大日本運動を起す
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/16 09:34 UTC 版)
大日本運動は1938年(昭和13年)2月21日の紀元節をトして結成せられた。彼の死の4ヵ月前のことである。この運動は、国体観念を明徴にし皇道翼賛の実を挙げ、道義日本を確立して世界平和の実現を期するというにあった。 宣誓式 明治神宮にて宣誓奉告の儀が始まり、献撰に次いで神職の祝詞奏上、貴族院議員子爵岡部長景の玉串拝礼の後、貴族院議員大竹貫一が宣誓文を捧げて神聖、厳粛に式を終えた。参列者は政治家、軍人、学者等百余名に上った。当日、大日本運動の結成を、伊勢神宮に奉告するため、河上哲太、守屋栄夫、長野綱良の三代議士は、前日西下して東京での宣誓式と同時刻に正式参拝をなし奉告の儀を畢へ更に橿原神宮に参拝し奉告を行った。 結成式 宣誓式を終えるや参列者一同は直に神宮外苑の日本青年館に至り、来賓を迎えて結成式を挙げた。式は司会者岡野龍一の挨拶に始まり、国歌を合唱の後、大竹貫一、過ぐる2月21日憲法発布50年記念式に賜りたる勅語を奉読し、次いで林路一より経過を報告する。議事に入りて頼母木桂吉座長につき、上田孝吉宣言綱領等を朗読、満場一致之を決定し座長より役員を指名して議事を終る。発起人を代表して宮田光雄式辞を朗読し、次いで近衛内閣総理大臣貴衆両院議長の祝辞あり、俵孫一の発声にて聖壽萬歳を奉唱して式を閉じ、其れより一同は別室に於ける午餐会に臨み、陸軍中将建川美次の発声にて大日本運動の萬歳を三唱して散会した。 (近衛内閣総理大臣の祝辞) 現下國家内外未曾有の重大時期に當たり慈に憂國眞摯の人々相携へ相誓って皇國の大義を顕揚履踐せむことを期し大日本運動を起されたことは洵に意義深き企であると存じます。惟ふに今日の時艱を正しく解決して我國体の眞姿を中外に彰かならしめるが為には朝野を問はず職分に拘らず国民悉くが各々其の誠を盡して奉公の志を效さねばなりません。本運動が主として貴衆両院有志の人々に依って提唱せらるゝと共に普く其の他各方面の人士をも網羅するに努めらるゝことは此の意味に於て洵に結構なことと申さねばなりません。私は本運動が其の企画せらるゝ本旨を強く且正しく達成せらるゝことに依って國家に対する重き寄与と貢献とを致されむことを切に希ふものであります。 昭和十三年二月二十一日 内閣総理大臣公爵 近衛文麿 (大日本運動綱領) 一 國体観念を明徴にし 皇道翼賛の實を擧くへし 一 教育勅語の聖旨を徹底し 現代教育の弊を一掃すへし 一 家族制度國家を完成し 個人主義思想を矯正すへし 一 道義的経済観念を滋養し利己的経済思想を是正すへし 一 皇道に基き國際正義を確立し世界平和の實現に貢献すへし
※この「大日本運動を起す」の解説は、「林路一」の解説の一部です。
「大日本運動を起す」を含む「林路一」の記事については、「林路一」の概要を参照ください。
- 大日本運動を起すのページへのリンク