アカデミー・コミックス社
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「ロボテック」の記事における「アカデミー・コミックス社」の解説
アカデミー・コミックス(英: Academy comics)社は、1994年から1996年まで「ロボテック」の漫画を販売した。 同社はマリブ社から「ロボテック・シリーズ」のライセンスを入手すると同時に、ウォルトリップ兄弟と、長い間「ロボテック」の漫画のライター(原作・脚本を担当)を務めてきたビル・スパングラー(英: Bill Spangler)を引き入れた。 アカデミー社は、エターニティ社の当時の最新の「ロボテック」漫画シリーズをすべて再発売し、同時に自社独自の新構想をいくつか始めた。 『ロボテック II :センチネルズ』のシリーズ漫画は、エターニティ社が中断した箇所から引き継いで再開し、このときからウォルトリップ兄弟は描画だけでなく物語構成( ネーム )の執筆も手掛けるようになった。 アカデミー社の『ロボテック II :センチネルズ』漫画は好評を博したが、ほかの漫画は文章と実際の描画品質(アートワークス)に調和が欠けることが多かった。 『アフターマス』(戦後余波、英: Aftermath )と『クローン』(英: Clone、のちに『モルデカイ』(ヘブライ語: מָרְדֳּכַי, ラテン文字転写: Mordecai, Mordechai)と改題)は担当のシリーズ構成作家 兼 「漫画アーティスト」(日本の漫画家同様に、下書きとペン入れを双方行える漫画作業者をこう呼ぶ)であるブルース・レーウィス(英: Bruce Lewis) とローゼリク・リッキー(英: Rosearik Rikki)、タビーシャ・ウルフガース(英: Tavisha Wolfgarth)夫妻の退社によって早期に中断した。 1996年10月末、ハーモニーゴールド USA 社はアカデミー社の「ロボテック」漫画作品の出版に対する商標使用許諾(ライセンス)を突然取り消し、新たに唯一の使用許諾権を南極出版社(英: Antarctic Press)に与えた。この突然の商標使用許諾の取り消し理由は、ハーモニーゴールド USA 社からは一切発表されていないが、最も予想され得る取り消し理由として業界関係者は、南極出版社がハーモニーゴールド USA 社に対して「より多くの商標使用料(ライセンス料)を支払うことを申し出た」と判断している[要出典]。 アキッド・レイン・スタジオ(英: Acid Rain Studio)による「ゴシック小説」から題材を採った吸血鬼シリーズなど、他分野の漫画の出版も開始し、経営の多角化による危険分散と安定化を目指していたとはいえ、総売上の過半数を占めていたフラグシップ・シリーズである「ロボテック・シリーズ」の使用許諾ライセンス取り消しの影響は大きく、アカデミー社はその後すぐに(1996年11月)事業を閉じた。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}なお、アカデミー社は1996年11月の愛読者に対する廃業告知にて、第一世代編『マクロス・サーガ』のその後の艦橋オペレーター三人娘を主軸とする漫画シリーズである『ロボテック:電脳騎士団』(サイバー・ナイツ、英: Robotech : Cyber Knights )を、1997年1月に出版開始すると告知したが、すでに他社に専属の使用許諾権利を与えたハーモニーゴールド USA 社との使用許諾権の回復交渉はまったく進展の見込みもなく、同人出版(一覧表の最終段を参照 #Cyber_Knights)以外の頒布経路、つまり一般の漫画書店に同社の1997年以後の新刊本が並ぶことはついになかった。[要出典] 詳細は「Academy Comics」を参照 題名邦訳例解説巻数備考Robotech II: The Sentinels ロボテック II:センチネルズ ジェイソンとジョンのウォルトリップ兄弟によるオリジナル長編漫画シリーズ。第三冊、第9巻から第22巻を完結させ、第四冊第0巻から第13巻時点で、上記理由により中断。続きは、ワイルドストーム社の『シャドウ・クロニクルへの序曲』において、かなり要約されて描かれ、一応当初の構成を完結した。 第三冊 第9巻から第22巻完結。第四冊第0巻から第13巻中断。 Robotech II: Halloween Special ロボテック II:センチネルズ「ハロウィン特別篇」 エターニティ社時代の「豪華水着ショー」(英: Swimsuit Spectacular)と同様の企画意図にもとづくグラビア集。 全1巻 Robotech II: Winter Wonderland Swimsuit Issue ロボテック II:センチネルズ「冬の絶景水着特集号」 エターニティ社時代の「豪華水着ショー」と同様の企画意図にもとづくグラビア集 全1巻 Worlds of Robotech ロボテックの各世界 ヴァリヴェール恒星系のそれぞれの星の異星人(センチネル)たちの各惑星世界でのエピソード。