ADVフィルム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/16 03:06 UTC 版)
ADVフィルム(エーティーブイフィルム、ADV Films)は、アメリカ合衆国にかつて存在していたアニメ関係に特化した販売代理店[1]。テキサス州ヒューストンに存在するADヴィジョン社の子会社で[1][2]、アニメ・特撮作品の配給、英語吹替の制作、販売などを行い、北米最大手の会社に数えられ、北アメリカとヨーロッパの両方でアニメを流通させていた[1]。
1992年に映画ファンであるジョン・レッドフォードとマット・グリーンフィールドによって設立され、OVA『魔物ハンター妖子』のビデオシリーズのライセンシーと販売によってスタートした。北アメリカで最初のアニメに関するオールデジタルビデオ(特にD2-VTR規格デジタルビデオテープ)のマスタリングと翻訳をおこなうためのライセンサーとして、すぐに大規模なライブラリーを構築し始め、テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のライセンスによって頂点を迎えた。1996年にはイギリス部門を設立し、『アンドロメダ』のような実写作品およびガメラシリーズのような日本の映画に多角化した。
しかし、2006年以降は競合他社との価格競争や資金調達の逼迫などによって経営状態が悪化の一途を辿ったため、イギリス部門を閉鎖して保有ライセンスの多くを競合のファニメーション・エンタテインメントに委譲した末、2009年9月にはセクション23フィルムに部門ごと売却され[3]、ADVフィルムとしての歴史に幕を閉じた。
脚注
- ^ a b c “日本のアニメを中心とするコンテンツ産業のための米国進出手引き”. 日本貿易振興機構. 2014年5月27日閲覧。
- ^ “米国でさらに人気を集める日本製アニメ”. WIRED.jp. 2014年5月27日閲覧。
- ^ “米国アニメ会社ADV 資産売却で日本アニメから完全撤退”. アニメ!アニメ!ビズ (2009年9月20日). 2014年5月27日閲覧。
外部リンク
ADVフィルム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 14:48 UTC 版)
詳細は「ADVフィルム」を参照 ADVフィルムは、テキサス州ダラスに本拠地を構えるADヴィジョンの中核会社にしてホームビデオ部門でもあり、アニメや国内外の特撮・アクション映画のビデオ販売に力を手に入れている。1996年には、イギリスにADVフィルムの支社が設立され、アンドロメダなどといったアクション・テレビドラマシリーズや日本の映画を海外に販売しだした。ADVが初めてライセンスを取得し、販売した作品は『魔物ハンター妖子』。この企業は北米で初めて完全デジタルビデオマスタリングし、翻訳(D2デジタルビデオテープ使用)したアニメのライセンサーであり、すぐに広大な作品のライブラリを取得した。当初これらの作品は日本語の音声に英語の字幕をつけただけのものだったが、何年かしてADVフィルムは現地の俳優を使って英語版を制作・リリースしだした。ADVは収録機器のそろった制作スタジオのようなものを使い出したが、数年後にはテキサス州のヒューストンとオースティンに本格的な収録スタジオを設け、それぞれSmoke & Mirrors (IS&M)とMonster Islandとなづけられた。2005年初期にMonster Islandのほうは完全に閉鎖され、Smoke & Mirrors (IS&M)はADVスタジオとして知られるようになった。ここ数年ADヴィジョンはテレビゲーム事業における吹き替え業がいくらかうまくいっており、日本の実写アクション映画の吹き替えも手がけるようになった。 ADVフィルムはアニメADVオケーツと呼ばれる、北米にある3000近くのアニメクラブに映画素材やその他宣伝材料を提供する番組を制作した。番組のクオリティをあげるために、クラブには最低10人のメンバーがいなければならず、地元の高校や大学、公立図書館がスポンサーとしてついていなければならなかった。また、会員は自分たちに与えられた内容の調査に参加することが求められた。2007年ADVフィルムはこの番組を中断し、2008年1月18日になって番組に必要な材料が多くて再開のめどが立っていないということを伝えた。それでも、アニメクラブに作品の上映を許可している。
※この「ADVフィルム」の解説は、「ADヴィジョン」の解説の一部です。
「ADVフィルム」を含む「ADヴィジョン」の記事については、「ADヴィジョン」の概要を参照ください。
固有名詞の分類
- ADVフィルムのページへのリンク