機動戦士ムーンガンダム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 23:55 UTC 版)
登場人物
ストーリーを担当した福井によれば、本作では登場人物全員に表と裏の二面性を用意してあり、さまざまな経験を経て考えを改めたり、隠していた正体が露見したり、サイコフレームの共鳴による精神感応によって伏せられていた内面が暴露されるなどして、キャラクター性が反転する展開をそれぞれに持たせることを意識したとしている[4]。
担当声優は、ゲーム作品への客演時のキャスト。ゲーム『U.C. ENGAGE』にて初めて設定された[17]。
主人公
- ユッタ・カーシム
- 声 - 古屋亜南
- 本作の主人公。好奇心旺盛な15歳の少年で、ムーン・ムーンに眠るさまざまな機械を独自に研究している。幼少時にムーン・ムーンの掟により適切な医療処置を受けられなかった父クレトを亡くしており、以来「よいものはたとえ外の技術であっても取り入れるべき」という考えをもつようになった。それゆえに、掟を守ろうとする幼なじみのサキや大人たちと衝突することが多い。
- 漂着したG-ドアーズの頭部に興味を示したことがきっかけで、特例としてムーン・ムーンの「戦士隊」に入隊し、コロニー公社にムーン・ムーンの修理を求める使者の一員として出立する。移動中の事故で宇宙に放り出された友人のマウノを救うべく飛び出し、ネオ・ジオン軍とロンド・ベル隊の戦いに巻き込まれる。そこでネオ・ジオン軍人のアゴスに救われ、その乗機であるバルギルのサイコミュと同調し、宇宙に出ていたミネバを探し当てるという成果を上げる。
- ネオ・ジオン過激派とロンド・ベル隊の戦闘に巻き込まれて負傷したアゴスに替わって、G-ドアーズの頭部を取り付けたバルギルことムーンガンダムを操縦し、ムーン・ムーンを守るために出撃する。
ムーン・ムーンの住人
- カレル・カーシム
- 声 - 麻生智久[注釈 3]
- カーシム家の長で、ユッタの祖父。ユッタからは「お爺」と呼ばれている。サイド3(のちのジオン公国)出身者で、ジオン・ズム・ダイクンの同志だったが、彼の進めるジオニズム構想が戦争を生むことを予見して決別し、40年前(宇宙世紀0052年)にムーン・ムーンに移住した。外界の生まれゆえに機械の知識も相応にあり、村の知恵袋として尊敬を集めている。ムーン・ムーンで病が流行した際、外部のコロニーに連絡して治療や薬の提供を受けさせれば助かる可能性があるとエルドに提案したが、掟を守ろうとするエルドと息子のクレトを止められず亡くした過去がある。ユッタがサイコミュを通じてミネバと感応したことについてはある程度の理解を示すが、よそ者であるネオ・ジオン自体は争いを呼ぶ者として否定する。
- ネオ・ジオン過激派の襲撃にはキャトルを操縦して応戦し、コロニーに空いた穴を塞ぐための修復作業のさなか、シュランゲ隊の攻撃を受けて致命傷を負う。死の間際に、ユッタに外界へ出て世界を学ぶよう言い遺す。
- カーリナ・カーシム
- ユッタの母。ムーン・ムーンの掟のために夫を死なせたことを悔やんでいる。
- クレト・カーシム
- ユッタの父で、カレルの息子。宇宙世紀0082年に流行り病を患う。カレルが外界に治療を求めようと光族の掟に反して通信機器を使用しようとした際には、掟を破ってまで生き延びることを拒み、機器を破壊して息を引き取る。
- サキ・メントー
- ユッタを想う幼なじみの少女。掟にそむいて機械いじりに没頭するユッタを再三注意しているが、それも彼の個性として受け入れようとも思うようになる。ミネバがムーン・ムーンに来訪して以降、彼女への嫉妬心を見せ始める。
- マウノ
- ユッタの友人で、臆病な性格の少年。頬の痘痕が特徴。成人の儀式として、一人前になるためと称して無理やり連れ出された宇宙にて命綱を付けさせられ、宇宙船から宇宙空間へ蹴り出される。その際にロンド・ベルとネオ・ジオン軍の戦闘に巻き込まれて命綱が切れるが、ユッタの機転によって助け出される。
- サラサ・ムーン