各1巻でひとつの世界を描く。アマゾン世界:「惑星プラクシスからの脱出」(英: Amazon World: Escape From Praxis #1) インビッド世界:「惑星オプテラへの強襲」(英: Invid World: Assault on Optera #1) スミス世界:「惑星カーバラのサボタージュ」(英: Smith World: Sabotage on Karbarra #1) 電脳世界:「ハイドン IV の秘密」(英: Cyber World: " Secrets of Haydon IV" #1) 野生世界:「惑星ガルーダの悪夢」(英: Feral World "Nightmare on Garuda" #1) 水晶世界:「天球の捕囚たち」(英: Crystal World: "Prisoners of Spheris" #1) 全6巻 Return to Macross マクロスへの帰着 SDF-1 マクロス落下以前から進宙式までの過去話。続きが第13巻から第37巻まで描かれ、この長編シリーズはついに完結した。 第13巻から第37巻完結 Robotech: Macross Tempest マクロス暴風雨 「Return to Macross」第25話から第26話までの内容の番外篇。 全1巻 War Of The Believers 戦争の信奉者 エミール・ラング工学博士(英: Dr. Emil Lang)の姉妹、ニーナ・ラング(英: Nina Lang)を主役にした「Return to Macross」のスピンオフ作品。 全1巻 Civil War Stories 統合戦争物語 統合戦争を描く Return to Macross のスピンオフ作品。 全1巻 Robotech Zero"What's Past is Prelude," ロボテック ゼロ過去は未来への前奏曲 1994年の作品であり、『マクロス ゼロ』とは無関係。三次にわたる大戦のあと、2043年に平和を取り戻した地球のある一家で、両親が息子と娘たちに語り聞かせる三世代の物語。ビル・スパングラーとウィリアム・ジャング(英: William Jang)の円熟期の作品で作画水準も高い[要出典]。小説版のジャック・マッキニー(英: Jack McKinney)という共同筆名を持つ、ジェームズ・ルセーノ(英: James Luceno)とブライアン・デイリー(英: Brian Daley)へのインタビューを収録。 全1巻 Invid War: Aftermath インビッド戦争:余波 エターニティ社の物語を引き継ぎ、第7巻から第13巻まで出版した時点で、担当のライターとアーティストの退社によって、多くの謎を残したまま、いわゆる「第1部・完」のかたちで強制的に完結させられた。こちらも大半は独自の新登場人物により物語が展開し、映像との繋がりは薄い。第11巻よりブルース・レーウィス(英: Bruce Lewis)とデイヴ・ランフィアー(英: Dave Lanphear)による、少女漫画風絵柄の、スコット・バーナードを隊長とするメガロード(英: MEGARoad)調査隊の企画が描かれたが、上記の理由で未完に終わった。 全13巻 Thread-bare Heart 擦り切れた心(感情) 上記作品中 第7巻から第9巻まで ローゼリク・リッキー(英: Rosearik Rikki)とタビーシャ・ウルフガース(英: Tavisha Wolfgarth)夫妻により描かれた三部作をグラフィックノベル化したもの。ただし、作画には難がある[要出典]。 全1巻 Hohsq's Story ホスクの物語 Invid War: Aftermath 中の登場人物、元ゼントラーディ兵士ガンツ・ホスク・マルドゥーク(英: GanZ Hohsq Ma'alduk)のスピンオフ作品。「ロボテック・ロマンスシリーズ」と呼ばれる、「ロボテック」版ハーレクイン・ロマンスレーベルを目指し、女性ファン向けにブルース・レーウィスとデイヴ・ランフィアーによる、少女漫画風の絵柄を特色とする。アカデミー社に対する「ロボテック」ライセンス取り消しにより、レーベル・タイトルは本作と後述の3タイトルの合計4作品のみに終わった。 全1巻 Academy Blues 士官学校ブルース リサ・ハイエス、クラウディア・グラント(英: Claudia Grant)や、ブリッジ・オペレーターたちの士官学校時代を描いた話。若き日々のロルフ・エマーソン(英: Rolf Emerson)がキム・ヤング(英: Kim Young)の「恋のお相手役」で登場する。「ロボテック・ロマンスシリーズ」と呼ばれる、「ロボテック」版ハーレクイン・ロマンスレーベルを目指した。 全6巻 第0巻から第5巻 Breaking Point: Cadet Lisa Hayes Special 限界点:士官候補生リサ・ハイエス特別篇 上記作品中、リサ・ハイエスのスピンオフ作品。「ロボテック・ロマンスシリーズ」と呼ばれる、「ロボテック」版ハーレクイン・ロマンスレーベルを目指した。 