MS忍者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 07:45 UTC 版)
超人的な技量をもつ忍者の動きを再現するために、カスタムされたモビルスーツがMS忍者(モビルにんじゃ)である。一般的に機体と搭乗者の異名は同一であることが多い。 Gの影忍 元はG-3ガンダム。劇中では単にGと呼ばれることが多い。機動力を増すために外装が簡略化され、漆黒と白に塗り分けられている。完全版の表紙では頭部に撃墜マークも見える。 特殊な装備として胸部に心眼センサーを備えている。これはパイロットの集中力の高まりにより「悟(SATORI)」の表示が現れると同時に発動、コクピットに九字が浮かび上がり、全天周モニターになる。百騎夜行では座禅を組んで発動し、敵包囲網を突破して母体への突入を成功させた。またG-3がテストベッドとして施されたマグネット・コーティングは継続して機能しており、一年戦争以後の時代ではもはや枯れた技術となっているが、磁気を帯びた自由関節が容易にその連結を解除することを忍者の技術によって活用し、いかなる拘束からも脱出する事が可能である。 主な武装は腰の後部にマウントしたビームサーベル二本と手裏剣、吹き矢のみで、頭部に内蔵されたバルカン砲を使用する描写はなく、操縦者であるリョウガの会得した数々の忍術を行使する。百騎夜行では金剛宝虚空剣を装備して戦った。また電撃コミックス版の表紙では鎖鎌を装備している。加えて大気圏突入用の耐熱フィルムを光学隠れミノに換装しており、従来通りの大気圏突破の他、偽装やムササビの術による短期間飛行、張扇としての近接武器などに活用する。そして厳密には武装ではないが、一度繰り出せば二度と動けぬ変わりに核融合炉の動力を全て回転力に転じる、コアファイターを武器とした忍法・焔核手裏剣を禁じ手として持つ。 元々はヒュウガが連邦軍から奪取し、デギン・ソド・ザビに献上した機体であったが、末息のガルマを失い、長息であるギレンの独裁により政治への意欲を失いつつあったデギンの許可を得て自機として下賜される。しかしG-3を手に入れようとする他の忍との戦闘の後、アムロ機と誤認したジオン軍艦船の攻撃を受け中破し、ヒュウガは戦死。その後リョウガが改装して受け継いだ。 第一話でア・バオア・クー要塞の設計図を奪取した際に機体が破棄された描写はあるものの、後ほど回収されたと思われ、ベース機であるG-3ガンダムがロールアウトした宇宙世紀0079年から0093年の第二次ネオ・ジオン抗争直前まで、少なくとも14年近くの間、リョウガの操縦技術の卓越さもあり一線級の性能を維持していた。しかし核融合炉の老朽化により限界が近づいており、最終決戦時にリョウガと共に消息を絶つ。 その後、再びリョウガの搭乗機として登場するが、機体の核融合炉の老朽化による限界については語られず、修復を経て再び使用可能な状態になったのか、新たに製造されたレプリカなのか、あるいは作中時系列が第二次ネオ・ジオン抗争以前なのかも含めて、その詳細は不明である。 使用した忍法はミノフスキー隠れの術、隠れ身の術、隔壁がえし、変装の術、大黒落としの術、水蜘蛛の術、変わり身の術、影分身、黒兎馬の術、焔核手裏剣、大気圏突入奥義イズナ落としなど。また『太陽系の秘宝』では読者の決断次第で封を破り、宇宙直列の術を繰り出す。 なお本作が宇宙世紀史実の裏で繰り広げられた物語である以上、G-3ガンダムがMS忍者として運用された事実は存在しないが、『マスターグレード RX-78-3 G-3ガンダム ver.2.0』の解説書では巷間に流布した風説の一つとして「特殊な諜報任務に特化され、高度なステルス機能を有するに至った」という、Gの影忍と思わしき機体への言及がなされている。