南極出版社(Antarctic Press)
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「ロボテック」の記事における「南極出版社(Antarctic Press)」の解説
南極出版社(アンタークティック・プレス / Antarctic Press)社は、1997年から1998年までロボテックの漫画を販売した。おもに、「ロボテック・シリーズ」の『マクロス・サーガ』の登場人物による独立したサイドストーリーやスピンオフ作品が企画の主流である。 ほとんどの物語は非常に修正主義的で、みずからの個性に従って行動する確立した登場人物により、テーマは時に大時代的(おおじだいてき)になることさえあった。なお一覧表中、「解説」欄の冒頭、および「巻数」欄に「カラー漫画」と記載のない作品はすべて白黒線画の作品である。 シリーズ構成の完結まで設計されていた物語構成の約 80 % まではアカデミー・コミックス社で出版された『ロボテック II :ザ・センチネルズ』の残りの 約 2 割 の漫画作画を完成させるために「ウォルトリップ兄弟には、もう協力を求めない」と南極出版社(アンタークティック・プレス)社が決定したために、多くのファン[誰?]は同社のロボテックの漫画に批判的である[要出典](この決定の原因については、ウォルトリップ兄弟 と南極出版社(アンタークティック・プレス)社の主力作家だった台湾系アメリカ人のベン・ダン( Ben Dunn) がエターニティ・コミックス社の親会社だったマリブ・コミックス(Malibu Comics)社で働いたときに、彼らのあいだにあった個人的な意見の不一致を原因とする説[要出典]がある)。 特に批判されるのは『ロボテック II :ザ・センチネルズ - ルビコン - 』(Sentinels Rubicon)である[要出典]。これは『ロボテック II :ザ・センチネルズ』の物語構成が結末を迎えたあとの長い年月を取り上げるという名目の作品。全2巻発売されたが、過去の(または次の権利許諾を受けた)「ロボテック」の漫画作品に全く似ていないし、一番売りの作画(アートワークス)は、一般的な読者の審美眼の基準から判断しても、ほとんど理解できない[要出典]。「ルビコン」の第2巻は突然終わり、仕切り直しとして全7巻のシリーズ構成案が発表され、多くのファンはこの決定を称賛した[要出典]。 一般的に「ロボテック・シリーズ」の漫画出版に携わった各社のすべての漫画制作・出版事業のなかで南極出版(アンタクティック・プレス)社の漫画は、最も不人気であったと漫画業界の識者[誰?]からは評価されている[要出典]。 同社の「ロボテック」のライセンスは、わずか一年後の1998年に何の説明もなく突然取り消された。多くのファンは、同社の「ロボテック」の漫画を増やすか、すべてなくすか、どちらかを選ぶなら、「すべてなくすのが良い」と考えている[要出典]。 唯一の例外が「原作『マクロスシリーズ』の『マクロス ゼロ』の物語構成を約5年半ほど先取りした[要出典]」と、南北米大陸のファンダムでいまだに語られる、架空戦記『ルフトヴァッフェ 1946』(Luftwaffe: 1946)で有名な日系アメリカ人漫画家のテッド野村(Ted Nomura)のアートと、Distant Soil(遠き土壌)がベストセラーになったライターおよび新規描き下ろし分キャラクターデザイン担当の女性画家コーリン・ドーラン(Colleen Doran)による 全11巻の長期シリーズ『試作機 001 タイガーキャット』(のちに『試作機 001 派生型』と改題)および、第二世代編(『サザンクロス』編)のその後を描いた全4巻のミニシリーズ『雷轟』である[要出典]。 題名邦訳例解説巻数備考Annual 年鑑 新たな読者とファンを獲得するため、原典三部作の世界からそれぞれ1作品ずつ番外編として独自制作の物語を創作し、まとめたもの。 全1巻 Megastorm 巨大嵐 SDF-1 マクロスの地球帰還への帰路航宙時の番外編。木星付近での戦闘。時代設定はリック・ハンター、リサ・ハイエス、ベン・ディクソン(柿崎速雄)たちがブリタイ・アド級艦隊の捕虜としてゼントラーディ基幹艦隊の総司令官ドルザ(Dolza)のフルブス・バレンツ要塞にて尋問中で不在のあいだの出来事とされているが、テレビシリーズの設定と異なりマックス・スターリングが登場する。この矛盾については、日本の原作者の劇中劇設定発言(より正確な表現はメタフィクション)にもとづき、本作ではブリタイ艦隊の捕虜獲得作戦という「マクロス世界の歴史的事実」に関して、後世の歴史家の一部が主張する「マックスのみが捕獲を免れ帰還し、グローバル艦長に事実報告をした」という異説にもとづいた漫画化のためであると説明している[要出典]。 全3巻 Rolling Thunder 雷轟 全カラー漫画。ダーナ・スターリング(Dana Sterling)の後日談。ゾル人の残存部隊の長ダルメリック・カーン(Dalmeric Khane)は養女であるヒカル・カーン(Hikaru Khane)を作戦指揮官とし、ダーナ・スターリングを第2巻で捕虜にして体内に制御回路チップを埋め込み、服従させたうえで、かつてのゾア・プライム(原作のサイフリート・ヴァイス)と同様に、深紅のバイオロイドに搭乗させる。