを制覇し「砂の魔人」の異名を取る。他馬の奇策にも動じない冷静さと、手入れが行き届いた美しい毛並と片目を覆う長いたてがみが特徴。砂馬場をもっとも得意とし、黒船賞ではハヤトの罠に掛かり、砂が極端に深いイン側に誘い込まれ一時失速するも、ものともせず1着でゴールする。その後も各地の競馬場で連勝を続け、その先には世界を視野に入れていたものの、V2を目指したジャパンカップダートでは万全の状態ではあったが、アマゾンスピリットに引導を渡される形の4着に終わる。しかし年明けのフェブラリーステークスでは、アマゾンこそ出走しなかったものの、トータルケイオスをマークした菅助の好判断も手伝い、ブロックバスターを抑え見事な復活優勝を遂げる。 しかしその後は帝王賞、JCD、東京大賞典と出場するものの、マキバオーたち下の世代の成長と自身の衰えにより中々勝ちきれないレースが続き、記者の注目度もマキバオーより下となり世代交代を実感する。 8歳での帝王賞で引退が決定し、長年の相棒菅助と最後のレースに臨み、管助の好判断でトップを走る文太に一時肉迫するもすでに往年の力はなく6着に敗れる。有終の美こそ飾れなかったが「中々いい最後だったんじゃないか」と結果には満足していた。引退後は種牡馬として第二の馬生を過ごす。 物語の初期において文太などの世代の壁となった馬であり、引退後のフェブラリーステークスで特別誘導馬として再登場した際は文太とハヤト、バスターと石田に労いと感謝の言葉をかけられていた。 上記から血統的なモデル馬はマイネルセレクト。同じく黒船賞を制している点も共通する。なお、母父ハゲタトップレスの名の由来となったハギノトップレディは牝馬である。 グラインドハウス 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2002年2月23日 血統:父 ニトロニクス、母 モユルワカクサ、母父 グリンホライゾン 所属:栗東・吉川厩舎 主戦騎手:山中馬之助 おもな勝ち鞍:かきつばた記念 マウンテンロックと双璧を成す実力馬。たてがみや眉、瞳の色以外は父譲りのワイルドな風貌。同じく父譲りのパワーを誇り、その地鳴りのような走りから「重戦車」と形容される。黒船賞ではロックと一騎討ちを演じ2着となる。その後はかきつばた記念優勝を経てさきたま杯に出走。トータルケイオスにわずかに差し切られ2着となる。ジャパンカップダートでは着外に終わり、翌年の黒船賞ではヒノデマキバオーの5着になるなど、勝ちきれないレースが続いている。 クインズアメジスト 性別:牝 毛色:鹿毛 生誕:2002年2月22日 血統:父 サンデーサイデンス、母 クインズベリー、母父 ヌレヌレデス(ヌレイエフ) 所属:美浦・朝倉厩舎 主戦騎手:浅井賢政 「砂の女王」の異名を持つ牝馬。おかっぱ状に整えられたたてがみが特徴。黒船賞ではアカマツコブラに次ぐ4着でゴール。さきたま杯ではゴール直前にバットに差され5着となる。 上記から血統的なモデル馬はトゥザヴィクトリー。 トータルケイオス 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2002年3月21日 血統:父 カスケード、母 クインラティファ、母父 ノーパントースト(ノーザンテースト) 主戦騎手:滝川正和 所属:栗東・波多野厩舎 おもな勝ち鞍:かしわ記念、プロキオンステークス、さきたま杯、佐賀記念、アンタレスステークス 「砂のカスケード」と呼ばれるカスケード産駒。芝からダートに転向して開花した。 プロキオンステークスを制した後さきたま杯に出走、ハウスを僅差で破り勝利。その後、武蔵野ステークスをアマゾンスピリットの2着に入りジャパンカップダートに出走するも敗れる。 フェブラリーステークスの前哨戦として出走した佐賀記念では脚質を変貌させ、最後方からフラットビッキーとともに「黒い旋風」を彷彿とさせる戦慄の追い込みを見せて、優勝目前だったヒノデマキバオーを降す。本番のフェブラリーステークスでも同様に最後方からの追込を見せるも、最後の競り合いでマウンテンロックにあと一歩及ばず2着となった。その後、かしわ記念でプレミアムタイムを退け、Jpn1初勝利を上げる。調子を落とすも、フィールオーライとの併せで調子を上げ、帝王賞では、ハナ差で2着となった。