- 声 - 熊谷海麗
- 初出作品は『機動戦士ガンダムΖΖ』(第14 -15話、第39 - 41話)。ムーン・ムーンの長を務める巫女。
- 機械に頼ることを戒める「光族の教え」を伝え広めている。以前は外界の人間を拒絶する姿勢をとっていたが、4年前の戦いで双子の妹のラサラを亡くしたこと(『ΖΖ』第41話)を教訓とし、ある程度の柔軟性を見せるようになっている。
- 第一部ではアルツトの民の暗躍に気づいていなかったが、第二部開始時点では彼らが何かを企んでいることを察し、長年のタブーとされてきたアルツトの民との接触を決意する。
- エルド・ムーン
- サラサとラサラ姉妹の父で、先代の光族の長。よそ者であるカレルを、「外の世界を知ったうえでムーン・ムーンの暮らしを肯定している人」が必要だとして迎え入れている。クレトと同じはやり病を患うが、掟にそむいて近代医療処置を受けることを拒み、死亡する。
- リナート・リヒト
- ムーン・ムーンの文化遺産を守るリヒト家の長男で、「戦士隊」の長。機械文明を否定する立場でありながら、機械の知識を有する罪人であるアルツトの民と密かに交流している。リュースからは、アルツトの民の長と同じ名前である「レイメル」とも呼ばれている。
- シナリオを担当した福井によれば、最初はそのように見えないように描かれているものの、本作のサブ主人公という立ち位置にいる登場人物であるとされる[4]。
- 元々はアルツトの民たちの子として生まれたが、生まれてまもなくレイメルと入れ替えられた経歴を持つ。
- アルフォンソ・リヒト
- リナートの父で、戦士隊の先代の長。アルツトの民との交渉役という自家の役割を疎ましく思っている。
- ニルダ・リヒト
- リナートの母。アルツトの民のひとりであるレイメルを、息子と同じ「リナート」という名で呼ぶ。
- ルグス
- 戦士隊の兵たちを束ねる士長。
- レイメル
- コロニー地下の「子捨ての森」と呼ばれる場所に幽閉されている、アルツトの民の長。ニルダからは「リナート」と呼ばれ、レイメル自身もニルダを母と呼ぶ。
- 元々はニルダの子だったが、生まれつき目を患い弱視という障碍を抱えていたため、リヒト家の後継ぎとしては失格の烙印を押され、ニルダの意に反してリナートと入れ替えられた経歴を持つ。
ネオ・ジオン軍
本作の舞台は、『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』の時代にハマーン・カーンに率いられたネオ・ジオン(アクシズ)が残党化する一方、『逆襲のシャア』でシャア・アズナブルに率いられた新生ネオ・ジオンが決起する前の時代であり、両者は同じネオ・ジオンでありながらも派閥争いを繰り広げる関係にある[18]。福井は、一大勢力だったハマーン時代のMSがシャアの反乱時にまったく登場していないことについて、現実には制作上の都合があったのだろうとしつつも、作中の世界では何らかの因果関係があったという理由付けが可能であり、本作ではそうした整合性にも踏み込んでいくとしている[18]。
アタラント3のクルー
アクシズ内では不良品や落ちこぼれの寄せ集め部隊と揶揄され[19]、慢性的な練度の低さに悩まされている。それゆえに内通者をあざむくことができるとされ[20]、ミネバを疎んじる派閥からは機密保持のための捨て石にしても惜しくないという理由から[21]、ミネバを運ぶ「隠れ蓑」として起用される[22]。
- ミネバ・ラオ・ザビ
- 声 - 宮下早紀
- 旧ジオン公国を支配していた一族「ザビ家」の生き残り。「ガンダムシリーズ」第1作である『機動戦士ガンダム』で乳児として登場し、『機動戦士Ζガンダム』以降の作品で本格的に登場。『機動戦士ガンダムΖΖ』では本物に瓜二つの影武者がミネバとして登場する。本作に登場するミネバがどちらなのかは明かされていないが、影武者であることがリセやシャアの発言から示唆されている。
- 本作では偽装貨物船「アタラント3」での逃亡生活を送っているが、ロンド・ベルとの戦闘に巻き込まれたことをきっかけにムーン・ムーンに寄港し、ユッタと知り合う。
