大日本銀行
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明治15年設立。日本国の中央銀行。企業序列第1位。厳密には企業ではないが、設立には拳願会が関与しており、日本政府とのパイプ役になっている。 加納 アギト(かのう アギト) 声 - 大塚明夫 「拳願仕合の帝王」の名をほしいままにする、拳願仕合史上最強の闘技者。五代目『滅堂の牙』にして、滅堂の最高戦力である「三羽烏」の一角。戦績は前人未到の157戦無敗であり、戦った闘技者のほとんどが再起不能にされている。ただし、対戦相手を死に至らしめることはほぼなく、肉体的にではなく精神的に再起不能にしてきている。年齢不明。渡り合える闘技者は拳願会の闘技者の中でもせいぜい1人くらいだと言われている。 桐生を鍛えた「本物の二虎」の第一世代の弟子として二虎流と無形を学び、人間を対象に行っていた「蠱毒」を生き残って23年前に滅堂と恵利央に救助される。過酷過ぎる環境を勝ち抜いた代償で精神を「狂獣」に支配されており、滅堂から受けた教育で冷静沈着な頭脳を得て獣心を暴走させないよう制御し、「人」の人格を形成するために心理的防衛機制で「獣」を別人格として切り離しているが、時折抑圧された本能が歪んだ形で発露されて「貌」と呼ばれる不気味な表情を浮かべることがあり、その時は一人称も「私」から「俺」に変わる。出生の関係上、誕生日は不明だが、例年、滅堂と同じ12月2日に祝ってもらっている。 「巨大な暴力の災害」と称されるほどの人間離れした圧倒的武力を持ち、自身の実力に絶対の自信を持っている。戦闘スタイルは「無形」で、無数の選択肢によりあらゆる状況に対応できる柔軟性が持ち味。あらゆる身体能力と格闘技術で表世界最強の一角とされる大久保を上回り、ボクシングの技術に限定しても当代最強のボクサーであるガオランに近しい腕を持ち、打撃の威力はどの距離であろうと全てが必殺技級。 滅堂曰く「アギトの真価は『進化』にあり」とのことで、仕合ではまず不利と知りつつも「横綱相撲」で相手の土俵に付き合って実力を見極め、その後で相手の攻略法を短時間で開発し、自分が持ち合わせていない技術をすぐさま吸収してさらなる高みに登っていく。その一方で圧倒的な力を持つが故に追い詰められた際の精神的な脆さも抱えている。 トーナメント2回戦までは「無形」の選択肢の豊富さゆえに、選択するまでの時間を要して一つの技術に特化したタイプの格闘家に遅れをとる、疲労時にはさらに反応遅れが大きくなるため連戦は苦手といった弱点があったが、あえて選択肢を絞り込むことでその欠点を克服。さらに進化を重ね、「武」と「無形」の混合戦法を使いこなせるようになり、タイプの異なる達人2人と交互に戦う状況を作り出すことが可能となった。 自分の成長に一役買った大久保に対して礼を述べるなど礼儀正しい性格。一方で武術以外への関心が薄いのか、大久保にゼットンに例えられた際は真顔で「その『ゼットン』とやらは強いのか」と返したり、「ラスボス」と言われて「ラスボスとやらはどんな武術の使い手だ?」と質問するなど、割と天然気味でどこか威厳に欠けるところがある。なお、仕合後大久保から実際のゼットンの映像を見せられているが、着ぐるみという概念や設定をなかなか理解できず、そういう生物がいると思い込んでいた。 トーナメント1回戦では大久保と対戦。全ての能力と技術において大久保を上回りながら、大久保の総合格闘技で培った複合技に苦戦するが、大久保の放った頭部へのサッカーボールキックを契機に「狂獣」に変化し、その後大久保から学習した「複合」の技術を使用し圧勝する。 2回戦ではガオランと対戦。序盤は相手のスタイルに合わせボクシングで打ち合い自身の不利を悟って戦法を変えようとしたが、彼の技量によりしばらくはボクシングでの勝負を余儀なくされる。特注でガオラン用の戦法を編み出したことでストライカーとしての真価を発揮する戦闘スタイルまで引き出させ、「不壊」に似た筋肉を締める技でラッシュに耐えながら、苦戦の末に1回戦で習得した「複合」の技術を使って彼を撃破する。しかし、実力で圧倒できず駆け引きに走ったことと、拳を砕かれても止まらない猛攻に恐怖を感じてしまったことに葛藤し、とどめを刺せないまま仕合場を去った。 2回戦終了後の東電によるクーデターの際には、守護者を「悪」として殺害しようとしていた阿古谷を説得し、彼との共闘で守護者を殲滅した。 