JBCクラシックは真田騎乗で惨敗。これ以降、騎手が滝川に戻るも勝利から遠ざかる。 プレミアムタイム 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2004年4月11日 血統:父 プレミア、母 ミスサマータイム、母父 サンデーサイデンス 所属:栗東・太原厩舎 主戦騎手:朝比奈友泰 おもな勝ち鞍:ユニコーンステークス、ダービーグランプリ、平安ステークス 、東海ステークス 逃げ馬不在のジャパンダートダービーにて押し出されるように逃げ、ゴールギリギリでアマゾンスピリットに差され2着となる。ジャパンダートダービーでは、真壁幹夫が騎乗している。 マキバオーの出走したダービーグランプリ、その次走の平安ステークスで優勝。その後、フェブラリーステークスでマウンテンロックの4着、かしわ記念はトータルケイオスの2着、マキバオーの勝利した帝王賞でも3着と、作中の大レースで安定した出番と成績を保っている。実力のある馬ながらも作中では「地味」な馬という印象が強く、滝川にも「善戦マン」とからかわれている。 フラッシュライト 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2004年2月19日 血統:父 トゥーカッター、母 フレッシュフルーツ、母父 サンデーサイデンス 所属:栗東・朝倉厩舎 主戦騎手:浅井賢政 交流重賞勝ちこそないものの、積極的に地方遠征する実力馬。父は前作にも登場したトゥーカッターでマヤノトップガンがモデルだった。血統的なモデル馬はプリサイスマシーン。 ブロックバスター 性別:牡 毛色:栗毛 生誕:2003年3月2日 血統:父 ティンポーカントリー(ティンバーカントリー)、母 バックフリップ、母父 タマーキン(トニービン) 所属:栗東・大谷厩舎 主戦騎手:石田光成 おもな勝ち鞍:かしわ記念、帝王賞、JBCクラシック、川崎記念、南部杯、ジャパンカップダート、東京大賞典 天性の素質を持つダートホースであり、作中で文太、アマゾンスピリットと共にダート三強とされる馬。鞍上の石田同様、関西弁で喋る。アマゾンほどの切れ味はないが良い脚を長く使える馬で、圧倒的な地力でかしわ記念を勝ち、帝王賞とJBCクラシックで圧勝。打倒ロックの筆頭と目されていたがジャパンカップダートは出走回避。東京大賞典では後方から猛追するもアマゾンスピリットに及ばず僅差の2着。またフェブラリーステークスでは勝負を急いだ石田の騎乗ミスによりマウンテンロック、トータルケイオスに次ぐ3着となった。それでリズムを崩し、かしわ記念は10着と大敗。石田とのコンビも解消されてしまう。長期休養となったが、復帰明けの南部杯で、ラスト100mで、グランドコブラとキングアナコンダを差しきり勝利。JCDでは、イースタンプロミスを差しきる形で優勝。東京大賞典では、石田不安で2番人気になるが、結果はヒノデマキバオーやアマゾンスピリットをねじ伏せ優勝した。 その後はドバイに遠征しマクトゥームチャレンジを制覇、ドバイWCにアマゾンと共に参戦しデカロゴスを一旦追い抜くが決死のジャンプを見せたデカロゴスに敗退し、3着となる。 素質と地力では他馬を圧倒するも、重要なレース前でも石田と軽口を叩き合うなど緊張感や闘争心というものがなく、大谷調教師からは性格面のムラっ気により勝ちきれないと分析されている。それにより闘争心が強く好戦的な石田とはベストパートナーと判断されている。 血統的なモデル馬はアドマイヤドン。 ジョニーボーイ 性別:牡 毛色:黒鹿毛 生誕:2002年3月22日 血統:父 コマンダーチワイフ(コマンダーインチーフ)、母 テレサザカズン、母父 サンデーサイデンス(サンデーサイレンス) 所属:美浦・馬場厩舎 主戦騎手:真田繁信 おもな勝ち鞍:マイルチャンピオンシップ南部杯 「ザ・トラブル」の通称通り気性の激しい馬。南部杯後は精彩を欠いている。血統のモデル馬は同じく激しい気性で交流G1を制したレギュラーメンバー。 ロンゲストデイ 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2001年2月28日 血統:父 アスリート(アフリート)、母 ロンゲストタイム、母父 タマーキン 所属:美浦・酒井厩舎 主戦騎手:山本菅助 マウンテンロックが出走しないレースで菅助が主戦をつとめるダート重賞戦線の有力馬。