- 心からの笑顔を見せることがなく[23]、サラサからは、自分の言葉で語ろうとしない人物として不信感を抱かれる[24]。シナリオを担当した福井によれば、ユッタは読者にも伏せられている彼女の秘密に気がついているとされ[4]、ミネバについて何か言いかけて言い淀む場面が繰り返されている[25]。ユッタと精神感応した際には、どこらか来たのかを問われて火星を指し示している[26]。
- リセ・ジェナロ
- アタラント3の女性艦長。階級は少佐。コア3撤退戦の折に、当時の上司だったリュースの命令に逆らってコア3に引き返し、自分に同調した多数の将兵の犠牲を払いながらも残された子供たちを救い出した経歴があり、その子供たちとクルーから「オフクロさん」という愛称で呼ばれている。現在はミネバやシャアなど特定のシンパに所属することはなく中立の立場を保っており、今回のミネバの護衛も単に任務の一つとしてとらえているが、リュース一派の暗躍を強く警戒している。
- 軍人として任務に忠実であろうとするが、ラー・ギルスの占拠作戦が失敗した際、リュースが連邦軍クルーだけでなく自分たちまでも抹殺する気であることを知った際は、人質にしていた連邦軍クルーを解放するなど、非常時には柔軟な対応も取れる人物である。
- アゴス・ラガート
- 声 - 畠中祐
- 強化人間処置を受けた青年パイロット。階級は少尉。搭乗機はバルギル。素直で人当たりのいい性格。人工ニュータイプらしい感受性の持ち主で、パイロットとしての技量はきわめて高いが[10]、過去に受けた特殊な強化人間処置(後述)の副作用によりサイコミュへの適性が低く[27]、物語冒頭でバルギルのサイコミュを稼動させることに失敗したことから、同僚たちからは半人前あつかいされている。多くのコロニーや人々を犠牲にした過去のジオンの行為については、「スペースノイドの信用を失った愚行」「ミネバが造る新たなジオンでは絶対にやってはいけないこと」として否定している。
- 偶然救助したユッタにミネバの捜索を手伝ってもらったことで交流をもち、負傷した自身に代わってバルギル(ムーンガンダム)をユッタに託す。
- 普段は強化人間特有の精神の不安定さを見せることがなく[4][28]、親しみやすく感情移入しやすい、強化人間らしからぬ人柄の人物として描かれている[4]。しかしシナリオを担当した福井いわく、実は劇中において最大の二面性を持つ登場人物であるとされ、悲劇的な展開により物語の途中で様変わりを迎えることが予告されていた[4]。
- 内通者(ないつうしゃ) / 提報者(ていほうしゃ)
- アタラント3に潜入している内通者。ネオ・ジオン側では内通者、地球連邦側では提報者と呼ばれる。 第1巻から第8巻までは、この人物が登場人物のうちの誰であるのかを読者に伏せたまま物語が進行する。
- 地球連邦軍にアタラント3の移動先や内情を次々とリークし、内部から妨害活動を行うが、アタラント3側は内通者の存在を確信しつつも正体を掴みかねている。サフィラが捕虜となった際には逃亡を手助けしているが、地球連邦側もまた提報者の目的を掴みかねており、接触したサフィラからは自分たちの味方ではないという印象を持たれている[29]。
- その正体は、外科手術によってアゴスの脳へと植え付けられた裏の人格。本人の意志に関わらず必要に応じて裏の人格へと切り替わり、表の人格に自分自身が内通者であることを自覚させることなく、与えられた目的を遂行する[27]。表の人格が喪失している過去の記憶を保持してる一方、感情を喪失しており[27]、表出時には無表情になる。元々はアゴスが少年の頃、戦災での悲惨な体験から逃れるために志願して処置を受けたものだが、表の人格はそのことを覚えていない[27]。
- オルボ・マルシェフ
- MS部隊「チームデルタ」の隊長。搭乗機はアルス・ジャジャ。
- アンスガル・ゴロン、クラース・バッケル
- 「チームデルタ」に所属するパイロットたち。搭乗機はガズアル・グラウ(アンスガル)とガズエル・グラウ(クラース) 。