また『ガンダムトライエイジ G-3ガンダム』のカードテキストでは民間ジャーナリストの証言として、様々な情報が噂されるばかりで正式な記録が残されていない歴史の影に隠れたガンダムである事を指して「ニンジャみたいだよな、東洋のさ」と評されている。 忍者ザク ベースはザクIIだが、どの形式か不明。頭部がザクIIである以外には、両肩にアーマー装備、バックパックの大型化、太ももの大型化、すね下の小型化など、全身がかなりカスタムされている。胸部に甲・乙・丙のマーキングがあり、それぞれスザク・サジリ・ワキが駆る。主な武装はヒートサーベル。「地と見せかけて天が襲う、天をかわせど人が斬る」という天地人三身一体の陣でGの影忍を苦しめた。 ヒョウガと行動をともにしていたMS忍者の中にもザクをベースにしたものがいるが、こちらは詳細不明。 不死身のクグツ 手足が細く、両手がバルカンになっているグフを用いてGを追ったMS忍者。異名通りに斬られても平然と動き回り、Gを苦しめた。正体は山伏型宇宙用ゾックであり、ワイヤーを介してグフの傀儡を操っていた。からくりを看破されると一刀のもとに斬り伏せられた。 死念坊、苦念坊のドム(通称コムソードム) 怨鬼堂の配下である、虚無僧型リック・ドム。頭部に三度笠型レドームを持ち、腕部には袖に見立てたミサイルランチャー状の装備を持つ。双方ともGにやられるが、Gは死念坊の姿に化け怨鬼堂の本拠地に潜入した。しかし死念坊が左利きであった事を知らなかったため変装を見抜かれてしまう。 タロウザのキュベレイ(通称カブキュベレイ) 全身に隈取りをし、頭部に毛髪を備えたキュベレイ。その姿は歌舞伎をモチーフにしている。扇子型のビットを操り、扇子の上で独楽まで回してみせた。肘から先を射出可能で、太陽表面での死闘でGを苦しめたが、最後はGに仕掛けられた時限爆弾を取り除き果てる。太陽表面では水蜘蛛を用い、沈まないようにしていた。 バウ=ドラゴ 元はバウ。ただし、龍を模した頭部は後頭部に全長と同じ程の作動肢を持ち、装甲はかなり軽量化されているので一見そうとは見えない。肘から下を排除する事で内蔵のビームサーベルを起動させ、後頭部の作動肢から無数の刃が出て敵を切り裂くなど全身が武器。コウリュウ専用の機体で、未確認生命体との戦闘により大破。デザインはいづなよしつね。 α・アジール(アシュラ・アジール) 自由の女神に偽装されていた、三面六腕のα・アジール。男女三人からなる、忍群「百騎夜行」のリーダーが駆り、全軍を指揮した。Gに金剛宝虚空剣を手渡した機体。 メザル、ミミザル、ハナザル 百騎夜行に参加した三人組のMS忍者。それぞれカメラ、アンテナ、センサーを改造したジムを操るが、敵母体に突入した際に幻覚攻撃を受け、同士討ちの末に全滅した。 ハンブラビ+(ハンブラビプラス) コウリュウの仲間として登場した十文字という名の忍者の駆るMS忍者。ハンブラビを元にカスタムされ、頭部は巨大な十文字手裏剣として用いる。デザインは来留間慎一。 ハウンド・フォックス コウリュウの仲間として登場した九尾という名の忍者の駆るMS忍者。元はバウンド・ドックで、九尾の狐に似た姿で機体後部に9基の有線サイコミュを備える。デザインは来留間慎一。 ジ・オ=ノフジ ジ・オを元にしたMS忍者。弓取り式を行なう関取をイメージした外見で、背中に弓を背負っている。デザインはまぁくII。 ガザ・H(ハンニャ) ガザDをもとにしたMS忍者。モビルアーマーモードで般若の面となる。デザインは来留間慎一。 風神、雷神 パラス・アテネを元にしたMS忍者。風神はミノフスキー風を、雷神は核融合炉のプラズマを放射する。良く似た人のパイロットが駆り、連携攻撃で敵を殲滅する。バイオ・ガンダムに捕獲され、自爆技で散った。デザインは来留間慎一。 メタル・グフ グフを元にしたMS忍者。全身に棘を生やし、頭部からは火炎放射が可能だとされる。敵母体内部で大破したバウ=ドラゴを救出した。デザインは菊池通隆。 ハオリ兄弟 おろち忍軍マエノテ、ウシロテの兄弟が操るMS忍者。