全1巻 Romance ロマンス 「星々と涙」(英: The Stars and the Tears) 「スカートチェイサーを混ぜた2杯のビール」(英: Two Beers With a Skirt Chaser) 「時代が困難になると、真の勇者が(世直しのために)動きだす」(英: When the Going Gets Tough , the tough get going.) の三篇を収録した「ロボテック・ロマンスシリーズ」と呼ばれる、「ロボテック」版ハーレクイン・ロマンスレーベル。作画に難あり[要出典]。 全1巻 Robotech: Star Runners: Carpenter's Journey 星界よりの使者 ジョン・カーペンター少佐(英: Major John Carpenter)によるサザンクロス軍支援のためのトクガワ級 超時空空母 2番艦 SCV-02 UES ハンニバル(英: Hannibal)の旅路と出来事。 全1巻 Mech angel 機甲天使 人類サイズにマイクロン化した、元ゼントラーディ女性兵士リス・グルアカ(英: Lyss Gruaca)の暗殺者としての「仕事人」稼業。リュック・ベッソン監督の『ニキータ』や、そのアメリカナイズのリメイク版『アサシン』のような「ロボテック」版悪女(バッド・ガール)物語を目指した。機甲天使のタイトル由来は、彼女の自己改造(カスタマイズ)された飛行能力を持つ有翼ハードスーツの形状から。 全4巻 第0巻から第3巻 Clone (Mordecai) クローン(のちに『モルデカイ』に改題) 第0巻から第5巻までの全6巻と『モルデカイ』(ヘブライ語: מָרְדֳּכַי, ラテン文字転写: Mordecai, Mordechai)改題後の2巻の全8巻。不老不死の技術、ザロン(英: XALON)酵素処理の考案と秘密思想結社モルデカイ教団加入信者のみへの上記施術という手法で、ハワード・ヒューズなみの巨万の富を得た医学博士ジル・ボーデル(英: Gilles Vaudell)は、宗教的なカリスマの妻デモント・テリル(英: Demont Terril)とともにインビッド戦争の孤児を引き取り構成員とした。その後、地球統合政府の干渉を避けるために財力にものをいわせて超時空要塞モルデカイ(英: SDF Mordecai)を建造し、信者のみを乗船させ、教義に従いアンドロメダ銀河の目的地を目指して進宙する。 全8巻 第0巻から第6巻/第0巻と第1巻 Youth Inertia 思春期 上記作品中の登場人物一等航宙士 ヴィヴィ・アヴァ(英: Bibi Ava)のスピンオフ作品。巻末に初期スケッチと設定画集と年表が附属し特別編集版の表示があるが、廉価通常版は存在しない。 全1巻 Warriors 戦士たち ブリタイの過去話。 全5巻 第0巻から第4巻 Metal Swarm 鉄塊 ブリタイの番外篇。 全1巻 Destroid (Macross Missions) デストロイド(SDF-1 マクロス護衛任務) SDF-1 マクロス護衛に関わるトマホーク操縦士の佐藤 健伍長ケン・サトウ(英: Corporal Ken Sato)と新入りだが士官学校出のために、いきなり上司として配属されたクリス・ヒラリー少尉(英: Lt. Chris Hillary)間の反発と男女間の友情がテーマ。のちに Destroids から Macross Missions に改題。 全3巻 第0巻から第2巻 Robotech The MovieUntold Story 劇場版ロボテック『語られざる物語』 『メガゾーン23』(パートI)を翻案元とする映画映像の漫画化。 全2巻 The Misfits 不適合者たち 1962年の同名映画 The Misfits (邦題『荒馬と女』)を下敷きにした。諸事情により1話のみでキャンセル。 全1巻 The 1996 Robotech Comic Calendar 1996年版ロボテック漫画カレンダー アカデミー社の作家とアーティストのオールスター出演の全描き下ろしカレンダー。1995年末に発売されたが、ハーモニーゴールド USA 社のライセンス取り消しにともなう廃業により、これがアカデミー社の遺作になった。 全1包 Robotech : Cyber Knights ロボテック:電脳騎士団(サイバー・ナイツ) アカデミー社の1996年11月の愛読者に対する廃業告知にて発表された、第一世代編『マクロス・サーガ』の(その後の)艦橋オペレーター三人娘を主軸とする漫画シリーズ。商標権の使用許諾取り消し直後の企画発表で月刊配本を将来の目標達成と目指して1997年1月の出版を企図したが、すでに他社に専属の使用許諾権利を与えたハーモニーゴールド USA 社との使用許諾権の回復交渉はまったく進展の見込みもなく、ついに一般書店に漫画本が並ぶことはなく、その原稿の一部がファンジン( 漫画同人誌 )として南北米大陸で入手できるのみである。[要出典] 商業誌としては未刊行
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