- クラースは地球降下前のラー・ギルスに再潜入し、アゴスと共にミネバを奪還しようとしている最中、内通者の人格に切り替わったアゴスにより、アッグジンのクローで握り潰され死亡する。
- エッべ
- アタラント3の副長。
過激派(ザビ派)メンバー
- リュース・クランゲル
- 声 - 坂本真綾
- 過激派を率いる少佐。搭乗機はダグ・ドール。少女のような容姿の[30]幼い少年だが、本性は無邪気で無慈悲なサイコパス[4]。ネオ・ジオン内ではコア3の撤退戦(『ΖΖ』最終話)で活躍した人物として知られる[31]。グレミー・トトの生家であるトト家と並ぶ名家クランゲル家の出身で[32]、自らの素性を「ジオンを継ぐために生まれてきた」[33]「造られた人間」であると語り[34]、家系に縛られるジオンを「旧公国由来の貴族ごっこ」と蔑みつつ、シャアに対抗できる「大衆受けのよいブランド」を欲している[33]。
- ムーンガンダムに敗れ宇宙を漂流していた部下のガットを、無様と評して処刑する。その後みずからムーン・ムーンに潜入して暗躍し、初対面のユッタに親しげに話しかけながら扇動し、戦士隊に監視されていたムーンガンダムを奪取させる。一方、ユッタからは、リュースの言うことは最初から嘘ばかりであることを見抜かれており[35]、一時的な共闘の後にユッタと決別する。
- ソロン
- リュースを警護する第一世代型ハロベースのペットロボット。自分の名前である「ソロン」を口癖としており[36]、改造前と同様に愛嬌もあるが、リュースの命令で人を殺傷するなど残酷な面もある。顔のツインアイはさまざまな映像や記号表示を映し出す大型円形モニターに変更され、情報伝達および通信機能が向上している[36]。腕部を収納する上部左右のカバーは猫耳のような三角形状となり、腕部自体も手のひらにスタンガンを内蔵した3本指の多関節ラバーアームに変更されている[36]。口のカバー内にはベアリング弾を射出するガス銃や移動用のスラスター、医療キットや食料を収納するサイドポケットが設けられている[36]。
- デザインを担当した形部一平は、リュースの小悪魔的なキャラクターを強調するために「魔法使いの使い魔的、なんだか魅力的で傍に置きたいんだけど寝首をかかれそうな緊張感が常にある感じ」というイメージを目指したと語っている[36]。
- シュランゲ隊
- 隊長のガット大尉(声 - 勝沼紀義)、部下のレフィ中尉(声 - 奈良徹)とマース中尉(声 - 岡井カツノリ)で構成される部隊。搭乗機はメドゥッサ。リュースに忠誠を誓い、決起を望んでいる[21]。不慮の事態でムーン・ムーンにミネバの存在をさらしたアタラント3を見限り、ジェナロの更迭を告げると同時に機密保持のためにロンド・ベルやムーン・ムーンもろとも抹殺しようとする。しかし、ユッタのニュータイプ能力に呼応したムーンガンダムに壊滅させられ、生き残って敗走したガットもリュースによって用済みとして抹殺される。
- イリア・パゾム
- 声 - 津田匠子
- 初出作品は『機動戦士ガンダムΖΖ』。ニュータイプ能力をもつ女性将校。『ΖΖ』本編では最終的に生死不明となっていたが、本作では生存しリュースの部下となる[注釈 4]。
- ダニー、デル、デューン
- 初出作品は『機動戦士ガンダムΖΖ』。第一次ネオ・ジオン抗争にて、MAジャムル・フィンを駆り活躍した「ジャムルの3D」隊のメンバーたち。本作ではイリアと同じく生存し、新たな乗機ギガッザムとともに過激派の一角を担う。
- ブーデイン
- 過激派の母艦である戦艦グワーシャの艦長。
そのほかのネオ・ジオン軍人
- フアン・マハロフ
- ネオ・ジオン補給隊を指揮する少佐。かつてはドーベン・ウルフを駆っていた腕利きのMSパイロットで、リセと共にコア3撤退戦の折に取り残された子供たちを救い出した。その際に負傷して一度退役した身であり、その後は資源衛星パラオの教会で神父をしながら戦災孤児たちの面倒を見ていたが、軍の要請を受け現場復帰する。リセたちアタラント3の主要メンバーとは旧知の仲で、「ファザー」と呼び慕われている。