黒船賞では菅助がキックザパストに騎乗するため、筒井順一に乗り替わった。美浦の酒井厩舎所属。モデル馬はカペラステークスの勝ち馬・ミリオンディスク。 リバーサルポイント 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2003年2月25日 血統:父 パンツインザタンス(ダンスインザダーク)、母 ナイトスウィーパー、母父 タマーキン(トニービン) 所属:美浦・宇都宮厩舎 主戦騎手:芳賀定貴 おもな勝ち鞍:宝塚記念 フィールやマキバオーの一歳上の中央馬、有力馬不在と言われる2003年世代の大将格で宝塚記念を制するも、有馬ではフィールの2着に敗れる。 世間的にはフィールオーライの宿敵と言われており、レースでは並んだら抜かせない勝負根性が売りだが政虎の分析では「フィールの壁であろうと自ら押し上げた」結果らしい。 フィール没後のジャパンカップでは4番人気ながら日本馬の大将であろうと力走する。 父は変わっているものの、血統的なモデル馬はハーツクライ。 キングアナコンダ 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2003年4月8日 血統:父 ピーターII、母 ロージーボア、母父 ハレンチデピティ(フレンチデピュティ) 所属:美浦・佐竹厩舎 主戦騎手:真壁幹夫 おもな勝ち鞍:根岸ステークス、かきつばた記念、JBCクラシック、黒船賞 父譲りのスタミナと、逃げ先行による自在なペースメイクで他馬を撹乱するペースの魔術師。巧みなレース展開でレースのカギを握る馬として常に警戒される。 ジャパンカップダートではマウンテンロックに先着するもアマゾンに敗れ、ファブラリーステークスでは8着となり、その後はオーナーの金銭的都合で過酷なローテーションで走り続ける。 経済的破綻の近いオーナーの元で売却もままならず、敗北すれば処分の可能性もあったかきつばた記念では猛然と追い込むマキバオーを退けて勝利する。本調子でなかった帝王賞でもペースの罠を駆使してレース展開を主導したものの、最終盤で掴まり4着に敗退する。 しかしその力走はオーナーの心に届き以後も競走生活を続ける事になる。南部杯でブロックバスターの2着に終わるが、JBCクラシックで直線、猛追するブロックバスターを振り切ってGI初勝利を飾った。 キックザパスト 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2004年3月10日 血統:父 ニトロニクス、母 ニールキック、母父 アサデス(アサティス) 所属:美浦・御宿厩舎 主戦騎手:山本菅助 マウンテンロックの主戦・山本菅助が駆るマキバオーと同世代の有力馬。グラインドハウスとは違い、同じニトロニクス産駒でも気性は安定している。勝ち鞍こそないものの、交流重賞で安定した成績を残しており、マキバオーにはダービーグランプリで先着している。 ライオンズゲート 性別:牡 毛色:青毛 生誕:2001年3月13日 血統:父 タバスコキャッタ(タバスコキャット)、母 ダンデライオン、母父 ブレイヴストロングマン(ブレイヴェストローマン) 所属:栗東・下間厩舎 主戦騎手:筒井順二 ダートオープン戦の門番。交流競走にもたびたび登場し、バットやマキバオーと走る。 ペイルライダー 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2003年3月9日 血統:父 ドラゴ、母 ヘールエール、母父 ヘンタイヤ(ペンタイア) 所属:美浦・榊原厩舎 主戦騎手:滝川正和 芝もダートもこなすピッチ走法の使い手。鞍上の滝川の提案で黒船賞出走を決める。黒船賞ではマキバオーに食い下がるも最後は失速。父のドラゴは前作の有馬記念馬。榊原厩舎はカスケードと同じ厩舎である。 ブリーダーズカップ前のアマゾンの練習相手も務めた。 シュートザスター 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2002年2月25日 血統:父 スターオブオジン(スターオブコジーン)、母 ベストショット、母父 スットンキョー(ストームキャット) 所属:栗東・長野厩舎 主戦騎手:朝比奈友泰 かきつばた記念に出走。