一見してドム型に見えるが、実態はザクの上にアッシマーを合体させた二身一体機。アッグ・カイトの前に敗れる。 ハンニャ・ケンプ おろち忍軍の頭領が操るMS忍者。アッグ・カイトの襲撃を受けて石化しかかったところを、Gの影忍に救われ、彼に後を託す。 アッグ・カイト 限界集落コロニー大菩薩谷に潜むMS忍者。アッグガイを原型としているが頭部が飛行型ドローンとなっており、ステルスでの遠隔偵察を得意とする。複眼は連続ストロボで光を放ち、高速で光触媒の硬化を促す。通常は頭部以外は活動しない。 ズゴーゴン 水中用のズゴックを改造したMS忍者。限界集落コロニー大菩薩谷に潜む集団の頭領であり、下半身は全長不明のヘビ型に改造され、頭部のミサイル射出孔にはヘビ型のサイコミュ端末を搭載している。コロニー内の空気に充満させた石化ガスを、サイコミュ端末のストロボによる光触媒で硬化加速させる忍法・妖奇士即身仏を繰り出す。その忍法の秘密を守るためGの影忍と戦うが、心眼センサーの発動によって閃光を克服したリョウガの影分身によって敗れる。 ソン・ゴッグ 斉天大聖組の一人、サスケが操るMS忍者。脚部を腕部と共通の構造にすることで、高い機動性を獲得している。設定画には同様の尻尾も存在しているが、本編登場時には描かれなかった。 チョ・アッガイ 斉天大聖組の一人、コウビの操るMS忍者。怪力と嗅覚を得意とし、地中の敵を発見する事も可能。三位一体で真価を発揮するというが、単独でヨウメイに協力し、忍法・黒兎馬の術の前に敗れる。しかし生存しており、斉天大聖組として再登場した。 サゴ・ジオ 斉天大聖組の一人、スイムが操るMS忍者。ジオを原型としている以外の詳細は不明。 卍バーザム 背中に巨大な卍手裏剣を装備したMS忍者。威力のほどは疑問であるとされる。忍法・黒兎馬の術の前に敗れる。 ドーマン・ゾゴック 陰陽師ヨウメイの操るMS忍者。忍法とは異なる陰陽術を操り、両手に仕込まれたビーム砲、護符を折り鶴型にした式神ビットを放ってGの影忍を追い詰める。しかしその陰陽術に対する慢心が仇となり、未知の忍法・黒兎馬の術によって敗れる。 アルゾック 隠流のセンリが操るMS忍者。全身に無数のモノアイを搭載した偵察型の機体で、手足を分離することで無人機ジムシとして遠方の偵察を行う事ができる。 ゴスンハンマ 別名をネイルハンマ。牙の一族のサイガが操るMS忍者。市街戦を得意とし、あらゆる防御を無視して敵を撃破する丑の刻参りによる呪殺を得意とする。その戦術故に搭乗者も短命に終わるとされるが、パイロット絶命後も自動人形と化して行動を続けた。 ハウンドウェブ 土蜘蛛衆の毒太夫カラメが操るMS忍者。バウンド・ドックを原型にした蜘蛛型のMAであり、ミノフスキー粒子を練り込んだ、強固な粘性と電離化であらゆる通常兵器を無効化する繊維を噴出、これを用いて相手を絡め取り、あるいは意のままに操る星霜術式・土遁死暮糸を得意とする。機体後部にある噴出孔が弱点のように見えるが、カラメはその点を熟知して上方の死角にも巣を備えている。軌道エレベーターに巣を張り巡らせ、Gを迎え撃った。 魂・ザク 牙の一族の忍びサイガが操る機体。ザクIを原型に稲荷神信仰からか白狐をモチーフとした改造が施されており、両腕部に苦無が仕込まれている他、コクピットの仕様もまったく軍の標準と異なっている。大戦初期はまだ忍者の要求に耐えうるMSが希少であったため、ザクI型のMS忍者は多数出回ったという。 シムガのゲルググ 外道衆頭領たるシムガが操るMS忍者。フルチューンを施し、頭部に鬼の面をつけた銀色のゲルググで、首にはマフラー状の装飾が見られる他、巨大化した両肩アーマーにはビームナギナタを複数本仕込んでおり、シルエットはリゲルグに近い。Gに匹敵するほどの性能を誇り、ビームもりや足ひれなどの追加装備でGに対抗する。
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