- アゴスの素性に疑念を抱いており[37]、内通者がアゴスであることと、彼に施された人格植え付けの手法を突き止めるが、内通者としてのアゴスの反撃を受けて負傷。アタラント3のメンバーにアゴスが内通者であることを伝えた後、大気圏に突入中のミネバとアゴスを救うためにアッグジンで飛び出し、ミネバが乗っているアッグジンをムーンガンダムに託す。その後にアゴスの洗脳を解くべく通信を送り「君は悪くない。神の御名において貴方を赦します」と告げた後、アゴスのアッグジンを蹴り飛ばして地球の引力圏から脱出させるが、自身は脱出不能になり機体とともに燃え尽きる。
- シャア・アズナブル
- 初出作品は『機動戦士ガンダム』。過去にジオン公国のエースとして頭角を現し、現在はネオ・ジオン軍総帥の地位にある。地球の南極で自身の専用機・サザビーの試験を行っていたところ、地球に降りてきたムーンガンダムと遭遇。武装解除を拒否し抵抗したユッタを無力化し、基地に拘束する。
- ナナイ・ミゲル
- 初出作品は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。ネオ・ジオンのニュータイプ研究所の所長で、物語開始前となるアタラント3の出航直前に、ミネバの護衛としてアゴスを派遣した人物として言及される[28]。アゴスに特殊な強化人間処置を施した人物であり、内通者の回想では『逆襲のシャア』の登場人物であるギュネイ・ガスと共に登場する[27]。
- ギュネイ・ガス
- 初出作品は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。本作ではシャアやナナイとともに南極でサイコフレームの試験を行っており、サイコプレートが搭載された「サイコバウ」を乗機としている。
地球連邦軍外郭部隊「ロンド・ベル」
- サフィラ・ガードナー
- 声 - 沢城みゆき
- シャア・アズナブル捜索任務のためにラサ司令部からラー・ギルスに派遣された女性中尉。搭乗機はシータプラス、後にリガズィード。
- 普段はひょうひょうとした態度を取っているものの、第一次ネオ・ジオン抗争期に、ネオ・ジオンが実行したダブリンへのコロニー落とし(『ΖΖ』第35 - 36話)で被災した過去があることが示唆されており[38]、内側には復讐心[4]を秘めている。ただし、自分たちの復讐にユッタたちムーン・ムーンの人々を巻き込むことには強い忌避感を示しており、そのような状況に対して強い感情をあらわにすることもある[39]。
- ウバルド・モリーナ
- 声 - 武田幸史
- ラー・ギルスMS隊の隊長。階級は大尉。搭乗機はジムIII・パワード、後に ジェダキャノン〈ジェダブル〉。整備スタッフからは最新鋭機のジェダに乗り換えることを勧められているが、ジムが好きだという理由で長い間固辞していた。一年戦争で家族や恋人を立て続けに失ったことから、ジオンに対する深い憎悪を抱いている[4]。
- ムーン・ムーンでのシュランゲ隊との戦闘で被弾して不時着するが、そこで偶然発見したミネバを拉致してラー・ギルスに連行する。
- ラウロ・バチーク
- ラー・ギルス艦長。捕虜となったミネバの将来を案じている。
- ベルニス
- ラー・ギルスの女性MS整備士。階級は曹長。
- マリ
- ラー・ギルスの女性クルー。階級は少尉。ラー・ギルス占拠事件でネオ・ジオンやムーン・ムーンの住人に同僚や上官を殺害されたため、事情を知らなかったとはいえ彼らの味方をしていたユッタを嫌悪しており、彼にジオン公国が引き起こした戦争犯罪の記録映像を見せ、その系譜であるネオ・ジオンが悪であることを訴える。このことはユッタとミネバの間に一時的な亀裂を生むこととなり、コロニー落としの当事者であるサフィラから「見境なく自分の正義を振りかざす」行為であるとして非難されている[40]。
- ムーリ・ヤンネ
- ラー・ギルスMS隊の隊員。乗機であるジェダの肩に、自分の名前を漢字に当てはめた「無裡」のマーキングを施している。
- エルミ
- ラー・ギルスMS隊の隊員である女性パイロット。