3回戦前に代表闘技者の座をかけて前「牙」である王森と戦って勝利し、初見との戦いに臨む。仕合では無数の選択肢をあえて捨てることで初見の攻撃に対応し、立ち上がりこそ絶妙な膝の運用に翻弄されたかに見えたが、この戦いで「羽化」を果たし結局は手加減する余裕すら残してほぼ無傷のまま勝利を飾る。 準決勝では黒木と対戦。お互いに「気の起こり」を読んで壮絶な攻防を繰り広げ、「魔槍」で左胸を抉られたが先読みに勝ち猛攻を繰り出し、「武」と「無形」を同時に使いこなす「進化」により右手の4指と左肘を破壊する。戦法の切り替わりを読まれて逆襲された際にはさらなる進化を遂げて、タイムラグをコンマ数秒だけ短縮することが可能となり、蹴り技を出す余裕が生まれるも、至近距離からの龍弾を潰され右手首を完全に破壊されてしまう。それでも諦めずに攻撃を続けたが、3度に渡り顎を攻撃されたことで脳が限界を迎え、額に大きな傷跡が残るほどの強打を受け、160戦目にして遂に初となる敗北を喫した。 試合後、滅堂から真意を明かされ、『滅堂の牙』からの辞任を願い出る。その後は己が世間知らずだと自覚したこともあって、見聞を広めるために鷹山からバイクを借りて旅に出る。 『ケンガンオメガ』では消息不明となっていたが、「AG」を名乗って半年前から辺境でモーテル暮らしをしているのを突き止めた氷室によって発見される。自分から冗談を言って笑うなど、性格はだいぶ変わっている。滅堂が拳願会々長を退いた以上、拳願会のために戦うつもりはなかったが、六代目『滅堂の牙』の弓ヶ浜が滅堂を裏切りファイトマネー目当てに煉獄に移籍したことを聞かされ、改めて5人目の代表選手として対抗戦に出場することを決断する。 対抗戦本番では同門である呂の挑発を受けて第6試合に出場。初手から「無形」を解放し、相手の五王拳が本来の戦闘スタイルではないことを見抜いて「無形」同士で対決することになる。「無形」では「技の深度」で上回られたために「武」も解禁、それでも一時は圧倒されたかに見えたが、人格が統合されたことによって、武←→無形のタイムラグがコンマ数秒ですら無くなり、形成逆転。「鬼魂(≒外し)」で段違いに上がった身体能力をものともせず、寸止めからの「龍弾」で顎を打ち抜いてノックアウトする。使用武術 無形 あらゆる敵に対処できる戦闘スタイル。無数の選択肢による柔軟な対応ができ、型に囚われぬ予測不能な動きと、いかなる戦法にも対応する柔軟性を併せ持つ。だが、攻撃方法を取捨選択する過程で遅れが生じてしまうという欠点を持ち、しかも体力の低下に比例して反応遅れが大きくなるため、疲労やダメージが蓄積する連戦には不向きである。この「選択する時間」のために、ガオランのような一つの能力に特化したタイプに上回られることがある。一方で「武」の理の外にある戦法なので、黒木のような「『武』の理の権化」のような存在とは相性が良く、実際に「型がない分、『武』よりも厄介」と評された。 いわば獣心の暴走状態に過ぎず、抑圧された本能が歪んだ形で発露されて「貌」と呼ばれる歪んだ笑みが浮かぶ。 武 加納が王森との組手と初見との仕合で辿り着いた、数多の武術を融合させた技と「先の先」を駆使する攻撃的なスタイル。敢えて技の数を絞り込み、あらゆる状況に対処できる柔軟性を失う代わりに「選択の遅れ」をなくした。これによって、放つ前に一瞬動きを止めなければならない寸勁を使いやすくなり、先の先まで読めるようになる。一方で技術を完全に極める域にまでは至っておらず、黒木レベルの「『武』の理の権化」に対しては遅れをとる可能性がある。 特注(オーダーメイド) アギトが2回戦中、対ガオラン用に開発した武術。型がなく動きはシステマに似ているが全くの別物。相手を止めるのではなく、打ち終わりや打ち始めを「抑える」ことで攻撃を封じ、直後に投げや突きで追撃するのが特徴。 二虎流 「もう一人の二虎」の弟子として二虎流の技を学んだ。 主な技 複合 1回戦で大久保から習得した打・絞・極・投を継ぎ目のないレベルで融合させた複合技。 ムエタイの肘 2回戦でガオランから習得した、敵を倒すのに特化した打撃技。ショートレンジの攻防で使用する。 指取り 古流柔術における、指関節を極める技。 金剛ノ型「不壊(フエ)」 「もう一人のの二虎」から伝授された二虎流の技。筋肉を締めて打撃に耐える。