カーボンフットプリント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/08 13:33 UTC 版)
各国のカーボンフットプリント表示状況
イギリス
- イギリス政府が推進する中でThe Carbon Trustが英国規格協会と共同でPAS2050という規格を創設し、複数の企業で実証実験を開始。2007年3月から、Walkers Crispsがポテトチップス、innocent Drinksがスムージー(ジュース状にすりつぶした果物飲料)、Boots Groupがシャンプーに表示するなどして、世界初とされるカーボンフットプリントのラベル表示を3社から開始。これ以降Danone Waters UK、Coca-Colaなども参加、小売業のTescoは自社店舗で販売する数十品目について表示するなど、合計20社が70以上の品目で表示している(2008年8月現在)[9][11]。
フランス
- スーパーのE.Leclercは、2008年4月から半年間、一部の商品で商品棚やレシートにカーボンフットプリントの表示を実施[12]。
- また同じくスーパーのCasinoは2007年からカーボンフットプリントの算定を開始、現在約3,000品目が対象。ラベルとしての表示は現在検討中[9]。
スイス
- スーパーのMigrosは、同種の商品群の中で排出量を比較し、最も少ない商品に"Climate Champion"のロゴを添付するプロジェクトを開始。算定などはISO 14040に準拠し、民間機関と公的機関の2者が行っている[9]。
- 検査機関のSGSは、商品の排出削減率をマークで5段階表示する事業を開始。GHGプロトコル、ISO 14064(ISO 14064-1~3)などに準拠[9]。
ドイツ
- 小売業、化学製品など9社が参加してカーボンフットプリントの算定を開始。公的機関、民間機関など4者が算定を行う。算定基準、ラベル表示の有無などは検討中[9]。
日本
現在、日本の製品向けカーボンフットプリント(Carbon Footprint of Products, CFP)は「CFP」を通称として用いている。
- 2008年6月、「カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会」を経済産業省が設置し、初会合を開催。算定、表示方法などを2009年2月頃までに固める計画。日本でのラベル表示の統一マークの検討を開始[13][14][15]。
- 2008年7月、農林水産省が農林水産物についてもカーボンフットプリントの検討を開始[16]。
- 2008年6月19日、サッポロビールは世界で初めてビール缶にカーボンフットプリントを表示すると発表。2009年から行う計画のうち2月から札幌市で試験販売を開始。350ミリ・リットル入りに「CO2 295グラム」と表示されている[17][18]
- 2008年11月 - 12月のエコプロダクツ2008出展の際に用いられる、試行段階のカーボンフットプリント統一マークを決定、公表[19]。
- 2008年12月 - ビッグサイトにてエコプロダクツ2008開催。
- 2009年3月 - 経済産業省が制度の在り方及びPCR(商品別算定基準;Product Category Rule)の策定基準を発表[20]。
- 2009年5月 - 経済産業省が3月発表の基準による「カーボンフットプリント制度試行事業」を開始した[21]。
- 2009年10月 - イオンは5月に始まった事業でPCRに従う算定とそれに従う3品目の商品での表示許諾を得た最初となった[22]。
- 2011年 - 経済産業省の「カーボンフットプリント制度試行事業」が終了[23]。
- 2012年4月 - 経済産業省の「カーボンフットプリント制度試行事業」を社団法人産業環境管理協会が引き継ぎ、CFPプログラムとして運用開始[24]。
- 2012年8月 - 経済産業省が「製品のカーボン・ニュートラル制度」試行事業研究会をスタート[25]。
- 2012年11月 - 経済産業省が「製品のカーボン・ニュートラル制度」試行事業研究会の検討結果に基づき、「製品のカーボン・ニュートラル制度」試行事業をスタート[26]。
- 2013年9月 - 経済産業省が「製品のカーボン・ニュートラル制度」試行事業研究会の検討結果を引き継ぎつつ、「CFPを活用したカーボン・オフセット製品等」試行事業研究会をスタート[27]。
- ^ G.Hammond, Nature, 445(256),2007. [1]
- ^ 5-1 家庭からの二酸化炭素排出量(世帯当たり、燃料種別、用途別-2006年) JCCCA。
- ^ Walkers carbon footprint Walkers Snacks Ltd
- ^ resource-efficient business innocent drinks
- ^ PAS 2050を用いた二酸化炭素量の算出 IRCA
- ^ LCA日本フォーラムニュース No.46 日本LCA学会、2008年9月1日。
- ^ 商品のCO2排出量を“見える化”する 「カーボンフットプリント」とは? 呉琢磨、R25、2008年8月22日。
- ^ a b c カーボンフットプリント制度のあり方に関する論点と考え方 経済産業省、2008年8月4日。
- ^ a b c d e f 「見える化」の海外事例(概要版) 環境省、温室効果ガス「見える化」推進戦略会議(第2回)、2008年8月。
- ^ 「カーボンフットプリント制度」は何のため?小林珠江、nikkeiBP、2009年7月21日。
- ^ 安全科学研究部門で期待されるLCAとは何か 稲葉敦、産業技術総合研究所、2008年9月。
- ^ 「見える化」の国内外の事例 環境省、温室効果ガス「見える化」推進戦略会議(第3回)、2008年9月。
- ^ 経産省が研究会設置 ISO化にも対応 エコプロ展で表示へ 環境新聞
- ^ カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会経済産業省
- ^ “カーボンフットプリント・統一マークの公募要領”. みずほ情報総研 (2008年7月29日). 2008年11月4日閲覧。
- ^ 配付資料一覧(第4回) 農林水産省、2008年7月23日
- ^ “ビールでは世界初2009年から黒ラベル缶で順次全国展開”. サッポロビール (2008年6月19日). 2008年10月12日閲覧。
- ^ “ビール缶に排出量表示”. 読売新聞2009年3月6日13S版37面. 2009年4月7日閲覧。
- ^ カーボンフットプリント・統一マークの決定について 経済産業省、2008年11月14日。
- ^ カーボンフットプリント事業案内産業環境管理協会
- ^ “カーボンフットプリントの制度試行事業を開始 (PDF)”. 経済産業省 (2009年5月29日). 2009年10月14日閲覧。
- ^ “国内初CO2の“見える化”「カーボンフットプリント」 (PDF)”. イオン (企業) (2009年10月13日). 2009年10月14日閲覧。
- ^ “カーボンフットプリント”. 経済産業省 (2012年4月16日). 2013年3月19日閲覧。
- ^ “CFPプログラムについて”. 社団法人産業環境管理協会. 2013年3月19日閲覧。
- ^ “「製品のカーボン・ニュートラル制度」試行事業研究会”. 経済産業省 (2012年12月24日). 2013年3月19日閲覧。
- ^ “「製品のカーボン・ニュートラル制度」試行事業”. 経済産業省 (2012年11月27日). 2013年3月19日閲覧。
- ^ “「CFPを活用したカーボン・オフセット製品等」試行事業研究会(第1回)‐配布資料”. 経済産業省 (2013年9月4日). 2013年3月19日閲覧。
- 1 カーボンフットプリントとは
- 2 カーボンフットプリントの概要
- 3 カーボンフットプリントの算定手法と制度
- 4 カーボンフットプリント表示の効果
- 5 各国のカーボンフットプリント表示状況
- 6 脚注
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