- アムロ・レイ
- 声 - 古谷徹
- 『機動戦士ガンダム』の主人公で、以降の宇宙世紀作品にも主要人物や主人公として登場。一年戦争時にガンダムのパイロットとして多大な戦果を挙げたニュータイプの青年。
- 本作冒頭では乗機のリック・ディジェとともに登場し、ティターンズ残党のG-ドアーズを苦戦しつつ撃破する[注釈 5]。第二部においてはリック・ディジェ改に搭乗し、ネオ・ジオンに占拠されたラー・ギルスの元に駆けつけ、ユッタとともに毒ガスのボンベを排除し、リュースが人質に取ったミネバの奪還に協力する。その後、ユッタにMSの操縦訓練を施す他、自らの取るべき道に悩むユッタに助言を与えた。また、ラー・ギルスを退避させた際のムーンガンダムの働きを見て、後にνガンダムに搭載される「フィン・ファンネル」の着想を得る。
- ブライト・ノア
- 初出作品は『機動戦士ガンダム』で、アムロと同じく以降の宇宙世紀作品にも登場。一年戦争時の「ホワイトベース」を初めとする歴代のガンダム搭載艦の艦長を務めた人物で、本作以降の年代の作品ではロンド・ベル司令兼旗艦ラー・カイラム艦長。
- 『機動戦士ガンダムΖΖ』にて、アーガマ艦長としてムーン・ムーンに寄港した経験があるが、その記録は極秘扱いとなっている。本作ではサフィラのシャア追跡という目的に協力し、自身の記憶にある限りのムーン・ムーンの情報を提供する。
ルオ商会
『機動戦士Ζガンダム』に登場した組織。
- ルオ・ウーミン
- ルオ商会会長で、ミシェルの義父。
- ステファニー・ルオ
- 初出作品は『機動戦士Ζガンダム』。ルオ商会の社長。
- ミシェル・ルオ
- 初出作品は『機動戦士ガンダムNT』。ルオ・ウーミンの次女(養子)。
- ブリック・テクラート
- 初出作品は『機動戦士ガンダムNT』。ルオの指示で長年ミシェルの秘書を務める青年。
注釈
- ^ 表記ゆれがあり、『ガンダムエース』での連載開始当初やタイトルロゴでは『機動戦士MOONガンダム』の表記が用いられている[1]が、同誌の目次ページ、『ComicWalker』連載時や単行本では『機動戦士ムーンガンダム』の表記が用いられている[2][3]。
- ^ 同時期を描いた漫画作品に、『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』、『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』などがあるが、これらとは設定に整合性がとられていない
- ^ 『U.C.ENGAGE』内ではナレーションも兼任。
- ^ 漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』では中佐に昇進しているが、本作における階級は大尉である
- ^ 漫画『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』では、地球圏に居るのはアムロの影武者という設定だが、本作ではアムロ本人が登場する。
出典
- ^ a b 福井晴敏氏による新たなガンダムサーガ始動!「機動戦士MOONガンダム」ガンダムエースで連載開始! | GUNDAM.INFO
- ^ 「機動戦士MOONガンダム」作品情報|ガンダムエース
- ^ 機動戦士ムーンガンダム 無料漫画詳細 - 無料コミック ComicWalker
- ^ a b c d e f g h i j k l m 「機動戦士ムーンガンダム第4巻発売記念 福井晴敏氏インタビュー」『月刊ガンダムエース』、KADOKAWA、2019年12月、28-33頁、JAN 4910124011294。
- ^ 第1巻, pp. 284, 福井晴敏インタビュー.
- ^ a b 『月刊ガンダムエース』、KADOKAWA、2017年11月、34-36頁、JAN 4910124011171。
- ^ a b 第1巻, p. 286, 福井晴敏インタビュー.
- ^ 第1巻, p. 288, 福井晴敏インタビュー.