しぶとく食い下がるも最後はマキバオーにかわされ、3着に終わる。「早熟の一番星」というニックネームと馬名、血統背景よりモデルは北海道スプリントカップの勝ち馬、ハリーズコメット。 ファムファタール 性別:牝 毛色:鹿毛 生誕:2005年4月1日 血統:父 カスケード、母 メートレッセ(スカーレットブーケ)、母父 ノーパントースト 所属:美浦・服部政人厩舎 おもな勝ち鞍:桜花賞、東京優駿 、ジャパンカップ、有馬記念、宝塚記念 カスケード産駆で本田リッチファーム所有の第75回日本ダービー馬。65年ぶりに牝馬によるダービー制覇を成し遂げる。作中では史上最強牝馬と評される。牝馬らしくマスコミのカメラ映りを気にする素振りを見せる。65年ぶりの牝馬でのダービー制覇ではあったが、ダービー以前は2敗しており、フィールには劣るとするファンの評価もある。ダービー制覇後、3歳牝馬としては異例の宝塚記念への出走と、凱旋門賞への出走プランが明かされ、同様のローテーションを構想するフィールを刺激する。宝塚記念では全力を尽くした結果フィール以下の古馬牡馬の後塵を拝するが、それはかつてたれ蔵が強敵に挑んで敗れたところからさらに強さを得たことに倣った陣営の思惑通りでもあり、予定通り凱旋門賞への出走を目指す。フランスへ到着し、前哨戦のニエル賞では無敗の有力馬シージに最後まで追走し、2着となった。凱旋門賞ではフィールショックもあってか惨敗。鞍上を滝川に替えて挑んだジャパンカップでは、道中折り合いを欠けるが滝川とともにフィールへの思いをふっ切り、シージを差しきりリベンジを果たした。有馬記念では、他馬を寄せつけず完勝。この年の年度代表馬に選ばれた。4歳初戦はドバイワールドカップを見据えてフェブラリーステークスに出走するもアマゾンの気迫の走りに圧倒され4着となった。この結果から陣営は、ドバイシーマクラシックに出走することを決定した。2年連続で挑む凱旋門賞に向け、父・カスケードとともに特訓に挑み、カスケードの走法である地を這う走法を習得。本番では世界王者デカロゴスを徹底マークし、一騎打ちを挑む。デカロゴスとの最後の根性勝負を制し、日本馬初の凱旋門賞勝利目前まで行くものの、伏兵ベンダバールにゴール直前で差され僅差の2着に終わる。次走の有馬記念では圧倒的な力を見せ完勝、フィールを超えG1通算7勝目を挙げる。ドバイや凱旋門賞にもう一度挑戦という声があったものの、ファム本人の「競走馬人生を全うし、やり切った」という思いから引退が決まる。性格はお調子者のおしゃべり好きで闘争心が強く、またトレーナーの政虎が自身を無視したり構わずにいると拗ねる。肝が据わっており、大舞台でも物おおじせず余裕のある発言が目立つ。コミックス描き下ろしの最終話では繁殖牝馬となっており、朝日杯フューチュリティステークスを勝利した産駒を輩出している。「ファムファタール」はフランス語で「運命の女」を意味する。 毛色、血統のモデルはダイワスカーレットであり、戦績のモデルはウオッカ。 ダイナスティ 性別:牡 毛色:鹿毛 生誕:2007年2月12日 血統:父 カスケード、母 パラティーノ、母父 クロザオ 所属:栗東・酒井厩舎 おもな勝ち鞍:皐月賞、東京優駿 、宝塚記念、香港ヴァーズ、有馬記念 フィールオーライを輩出したキングスファームに育った若駒。フィールオーライに憧れてデビューして以来、勝ち鞍を重ねる。性格は文太をして「礼儀正しい好青年」と言わしめるほどだが、高知でのゴールデンバットやグランドコブラらとのトレーニングを経てたくましくもいくぶんか下品な感じに鍛え上げられた。その後、文太とともに凱旋門賞に挑戦する。 フィールオーライをはじめとする過去の名馬、競馬という競技に携わる人たちの思いを背負って走ることにこだわり、文太、フィールオーライ、ファムファタールらから受け取ったバトンを、さらに次世代へ渡すことが自分の使命と考えている。本作は、良血を受け継いでいくことの崇高さを謳った前作最終回と対称をなすように、自身も伝説的古馬となったダイナスティがラストレースとなる有馬記念に勝利し、次世代すべての競走馬たちにバトンを託したところで幕を下ろす。
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