Robotech II: The Sentinels
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「ロボテック」の記事における「Robotech II: The Sentinels」の解説
『マスターズ』と『ニュー・ジェネレーション』に登場する地球奪還軍(遠征艦隊の派遣「小艦隊」)の生き残りに、リック・ハンター(Rick Hunter)と婚約改姓後のリサ・ハンター(Lisa Hunter)を加えた人々の冒険の続きを描く。このため『マクロス』のキャラクターが『サザンクロス』風の制服で『モスピーダ』のメカに乗るというクロスオーバー的な映像となっている。ただし、作画は典型的な1980年代の輸出用アニメの作画水準であり、原典日本版の各々のテレビシリーズの登場人物の特徴とは、あまり似ていない。 この『ロボテック II: センチネル』(Robotech II: The Sentinels)シリーズは製作が中断している。全65話のテレビシリーズとして構想されたが、制作されたのは最初の3話のみで、これをまとめた長編のパイロット版が残された。 内容は、超時空要塞艦 SDF-3 パイオニア(Pioneer)と乗組員の紹介、新しい外交任務の概要説明である。また劇中もっとも重要な出来事としてシリーズ冒頭のリック・ハンター(Rick Hunter)提督とリサ・ハイエス(Lisa Hayes)提督兼艦隊司令の結婚式が元・ゼントラーディ工場衛星「イコーリィティ」(factory satellite “Equality”)で大々的に開催され、リン・ミンメイも主賓として招かれる。 3作品を組み合わせたシリーズの続編・スピンオフ作品なので、3つのロボテック・サーガの主要な登場人物たちが総出演する。『マクロス・サーガ』からはハンター(Hunter)夫妻(一条輝と早瀬未沙)とスターリング(Sterling)夫妻(マックスとミリア)が、『マスターズ』からはダーナ・スターリング(Dana Sterling)とボウイ・グラント(Bowie Grant、ボウイ・エマーソン)、『ニュー・ジェネレーション』からはジョナサン・ウルフ(Jonathan Wolfe / Wolff)が登場する。 独自の新登場人物として、ジャック・ベイカー(Jack Baker)とカレン・ペン(Karen Penn)はライバル同士の男女の若年士官候補生で、その関係はかつてのリック(Rick)とリサ(Lisa)の関係を思い起こさせる。 ヴィンス・グラント(Vince Grant)はクローディア(Claudia)の弟であり、同時にボウイ・グラント(Bowie Grant)の父。リージェント(Regent、摂政を意味する)はインビッド(Invid)の指揮官で、その姿は日本版テレビシリーズでのインビットと異なり、バトル・ウォーマーを着用せず生身に衣服を纏ったナメクジ類似の進化途中形態である。エミール・ラング工学博士(Dr. Emil Lang、無名の技師長)は『マクロス・サーガ』では単なる脇役だったが、主要な鍵を握る登場人物として登場する。 登場人物だけでなく、メカや異星生物・ヒューマノイドもクロスオーバーで出演し、たとえば冒頭からVF-1 Valkyrieの後継機として、『モスピーダ』のレギオス(VFA-6 Alpha Fighter)、トレッドが(VFB-9 Beta Fighter)として登場、スターリング夫妻がテストパイロットとして試験飛行・航宙を行う場面もあり、日本版風に例えるならば「マックス・ミリア専用レギオス & トレッド」が描かれている。 また、ゾル(Tirolian)のバイオロイド前期 I 型「ノス・ドュール」(Blue Bioroid)と、インビッドのバトル・ウォーマー「グラブ」(ショック・トルーパー / Shock Trooper〈突撃騎兵〉)の交戦など、クロスオーバー作品のゲーム「スーパーロボット大戦シリーズ」のように、日本では違う作品とされているメカどうしが戦う場面もある。インビッド側には原典日本版のシリーズにはない、新たにデザインされた生体メカ「イノガニック」 (Inorganic)も登場する。 このプロジェクトが失敗した理由はいくつかあるが、なかでも玩具のライセンス問題と、円高の影響が大きい。「Robotech Art 3」でのカール・メイセック監督の説明によると、円高と制作パートナーである玩具会社、マテル社のミニカー・ブランド、マッチボックス(Matchbox)社の撤退(同社はのちに倒産)により、このシリーズは打ち切られた。このシリーズを完成させようとする努力はどこかへ行ったが、パイロット版はロボテックテーブルトークRPG出版社パラディウム(Palladium)社からVHSビデオテープの媒体で発売された(現在、ADVフィルム / ADV Films社が販売する「ロボテック」のDVDの一部として入手できる)。その後はジャック・マッキニー(Jack McKinney)の小説と、ジェイソンとジョンのウォルトリップ兄弟(Jason Waltrip, John Waltrip)による漫画版で続きが描かれた。
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