- ^ 第3巻, p. 207, 虎哉孝征&形部一平 ダブルインタビュー.
- ^ a b c 「祝・映像化 機動戦士ムーンガンダム 初アニメ化座談会」『月刊ガンダムエース』、KADOKAWA、2022年4月、26-31頁、JAN 4910124010426。
- ^ a b 第3巻, p. 99, episode15.
- ^ 第3巻, p. 100, episode15.
- ^ a b 「ムーンガンダム メカニカルワークス Vol.13 G-ドアーズ」『月刊ガンダムエース』、KADOKAWA、2019年1月、112-113頁、JAN 4910124010198。
- ^ 第1巻, pp. 17–18, episode01.
- ^ 第7巻, p. 201, episode37.
- ^ 『月刊ガンダムエース』2022年12月号、「機動戦士ムーンガンダム」Episode52。
- ^ “『機動戦士ムーンガンダム』映像化&声優陣が判明! 『ガンダム U.C. ENGAGE』2/21最新情報まとめ”. 電撃オンライン (KADOKAWA Game Linkage). (2022年2月21日) 2022年2月21日閲覧。
- ^ a b 第1巻, pp. 287–288, 福井晴敏インタビュー.
- ^ 第1巻, p. 92, episode02; 第1巻, p. 188, episode04; 第2巻, pp. 220–221, episode12.
- ^ 第1巻, p. 188, episode04.
- ^ a b 第2巻, p. 237, episode12.
- ^ 第1巻, p. 188, episode04; 第2巻, pp. 220–221, episode12.
- ^ 第2巻, p. 98, episode09.
- ^ 第2巻, p. 74, episode08.
- ^ 第4巻, p. 100, episode20; 第6巻, p. 12, episode28; 第7巻, p. 190, episode42.
- ^ 第2巻, p. 134, episode09.
- ^ a b c d e 『月刊ガンダムエース』2022年3月号、「機動戦士ムーンガンダム」Episode46。
- ^ a b 第8巻, pp. 86–87, episode39.
- ^ 『月刊ガンダムエース』2021年12月号、「機動戦士ムーンガンダム」Episode43。
- ^ 第3巻, p. 157, episode21.
- ^ 「機動戦士ムーンガンダム Episode23」『月刊ガンダムエース』、KADOKAWA、2019年12月、46頁、JAN 4910124011294。
- ^ 第8巻, episode39.
- ^ a b 第5巻, episode27.
- ^ 第6巻, episode32.
- ^ 第6巻, episode28.
- ^ a b c d e 「ムーンガンダム メカニカルワークス Vol.17」『月刊ガンダムエース』、KADOKAWA、2019年8月、128-129頁、JAN 4910124010891。
- ^ 第8巻, pp. 85–87, 213–215, episode39,42.
- ^ 第2巻, p. 228, episode12; 第4巻, p. 147, episode21.
- ^ 第2巻, pp. 226–229, 242, episode12.
- ^ 第8巻, p. 115, episode40.
- ^ a b c d e 『月刊ガンダムエース』、KADOKAWA、2018年6月、80-81頁、JAN 4910124010686。
- ^ 「ムーンガンダム メカニカルワークス Vol.16」『月刊ガンダムエース』、KADOKAWA、2019年7月、32-33頁、JAN 4910124010792。
- ^ 『月刊ガンダムエース』2022年8月号、KADOKAWA、204-205頁、JAN 4910124011270。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (1) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2019年1月6日閲覧。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (2) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2019年1月6日閲覧。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (3) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2019年3月26日閲覧。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (4) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2019年10月27日閲覧。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (5) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2020年3月26日閲覧。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (6) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2020年10月26日閲覧。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (7) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2021年3月26日閲覧。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (8) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2021年10月26日閲覧。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (9) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2022年3月26日閲覧。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (10) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (11) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2023年3月25日閲覧。
- ^ “機動戦士ムーンガンダム (12) 福井 晴敏:コミック”. KADOKAWA. 2023年12月26日閲覧。
- ^ “『機動戦士ムーンガンダム』の映像化が決定!『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』プロジェクト発表会情報まとめ”. ファミ通App. 2021年11月22日閲覧。
- 機動戦士ムーンガンダムのページへのリンク