ガオランや黒木の猛攻に耐えるために使用した。 対の先 相手の行動の起こりを見極め、同時に動きつつ先手を取る技術。 後の先 相手の行動の終わりを見極め、カウンターを行う技術。 龍弾(りゅうだん) 現在のアギトが持つ最大火力の一撃で、「寸勁」と呼ばれる技術の一種。最短距離・最小動作で放つ打撃なので回避はほぼ不可能。アギトならば超至近距離であっても相手を一撃で絶命させ得る威力の攻撃が可能。ただ技の性質上、使う直前一瞬だけ動きが止まるのが欠点。 先の先 「気の起こり」を見極め、相手が動く前に打つ技術。武術としての究極の形であり、アギトであっても無形の多様性を捨てて反応速度を上げなければ到達することのできなかった領域。 片原 滅堂(かたはら めつどう) 声 - 柴田秀勝 日本の経済界を牛耳る大日本銀行の総帥にして、最強の闘技者『滅堂の牙』を擁する拳願会第58代会長。かつては『極東の風雲児』と呼ばれていた。96歳。 元特攻隊所属の兵士で、特攻後奇跡的に生き残ったことから自分の悪運はどの程度のものなのかを試したくなり、拳願会々長を目指す。戦後の混乱の中で闇市の主として身を立て、拳願会員となってからは片原流通KKを興し、初代『滅堂の牙』の恵利央と共に不足資金の代わりに自らの命を賭けて拳願絶命トーナメントを開催させ、優勝。以降、数十年に渡り会長の座を守り続けている。拳願会史上、初めて半世紀以上会長を務めた人物でもある。 会員としては比較的新参ながら名実共に拳願会の頂点に立つ男であり、枯木のような老人の姿からは想像もできないほどの圧力を有し、常人ならば彼の前では身動きすら取れない。企業50社の賛同を受けて、会長職を賭けた拳願絶命トーナメントの開催を宣言した。若い頃から女好きで、老年になっても精力は衰えず愛人との間に曾孫ほどに歳の離れた子を儲けている。 激動の時代を生き抜いてきたことから、現在の狭い世界の王としての平穏な日常に飽いており、会長の座を狙う自分を心から震え上がらせる挑戦者の登場を待っていた。対等な闘いをしたいがために、黒木をトーナメントへ招聘し、速水の野心を見越して彼の配下に自身の手の者を潜り込ませておき、意図的に情報を流させることで思考を誘導して自身の思うタイミングで反乱を起こさせる。 その経緯から2回戦終了後に速水が引き起こしたクーデターにもまるで動じず、彼から言質を取って録音した後で事前に依頼して呼び寄せておいた呉一族の先鋭50名と関係者の護衛として潜ませておいた手練れたち、そして予選で敗退した闘技者たちを使って難なく鎮圧。「暇つぶしにはなった」と微かに満足げな表情を見せ、クーデターという試練を突破した乃木を自身に対する挑戦者として認める。 準決勝で自身が招聘した黒木によってアギトが降されるという想定外の事態により長期政権に終止符を打たれることとなったが、再び挑戦者に戻れることに喜びながら現役であり続けることを宣言する。 退任後は拳願会の相談役に就任。乃木と共に「蟲」への対処の方策を練っており、クローン人間の製造疑惑について調査している。「蟲」が本気で拳願会を倒すために煉獄に潜り込んでいると確信しており、対抗戦には八代目『滅堂の牙』の三朝を派遣することを決める。アギトの退任後、弓ヶ浜を六代目の“牙”に指名した際は、煉獄への内通を承知の上で反骨心があると王森、鷹山の反対を押し切ったものの、以降の行動を見て流石にヤンチャが過ぎたとして落とし前をつけようとしている。 片原 鞘香(かたはら さやか) 声 - 平田真菜 滅堂の娘で拳願絶命トーナメントの司会進行役。22歳。串田曰く「何でもこなせる能力の高さは拳願会でも指折り」。正妻ではなく愛人の娘で、烈堂とは異母姉弟である。父親同様器が大きい。社交性も高く異性からはかなりモテており、護衛者の中にも隠れファンがいるほどだが本人に自覚はない。 羞恥心の薄いタチらしく、普段から弟が心配するほど露出度の高い服を着ており、混浴の大浴場で氷室ら男性陣と鉢合わせになった際にも、体を隠そうとする素振りすら見せなかった。 『ケンガンオメガ』では拳願会職員として働いており、会の中心になっている。煉獄との対抗戦では企業専属闘技者の選考を担当し、反会長勢力からの闘技者派遣交渉を行う。煉獄との対抗戦本番では、2年前のトーナメントと同じく実況を担当。
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