出世力士手打式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 09:24 UTC 版)
千秋楽の表彰式終了後、土俵で「出世力士手打式」が行われる。出世披露を受けた力士はお神酒を振舞われ、若者頭、世話人、場内に残った観客らとともに三本締めを行う。このとき、参加した行司の中で一番格下の者が胴上げされる(出世力士の数が少ない場合を除く)。 内館牧子によると、この儀式は初日前日の土俵祭に対応するもので、土俵祭によって神が宿り結界となった土俵を、この儀式によって結界を解き、普通の場所に戻す意味合いがあるという。また、33代木村庄之助は、『力士の世界』(文春新書、2008年)のなかで、以前は勝負審判が胴上げされていたが、行司に変更するという提案がされたとき、著者が「しきたりを簡単に変えていいのか?」と反論したものの結局押し切られ、土俵祭に参加した行司の中で、いちばん格下の者が胴上げされるようになった、と書いている。 本場所の入場者に配付される取組表にも、「出世力士手打式」「神送りの儀式」と記載されている。 18時以降に行われることが多いため、NHKの大相撲中継では基本的には放送されないが、2020年(令和2年)3月に行われた大阪場所では、新型コロナウイルスによる影響で無観客となり、表彰式も賜杯と内閣総理大臣杯、三賞の授与のみになったため、取り組みや式典が早く終了したことから出世力士手打式と神送りの儀式も併せて放送された。
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