こうしてダーナは、女性指揮官ヒカルの忠実な下僕となり、バイオロイド部隊の現場指揮官として、かつての部下たちと戦うことになる。なお、旧・第15分隊の隊員たちは従来どおりサザンクロス軍を呼び合うが、組織としては消滅したあとのために、揚陸艇等のステンシル表記は「地球統合陸軍・義勇部隊」(U.N.ARMY Volunteer Corps)となっている。 全4巻全カラー漫画 Prototype 001 Tigercat(initially a back-up story, re-titled as Variants) 試作機 001 タイガーキャット 全カラー漫画。架空戦記『ルフトヴァッフェ 1946』( Luftwaffe: 1946 )で有名な、テッド野村(Ted Nomura)のアートと、Distant Soil(遠き土壌)がベストセラーになったライターおよび新規描き下ろし分キャラクターデザイン担当のコーリン・ドーラン(Colleen Doran)による作品。VF-1 バルキリー以前の従来型ターボファンエンジン搭載の試作機の実戦投入物語。初期には『巨大嵐』(Megastorm)や 『雷轟』(Rolling Thunder)冊子内の 1/3 ほどを使うかたちのバックアップ物語だった。のちに独立した際に『試作機 001 派生型』と改題。ロイ・フォッカー(Roy Fokker)大尉(当時)と後部座席の航法&電子戦士官の リサ・ハイエス(Lisa Hayes)少尉(当時)が主役。従来型ターボファンエンジン搭載のいわゆるガウォーク・ファイター形態の2形態を持つ試作可変戦闘機・YVF-14タイガーキャット(Tigercat)や、そのライバルとなるマクシミリアン・フォッケ(Maximilian Focke)が搭乗する反統合同盟側のロシア製可変戦闘機である YVM-29(МиГ - 29 бис)ラースタチュカ・ビースが登場するが、『マクロス ゼロ』に登場する「VF-0 フェニックス」、反統合同盟側の 「SV-51」とは無関係。なお本作品は、原作者の「メタフィクション(または劇中劇)」発言を逆手に取った二次的連続性作品の別分岐であり、「ブリッジ・バニー」(ヴァネッサ、キム、シャミー)とクローディアは日本版同様生存し、さらには独自設定としてロイ・フォッカーが生存し、ウォルトリップ兄弟の『センチネルズ』漫画では夫婦で提督の役職に就いていたハンター夫妻に代わり、生存しつづけていれば本来就任していたであろう、海軍(宇宙軍)遠征艦隊提督(Fleet Admiral)に就任している。リサ(日本版での早瀬未沙)は改マクロス級 “ SDFN-02 Admiral Lisa Hayes” (「海軍提督(大将)リサ・ハイエス」の意味)艦長として就任し、初恋の相手で許婚者だったカール・ライバー(Karl Liber)が彼女の夫として火星基地に赴任しており、長女サラ(一条未来に相当)まで誕生している。またこの別分岐(パラレルワールド)においては、リック・ハンターはキーロン(カムジン)のマクロス・シティ襲撃のあとにリン・ミンメイと結ばれ軍を退役している。 全7巻+4巻全カラー漫画 Vermillion ヴァーミリオン小隊 マクロス地球帰還時ヴァーミリオン小隊の番外編。 全4巻 Unsung Heroes 報われない英雄 『ヴァーミリオン小隊』の第2巻から第4巻の冊子内の 1/3 ほどを使うかたちのバックアップ物語。インビッド戦争中の報われない、名前すら明らかにされないレジスタンス兵士の物語。全3話。 Vermillion 第2話 - 第4話に同居 Final Fire 最後の発砲 第一次星間大戦決戦「リン・ミンメイ作戦」後の地上戦を生き抜いたVF-1A バルキリーパイロットの回想記。 全1巻 Crystal Dreams 水晶の夢 開発者GameTekが破産したために、1998年の発売前に製作が中止された同名のNINTENDO64用ゲームの漫画化。 全1巻 Wings of Gibraltar ジブラルタルの翼 ベン・ディクソン(Ben Dixon)戦死後のリック・ハンター(Rick Hunter)と マクシミリアン・スターリング(Maximilian Sterlings)による第一次星間大戦中の小惑星帯「ジブラルタル基地」における番外編。 全2巻 Covert operations 秘密作戦 Megastorm の続編。木星衛星タイタン付近での秘密作戦。非公式ながらデザイン関係は『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』準拠の番外編。 全2巻 Class Reunion 同窓会 『ニュー・ジェネレーション』(『モスピーダ』)編の番外編。作画は低調[要出典]。 全1巻 Escape 脱出 人間型インビッドであるコーグ(Corg、バットラー)のスピンオフ物語。現在のところ、唯一のインビッド主役作品。 全1巻 Sentinels: Rubicon センチネルズ:ルビコン 上記南極出版社(Antarctic Press)本解説参照。全2巻で中断し、仕切り直しとして全7巻のシリーズ案が発表されたが、この構想案が出版されることはなかった。 全2巻
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